PowerShot(パワーショット)は、キャノンから発売されているコンパクトデジタルカメラのモデル名である。1996年、キャノン初のコンパクトデジタルカメラが「PowerShot」として発売され、以来デジタルカメラの名称の1つとして使用されている。
ここでは現行モデルと過去のモデルも含め、キャノンのパワーショットの型番とその調べ方、モデル名との関連性などについて説明していきたい。
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キャノン 「PowerShot」はどんなカメラか
ひと口にコンパクトデジカメと言っても、パワーショットの場合は非常に商品バリエーションの幅が広い。プロの使用に耐えうる描写力や表現力を持つモデルもあれば、一般ユーザー向けのモデルもあるので、特に購入したり、買取に出す際には製品の特長と型番をよく確認していただきたいカメラでもある。
なお、キャノンのコンパクトデジカメの2つのシリーズラインナップの中では、スリムタイプの「IXY」よりも性能的に上位機種にあたる製品群と考えていいだろう。
パワーショット「プレミアムシリーズ」
キャノンの公式サイト(http://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/index.html)で見ると、パワーショットは2つのシリーズに分けられている。
その1つが「プレミアムシリーズ」で、プロの使用にも耐えうる、価格帯にして50,000円~100,000円前後の商品が集められてる。基本的には、大型のCMOSセンサーを内蔵し、高い解像感、広いダイナミックレンジ、豊かな階調表現が可能なモデルが該当すると考えられる。モデル名にはアルファベット「G」が入る。
プレミアムシリーズ
- PowerShot G1 X Mark III ※2017年11月下旬発売予定
- PowerShot G1 X Mark Ⅱ
- PowerShot G3 X
- PowerShot G5 X
- PowerShot G7 X Mark II
- PowerShot G9 X Mark II
パワーショット「ハイクオリティーズームシリーズ」
パワーショットのもう1つのシリーズが、「ハイクオリティーズームシリーズ」だ。こちらはコンパクトデジカメの中上位機種群と考えられ、デジタルカメラの基本スペックに、高倍率のズームレンズを備えたモデルが該当する。価格帯は30,000円前後~60,000円前後に位置する。その筐体デザインにより、優れた操作性を有する「グリップタイプ」と、コンパクトボディの「スリムタイプ」に分けられる。モデル名に「S」が入るシリーズである。
ハイクオリティーズームシリーズ/グリップタイプ
- PowerShot SX60 HS
- PowerShot SX430 IS
ハイクオリティーズームシリーズ/スリムタイプ
- PowerShot SX730 HS
- PowerShot SX720 HS
- PowerShot SX620 HS
キャノン 「PowerShot」の型番
では 「PowerShot」の型番はどういう特徴なのだろうか。確認していこう。
「プレミアムシリーズ」の型番
- PowerShot G1 X Mark III:PSG1X MARKIII
- PowerShot G1 X Mark Ⅱ:PSG1X MARKII
- PowerShot G3 X:PSG3X
- PowerShot G5 X:PSG5X
- PowerShot G7 X Mark II:PSG7X MARKII
- PowerShot G9 X Mark II(ブラック):PSG9X MARKII(BK)
- PowerShot G9 X Mark II(シルバー):PSG9X MARKII(SL)
左側がモデル名で、右側がその型番である。カラーバリエーションがある場合には、他のモデルと同様、末尾にカッコ内にアルファベットで示される。PowerShotの型番は、モデル名称をそのまま縮めたかっこうであり、その意味では非常にわかりやすい。モデル名の英大文字と数字がそのまま型番になっていると考えればよい。
一方で、本体にはモデル名がフルで書かれており、型番は記載されていない。型番はほぼ商品名と同列とも考えられるが、正しい型番を確認する際には、保証書や取り扱い説明書等で確認したほうがいいだろう。
上記モデルのうち、キャノン・コンパクトデジカメのフラッグシップと言えるモデルが「PSG1X」。最新の Mark IIIは一眼レフと同等レベルの性能を持つ。G3とG5も大口径のレンズを擁するプロ仕様のカメラだ。一方G7とG9は高級高機能コンパクトデジカメの系列につながる機種と言える。一方Wi-Fiの設定ができるのは、G3、G7、G9の3モデルだ。
「ハイクオリティーズームシリーズ」の型番
- PowerShot SX60 HS:PSSX60HS
- PowerShot SX430 IS:PSSX430IS
- PowerShot SX730 HS(ブラック):PSSX730HS(BK)
- PowerShot SX730 HS(シルバー):PSSX730HS(SL)
- PowerShot SX720 HS(レッド):PSSX720HS(RE)
- PowerShot SX720 HS(ブラック):PSSX720HS(BK)
- PowerShot SX620 HS(ホワイト):PSSX620HS(WH)
- PowerShot SX620 HS(レッド):PSSX620HS(RE)
- PowerShot SX620 HS(ブラック):PSSX620HS(BK)
「ハイクオリティーズームシリーズ」も、前項のシリーズと同様の型番の構造である。このシリーズにも、本体に型番は書かれておらず、モデル名がフルネームで記されている。ちなみに「プレミアムシリーズ」も含めて、カラーの指定がないモデルは本格的なブラックボディー。そして一般ユーザーを対象としたモデルには、カラーバリエーションモデルが設定されている。
SX60は、光学65倍という非常に高い倍率のズームレンズが魅力。SX430も45倍という高倍率ズームを擁するグリップタイプで、Wi-Fi設定ができるのも魅力だ。スリムタイプの3機種も、それぞれ光学40倍(730と720)と光学25倍(620)という倍率のズームレンズで、姉妹機種であるIXYよりも高倍率であり(その分スリムタイプとはいえIXYよりはどうしても大きくなる)、やはりWi-Fi対応している。
以上が現行モデル全てのキャノン「PowerShot」の型番である。コンパクトデジタルカメラが、高機能化の一途を辿るスマートフォンの付属カメラに対抗するためには、やはりカメラ専用機にしかできない機能をアピールしていくことが必要。その点、パワーショットのラインナップにも、コンパクトデジカメの高級化、高機能化の傾向がうかがえるものとなっている。
過去の「PowerShot」の型番
ここではすでに生産が終わった「PowerShot」の型番の一部を紹介していく。キャノンのコンパクトデジカメ、いわゆるコンデジの代名詞とも言える「PowerShot」。その商品バリエーションも多岐に及ぶ。下記以外の型番としては、初期の「PS」、アウトドアユースを意識した「PSD」、小さなボディーに様々なアイデアが集められた「PSN」、動画撮影利用を意識した「PSTX1」などがある。いずれも型番の考え方は現行モデルと同様である。
「Pro」シリーズ
- PowerShot Pro1:PSPRO1
- PowerShot Pro90 IS:PSPRO90IS
2000年代前半期に販売されていたかつてのフラッグシップ。「Pro90」はビデオカメラ のような、レンズ一体型のカメラ。
「G」シリーズ
- PowerShot G16:PSG16
- PowerShot G15:PSG15
- PowerShot G12:PSG12
- PowerShot G11:PSG11
- PowerShot G10:PSG10
- PowerShot G9 X:PSG9X
- PowerShot G9:PSG9
- PowerShot G7 X:PSG7X
- PowerShot G7:PSG7
- PowerShot G6:PSG6
- PowerShot G5:PSG5
- PowerShot G3:PSG3
- PowerShot G2:PSG2
- PowerShot G1 X:PSG1X
- PowerShot G1:PSG1
2000年にPSG1が発売されて以降、毎年のように性能がアップしたバージョンが、型番の数字が増える形で新製品として発売されていた。ただしG4とG13はない。
「SX」シリーズ
- PowerShot SX50 HS:PSSX50HS
- PowerShot SX710 HS:PSSX700HS
- PowerShot SX500 IS:PSSX500IS
- PowerShot SX100 IS:PSSX100IS
- PowerShot SX10 IS:PSSX10IS
- PowerShot SX1 IS:PSSX1IS
非常にたくさんのモデルがあるため、その一部のみ掲載。高倍率ズームが特徴のシリーズ。2012年9月発売の「SX50」は光学50倍ズームを搭載した。シリーズ最初となる「SX1」は2008年11月の発売。光学20倍ズームを搭載するグリップ仕様のカメラである。
「S」シリーズ
- PowerShot S5 IS:PSS5IS
- PowerShot S120:PSS120
- PowerShot S95:PSS95
- PowerShot S10:PSS10
後のSXシリーズにつながっていくのが「S5」。「S1」からグリップタイプの筐体が進化していった。「S120」は後に「G7」シリーズへとつながるハイエンドモデル。そこにつながるPSS95が210年8月発売で、さらにさかのぼると1999年10月に発売の「PSS10」から始まっているシリーズである。
「A」シリーズ
- PowerShot A3500 IS:PSA3500IS
- PowerShot A1000 IS:PSA1000IS
- PowerShot A100:PSA100
- PowerShot A10:PSA10
キャノンの「PowerShot」と言えば、やはり「A」シリーズの頃が多くのユーザーを引き付けていた。「3500」は2013年8月発売の最後の「A」シリーズ。「1000」は2008年9月のモデル。その最初、「A10」は2001年6月発売モデル。
まとめ
ここまで、キャノンのコンパクトデジタルカメラ「PowerShot」の型番について説明した。その構造は、モデル名の英大文字と数字をつなげただけのものなので、モデル名を容易に想像でき、とても覚えやすく、わかりやすい。少なくとも「PS」で始まる型番のコンデジは、「PowerShot」のシリーズとみて間違いないだろう。なかでも現行なら「PSGX」、あるいは「PSG」の「G」シリーズは基本性能が高く、また人気モデルも多いので、中古で購入する際には狙いどころとなる。
そして、買取の際にはリセールバリューが期待できるシリーズだ。機種によってその価値は異なってくるが、買取に出す際には買取相場を確認のうえで、ショップに査定依頼することをおすすめしたい。ちなみに、買取の際には保証書や同梱品の有無が買取価格を左右する。キャノンの公式サイトには過去のモデルも含め、各モデルの同梱品も詳細に記されており、便利に活用できる。