アメリカ・ペンシルバニア州のランカスターを発祥とするハミルトン(HAMILTON)。創業は1892年で、当初は鉄道会社の公式時計として発展。さらに20世紀に入ると、今度は米軍用の精度の高い時計を作るメーカーとして知られていった。
1969年には拠点をスイスに移し、世界の時計産業の中心地でその技術力を磨きにかけた。そして現在はスウォッチグループの傘下でスポーティでカジュアルな腕時計ブランドとしてその地位を築いている。
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ハミルトンの特長
そのブランドの特長は、なんといってもアメリカの近代の発展とともに歩んできた伝統と、スイス発祥の時計ブランドに勝るとも劣らない技術力を持ちながら、非常にリーズナブルな価格で購入できるというところだろう。
アメリカでは、卒業や就職のお祝いとして贈られることが多いというハミルトンの腕時計。ここでは、その型番とモデル名の関係性について説明していこう。
ハミルトンの型番について
ハミルトンの腕時計の型番=リファレンスナンバーは、公式サイトや保証書等で確認することができる。まずは人気モデルの「ジャズマスター」シリーズの中から、「ビューマティック オート」のリファレンスナンバーをピックアップしてみた。
「ビューマティックオート」は人気モデルだけに非常にバリエーションが多い。全25モデルもあり、その全てにリファレンスナンバーがふられている。ここではその中から10モデルを取り上げたので以下にて見ていこう。
ビューマティック オートの型番の例
- (1)REF. H32755851/CALIBER: H-10/STRAP REF. H600.327.109
- 素材:ステンレススチール 直径:44ミリ 文字盤:グレー
- (2)REF. H42725551/CALIBER: H-10/STRAP REF. H600.327.108
- 素材:ステンレススチール(ピンクゴールドPVD)直径:44ミリ 文字盤:シルバー
- (3)REF. H32755731/CALIBER: H-10/STRAP REF. H600.405.101
- 素材:ステンレススチール 直径:44ミリ 文字盤:ブラック
- (4)REF. H32515535/CALIBER: H-10/STRAP REF. H600.325.101
- 素材:ステンレススチール 直径:40ミリ 文字盤:ブラック
- (5)REF. H42725151/CALIBER: H-10/STRAP REF. H605.427.100(ブレス)
- 素材:ステンレススチール(ピンクゴールドPVD) 直径:44ミリ 文字盤:シルバー
- (6)REF. H32515555/CALIBER: H-10/STRAP REF. H600.325.100
- 素材:ステンレススチール 直径:40ミリ 文字盤:ホワイト
- (7)REF. H32645555/CALIBER:2824-2/STRAP REF. H600.325.108
- 素材:ステンレススチール(ピンクゴールドPVD) 直径:40ミリ 文字盤:ホワイト
- (8)REF. H32515135/CALIBER:H-10/STRAP REF. H605.325.100(ブレス)
- 素材:ステンレススチール 直径:40ミリ 文字盤:ブラック
- (9)REF. H32515155/CALIBER:H-10/STRAP REF. H605.325.100(ブレス)
- 素材:ステンレススチール 直径:40ミリ 文字盤:ホワイト
- (10)REF. H32525155/CALIBER:H-10/STRAP REF. H605.325.104(ブレス)
- 素材:ステンレススチール(イエローゴールドPVD) 直径:40ミリ 文字盤:シルバー
型番例の表示について
上記型番例の「素材」とはケースの素材のことで、「直径」とはケースの直径のことである。文字盤の色は公式サイトに表記がなく、便宜上見た目で色名をつけたものなのでご了承願いたい。
ストラップの型番の後にカッコ内にブレスと書いてあるものは、ケースと同素材のブレスレットの仕様のことである。他は素材の表記はないが、恐らくレザーストラップが組み合わされている。「PVD」とは、コーティング加工の一種を意味する。「CALIBER」は、ムーブメントの型番を言う時に使われる言葉である。
上記型番の例には2種類のムーブメントが出てきたが、モデル名に「オート」とついているように、どちらも自動巻きである。
ハミルトンの型番は「H」で始まる
ハミルトンの腕時計のリファレンスナンバーにおける最大の特徴は、「H」で始まるという点だろう。「H」につながる8ケタの数字がハミルトンの型番である。
次に挙げられるのは、ストラップのリファレンスナンバーが存在することだ。どちらもアルファベット「H」から始まるのでわかりやすいが、ケースとストラップ(ブレスレット)の両者の型番をはっきりと分けているブランドも珍しい。
ただし、全てのモデルに通常のリファレンスナンバーもふられているので、通常のナンバーでもモデルは確定できるはずである。
型番の冒頭5ケタでケースの素材や大きさが示される
「ビューマティック オート」のシリーズモデルなのでどれも似たようなリファレンスナンバーとなっているが、よくみると次のように分類できる。
- ・H32755…ステンレススチール/44ミリ
- ・H42725…ステンレススチール(ピンクゴールドPVD)/44ミリ
- ・H32515…ステンレススチール/40ミリ
つまり、冒頭のHを抜かした数字5ケタでケース部分の素材や大きさ、形、文字盤の素材やデザインが表されているとみられる。そして、リファレンスナンバー全体では、以降の3ケタでストラップやブレスレットの素材や文字盤の色等が表されていると考えられる。
ハミルトンは商品点数が非常に多いブランドなので、リファレンスナンバーの全容を理解するのは容易ではない。しかし、たとえば気に入ったモデルの型番の冒頭5ケタが合えば、近いデザインのバリエーションモデルであると判断することはできる。中古商品をネット検索する時には役立つ知識となりそうだ。
ハミルトンの人気モデルの型番
ここからは、ハミルトンの人気モデルのリファレンスナンバーをピックアップして紹介していこう。
カーキ フィールド オート 40MM
第二次世界大戦でアメリカ陸軍が使用した“ハック”ウォッチをルーツとするモデル。ステンレススチールのシンプルなフォルムとカーキ色のダイヤル、キャンバスのストラップが特徴的な商品である。標準持続時間80時間の自動巻ムーブメント、キャリバー H-10を搭載している。
- (1)H70595963…キャンバス
- (2)H70305993…キャンバス
- (3)H70305143…ブレスレット
- (4)H70595523…レザー
- (5)H70305193…ブレスレット
- (6)H70595163…ブレスレット
- (7)H70305943…キャンバス
- (8)H70305993…キャンバス
- (9)H70595593…レザー
- (10)H70595733…レザー
- (11)H70595133…ブレスレット
リファレンスナンバーの右側はストラップの素材である。REF.70595とREF.70305にカタログ上の仕様の違いは確認できないが、型番だけ別になっている一方、冒頭5ケタが同様ながら文字盤の色違いモデルが存在する。
REF.70305は(2)と(5)が茶系のカーキ、(3)と(7)が紺系のカーキ、REF.70595では(1)(6)がグリーンカーキ、(10)(11)がブラック、(9)が黄色の蛍光色も入ったブラックで、(4)がシャンパンカラーとなる。また、(4)のみ別のキャリバーが搭載されていた。
ベンチュラ クォーツ
1957年、世界初の電池式で動く機械式時計として誕生した「ベンチュラ」。アメリカを象徴する乗用車、キャデラックを手がけたリチャード・アービブによる三角形のケースデザインが衝撃的なモデルである。
なかでも「ベンチュラ クォーツ」は、当初のモデルの文字盤を思い起こさせるコレクションである。名前にもあるようにムーブメントはクォーツ。機械式を希望する場合は、自動巻ムーブメント、キャリバーH-10を使用するモデルもある。
- (1)H24101511…スチール(イエローゴールドPVD)/レザー/ホワイト
- (2)H24301511…スチール(イエローゴールドPVD)/レザー/ホワイト
- (3)H24211852…スチール/レザー/MOP
- (4)H24211732…スチール/レザー/ブラック
- (5)H24411732…スチール/レザー/ブラック
- (6)H24211941…スチール/レザー
スペックはケース素材/ストラップ/文字盤カラーの順。(1)と(2)、(4)と(5)はケースの大きさ違い。(3)と(5)のほうがひと回り大きな仕様である。(3)は文字盤がMOP仕様。(5)はブルーのストラップと同色のスペシャルデザインモデルである。
カーキ アビエーション パイロット パイオニア オート
1970年代の英国空軍用時計をモチーフとしたモデルである。左右非対称のケース、ラウンドした風防など、タフでオーセンティックなデザインが特徴で、ムーブメントはキャリバーH-10を搭載している。
- (1)H76455733…スチール/41ミリ/レザー
- (2)H76455933…スチール/41ミリ/キャンバス
- (3)H76455133…スチール/41ミリ/ブレスレット
特徴的なケースは、文字盤ブラック、3時の位置に日付表示と全て同様で、ストラップのみ異なる。ただし、公式サイトで現行モデルとしているのは(3)のみである。
ハミルトン(HAMILTON)の型番を役に立てる方法
では、最後にハミルトンの型番をどういったときに使用するか紹介したい。是非参考にして今後の売買や日常生活にて役立てて欲しい。
ハミルトンの時計情報を得るのに役立つ
まず、第一にハミルトンの時計情報が何かの理由で必要なときこの型番があるかないかで全然違ってくる。モデル名は人によって書き方なども異なってきてしまう。しかし、型番はアルファベットと数字の羅列のため、一つしかなく、検索すれば必ずその商品についての情報がヒットする。そのため、型番で調べると欲しい情報がすぐに出て来やすく、調べる時間や手間の削減に繋がるだろう。
また、グーグルやヤフーなどの検索エンジンだけでなく、近年かなり流行しているSNSでも検索が可能になる。ハッシュタグである「♯」の記号を半角で調べたい単語の頭に入れて検索すれば、たくさんの人の口コミや画像を見ることができる。それにより、人からのこの型番の評価を見ることができるので非常に便利である。また、SNSなどは非常に個人的で主観的な投稿となるため、より生に近いユーザーの声を聞くことができるだろう。
修理に出すときに便利
修理に出すときにもこの型番は重要となってくる。どの時計を修理して欲しいかまず業者に伝えなければならなくなるが、その際モデル名やメーカー名以外に型番も聞かれることが多いだろう。
また、修理は高額になることもあるため、あらかじめネット上で修理にいくらくらいの費用がかかるか調べたいものだ。そうなったときにも型番を知っているとその相場が把握しやすいだろう。
中古での売買に便利
また、中古での売買には型番は必ず必要と言っても過言ではないほど重要な役割を持つ。
まず、中古の買取業者に売りに出す場合、ネット上での見積もりの場合は特に、型番の入力が必要なことも多いだろう。そうなったとき型番がわからないと困ってしまう。また、買う側の場合、欲しい商品の中古での相場が型番さえ知っていれば把握することができる。また、中古の業者で買うことになったとしても型番を伝えることでスムーズに買い物ができるだろう。
さらにこの型番が重要となってくるのが個人での売買となる場合である。メルカリなどのフリマアプリや、ヤフオクなどのネットオークションでは必要不可欠だろう。
ハミルトンの腕時計を売りたいのであれば、必ず自分が売ろうとしている商品の内容のところに型番は最低限記入すべきである。そうすることで買う側の信頼を少しでも得られることはもちろん、大前提としてネットで型番で検索された場合にヒットすることができるからだ。もちろん、載せる情報は型番だけでは不十分である。商品を購入した時期や使用年数、メーカー名、モデル名、動作はきちんとするか否か、傷や汚れがあるかなども記載するようにしよう。メーカー名やモデル名はネットでの検索にヒットするためにまず必要となり、そのほかの情報は買う側のニーズにあっているかユーザーが判断するための材料となる情報である。少しでも多くの情報を盛り込むことで、適切な価格で、トラブルを少しでも防いで売却することができるだろう。
また、買う側であればそれとは逆の視点になる。つまり、なるべく多くの情報を記載している商品の投稿主を選ぶべきである。型番は最低条件と言える。
しかし、こういった個人間の売買はどうしてもトラブルがつきものである。安全にトラブルなしで購入ができれば良いが、万が一トラブルが起きてしまった場合は自分で対処する覚悟を持っておくようにしよう。残念ながら、企業が間に挟むこともなく、全て自分の責任で対処しなければならないからだ。
まとめ
ここまで、ハミルトンのリファレンスナンバーについて説明してきたが、いかがだっただろうか。
リファレンスナンバーが示すもの
「H」で始まるリファレンスナンバーは、冒頭の5ケタがケース素材やデザイン等のモデルの特徴を示していて、末尾3ケタで文字盤の色やストラップ(ブレスレット)の仕様が示されているということがわかった。
リファレンスナンバーはメモしておこう
ハミルトンは非常にモデル数が多いブランドであり、さらには公式サイトに掲載されていたとしても、すでに型番落ちしたモデルも多数見受けられる。欲しいモデルが現行モデルではなかったとしたら、リファレンスナンバーをしっかりメモしてくと便利だろう。ネットで検索したり、お店に問い合わせる際には、モデル名ではなく型番が必ず必要になる。
また、検索などで全てが一致しなかったとしても、冒頭の5ケタが同様であれば、文字盤やストラップの違う似通ったモデルである可能性が高いということも覚えておくといいだろう。