スイスの三大高級時計メーカーの1つ、オーデマ・ピゲ(AUDEMARS PIGUET)。略称の「AP」は、ロゴ化されて文字盤に配置される場合もある。会社は1875年、ジュール=ルイ・オドマールとエドワール=オーギュスト・ピゲの2人によって設立されたムーブメント製作会社に端を発する。
社名も2人の名前を合わせてつけられ、現在も創業家一族が経営する。フランス国境に近いスイスのル・ブラッシュに本社を構え、他の高級時計メーカーと同様に、複雑な機構を持つ高級腕時計の製作を行っている。
ここでは、そのオーデマ・ピゲの高級腕時計の型番とモデル名との関係や、型番コードの読み解き方について説明していくこととしよう。
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
オーデマ・ピゲについて
オーデマ・ピゲと言えば、やはり1972年に発表された『ロイヤル・オーク』を抜きに語ることはできない。ネットで検索しても、そのほとんどが『ロイヤル・オーク』に関する記事や商品紹介ばかりであり、買取業者に持ち込まれるオーデマ・ピゲも、『ロイヤル・オーク』ばかりであるという。
それだけ、このラグジュアリーなスポーツウォッチが世界中に大きな影響をもたらしたということであり、人気モデルであるということだろう。
ただ本来のオーデマ・ピゲは、パーペチュアルカレンダーやミニッツリピーター、さらにはトゥールビヨンといった複雑な機構を持つ時計の製作を得意とするメーカーであり、特に第2次大戦後はこれらの高度な技術を小さく、そして薄く作ることで、時計の世界の発展に貢献してきた歴史を持つ。
1957年、閏年を表示する初めてのパーペチュアルカレンダー搭載腕時計を発表、1986年、世界最小トゥールビヨン搭載ウォッチ発表、2007年には航空機や高級スポーツカーに使われる「フォージドカーボン」を使用した腕時計を発表と、その実績は多彩であり、旺盛なチャレンジ精神を持つメーカーであることがうかがえる。
『ロイヤル・オーク』に関しても、ステンレススティール製の高級腕時計という当時としては非常に斬新な発想が、世界に衝撃を与えた。オーデマ・ピゲの現在の地位は、こうした時計技術の発展と進化に果敢に取り組んできた成果であるとも言えるのだ。
それでは以降で、オーデマ・ピゲの型番とモデル名の関係性について説明していこう。
オーデマ・ピゲの型番について
まずはオーデマ・ピゲの型番=リファレンスナンバーについて説明していこう。以下が実際のリファレンスナンバーの例である。
オーデマ・ピゲの型番の例
型番 | モデル名 |
---|---|
15400ST.OO.1220ST.04 | ロイヤル オーク オートマティック |
26331OR.OO.1220OR.02 | ロイヤル オーク クロノグラフ |
26400IO.OO.A004CA.01 | ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ |
77247OR.ZZ.A812CR.01 | ミレネリー |
26590PT.OO.D002CR.01 | ジュール オーデマ ミニッツリピーター |

パティック・フィリップと違い、歴史あるメーカーとしては非常に長いリファレンスナンバーを採用している。
型番の見方
オーデマ・ピゲのリファレンスナンバーは以下のように分解して読み解くことができる。
- 1.15400/2.ST/3.OO./4.1220ST/5..04
上記リファレンスナンバーに付けた番号に沿って説明していこう。なお、以下の解釈には類推も含まれ、また例外なども必ず出てくる。あくまでも参考程度にとどめておいていただきたい。あるいは誤った認識による推測だった場合には、ご指摘いただけると幸いである。
なお、オーデマ・ピゲのリファレンスナンバーは、オフィシャルサイトや各正規販売店で確認することができる。オフィシャルサイトのアドレスは、以下のとおり。
https://www.audemarspiguet.com/jp/1、モデルナンバーあるいはショートリファレンス
冒頭の5ケタの数字の部分は、ショートリファレンスと言われたりモデルナンバーと言われたりする部分で、モデルを区別する時に使われるいわゆる型番は、この部分の数字を使用する。
つまり、ref.15400は、「ロイヤル オーク オートマチック」のことを指す。ちなみに、上記のような保証書等に掲載してあるモデル固有の長いリファレンスナンバーのことを、ショートリファレンスと比較して「フルリファレンスナンバー」と呼ぶこともある。
2、ケースの素材
冒頭の5ケタの数字に続く2文字のアルファベットは、ケースの素材を表している。たとえば「ST」はステンレススティール製のケースであることを表す。
ケースの素材を示すコードの例
- ST or SK or SO:ステンレススティール
- BC:18Kホワイトゴールド
- OR:18Kローズゴールド
- AU or FO or FT:フォージドカーボン
- PT:プラチナ
- BA:18Kイエローゴールド
- TI:チタン
上記の他にも違うアルファベットの組み合わせを見ることができる。同じ素材でアルファベットの組み合わせが違うものは、さらにそこに施された加工の種類等によって使い分けていると思われる。
3、ベゼルの装飾
2番目と3番目のピリオドで区切られたこの部分は、ベゼル部分やケースの周囲にダイヤモンド等の装飾が施されているかいないかの違いではないかと思われる。現行リファレンスナンバーを見る限り、この部分に入るのは「OO」か「ZZ」のみだった。
「OO」が装飾なしのスタンダードバージョンで、「ZZ」がなんらかの装飾が施されているモデルということになる。なお、旧リファレンスナンバーにはこの部分がアルファベット1文字で表されている場合もある。
4、ブレスレットもしくはストラップの型番
この部分は、ブレスレットやストラップの型番や素材を示していると思われる。末尾2文字のアルファベットは、②の部分と同じように、素材を示している。例として出したリファレンスナンバーは「4ケタの数字+アルファベット2文字」で構成されているが、モデルによっては、「アルファベット1文字+3ケタの数字+アルファベット2文字」の構成になっている場合がある。
5、ダイヤル(文字盤)の違い
最後の数字は同モデルの中でのダイヤルの種類や色の違いを示している。ここでは数字に色が振り分けられているわけではなく、最初に設定された色が01で、次が02というように、単なる順番ではないかと思われる数字の使い方となっている。
ほぼどのリファレンスナンバーも01が振られており、中には同じ型番ながら、最後のコードが01、02、03と並んでいるものが見られた。06や08の設定しかないものもあるが、これらは限定モデルやスペシャルモデルとしてのコードの可能性が高い。
オーデマ・ピゲの人気モデルの型番
オーデマ・ピゲの型番のだいたいの見方が分かったところで、次に人気モデルの型番を紹介しよう。ここで紹介するモデルのリファレンスナンバーを覚えておくだけでも、オーデマ・ピゲに関してはある程度OKかもしれない。それほどの定番人気モデルだ。
ロイヤル オーク エクストラ シン・オートマティック
【Ref #15202ST.OO.1240ST.01】
- ・自社製自動巻 キャリバー2121/パワーリザーブ40時間
- ・ステンレススティールケース&サファイアガラスケースバック
- ・ケース幅39ミリ・厚さ8.1ミリ
- ・「プチ・タペストリー」パターンのブルーダイヤル
ロイヤル オーク誕生40周年を記念して、初代オリジナルモデルを忠実に再現した復刻モデル。オリジナルと同じ「プチ・タペストリー」のブルーの文字盤に、当時衝撃を持って迎えられたというステンレススティールの八角形の造形は、まさにオリジナルそのものだ。
それだけに2012年の発売当時から人気は沸騰し、一時はプレミアがつくほどのフィーバーぶりを呈したという。現在でもなかなか手に入らないモデルの1つ。ちなみに現行モデルのロイヤル オークはref.15400STで、ケース幅41ミリ、厚さ9.8ミリと少し大ぶりな現代サイズ。パワーリザーブ60時間の自社製自動巻 キャリバー3120をケースに収めている。
ちなみにこのほかのロイヤルオークの型番としては、
- ref.26320:ロイヤル オーク クロノグラフ
- ref.26510:ロイヤル オーク トゥールビヨン エクストラ シン
などが挙げられる。ロイヤル オークのスタンダードなリファレンスナンバーはref.154××で、クロノグラフなどの複雑な機構になると、ref.263××、あるいはref.265××という番号構成となっている。なお、女性向けの幅33ミリ、クォーツ駆動モデルのリファレンスナンバーのみ、ref.676××だった。
ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ
【Ref#26400IO.OO.A004CA.01】
- ・自社製キャリバー3126/3840/パワーリザーブ50時間
- ・チタンケース&サファイアクリスタルガラスケースバック/ラバーストラップ
- ・ケース幅44ミリ・厚さ14.4ミリ
- ・「メガ・タペストリー」模様のスレートグレーダイヤル
「ロイヤル オーク」シリーズのスポーツ性をさらに高めたのが、「ロイヤル オーク オフショア」シリーズ。中でもこのクロノグラフはチタン製のケースに「メガ・タペストリー」模様のスレートグレーダイヤル、ロジウムカラーのカウンター、ラバーストラップを組み合わせ、ヘビーデューティーさを前面に押し出す作りになっている。
ベゼルとプッシュボタン、ネジ込み式リューズは、ブラックセラミック製。
「ロイヤル オークオフショア」のシリーズでは、ref.15710の「ロイヤル オークオフショア ダイバー」も人気モデルの1つ。自社製自動巻 キャリバー3120搭載で300m防水。大きめのメガ・タペストリー文字盤が特徴のこのモデル、黒やシルバーの他、限定モデルだがブルー、グリーン、イエロー、オレンジといった伝統メーカーらしからぬ“ファンキーカラー”も選ぶことができる。
さらにこの設定は、「ロイヤル オーク オフショア ダイバー クロノグラフ」(ref.26703)、「ロイヤル オーク オフショア ダイバー トゥールビヨン クロノグラフ オートマティック」(ref.26540)といったモデルでも選ぶことができる。
ジュール オーデマ エクストラ シン
【Ref #15180BC.OO.A002CR.01】
- ・自社製キャリバー2120/パワーリザーブ40時間
- ・18Kホワイトゴールドケース&サファイヤガラスケースバック/アリゲーターストラップ
- ・ケース幅41ミリ・厚さ6.7ミリ
- ・シルバーカラーダイヤル
ジュール・オーデマの名を冠したドレスウォッチ。超薄型ムーブメントキャリバー2120搭載でケースの厚みもわずか6.7mm。シルバーカラーのダイヤルの上には2本の端正な針とバーインデックスのみという大変シンプルな構成。でも300万円オーバーなので価値のわかる方に。
オーデマ・ピゲの買取店を紹介
最後に、オーデマ・ピゲの売却を考えている方の参考までに、腕時計の高価買取店を紹介しよう。腕時計は査定の際、専門知識があるとないで、査定額に大きな差が生じる場合があるので、手放す際は買取店を慎重に選んでいただきたい。
ベルモンド
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
中野ブロードウェイにある、腕時計専門店のベルモンドでは、買取、販売、修理と腕時計に関してなら何でもおこなえる専門店だ。
買取方法は3種類あり、いちばん人気の宅配買取は全国どこからでも送料無料。精密な時計を配送する際の梱包キットも同社負担で用意してくれる。その他、店頭買取、出張買取も利用できるが、どの方法を選択しても査定料や手数料は一切かからないので、利用しやすい買取店だ。
brand order BELL
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策

まとめ
オーディマ・ピゲのリファレンスナンバーは、少なくとも現行モデルに関してはスタンダードなref15×××と、クロノグラフやパーペチュアルカレンダーなど、複雑な機構を持つref.26×××に大別できることがわかった。ただし、女性向けのクオーツ駆動のモデルにはref.67×××あるいはref.77×××の番号が当てられている。
中でも人気なのは、「ロイヤル オーク」のref.15400だ。素材違い、色違い、ケースのサイズ違いも全てref.154××になっているから、非常にわかりやすく、探しやすいリファレンスナンバーだ。もし「ロイヤル オーク」がシンプルすぎると感じるのであれば、クロノグラフのref.26320や、オフショアシリーズのクロノグラフref.26400というナンバーのモデルを探してみるといいだろう。
いずれにしても、生産量も少ないオーディマ・ピゲの製品は、人気モデルともなるとショップにいつ入荷されるかさえわからず、中古ショップでも一瞬で売れてしまうという。目当てのモデルが見つかったらその型番を記憶し、ショップのサイト等を日々チェックしつつ探し続ける根気と覚悟をもって、お目当てのモデルを手に入れていただきたい。



ブログカードがロードできませんでした。
ブログカードがロードできませんでした。