国産ウイスキーの中で最も有名な銘柄といえば何かと問われたら、「山崎」と答える人も多いのではないだろうか。それほどに、サントリーの山崎が日本のウイスキー業界に与えた功績は大きい。日本国内だけではく世界でも栄誉ある賞を受賞し、ウイスキーブームを支える大きな存在として今も高い人気を誇っている。
山崎の中でも、現在のラインアップにはない終売になっている銘柄があるのをご存じだろうか。山崎10年は、かつて手頃な価格で気軽にウイスキーを楽しめる銘柄として人気があったが、現在では終売となっている。発売していた当時は人気が高く、ウイスキーの中でもスタンダードな商品としてなじみがある人も多いだろう。
今回は、この山崎10年について調べ、その魅力や価値についてご紹介したい。現在の買取相場や査定ポイントなどもまとめたので、ぜひチェックしてほしい。
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日本のウイスキーブームの経緯
国内外でウイルキーブームが巻き起こっていると言われてから何年かたっても、その人気は安定して衰えないどころか今もまだ人気は上昇している。日本におけるウイスキーブームの経緯を見てみよう。
日本におけるウイスキー生産の始まり
日本のウイスキー生産の歴史を見てみると、初めてウイスキーが作られたのが1870年ごろと言われている。販売用ウイスキーの生産を始めたのは1924年、サントリーの創始者である鳥井信治郎が山崎蒸留所を作り、ウイスキーの蒸留を始めたことから国産ウイスキーの生産、販売の歴史が始まった。
その後竹鶴政孝が1934年に余市蒸溜所を作り、のちのニッカウヰスキーが誕生。日本のウイスキー作りを引っ張っていく存在となるサントリー、ニッカがともに歩みを始めた。ジャパニーズ・ウイスキーはここから始まったと言われているが、この2大メーカーが海外で賞を受賞したことを皮切りに国内外での評価が高まり、ウイスキーブームへとつながっていく。
ハイボール人気の始まり
かつては、年配の男性がロックやストレートでたしなむような存在だったウイスキー。それが幅広い年代に受け入れられ、女性からの人気も高まるきっかけとなったのは、2009年ごろのハイボール人気の高まりだろう。
ウイスキーを炭酸で割ったハイボールは、ビールなどに比べるとカロリーが少なく食事にも合わせやすいことから爆発的な人気となった。そもそもこのハイボール人気の始まりはというと、2008年にサントリーが角瓶を使った角ハイボールのプロジェクトを立ち上げ、これが見事に成功したのだ。居酒屋などの飲食店で若い世代がビールのような感覚でジョッキでハイボールを飲むようになり、ウイスキー消費量が急増した。
またビールの酒税は酒類の中でも税率が高く、一方でウイスキーの酒税の税率は低い。ビールに比べウイスキーで作るハイボールは、価格をおさえて低価格で提供しやすいというところも、サントリーが角ハイボールプロジェクトを立ち上げた理由の1つだろう。
現在はビールの売上でも同業4社の中でトップを誇るサントリーも、2008年、2009年当時はまだまだ2位や3位に甘んじていた。ビール部門のテコ入れと同時にウイスキー部門の角ハイボールプロジェクトはサントリーが社運を占う大きなプロジェクトであり、サントリーを飲料業界トップの座に押し上げる大きな要因となった。
テレビドラマの影響
ウイスキーブームを語る上で外せないのが、NHKドラマ「マッサン」の影響だろう。2014年から2015年にかけて放送され、放送中からウイスキーに高い関心が寄せられていた。ハイボールで若い世代にも人気が出たウイスキーが、気軽に居酒屋で飲めるというだけでなく「本当においしいウイスキーとは」というところにも注目が集まり、人気が定着するきっかけになったのではないだろうか。
このドラマの人気と共にウイスキー人気がさらに高まり、空前のウイスキーブームが到来したと言われている。そして、その人気は今も衰えることはなく、今なお続いている。
しかしこの一連のウイスキーブームの流れの裏では、ウイスキー消費量の爆発的な増加と共に深刻な原酒不足が起こる。残念ながら、原酒の不足により惜しまれつつも終売となった銘柄や、一時生産停止した銘柄もあった。こうした銘柄は希少性が高まり、市場での価格が高騰しているのである。
山崎10年とは
山崎にはどのような種類があり、どのようなウイスキーなのか。詳しくご紹介しよう。
山崎とはどのようなウイスキーなのか
冒頭でも紹介したように、終売となってしまった銘柄に山崎10年がある。ハイボール人気で原酒が不足し、2013年3月に終売となってしまったのだ。この時同時に白州10年も終売となっており、原酒不足がいかに深刻だったかわかるだろう。
現在発売になっている山崎は、
- ・山崎(ノンエイジ)
- ・山崎12年
- ・山崎18年
- ・山崎25年
以上の4種類。ノンエイジの山崎が山崎10年の代わりに発売となった。ノンエイジの山崎は、熟成年数は何年とうたってはいないが、10年よりも若い原酒で作られているようだ。そのため味わいは、やはり現行の山崎よりも山崎10年の方が評価が高い。
終売となってしまった希少性もあるが、山崎らしい味わい深さから山崎10年はファンが多く価格が高騰するのもうなずける。現在の山崎12年はメーカーの希望価格が8,500円ほどだが、こちらも原酒不足の影響で生産本数が少なく手に入りにくい状態が続いており、価格が高騰している。
【ジャパニーズウイスキー】山崎12年の買取相場・査定情報まとめ
他に山崎18年や山崎25年も、メーカーの希望価格自体が値上げされたり、限定生産で生産本数が限られていたり、価格が高騰する要因が多く入手が困難となっている。日本人になじみが深く高いブランド力を誇る山崎は、「多少高くても飲んでみたい」と思えるほどの味わい・品質で多くの人に愛されているウイスキーなのである。
【ジャパニーズウイスキー】山崎18年の買取相場・査定情報まとめ
サントリー 山崎(SUNTORY YAMAZAKI )25年の買取相場・査定情報まとめ
山崎10年の種類
山崎10年とは言わずと知れたサントリー山崎蒸留所で作られた、ホワイトオークを中心とした熟成年数10年以上のモルト原酒のみを使ったウイスキー。山崎10年にはラベルの種類があり、山崎10年 グリーンラベルと、山崎10年 ホワイトラベルがある。また、容量も750mLの商品と700mLの商品が存在する。
これは生産されていた年代によって違うのだが、情報を整理しよう。1995年から発売になった山崎10年だが、発売当初から1998年にかけてはボトルの容量が750mLだった。1998年以降に発売された商品は、容量が700mLとなっている。
また、ラベルの違いはどういうことかと言うと、2004年2月にラベル変更があったのだ。最初に発売されていたのがグリーンのラベルで、ラベル変更によりホワイトのラベルになった。2013年に終売となるまでホワイトラベルだったので、こちらの方がなじみがあるという人が多いかもしれない。
グリーンラベルで表記はピュアモルト、ホワイトラベルの表記はシングルモルトだが、基本的には同じもので中身の大きな変更はない。グリーンラベルの方が発売されていた年代が古く、残っている商品が少ないためホワイトラベルよりも価格が高騰する傾向にある。次の項で詳しい買取相場について見てみよう。
山崎10年の買取相場
山崎10年の発売当時の定価は、750mL(もしくは700ml)で4,000円ほどだった。では、現在の価格はどうなっているのだろうか。ネットオークションやネットフリマ、買取業社の2019年6月23日現在の価格を調査したので、参考にしてほしい。新品未開封品での価格と思って見てほしい。
ネットオークション、ネットフリマ
ヤフオク!で山崎10年グリーンラベルは50ml ミニチュアボトルで15,000円、750mLの箱付きで60,000円の価格がついていた。700mLと750mLの2本セットで59,400円や、700mLの2本セット箱なしで58,320円などで出品されており、1本当たりおよそ22,000円〜35,000円ほどが相場のようだ。
ホワイトラベルは、700mLが2本セットで55,000円や、180mLで約9,000円ほどなどで出品されていた。グリーンラベルに比べてホワイトラベルの方が価格が安い傾向にあり、700mLで16,000円〜26,000円ほどでの出品が多かったが、中には10,000円以下での出品もあった。
メルカリでは、700mLのボトルでグリーンラベルが25,000円〜32,000円での出品が多く、ホワイトラベルは17,000円〜25,000円での出品が多かった。中にはグリーンラベルが36,000円など、高値での出品もあった。調査した結果、希少性が高まってかなり価格が高騰していることがわかった。
お酒を専門に買い取る買取専門店
お酒を専門に取り扱っている買取専門店は多数あり、ネットで買取価格を公開している業者もいる。ネットで公開されている価格を中心に調査したが、かなりバラツキがあることがわかった。
グリーンラベルで20,000円、ホワイトラベルで9,000円で買取している業者があった。他の業者では、ホワイトラベルで3,000〜3,500円、グリーンラベルで3,800〜4,500円で買取する業者や、グリーンラベルを18,000円、ホワイトラベルを10,000円で買取する業者など、買取業者により価格が大きく違った。
熟成年数が10年というのはウイスキーの中でも決して長い年数ではないが、終売になって手に入りにくいという点をどの程度考慮して市場での需要を考えるかが、査定の鍵となっているようだ。
ウイスキー買取における査定ポイント
ウイスキー買取の際の査定ポイントについてわかりやすくまとめたので、高額査定を狙うなら必ずチェックしてほしい。
付属品はあったほうが望ましい
山崎10年に限らず、どのような商品でも箱などの付属品はあった方が望ましい。しかし、価格が高騰しているウイスキーなら付属品は必要なくボトルのみでも買取可能な業者もあるため、箱がないからといって落胆せず買取業者に相談してみよう。
山崎10年は、ネットで出品する際も箱なしでの出品も多数見られた。箱に汚れや傷などがあったり、箱がなかったりしても高額査定になることがあるので、それを伝えた上で査定してもらうと良いだろう。
商品の見た目をチェック
商品にホコリがかぶっていたり汚れていたりしたら、印象が悪くなり高額査定につながりにくい。これも、どの商品の買取にも言えることだろう。まず商品の見た目をきれいにすることは、査定依頼をする前に必ずやらなければならない重要なことと思ってほしい。
お酒の買取の場合、液面低下や色調の変化は減額査定の対象となる。ワインのような保存状態で中身の品質が変わってしまうデリケートなお酒でよく見られるが、ウイスキーはアルコール度数が高く中身が劣化しにくい。だからと言って安心して雑な保管をして良いわけではなくて、直射日光を避け高温多湿とならない場所で保存するなど、箱やボトル、中身の劣化がないように保管しよう。
ボトルのラベルが汚れていたりはがれかかっていたりすると、減額査定となる。ボトルのホコリをきれいにしようとしてラベルを汚したりはがしてしまったりすることのないよう、できる範囲できれいにする、無理をしないということも覚えておこう。
まとめて査定に出す
複数の商品をまとめて査定に出すと、査定額が上がり高額を狙うことができる。単純に商品数が多いから金額が多くなるというより、まとめて査定に出した方が業者の手間が省けるからだ。この時に買取強化品目に入っている商品や、人気が高い商品が多数あると、同じ商品でも査定額がアップする場合がある。
売ろうと思う商品があったらまず保管場所を整理して、他に売れそうな商品があるかどうか確認してからまとめて査定に出そう。商品情報を調べて価格が高騰している商品があったら非常にラッキーだ。お酒の場合は飲まずに保管しておくと劣化して減額査定となることもあるので、飲まないなと思ったら早めにまとめて査定に出すことをおすすめする。
商品情報を調べて複数の業者へ査定依頼を
買取価格を調査したら、業者によって価格にバラツキがあることは買取相場の項でもお伝えした。査定する人の経験や知識の差や、販売するときのルートの確保などの違いがあるため、業者によって差が生じるのは仕方がないことだ。これは調べてみないとわからないので、売ろうと思っている商品の価値がおよそどのくらいあるのかを目安として調べてから複数の業者に相談してみよう。
当サイトでは買取価格を調査して公開しており、コラムを参考に調査しても良いだろうし、一括査定を利用するという手もある。フォームを入力すると簡単に最大20社の買取価格を調べることができるので、買取業者との交渉にも役に立つ。ぜひ利用して高額査定を狙ってほしい。
おすすめの買取業者
ウイスキーなどお酒を取り扱う買取専門店は多数ある。その中からおすすめの業者をいくつかご紹介したい。
ファイブニーズ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ソムリエが在籍するお酒買取の専門店。店頭、出張、宅配の買取形式から好きな売り方を選ぶことが出来、非常に買取額も高いことで知られる。特に、評判もネット上で良く、当サイト「ヒカカク!」におけるクチコミも良いものがずらりと並ぶ本気でおすすめ出来るお店だ。電話で見積りを出来るのも便利な所だ。
ファイブニーズのクチコミ・評判
引用: ファイブニーズのクチコミ・評判・体験談4サントリー山崎10年700ml、山崎12年750mlの2点まとめて57,000円で買取いただきました。再三の査定見直しにも丁寧にご対応頂き満足しています。入金もスムーズでした。
ファイブニーズのクチコミ・評判
引用: ファイブニーズのクチコミ・評判・体験談5ウイスキーを買取して頂きました。 査定から買取、振り込みまで迅速でした。 よその業者さんの事は知りませんが、 ファイブニーズさんに買取して頂いて満足しています。ありがとうございました。
お酒買取のTAMAYA
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
お酒の買取に特化した買取専門店で、ウイスキーの中でも山崎は買取強化品目の中に入っている。ホームページでお酒買取価格の相場を公開しているので、ウイスキーやワインなど売りたい商品がある人はチェックしてみてほしい。
ラベルの汚れや未開封品の液漏れや中身の蒸発してしまった商品や、高級酒であればボトルのみの買取もおこなっているため、諦めずに査定依頼をしてみよう。オンラインでの査定と電話での査定をおこなっており、通話料無料で対応時間8:00〜22:00と長いので、お仕事をされている方でも利用しやすいだろう。
お酒買取専門店蔵ZOU
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
こちらもお酒の買取に特化した買取専門店で、ウイスキーなら古い数十年前の商品の買取も可能。月間の買取実績は1000本以上にのぼる。一部ホームページで買取上限価格を確認できる商品もあり、山崎12年は10,000円、山崎18年は48,000円と明記されていた。
福岡県に複数の店舗を持ち、店頭での買取や全国で利用可能な宅配買取、出張買取をおこなっている。宅配買取の場合、送料、査定料、振込手数料、キャンセル料はすべて無料で、オンラインか電話で相談すると商品と送る前に仮の査定額を教えてもらえるので、他の業者と比較したい場合も安心だ。査定額に満足したら、最短で24時間以内に振り込みしてもらえる。

まとめ
山崎10年は、ウイスキーを飲むことを特別なものではなく、日々の生活の一部として楽しめるような「家で気軽に楽しめるウイスキー」の定番とも言える商品だった。手頃な値段と高い品質で人気があり、終売となった現在でもファンがいるほどなのだ。
現在では発売当初の価格を大きく上回る価格で取引されている山崎10年だが、現行の山崎シリーズも手に入りにくい状況が続く銘柄もあるので、山崎のシリーズを持っているという人は高値売却のチャンスだろう。売らずにウイスキーを楽しみたいという人にとっても、品質にも定評がある山崎なら満足のいく味わいなのではないだろうか。
ただ、贈答品などでもらった場合はお酒を飲まない人、好みに合わない人にとっては価値のないものかもしれない。ウイスキー需要が高まっている今、そういった飲まないウイスキーを高額買取してもらえるチャンスが到来しているので、いつ売却するか検討する材料として今回の記事を参考にしてほしい。