銀(シルバー)の買取相場は近年値上がり傾向なのだろうか。銀は、歯科医療、プラズマディスプレイや太陽光電池といった欠かせない製品に使用されている貴重な資源だ。
その影響から銀の買取業者は近年全国的に増え、意外なものが買取対象となることも少なくない。買取対象となる銀製品は、アクセサリーのほか、食器類、トロフィー、銀貨などが挙げられる。本コラムでは、銀の買取業者の紹介とあわせて、買取価格動向を紹介する。銀製品を査定に出そうと検討中の方は、ぜひ参考にしてほしい。
(2023年5月15日更新)
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
買取対象になる銀(シルバー)とは
買取対象になる銀には、アクセサリー用、銀食器、その他に工業用・産業用のスクラップされた銀(シルバー)などがある。
銀(シルバー)の純度による主な種類
名称 | 純度 | 別名 | 特徴 |
---|---|---|---|
銀地金 | 純度100% | インゴット/バー | |
SV1000 | 純度100% | ピュアシルバー | |
SV999 | 純度99.9% | - | 銀99.9%とその他の金属 |
SV958 | 純度95.8% | ブリタニアシルバー | 銀95.8%とその他の金属 |
SV950 | 純度95% | - | 銀95%とその他の金属 |
SV925 | 純度92.5% | 銀92.5%と銅含有のみスターリングシルバー | 銀92.5%とその他の金属 |
SV900 | 純度90% | - | 銀90%とその他の金属 |

銀の純度を定める表示方法は、国際標準規格(ISO 9202)及び日本工業規格(JIS H6309)に準じている。主に5区分Ag999(旧Ag1000)、Ag950、Ag925、Ag900、Ag800に分類され、2012年(平成24年)4月以降に登録された銀は、SV999表記が純度が最も高い銀とされている。
参考サイト:造幣局 貴金属製品の品位区分と証明記号
銀合金の種類を紹介
名称 | 純度 | 別名 | 特徴 |
---|---|---|---|
SV833 | 銀合金 銀83.3%と銅16.7%含む | ダッチシルバー | オランダ発祥 |
SV826 | 銀合金 銀82.6%と銅17.4%含む | ダニッシュシルバー | デンマーク発祥 |
SV800 | 銀合金 銀80%と銅20%含む | ジャーマンシルバー | ドイツの銀食器などに使用 |
SV720 | 銀合金 銀72%と銅28%含む | - | 銀貨や銀ロウに使用 |
SV500 | 銀合金 銀50%と銅50%含む | - | - |
SV250 | 銀合金 銀25%と銅75%含む | シブイチ(四分一) | 日本古来の合金の一つ |

銀合金は、銀の含有率が割合によって変わり価値も様々だ。銀が含まれているものは買取してもらえるが、銀の買取よりもアンティークコインなど製品本体の価値が高く評価されている場合がある。製品本体としての買取価格もあわせて比較検討しよう。
買取不可?銀が含まれない「洋銀」・「ニッケルシルバー」
洋銀やニッケルシルバー(nickel silver)と呼ばれるものは銀(Ag)が含有されていない。またジャーマンシルバー(German Silver)の中でも銀が含まれない場合は、銀買取対象外になるので注意しよう。
洋銀(ようぎん)は、別名洋白(ようはく)、英語表記ニッケルシルバー(nickel silver)、ジャーマンシルバー(German Silver)と呼ばれる。見た目は銀(Ag)のように見えるが、銅の含有率50%以上、その他にニッケル、亜鉛が含有されている合金だ。銀(Ag)は含まれていないが耐久性が優れ、幅広く使われている。
他には錫(すず)製品も、見た目が銀に似ている。銀としての買取は不可になるが、洋銀や錫製品そのものの価値がどの程度あるのか、あきらめず買取先を探してみてほしい。
銀1gあたりの買取価格を比較してみよう
銀(シルバー)の買取相場は金やプラチナよりも低く、買い手側にとって買いやすい特徴がある。アクセサリー加工に向いているSV925など、銀は日常生活においてさまざまな用途があり需要が高い。
買取業者全12社の1gあたりの銀の買取相場を紹介している。ぜひ参考にしてほしい。また買取価格は、2017年8月時点の調査をもとに、2022年9月時点と2022年5月時点の価格動向を紹介している。銀の価格相場は常に変動しているので、目安として参考にしよう。
千代田区の徳力本店
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
59.19円 | 96.25円 | 112.2円 |

徳力本店は1727年の創業以降、金やプラチナでも高い買取相場となっている。銀の買取相場でも高い水準にあるので、高額で査定してくれる買取業者の1つ。
また、日本金地金流通協会(JGMA)の正会員なので、安心して売却できるだろう。迷ったら徳力本店というのも選択だ。
埼玉のフジデンタル株式会社
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
59.19円 | 96.25円 | 112.2円 |

フジデンタル株式会社では、歯科用貴金属の買取業者だ。歯科材料も未開封・開封品問わず査定が可能だ。自社工場では検品、焼成、溶解、分析、精錬の工程から分析鑑定をしてくれる。含有していた銀に対し1g×精製手数料の買取価格を提示してくれるので売却しやすいだろう。
また、査定依頼日の申込と到着の間銀相場が良い方の価格で買取してくれるのも魅力だ。査定依頼は公式LINEから気軽に問合せができる。宅配キットは希望をすると無料で用意してもらえる。
神田の石福金属工業
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
59.19円 | 96.25円 | 112.2円 |

石福金属工業では、徳力本店と並んで高い買取価格を誇っている。貴金属製品をはじめ、貴金属を含む電子材料屑などの買取にも対応。もちろん、回収した金属を精製するときは秘密厳守だ。
また、ウェブサイトの掲載価格と申し込み時の価格との間に相違がある場合は、店頭価格を優先している。あらかじめ、相場を確認してから見積もりに出す方がおすすめ。
銀座の田中貴金属業株式会社(リ・タナカ)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
59.19円 | 50円 | 70円 |

ジュエリー買取など力を入れる大手のリ・タナカ。地金の場合は、市場相場ベースでの買取となる。銀のジュエリーを売る場合など、非常にもおすすめだ。
リ・タナカでは、円表記のある通貨や工業製品、品位が特定しづらい銀製品の買取は不可。銀製品は品位800以上から買取をおこなっており、1回の売却時に合計10g以上ないと買取してもらえない。
池袋のリファスタ(Refasta)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
50円 | 72円 | 59円~87円 |

リファスタ(Refasta)は、2023年5月時点の買取価格は59円~87円となっていた。銀や金プラチナなど貴金属の買取を積極的におこなっている。また宝飾品やブランドの買取業者だ。
買取方法は、店頭買取、宅配買取や出張買取に対応している。キャンセル料も無料なので、メール査定や公式サイトのチャットから気軽に見積もりが依頼できる。
心斎橋のジャパン宝飾
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
54円 | 86円 | 92円~103円 |

ジャパン宝飾では、2023年5月時点では宅配買取価格が92円~103円となっている。全般的に買取相場高めであるが、銀製品は特にg単位の価格が高めに設定されている。買取手数料がかからないので、買取価格×重さがそのまま買取価格になるのがうれしい。
買取方法は、店頭買取と宅配買取、査定額25万円以上の場合は、振込と事務手数料は無料。送料は北海道、沖縄その他離島以外は業者側が負担してくれる。
新宿の七福神
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
39円 | 71円 | 76円~86円 |

七福神では、2023年5月時点では76円~86円であった。2017年8月時点では39円、2022年9月時点では71円と若干値上がり傾向であったが、他の買取業者と比較しても最も低値がついている。SV925(92.5%純度のスターリングシルバー)以上が買取対象になる。SV925以下の場合は買取対象外になるので注意しよう。
七福神ではLINE査定、店頭買取と宅配買取と事前査定額が30万円以上は出張買取にも対応している。他の買取業者と比べても抑えめな買取価格であるが。買取依頼の手数料は一切不要だ。
広島のネットジャパン
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
54円 | 93円 | 79円~109円 |

ネットジャパンでは、壊れた宝飾品から貴金加工品、工業用線材などの買取もおこなっている。ネットジャパンの買取価格は、2023年5月時点では79円~109円とやや高い買取相場となっていた。
買取方法は、店頭買取と宅配買取に対応している。北海道から福岡にある全13店舗では、蛍光X線分析装置を各店舗に設置しており、品位が不明の貴金属であっても査定に対応している。宅配買取はお近くの店舗へ依頼ができ送料は自己負担が必要だ。
上野の日本マテリアル
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
54円 | 96.25円 | 93円 |

日本マテリアルでは、個人向けの買取価格は2023年5月時点93円となっている。2017年8月時点は54円、2022年9月時点では96.25円であった。日本マテリアルは、個人向けの貴金属品、コイン、インゴット、工芸品、ジュエリーに対応した買取業者だ。
日本マテリアルは、店頭買取と宅配買取に対応している。宅配買取の送料は自己負担が必要になる。
御徒町のタートル
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
40円 | 40円 | 40円 |

タートルでは、2023年5月時点40円の買取価格である。2017年8月時点以降の公開されている買取価格が40円と変動していない。タートルの買取対象品は、銀など貴金属、ダイヤモンド、ブランド品、金券、洋酒や家電など幅広く対応している買取業者だ。
買取方法は、店頭買取と宅配買取に対応している。宅配買取を依頼する際は、仮査定額を確認したあとに発送する流れだ。送料は自己負担が必要になる。
岩手のエコノマート
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
40円 | 50円 | 60円~89円 |

エコノマートは、銀の2023年5月時点の買取価格は60円~89円となっている。インゴットの買取では、古く変形やキズ、刻印が不鮮明なものはインゴットとして買取対象外になる場合がある。
また素材が不明な貴金属について、X腺または精錬分析に対応をしている。切断や溶解をするため、買取不可の場合でも返却されない。買取前提で依頼することが必要だ。
エコノマートは、貴金属、ブランド品、ブランド時計の買取業者だ。買取方法は、LINE査定ができ、店頭買取、宅配買取に対応している。宅配買取キットを希望すると用意してもらえる。
横浜の銀買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
2017年8月 | 2022年9月 | 2023年5月 |
---|---|---|
‐ | - | 106.4円 |

2023年5月時点の買取価格106.4円はネオラインの海外計算値。
銀買取センターは、株式会社ネオオンラインが運営している銀アクセサリーや工業用の銀製品など銀の買取専門店だ。刻印がない銀製品は、約3週間ほど預ける必要があるが、溶解から成分分析まで依頼することができる。純銀以外でも、銀が含まれている場合は買取している。
買取方法は問合せ申込み後に、買取容量が少量から対応可能な店頭(持込)買取、また銀容量が100g以上から宅配買取、銀容量が10キログラム以上から出張買取に対応している。
12社で比較してみてわかること
銀の買取価格を比較した2017年8月から2023年5月時点の価格動向をみると、総体的に若干の値上がり傾向であった。
2023年5月時点では、徳力本店、フジデンタル株式会社、石福金属工業がもっとも高値をつけていた。いずれも貴金属地金、工業・医療貴金属を主に取り扱っている買取業者である。本査定に出す際は、アンティーク製品やブランド品とあわせて買取に出すことでより高値になる場合もあるので、慎重に買取業者を比較しよう。
銀1gあたりの買取相場
- 2023年5月:40円~112.2円
今の買取相場をチェック
買取参考価格の比較一覧(2023年5月付)
買取業者名 | 2023年5月 |
---|---|
徳力本店 | 112.2円 |
フジデンタル株式会社 | 112.2円 |
石福金属工業 | 112.2円 |
田中貴金属業株式会社(リ・タナカ) | 70円 |
リファスタ(Refasta) | 59円~87円 |
ジャパン宝飾 | 92円~103円 |
七福神 | 76円~86円 |
ネットジャパン | 79円~109円 |
日本マテリアル | 93円 |
タートル | 40円 |
エコノマート | 60円~89円 |
銀買取センター | 106.4円 |

銀塊(インゴッド)や銀の純度によって査定額は変動する。銀や金プラチナを買取専門にしている買取業者と、ブランド品やジュエリーなどと合わせて買取している買取業者によっても買取価格は違うことがわかった。
買取業者によって1gの銀買取価格は値幅がある。また短期間の間で銀の価格変動があるので査定に出すタイミングも見極めたい。ほかの貴金属同様、用途に合わせた売却方法を選び業者を選択しよう。ヒカカク!では銀や銅の買取査定業者を一覧化している。評判をチェックしてみよう。
銀買取相場の状況
2017年12月以降、買取価格は値上がり傾向であるが、経済情勢やドル円の為替レートによっても銀の買取価格は常に変動している。資産価値が安定している金プラチナと同様に銀は投資の需要があり、また銀は工業用や医療用としても需要がある素材だ。
買取査定に出す際は、為替レートもあわせてチェックしておいきたい。最大20社一括査定ができる「ヒカカク!」から、複数の銀の買取業者に査定に出し比較検討をして、より条件のよい買取業者をみつけよう。
参考サイト:田中貴金属業株式会社 月次銀価格推移
以下のコラムでは銀相場の変動要因などを解説しているので、こちらも参照してほしい。


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まとめ
銀の買取価格について合計12社の買取価格を調査した。その結果、銀の買取価格は業者ごとに異なっていることがわかる。また、業者それぞれに得意としている銀の種類があるため、所有している銀がどのようなものか把握をして、それにあった業者に売却することが大切だ。
また、銀相場は経済状況や為替、そしてコロナ禍などの時局に影響されて変動するため、それらを注意深く観察することも重要だ。本コラムを参考に銀の高額売却を目指してほしい。
参考サイト