エレガントで美しいデザインが魅力のオメガは、ビジネスマンを中心にとても人気が高い時計メーカーだ。一方で、ヘビーユーザーが多いことでも知られ、修理店への依頼も多いと言われる。
機械式時計は繊細な機構を持ち自動巻き式であってもメンテナンスが必要だが、購入してからオーバーホールの必要性などを知る人がおり、突然動かなくなったり故障したりするケースは少なくはない。ここでは、オメガの自動巻きにトラブルが発生する理由や解決方法を紹介する。
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なぜオメガは壊れるのか
機械式時計はファッション性や歴史的背景によるロマンばかりが魅力ではなく、ステータスを表現するひとつのツールとして世界中の人々から愛されている。高級腕時計メーカーは多くあるが、中でもオメガは高性能やデザイン性を併せ持ちながら手の届きやすい価格でトップクラスのシェアを誇り、幅広いユーザーを持つ。
メンテナンスが必要
自動巻き式の機械式時計は日々リューズの巻き上げ作業を行わずに、アイテムを身に着けているだけで運針するため、手巻き式よりも比較的メンテナンスは簡単に思われる。しかし、自動巻きであっても機械式時計であるため、定期的なメンテナンスが必要であるほか、故障させないために配慮しなければならないポイントがある。
ユーザーの知識不足
オメガはリーズナブルさがひとつの魅力であるが、高級メーカーにしては安価なために機械式時計にあまり知識がないユーザーや、機械式時計のビギナーが購入するケースは少なくはない。
このためオメガは故障しやすいなどの口コミがネット上などでたまに見られるが、正しくメンテナンスを行い間違った使い方をしなければ、長期間寿命が保たれる機能性がある。また、単純にユーザーが多いために時計店などへの修理依頼も多くなると言う見方もされている。
機械式時計は人気のファッションアイテムでもあるため、使用しないモデルは中古買取に売ることができる。日頃から大切に扱えば高価買取につながるが、もし故障してしまったら早めに修理などの対策を取っておくのが大切だ。
動かないのは放置が原因かもしれない
機械式時計のトラブルで最も多いとされるのが、突然動かなくなる症状だ。憧れのオメガを購入し、大切に取り扱いたいがために日頃からケースへしまってあまり使わないなどのケースは少なくはない。
機械式時計は日頃から身に着けて頻繁に使用する方が寿命が長くなると言われている。なぜなら、ケース内部のオイルが部品となじむためコンディションが良い状態を維持できるからだ。全く動かさない状態を3か月程度続けているとオイルの乾燥が起きるため、プロのメンテナンスが必要となる。
自動巻き式の機械式時計について
自動巻き式の機械式時計は、手首に着けながら日常動作を行うことでゼンマイが自動的に巻き上がる仕組みだ。日中8時間程度身に着けていればほぼ完全に巻き上がり、約40時間は運針を続ける。つまり、オメガのゼンマイが最大に巻き上がっていたとしても、約2日で時計は動かなくなってしまうのだ。
自動巻きと聞けば、機械式時計に知識のないユーザーは何もしなくても勝手に動き続けると思ってしまうケースも少なくはない。しかし、クォ―ツ時計が動くエネルギーが電池や太陽光にあるように、機械式時計は巻き上がったゼンマイがほどける力をエネルギーに動いている。このため、2日以上放置していたオメガの自動巻きは動力を失い止まった状態になるのだ。
止まった時の対処方法
前述したように数か月間放置し続けたのでなければ再びオメガへ動力を与えると、一般的には動き始める。とは言え、運針しなくなった自動巻き式の機械式時計を身に着けたり、いきなり振り回すなどをしてゼンマイを巻き上げたりする行為は行うべきではない。なぜなら動かなくなった自動巻きはすぐにゼンマイを巻き上げようとしても精度に安定性が得られないからだ。
眠っている時計を動力のない状態で無理やり起こすと、クロノグラフが作動せず全ての機能が止まる可能性も少なくはない。このため、手動式の機械式時計と同様にリューズを使ってゼンマイの巻き上げ作業をユーザーの手で行う必要がある。
ゼンマイの巻き上げ作業はねじ込み式のリューズの場合は引き抜いて指先で回して行う。時計回りに巻き上げたら逆に回す動作を繰り返し、リューズを回す感覚がきつくなったり重く感じたりすれば作業は完了する。無事に秒針が動き始めたら、オイルの乾燥やケース内部に深刻なトラブルがないと言えるだろう。
巻き上げが完了したら、時刻や日付合わせを行うと良いが時計が午後9時から午前1時の間を表示している場合は日付合わせは行わず、別の時間帯にしてからカレンダーの早送りを行うべきだ。日付送り歯車とカレンダー円盤を傷つけないために知っておくべき基本的な機械式時計のメンテナンス方法だろう。
オーバーホールは行っているか
オメガの自動巻きが動かなくなる状態はプロのメンテナンスを受けていないことによって起こる可能性も高い。機械式時計はオメガに関わらずオーバーホールと呼ばれる時計の分解掃除を行う必要がある。
オーバーホールを行う必要性
機械式時計のムーブメントは繊細な部品の集合体だ。例えば、時計の精度を維持するために必要なてんぷはとても小さなパーツながら24時間で10万回以上、1年でトータル数億回の往復回転運動を続ける。正常に動作するには潤滑油が不可欠だが、長期間経過すると部品の摩耗などが起こり金属粉が発生するなどの経年劣化からオイルが濁ったり乾燥したりする症状は当然起こる。
てんぷだけでなくムーブメントの全てにおいて経年劣化は避けられず、一見問題なさそうでも部品の破損や錆つきなど様々な症状がケースの内部では起きているのだ。このような機械式時計の不調を整備し、故障を未然に防ぐためにオーバーホールは定期的に行う必要がある。以下の記事はロレックスが題材であるが、オメガのオーバーホールを依頼する時でも参考になる記事だ。

メンテナンスのタイミング
新品のオメガを購入したら2年目、その後は3年から4年ごとにプロの時計職人かメーカーに依頼してオーバーホールを行えば、長期間に渡って精度が安定し寿命が保たれると言える。新品の状態で短期間にメンテナンスを受けなくてはならない理由は、部品から金属粉が発生しやすくオイルが汚染されやすいからだ。
長期間オーバーホールを行わなければ潤滑油の変質やパーツの摩耗などが避けられず、そのままの状態で使い続けるために部品への負荷がかかりいずれは完全に動かなくなると言える。
機械式時計を長く愛用したい、いつかは中古買取りに出したいなどのユーザーは、メンテナンスによってムーブメントにかかる負担をなるべく少なくし、動作不良や取り返しのつかない故障を回避できると知っておかなければならない。
磁気製品と海水は避けたい
繊細な機械式時計は取り扱いに注意しなければならないポイントがある。中でもオメガの自動巻きが動かなくなる原因で考えられるのが、磁気を発生させている物の近くで時計を使用したり、保管したりすることだ。日常的に身の回りには磁気を発生させる家電などのアイテムは多くあるが、金属でできている機械式時計は大きく影響を受けやすい。
磁気帯びと言われる症状で、ムーブメントのパーツが磁化すると、てんぷが左右均等に動かなくなり動きが止まる可能性が高くなる。磁気帯びを避けるためには、当然だが磁気を発生させる物をオメガから遠ざけるのが有効だ。
磁気製品との接触回避と壊れた時の対処方法
オメガを使用しない日はマグネット付きのバッグや強力磁石が付属する健康用品などと同じ場所に保管してはいけない。日常生活では、キッチンにある電子レンジや冷蔵庫のほか、スピーカーの上に時計を置きがちなオーディオ類などを使用する際に時計を腕からはずしておくなどの注意が必要だ。
特に磁気帯びの原因となる確率が高いのはスマートフォンやパソコンと言われている。機械式時計は磁気を発生させる物から5センチ程度離していれば磁気帯びする確率は低くなるが、仕事などでモバイル類を使う場合はバッグの中などにしまっておくのが安全だ。
オメガが帰宅してから急に動かなくなったなどの場合は、時計に方位磁石を近付けてみると磁気帯びをしているかが試せる。近付けた方位磁石がぐるぐると回るなど激しい動きを見せる場合は症状を疑う必要があるだろう。
深刻でないケースであれば、磁気製品からオメガを遠ざけることで再び動き出す可能性も考えられるが、どうしても動き出さない場合は時計店やメーカーに依頼して脱磁と呼ばれる修理をしてもらうと良い。
また、磁気抜き機を自分で購入して磁気消磁を行う手段もある。磁気抜き機自体の使い方は簡単で価格も高くはないが、磁気帯びのみが時計のトラブル原因かをユーザー自身で判断するのは難しいとも言える。
海水との接触回避と対処方法
海水も機械式時計には大敵だ。シーマスターのような高度な防水性能を搭載した機械式時計はダイビングなどにも耐えられるが、一方で経年劣化が進んだ機械式時計のパッキンは摩耗していると考えられる。
オーバーホールを定期的に行っていればパッキンの交換はされているため考えにくいが、ケース内部へ海水が侵入したまま放置すれば錆付きが発生して動かないなどのトラブルは避けられない。海でのレジャーなどで時計に海水が付着したまま放置するのもケースを錆付かせる原因だ。
防水性能がある機械式時計を海で使用した後は必ず水洗いを行うと良いが、シャワーや湯で洗うのは故障の原因となるため注意が必要だ。海水が原因のトラブルが起きたら必ず時計店などに修理を依頼すべきだが、早期に対処することで深刻な症状や故障を回避できる確率は高い。
故障時の修理費用相場

売るならリサイクルショップや質屋よりブランド時計専門店へ
オメガの自動巻きを中古買取に出したい場合、新品購入時に付属していた保証書や手首のサイズを合わせるのに必要なブレスのコマ、ボックスなどを本体と一緒に査定すると評価が良くなりやすい。見た目が問われるため、風防やケースを綺麗に拭き掃除したり、リューズやブレスなどのすき間に溜まった汚れなどは柔かな歯ブラシ等で取り除くのが高価買取にする大きなポイントだ。
また、オメガは人気時計メーカーのため中古市場でのニーズが高い。このため、動かないなどの症状があっても買い取りに応じてくれる中古買取業者も存在する。故障しているオメガを修理して再び売ることが可能な業者だ。ただし、時計に知識が無い業者(ただのリサイクルショップや質屋)ではジャンク品扱いとなるため、必ず時計を専門的に扱っている業者か、時計に詳しい査定人が在籍する業者を選択するべきだ。
故障したオメガは買取して貰える
オメガの自動巻きが動かない原因と解決方法をご紹介した。オメガの時計は自動巻きであるため比較的メンテナンスが簡単だと思われがちだが、定期的なメンテナンスや配慮すべき点がいくつか存在する。
もし時計が動かなくなった場合は早期に自分で対処するか専門店で修理を依頼すべきであるが、人気が高いメーカーのため、壊れていても買い取ってくれる業者を見つけて売りに出すのも良いだろう。そのお金を使って欲しかった時計にグレードアップして買い替えるというのも前向きな選択肢の一つだ。


