iPad proの初期化ができないトラブルを防ぐためには、Appleの推奨する正しい方法で処理を行う必要がある。
また日本国内でも幅広いユーザが愛用するiPad proの場合、トラブルシューティングとも言える記事が多くネット上に掲載されているため、何らかの問題にぶつかった時には、こうした情報に目を通す心掛けも必要だと言えるだろう。
今回は、インターネット上でも多く見受けられる「iPad proを初期化できない時、どうする？」という疑問の答えを読者の皆さんと導き出していきたい。
iPad Pro / Brett Jordan
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そもそもiPad proの初期化ってどんな処理？
iPad proの中に保存されたデータやアプリを削除することにより、工場出荷時と同じ白紙とも言える状態に戻す作業を初期化と呼ぶ。
一連の処理の中で一気に内部データを消す初期化は、iPad proユーザが手動で不要なファイルを削除する方法とは似て非なる概念となっている。
iPad proの初期化が行われるのは売却時だけ？
iPad proの初期化は、下記のシーンで行われることが多い実態がある。
- ・iPad proの売却時
- ・iPad proを誰かにあげる時
- ・iPad proをもらった時
- ・iPad proを捨てる時
- ・iPad proの動作が悪くなった時
こうした形で端末を手放す時以外でも行われるiPad proの初期化は、タブレット端末を安全かつ快適に使うためにも、その存在を知っておくべき処理と言えそうだ。
iPad proの初期化と似た概念を持つ言葉
iPad pro関連のブログ記事などでも多く見受けられる再インストールやリカバリ、フォーマットといった言葉は、初期化とほとんど同じ概念を持つ言葉と捉えて良い。特に記憶媒体に書き込まれた情報を全て綺麗に消すフォーマットは、初期化と並んで多くのシーンで使われるキーワードだ。
またソフトウェア障害やウイルス感染などにより不調に陥ったiPad proを元に戻す際には、リカバリという言葉も多く用いられる。
iPad以外でも行われる初期化
初期化やフォーマットといった言葉は、iPad pro以外のデバイスなどでも多く使われている。例えば、iPadと並んで人気の高いiPhoneや、XperiaなどのAndroidスマホにおいても、初期化やフォーマットは必要不可欠な処理となる。
またWindowsやMacなどのパソコンでも、初期化はさまざまなシーンで行われる処理となっているようだ。
iPad proの初期化はどんな流れで行われるの？
最もシンプルなiPad proの初期化は、タブレット端末内に登録されたメニューから起動可能な処理となる。しかしiPad proの不調や売却といったシーンで具体的に行うべき作業から考えると、一般的な初期化には下記3ステップが必要となってくる。
iPad proのデータバックアップ
iPad proの初期化をするときには、必ずデータのバックアップをする習慣を持つのがおすすめとなる。初期化によって工場出荷時の状態に戻す前のデータを退避しておけば、想定外の状況により情報の抜き出しが必要になった場合も、慌てずに対処ができる。
また贈与や売却によってiPad proを手放した時に、大事な情報が漏洩するなどのトラブルを考えると、自分自身でもバックアップをとって「どんなデータが端末内に入っていたのか？」を把握するのがおすすめとなるだろう。
「iPadを探す」機能のオフ
iPad proの紛失や盗難時に役立つ「iPadを探す」という機能は、必ず初期化前にオフにする必要がある。この機能の切り替えは、ホーム画面の歯車マーク「設定」→「iCloud」の流れでタップをした後に表示される画面内でできる形となる。
基本的には30秒もかからず行える処理となるため、初期化時には必ず確認をするようにして欲しい。
iPad proの初期化
バックアップとiPadを探すのオフという2つの準備を終えたら、ようやくフォーマットができる形となる。
iPad proには端末の状況に応じた複数種類の初期化方法が用意されているため、万が一フォーマットの失敗などのトラブルが生じても比較的スムーズに対処ができると捉えて良いだろう。
iPad proのデータバックアップの具体的な方法
Appleでは、iTunesもしくはiCloudを使ったバックアップ方法を推奨している。この他にApp StoreからさまざまアプリをダウンロードできるiPad proの場合、メーカー推奨のソフトウェアでは物足りない人でも自分に合った方法でバックアップを行いやすい実態があるようだ。
iTunesを使ったiPad proのバックアップ
MacやWindowsといったパソコンを持つ人は、Appleのメディアプレーヤーとも言えるiTunesを使ってバックアップを行える。
コンピュータのHDDにデータ保存をするこの方法には、データ容量を気にする必要がないこととWi-Fi環境がなくてもパソコンとタブレット端末の直接接続でバックアップができる利点がある。
また他方法と比べて幅広い項目のバックアップが取得できるiTunesは、iPad proの買い替えなどにより復元を考えている皆さんにもおすすめ度の高いソフトウェアとなるだろう。
iCloudを使ったiPad proのバックアップ
パソコンを持たない人には、AppleのオンラインストレージiCloudにWi-Fiを使ってバックアップをとるという選択肢がある。iCloudの設定を一度行うと、処理条件が満たされた時に1日1回の自動バックアップが行われる形となる。
また手動でもデータ退避のできるiCloudは、急な売却などの事情で初期化をする際にも、ストレスなく使えるバックアップツールとなるだろう。そんなiCloudの難点は、無料プランの容量が5GBまでと大変小さいことだ。
その他方法を用いたiPad proのバックアップ
iTunesやiCloudだけでは不安。もしくはこれらのソフトウェアでは納得のバックアップが難しい場合は、App Store内からダウンロードできる下記アプリを活用する方法もある。
- ・Yahoo!かんたんバックアップ
- ・JSバックアップ
- ・Googleフォト
iPad proの初期化における基本的な方法
iPad proのフォーマットは、下記3方法のいずれかで行うのが一般的になっている。
基本的には「設定」から初期化をする
正常動作するiPad proの場合、歯車マークの「設定」→「一般」→「リセット」という流れで画面をタップしながら、その中にある「全てのコンテンツと設定を消去」よりフォーマットをする形となる。
この方法で行う初期化は、通常1～5分ほどで完了する。またiPad proにはさまざまなリセットメニューが用意されているため、万が一のトラブルに備えてその一覧に目を通しておくのもおすすめとなるだろう。
リカバリーモードと呼ばれる初期化の方法
「設定」から行うフォーマットができない場合、iTunesの入ったパソコンにiPad proを接続するリカバリモードという方法を選ぶ形となる。
事前同期の必要のないこの方法は、通常の手段で初期化ができないケースにおいてApple側でも推奨をしている。
またAppleサポートでは、「お知り合いから借りていただく」もしくは「Apple正規サービスプロバイダまたはApple Store直営店にご相談ください」といった案内をしているため、パソコンを持たない人でも初期化のできる可能性は高いと捉えて良いだろう。
意外と知られていない自動初期化の設定
iPhoneやiPadといったApple製品には、パスコード入力を10回間違えた時に端末の自動初期化を行う機能が備わっている。
この機能は「設定」の中にある「Touch IDとパスコードの中で、「データ消去」をオンにするだけで設定できる仕組みとなっている。
またパスコードは6回の失敗で1分、8回で15分といった形で、一定時間の使用不可になるシステムとなっているため、長きに渡って放置されていたiPad proを起動する時には注意をして欲しい。
iPad pro には初期化ができないトラブルが多い！？
ここまで紹介したとおり、iPad proのフォーマットはどの方法を選択しても比較的簡単に実行できる仕組みとなっている。
しかし実際に初期化を行ったユーザブログなどに目を通してみると、動作環境やユーザの手違いなどによりフォーマットが正常終了できないトラブルも生じる可能性があるようだ。
ここからは万が一iPad proの初期化ができない問題を想定しながら、多くのユーザが公開するトラブルシューティングの情報を整理していきたい。
iPad pro が初期化できないトラブル1 iPadを探すを解除できない
iPad proの初期化トラブルで最も多いのは、フォーマット準備として欠かせない「iPadを探す」機能のアンロックができない問題だ。
「iPadを探す」をオンのままで初期化できないの？
このトラブルに陥った時、多くのユーザが「iPadを探す機能をオフにする必要があるのか？」といった疑問を抱く実態がある。
結論から言ってしまうと、買取専門店にiPad proを査定に出す場合は、フォーマットはできなくてもiPadを探す機能のオフは必ずしておく必要がある。
もしこの機能をオンにしたまま宅配買取でタブレット端末をショップに送付した場合は、買取不可の返答とともに着払いでiPad proが送り返されてくることもあるため、注意をして欲しい。
あなたの目的とは？
基本的に初期化やバックアップの必要性について考える時には、「これから自分はiPad proをどのように扱うか？」といった視点から検討をするのがおすすめとなる。
例えば、ソフトウェア障害などにより正常動作しなくなったiPad proを小型家電リサイクル法に従って処分し、その後はWindowsなどを搭載した新しいタブレットを買うといった場合は、iPadを探す機能のオフや初期化にそこまで神経質にならなくても良いだろう。
どうして「iPadを探す」がオフにならないの？
「iPadを探すをオフにできません」といったメッセージが表示される場合、大半のケースでWi-Fi環境が不安定なことにより、Apple IDのサーバ接続ができない原因が考えられる。
同じ環境下で何度トライしても同じエラーメッセージが出る場合は、飲食店や公共施設、駅などのWi-Fiに繋げてみるしかない。またiPadやコンピュータの初期化やバックアップには、安定したWi-Fi接続が必要となってくるため、自宅のネット環境が不安定な人は注意をして欲しい。
iPad pro が初期化できないトラブル2 パスコードがわからない
続いてiPad proの画面を表示する上で欠かせないパスコードが不明な場合は、先ほど紹介したリカバリモードを使ってiTunesから初期化を進めていく形となる。
リカバリモードでiPad proを初期化する時の流れとは？
「設定」から初期化ができない、パスコードを忘れてしまったといった時には、下記の流れでフォーマットを行っていく。
- 1.iPadを電源が切れた状態にする
- 2. iPad proのホームボタンとサイドボタン（もしくはサイドボタン）を同時に押し続けながら、リカバリモードの画面が表示されるまで待つ
- 3.パソコン側のiTunesを起動した上で、ホームボタンとサイドボタンを押したままのiPad proを接続する
- 4.「更新または復元を必要としているiPadに問題があります」というメッセージが表示されたら、「復元」をクリックする
- 5.「お使いのiPadを工場出荷時の設定に戻しても良いですか？」のメッセージ確認後、「復元と更新」をクリックする
- 6.これから初期化するiPadのiOSが最新版になっていない時には、「iPadソフトウェア更新」という画面が出る。「次へ」をクリックする
- 7.ソフトウェア更新規約を読んだ上で「同意する」をクリックする
- 8.ソフトウェアのダウンロードが完了すると、iPadの初期化が始まる
- 9.初期化とソフトウェア更新は30分ほどで終わる
iPad pro が初期化できないトラブル3 リカバリーモードでも初期化できない
リカバリモードの実行中に間違ってiTunesを終了してしまった、コンピュータの電源が切れた、パソコンとiPad proを繋ぐケーブルが抜けてしまったなどのトラブル時には、意外と知られていないDFUモードを使って初期化をするしかない。
DFUモードとリカバリモードの違いとは？
Appleも推奨するリカバリモードとDFUモードにおける最大の違いは、後者がiBootを使わずにフォーマットができることだ。こうした特徴を持つDFUモードを使えば、iOSの更新で失敗をしたiPad proであってもきちんと初期化ができる。
Apple側でも公開されていないDFUモード
その仕組みで見れば非常に便利に思えるDFUモードは、Apple公式では推奨されていない機能だ。
このモードを使えば、iPadのアップグレードだけでなくファームウェアなどのダウングレードも行える。その結果としてSIMアンロックや脱獄などもできると考えるApple側では、こうした仕組みがiPad proに備わっていることを非公開にしているようだ。
ちなみにSIMアンロックや脱獄iPadは買取NGとなるため、もし挑戦する時には完全自己責任で注意をして欲しい。
DFUモードを使った初期化の手順
DFUモードを使ったフォーマットは、下記の流れで行われる。
- 1.再びトラブルを起こさないために、iTunesの入ったパソコンとiPad proを繋ぎ直す
- 2.iTunesを起動する
- 3. iPad proのホームボタンとスリープボタンを10秒ほど長押しする
- 4. iPad proの画面が消えたら、スリープボタンの方だけ指を離す
- 5.ホームボタンをそのまま長押しし続けると、DFUモードになる
- 6.「iTunesはリカバリモードのiPadを見つけました。ITunesで利用になる前にこのiPadを復元する必要があります」もしくは「iPadを工場出荷時の設定に戻しても良いですか？」のメッセージを確認した後、画面内で「復元とアップデート」をクリックする
- 7.この方法により、途中で失敗していたリカバリモードの再開ができる
iPad pro が初期化できないトラブル4 初期化前のバックアップができない
iPad proのフォーマット前に行うバックアップにおいても、トラブルによりデータ退避ができないことがある。その中でもWi-Fi環境の影響を受けやすいiCloudを使う場合は、下記のようにさまざまな注意点と確認事項があるようだ。
Wi-Fi環境が不安定とはどういうこと？
iCloudを使ったバックアップに支障をきたすほどの不安定さは、電波強度の弱さによって生じるケースが多いと言われている。例えば、時々Wi-Fi電波が届くなるような環境では、当然大きなファイルのiCloudバックアップなども難しくなる。
またMacなどのコンピュータなどにおいては不安定なWi-Fi環境によって初期化ができなくなるケースも見受けられるため、自分の所有デバイスのフォーマットやデータ退避にネットを使う機会の多い人は注意をして欲しい。
電波強度の強いWi-Fiを使用する方法
安定した状況でiCloudを使える電波強度の強いWi-Fiは、ユーザ自身が一覧から確認を行った上で自分に合ったものを選ぶしかない。
そのため、Wi-Fi環境の問題によりバックアップ時などのトラブルが出ている場合は、まず「設定」→「Wi-Fi」の中に表示されるネットワークの一覧を確認してみよう。
その中に並ぶWi-Fiの中で、扇のアイコンが3つきちんと表示されたネットワークで自分の接続できるものがあれば、そちらを選択することをおすすめする。
Wi-Fiアシストの確認
またWi-Fiを必要不可欠とするiCloudで自動バックアップなどを行う際には、「設定」→「モバイルデータ通信」の中にある「Wi-Fiアシスト」という機能をオフにしておく必要がある。
ちなみにWi-Fiアシストとは、Wi-Fiの接続状況が良くない時に、自動でモバイルデータ通信に切り替える機能だ。常時安定した環境でネットを使いたい方々にとって、Wi-Fiアシストは非常に便利な存在となる。
しかしWi-Fi環境のみで自動バックアップをとるiCloudを使う場合は、この機能がトラブルの原因になることもあると言えるだろう。
まとめ
設定メニュー、リカバリモード、DFUモードといった形でさまざまな状況で使える方法が用意されたiPad proでは、万が一フォーマットの失敗が起こっても次の手段をスムーズに選択できると言えるだろう。
また人気タブレット端末のiPadの場合、ネット上に多くのトラブルシューティングが掲載されていることを考えると、自分の今置かれた状況に合った対処法もネットを使って見つけやすいと言えるだろう。
