ベル&ロス(Bell&Ross)は、本格的なプロ仕様の設計と大胆なデザインが人気を呼び、実際に宇宙飛行士をはじめ、過酷な状況での仕事が想定されるプロフェッショナルが使用している。
そして、1992年の創業から20年たらずで世界的にも著名な高級腕時計ブランドとなった。その時計づくりの基本原則は、「視認性」、「機能性」、「高精度」、「防水性」であるという。
本社はフランス・パリにあるが、工場をスイスのラ・ショード・フォンに置いている。また、技術的にも数あるスイスの高級ブランドにひけをとらない。ここでは、日本でも人気の高いベル&ロスの型番とモデル名との関係性、調べ方について説明していこう。
なお、ベル&ロスの型番は、同社の日本版公式サイトを参照している。

Bell&Ross Vintage 123 / C R
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ベル&ロスの型番について
まずは、ベル&ロスの型番がどういう構造になっているのか、いくつかのモデルの型番をピックアップして見ていこう。
VINTAGEの型番
まずは、ラウンドモデル中心の「VINTAGE」コレクションの型番から見よう。
- WW1-92 MILITARY:Ref: BRWW192-MIL/SCA
- WW1 ARGENTIUM OPALIN:Ref: BRWW1-ME-AG-OP/SCR
- BR V2-92 BLACK STEEL:Ref: BRV292-BL-ST/SST
- BR 123 HERITAGE:Ref: BRV123ーHERITAGE
- BR V2-94 AERONAVALE:Ref: BRV294-BU-G-ST/SST
- WW2 REGULATEUR OFFICER:Ref: BRWW2-REG-BS/SCR
上記左のモデル名、右の型番を見ればすぐにわかるように、モデル名がそのまま型番化されている印象である。まず、冒頭に「BR」がつかないモデル名も、型番は「BR」から始まっている。
また、モデル名がそのまま型番に入っているものと、素材名やカラーがハイフンでつながれるパターンの両方が確認できる。スラッシュの後に入っているのはストラップ(ブレスレット)の素材名かと思われる。
INSTRUMENTSの型番
2005年に登場し、特にファッション界で評判を呼び、ベル&ロスが浮上する要因となったのが、この「INSTRUMENTS」のコレクションのモデル群である。飛行機のコックピットの計器をそのまま採用したと言われるデザインは、個性的かつインパクトも大きい。
- BR 01-92 STEEL:Ref: BR0192-BL-ST
- BR 01 TOURBILLON:Ref: BR01-TOURBILLON
- BR 03-92 DIVER:Ref: BR0392-D-BL-ST/SRB
- BR 03-92 STEEL:Ref: BR0392-BLC-ST
- BR S STEEL HERITAGE:Ref: BRS-HERI-ST/SCA
- BR S WHITE CERAMIC:Ref: BRS-WH-CES/SCE
- BR S ROSE GOLD:Ref: BRS92-BL-PG/SCR
- BR S WHITE GOLD:Ref: BRS-WHGOLD-IVORY_D
「BR 01」は直径46ミリ、「BR 03」が直径42ミリ、「BR S」が 直径39ミというラインナップ。人気が高いものは直径42ミリの「BR 03」で、「BR S」には女性向けモデルも多数そろえられている。
型番の構造は先の「VINTAGE」コレクションと変わらないようだ。トゥールビヨンのモデルなどは、そのまま「TOURBILLON」と入っている。「92」と入っているのは機械式である。入っていないのはクオーツ駆動の時計のようだ。
ただし、同コレクション内にある「BR S MCANIQUE」という一連のモデル(モデル数は3個確認)は、全て手巻き式のムーブメントを使用しているが、その旨は表記されていない(「BR S WHITE GOLD」がそれに該当)。
EXPERIMENTALの型番
直径45ミリの「INSTRUMENTS」のスクエアデザインケースに、複雑機構のメカニズムが持ち込まれているのが、「EXPERIMENTAL」コレクション。限定モデルも多いようだ。
- BR-X1 TITANIUM:Ref: BRX1-CE-TI-RED
- BR-X1 TOURBILLON ROSE GOLD:Ref: BRX1-CHTB-PG
- BR-X2 TOURBILLON MICRO ROTOR:Ref: BRX2-MRTB-ST
このコレクションのモデルは「BRX1」と「BRX2」という型番となる。なお、後者のモデルは、現状では記載のマイクロローター搭載のトゥールビヨンのモデルのみとなっている。型番の構造は、他の2つのコレクションと変わらない。
型番にある「MRTB」とは、マイクロローター搭載のトゥールビヨンであろう。「CHTB」はクロノグラフを備えたトゥールビヨンとなる。いずれも超複雑機構のモデルだ。
また、モデル名の「ROSE GOLD」は、型番では「RG」ではなく、「PG」=ピンクゴールドと変換されている。
ベル&ロスの型番の特徴
モデル名がそのまま型番となっている箇所が多く、非常にわかりやすいベル&ロスの型番。モデル名と型番のどちらが表示されていても、どのモデルなのかは即座にわかる。ここでは、この大きな特徴をふまえたうえで、ベル&ロスの型番=リファレンスナンバーに見られる構造や意味を説明していこう。
ベル&ロスと言えば「BR 01」「BR 02」「BR S」
ベル&ロスというブランドを最も象徴するのが、「BR 01」と「BR 03」、そして「BR S」であることは間違いない。かつては「アヴィエーションBRシリーズ」として販売されていた四角いケースは、大きなインパクトを伴って時計ファンに受け入れられた。
なお、かつては存在していたトノー型ケースのダイバーズ、「マリーンBR 02」は、公式サイトの記載がなくなり、型落ちとなったようである。
これらのシリーズモデルの型番は、そのまま「BR01〜」、「BR03〜」、「BRS〜」で始まるので、非常にわかりやすい。そして、「BR 01」が直径46ミリの大きなサイズ、「BR 03」が直径42ミリの中ぐらいのサイズ、「BR S」が直径39ミリの小さなサイズと覚えておけば、大体の形が想像できて便利だ。
「BR S」で、初めて女性の使用を考慮に入れたバリエーションが出てくる。「BR 01」はかなり存在感があり、その点少し控えめの「BR 03」のほうが比較的カラダの作りの小さい日本人にはフィットするサイズと思われる。
「BR S」も多くのモデルがユニセックス的に使えるから、女性用サイズとは言い切れない。最終的には自分の目で確かめて選ぶしかないだろう。
ラウンドケースのBRシリーズ
コレクションとしては「VINTAGE」に属することになるラウンドケースのBRシリーズは、スクエアなBRシリーズはインパクトが強すぎると考える方におすすめだ。スクエアなモデルが「BR01〜」で始まる一方、ラウンドケースのモデルは「BRV〜」で始まる型番だ。その特徴は以下のように分けられる。
- ・BRV192〜:直径38.5ミリ/時・分・センターセコンド・日付表示
- ・BRV292〜:直径41ミリ/時・分・センターセコンド・日付表示
- ・BRV123〜:直径41ミリ/時・分・スモールセコンド・日付表示
- ※一部例外モデルあり。
- Ref:BRV123-ST-HER:直径43ミリ/センターセコンド・日付表示
- Ref:BRV123-BL-GMT:直径42ミリ/センターセコンド・日付表示・GMT
- ・BRV294〜:直径41ミリ/時計・日付に加えてクロノグラフ
- ・BRV126〜:直径41ミリ(一部42ミリ)/時計・日付に加えてクロノグラフ
一覧するとわかるように、「BRV294〜」と「BRV126〜」は、クロノグラフ搭載モデルということ。公式サイトでも「BR V CHRONO」として紹介されているモデル群になる。
それぞれ型番とモデル名はほぼ同じだが、「BRV123〜」は「BR 123〜」というモデル名、「BRV126〜」は「BR 126〜」というように、モデル名にはVが入らないという細かい違いが見られる。
懐中時計にヒントを得たBRWWの型番シリーズ
「VINTAGE」コレクションの「BRWW1」で始まる型番のモデルは、懐中時計に着想を得たというだけあって、よりビンテージ色の強いシンプルなモデルが多い。
同コレクションには、まさに懐中時計そのものもラインナップ(型番はBRPW1)されているところが心憎い。ケース直径45ミリとケースも大きめの仕様で、ストラップも付け替えやすい。
スラッシュの後のアルファベットはストラップ(ブレスレット)の素材
ベル&ロスの各製品は、スチールブレスレットとストラップのどちらかを選べるモデルが多く、それが型番ではスラッシュ以降の素材名(略称)で表されている。
また、選べなかったとしても色違いのストラップが用意されていることが多く、好きな色や好みの素材でカスタマイズすることができる。そのストラップの素材名は、以下のように表示されている。
- SCR:アリゲーター
- SCA:カーフ
- SRB:ラバー
- SST:ステンレスチール(ブレスレット)
- SCE:セラミック(ブレスレット)
このほか、アルカンタラのストラップの製品があり、その型番はRef:BRS-CAMO-ST-LGD/SF(モデル名:BR S GREY CAMOUFLAGE DIAMONDS) となっている。
わかりやすく覚えやすいベル&ロスの型番
ベル&ロスの型番についてまとめると、以下のようになる。
- ・モデル名称に似ている型番
- ・スクエアBRシリーズの型番は「BR01」と「BR03」と「BRS」で始まる
- ・「BR01」が直径46ミリ、「BR03」が直径42ミリ、「BRS」が直径39ミリ
- ・ラウンドBRシリーズの型番は「BRV」で始まる
- ・懐中時計のようなシンプルなデザインの腕時計は「BRWW1」で始まる
- ・型番の末尾のスラッシュ以降のアルファベットはストラップ(ブレスレット)の素材
デザインが特徴的で、なおかつそうした特徴で型番が分けられているので、理解しやすく覚えやすいのが、ベル&ロスの型番だ。
なかでも、ブランドを象徴する「BR01」と「BR03」は、間違いのない定番モデルの1つ。中古品なら価格的にも手頃になるので、チェックしておきたい型番と言える。
ベル&ロスの型番を知っておく利点とは?
ベル&ロスの型番が少し理解しやすく、覚えやすいことがわかったが、一体知っておくことでどんな得があるのか最後に紹介したい。
中古で買いたい時に役立つ
まず、中古で買う場合に役に立つ。中古買取業者で欲しい商品を伝える時に型番を伝えればすぐに求めている商品を案内してもらうことが可能だろう。
また、近年は買取業者以外にフリマアプリやネットオークションでの売買に人気が集まっている。おそらく、そういったサイトでは個人の感覚での売買となるため中古のお店よりも掘り出し物があることが期待できるからだろうと考えられる。
しかし、そういったサイトやアプリでは自分で自分の載せたい情報を乗せることが多い。そうなると売り手によってその商品の情報量は異なってくる。
ここで、型番を載せていない売り手は排除するようにした方が言える。おそらく型番で検索すればヒットしないのででてくることはないと思うが、たまたま見つけたなどで、見つけてかなり安い金額で売られていたとしても怪しいと考えらえれる。
特に、ベル&ロスのような人気商品となると偽物である可能性もある。単純に売り手が面倒くさがりで情報をあまり載せていない可能性も十分にあるが、選ぶときはなるべく多く情報を掲載、もしくは問い合わせした際に伝えてくれる売り手が信頼できるだろう。
また、こういった個人でのやり取りで購入する場合はトラブルがあった時のために事前に受け渡しや入金方法は策略を考えておいた方がいいと言えるかもしれない。中古買取業者などとは違い、相手は企業ではなく、あくまでも個人対個人となってしまい、さらに逃げやすいネット上でのやり取りとなってしまうからだ。
そのため、入金後逃げられてしまったり、偽物など何かトラブルになることもあるだろう。そうなった場合、全て自分の責任になり誰も助けてはくれない。
トラブルが起きた際、人によってはそのアプリの運営社や、サイトの企業に問い合わせをする人もいるかもしれないが、基本的にそういった企業はサイトの運営を行っているだけのため、何も助けることができない。全て自分で対応しなければならないのでそこは十分考慮した上で購入を決めるようにしよう。
もし、少しでも危険性を避けたいのであれば多少値段が上がってしまうこともあるかもしれないが、実績のある、保証などがついた中古業者から購入することがおすすめである。
掘り出し物が見つかるかもしれないと、そういったアプリやサイトを使用してもどちらにしても掘り出し物を見つけるのは簡単ではないので慣れていない人であればなおさらきちんとした企業から購入する方が良いと言えるだろう。
中古で売る時に便利
また、買う時同様、中古で売る時は型番を買う側に伝える必要がある。そのため、型番は売り手にとってもかなり重要である。先ほど記載した、中古買取業者、フリマなどの個人でのやり取りとなる方法共にどちらにしても買う側にはしっかり自分の商品の型番とその状態などを伝えるように努めよう。
情報を入手するのに役立つ
型番は中古での売買のみではなく、何かわからないことがあった時の情報収集にも役に立つ。モデル名ではなく型番で調べることにより、より正確に絞って検索をかけることができるため、欲しい情報の入手がよりスムーズになるだろう。
また、修理について、その相場、買取の相場を調べる時にも役に立つ。どれくらいのお金がかかるか、どれくらいで買い取ってもらえるかは事前に調べたいものだ。型番を把握していればそれらを事前にネット上で簡単に調べることができる。
ぜひ型番を把握して、今後の生活に役立ててほしい。