ワインには、1本で驚くほどの値段がつくものがある。DRC社が製造したモンラッシェもそのひとつだ。白ワインの原料となるシャルドネ種の生産に適した畑から採れるブドウを使用し、手間ひまかけて造られた白ワインの中には、500,000円以上で取引されるものもあるほど。
世界最高の白ワインと称されるDRCモンラッシェの2000年ものについて、買取相場などをまとめた。
引用:Amazon
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DRC モンラッシェ2000年とは
DRC モンラッシェ2000年(DRC MONTRACHET 2000)とは、DRCが2000年に製造した白ワインのことである。DRCは有名なワインの醸造会社で、DRCという社名はドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(Domaine de la Romane'e-Conti)の頭文字をとったものである。ワインについてそれほど詳しくなくとも、ロマネコンティという名前については聞いたことがある人もいるのではないだろうか。
高級ワインの代名詞
ロマネコンティと言えば高級ワインの代名詞のようになっており、テレビ番組や小説、映画などに名前が登場することも多いからである。その、有名で高級かつ品質の高いロマネコンティを製造している醸造所が、DRCだ。のちに詳しく述べるが、ロマネコンティはDRCが所有する中で最も質の高いブドウの採れる畑の名前であり、DRCという醸造所名はその畑から名付けられた。
中には、DRCが製造するワインは全てロマネコンティと思っている人もいるかもしれないが、ロマネコンティはDRCが醸造しているワイン銘柄のうちのひとつに過ぎないのである。では、ロマネコンティのような最高級ワインを生み出している醸造所が製造するモンラッシェは、どのようなワインなのだろうか。実は、モンラッシェもやはり畑の名前である。白ワインの原料となるシャルドネが生産されている。
モンラッシェの販売価格
フランスのブルゴーニュ地方にあるコート・ドール県南部のモンラッシェは、石灰分の多いアルカリ性の土壌が特徴的で、シャルドネ栽培には非常に向いている。グラン・クリュという、ブドウ生産における特級畑に指定されているほどだ。そこで採れたブドウを使用して製造された白ワインは世界的に有名で、最も高価かつ最高峰のものと評されている。
DRCのモンラッシェもその例にもれず、1988年ものが680,000円程度、2001年ものはなんと、900,000円前後で販売されていることもある。2000年ものは、420,000円から450,000円程で流通しているようだ。売却すれば、かなりの高値がつくことが期待できるだろう。
モンラッシェの味わい
ところで、それほどまでに高級なワインのモンラッシェ。味わいについても、やはり気になるのではないだろうか。製造年は不明であるが、イギリス人の著名なワイン評論家は、「巨人のなかの巨人」という風にDRCモンラッシェの味わいを評価している。
基本的に、熟成にオーク樽を使用しているDRCのワインは、どれも香ばしいスモークの香りとバランスのとれた味わいが楽しめるようになっている。そこに加えて、モンラッシェの2000年にはスパイシーさと洋ナシのような芳香な香りがあり、蜂蜜のような甘い味わいがすると言われている。
買取価格・取引相場
流通量が少ないDRCモンラッシェは、業者による買取事例が少ない。しかし、DRC モンラッシェ2000年については、280,000円で買取が成立したというケースがあった。買取の時期については不明である。
一方、ネットーオークションでは、DRCモンラッシェの出品自体が2019年7月時点ではない。しかし、1988年のDRCモンラッシェが265,000円で、2010年ものは413,000円で取引が成立した過去がある。また、DRCモンラッシェ2011年は325,000円で、DRCモンラッシェ2007年については331,000円で落札されている。
これらの落札価格から、DRC モンラッシェ2000年についても大体の取引相場が推測できるのではないだろうか。また、製造年や売る時期によって相場には多少の変動が出てくるかもしれないが、DRCのモンラッシェは、オークションでも常に多数の入札がある人気の商品である。空きボトルにも値段がついて売れるほどなので、よほど状態の悪いものでない限り、ある程度の査定額はつくことが期待できるだろう。
ワインを売却するときの注意点
DRC モンラッシェ2000年を売却するにあたっては、ワインならではの注意点を知っておくことが大切である。
ワインは保管に注意
ワインはお酒だから、悪くならないと思っている人もいるかもしれない。しかしそれは、温度や湿度をしっかりと管理された環境にあるものだけに言えることであり、そうでないものについては品質はどんどん劣化する。特に、太陽の光があたったり高温になったりするような場所での保管は厳禁だ。
一般的にワインの保管に向いているのは、気温が10度から16度の間、湿度は70%前後で常に一定であり、他のものの匂いや振動がない場所とされている。家庭であればやはり、ワインセラーが最適な場所であろう。ワインセラーがないのであれば、新聞紙にくるんで冷蔵庫の野菜室に入れておくというのが代わりの方法になる。
しかし、扉の開閉時の振動が加わってしまうため、ワインセラーがないときにはできるだけ早く売却してしまった方が無難である。
製造年を意識しよう
ワインの価格は、製造年によってバラツキがある。ブドウの出来が関係するためだ。同じ銘柄のワインでも製造年によって売却額が変動するため、価格をみる際には製造年も意識してチェックするようにしよう。
2000年から2018年まででDRCのモンラッシェの当たり年と言われているのは、2002年・2004年・2005年・2008年・2010年である。2000年はこれらの当たり年ほどではないものの、ワイン専門家によるテイスティングでは平均して95点を得ている。相場を把握する上での参考にしよう。
高値で売るコツ
他にも、DRC モンラッシェ2000年を高値で売るためのコツがある。以下で紹介しよう。
お酒専門の買取業者へ依頼すること
多くの商品ジャンルを取り扱っている総合リサイクルショップのようなお店よりはお酒専門の買取業者へ依頼した方が、高値で買い取ってもらえることが多いだろう。DRCモンラッシェの価値を分かっている鑑定士がいるためだ。また、近場に専門の買取店がなかったとしても、出張買取や宅配査定を利用することで全国どこでも買い取ってもらうことができるようになる。
鑑定は必ず複数業者に
DRC モンラッシェ2000年は、大抵のお店が買取をしたがる希少品だ。1店舗からの査定額で満足せずに必ず複数店舗で鑑定してもらい、価格交渉するようにしよう。ヤフオク、メルカリなどのオークションサイトやフリマアプリに出品してみるのも、相場を把握するためには良いだろう。
DRCの歴史
世界的に有名なワイン醸造所DRCは、どのような会社なのだろうか。DRC社は、フランスのブルゴーニュ地方、ヴォーヌ・ロマネ村に本拠地を置く。製造するワインはどれも味が良く希少価値もあるため、DRCは世界最高のワイン製造業者と言われている。
そんなDRCの歴史は、ロマネコンティ畑とともにあるといっても過言ではない。中世期、サン・ヴィヴァン修道院が、とあるワイン畑を所有していた。当時はロマネコンティという名前ではなかったが、その後に畑がクローネンブール家に購入されると、ラ・ロマネという名前がつけられる。
ロマネコンティとDRCの始まり
1760年になるとラ・ロマネはクローネンブール家の手を離れ、競売にかけられる。そのとき所有権を巡って争ったのが、ルイ15世の寵愛を受けていたポンパドール夫人と、軍事顧問的な地位にあったコンティ公である。この所有権争いで最終的に勝利を手にしたのはコンティ公で、コンティ公は畑の名前を、ラ・ロマネからロマネコンティへと変更した。そこから、ロマネコンティとDRCの歴史が始まることになる。
1789年に畑の差し押さえ
コンティ公がロマネコンティ畑を手に入れてからしばらくののちには、そこで製造されたワインはコンティ家しか飲むことのできない貴重なものとなっていた。ところが、1789年にフランス革命が起こると畑は差し押さえられ、再び競売にかけられる。畑はコンティ家の手を離れたのである。
その後、ロマネコンティ畑は幾度となく所有者が変わり、名前の変更や畑が細分化されるという歴史を歩む。しかし、当主であるオベール・ド・ヴィレーヌ氏に続く家系が、1869年になってロマネコンティの所有権を一部取り戻す。1942年には会社組織となり、ヴィレーヌ家とルロワ家によって会社が運営されるようになった。
1988年に再びDRC醸造所のものに
その後もDRC社は少しずつ畑を買い戻し続け、1988年に、ついにロマネコンティ畑の全ての土地を再びDRC醸造所のものとしたのである。DRC社はロマネコンティを取り戻すために、エシェゾーとグラン・エシェゾーという醸造所を、賃貸に出したり売却したりするなどして資金を調達したという。ロマネコンティは2019年現在、DRC社の単独所有となっている。
また、DRC社の方はオベール・ド・ヴィレーヌ氏とアンリ・フレデリック・ロック氏が共同で経営している。このように、DRC醸造所の歴史はロマネコンティ畑とは切っても切れない関係にある。
しかし、DRCはロマネコンティだけを製造しているわけではなく、この記事で紹介したようにモンラッシェの他、ラ・ターシュ、ロマネ・サン・ヴィヴァン、リシュブー、エシェゾー、グラン・エシェゾーなども製造している。
少量生産で高品質
どの銘柄も製造本数はそれほど多くない。もっとも製造本数が多いラ・ターシュで、平均して年に1870ケースほど。ロマネコンティは450ケースほどで、モンラッシェに至っては250ケース程度だ。
少量生産で高品質を目指すというのがDRC社の特徴である。製造方法にもこだわりがある。熟成に用いる樽は、トロンセの森から特別に調達するオーク材だ。また、製造過程でろ過はしない。さらに、樽から樽に移す際や瓶詰の際にもポンプは決して用いずに、重力だけで自然に流れ落ちるのを待つ。
生産量が少なくて美味しいということに加えて、こうした手間ひまが惜しげもなくかけられているということが、DRC社のワインがここまで高額になっている理由のひとつと言えるだろう。
まとめ
DRCモンラッシェは、DRC社が製造する最高峰の白ワインである。ワインは製造年によって価格に差が出るが、DRCモンラッシェの場合、高額になると400,000円前後でオークションで売買されることもある。希少性が高くコレクターが欲しがる逸品のため、DRC モンラッシェ2000年も、ある程度の高値で買い取ってもらえるだろう。
相場と売りどきを把握し、価値の分かる業者に売却するようにしよう。