スマートフォンは、通信端末として通話やメールはもちろんのこと、写真や動画の撮影、web閲覧や動画の視聴、ナビゲーションやゲーム、体調管理、電子書籍の閲覧、さらには生放送での配信まで、様々な使い方ができるように進化してきた。今や日常生活においては、なくてはならないものだと言えるだろう。そんなスマートフォンは、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、アフリカ、果ては南極大陸まで、世界中の様々な国や地域で販売・使用されている。
人気の高いスマートフォンは、その国や地域の事情などにより違ってくるが、日本では、2008年にアップル社のiPhoneが上陸して以来、圧倒的な人気を誇っている。
同じくスマートフォンであるAndroid端末においても、これまで様々な機種が発売されてきたが、以降もその圧倒的な人気は継続している。日本国内におけるスマートフォン市場を占めるiPhoneの割合は、アップル社があるアメリカをも上回っており、世界一のiPhone愛好国といってもあながち間違いではないだろう。
そのiPhoneであるが、同じiPhoneであっても、仕向けにより複数の型番があり、使用できる周波数が異なるなど、見た目は同じでも仕様が異なっている。
もし、その国の電波の仕様と合っていないiPhoneを使用しようとした場合、高速通信ができなかったり、最悪の場合、通信すらできなかったりなど、困る事態に陥る可能性もある。そのため、その国にiPhoneを持ち込む場合、事前に型番と仕様からその国で使用できるかどうかを確認をした方がいい場合もある。
そこで、今回は、iPhone5の型番や型番の調べ方などについて記載していく。また、名前が似ていて間違えやすいiPhone5・iPhone5s・iPhone5cそれぞれの違いについても合わせて解説する。
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
iPhoneとは
iPhone5の説明をする上で、まずiPhoneについて概要や歴史、特徴などについて解説する。
iPhoneとは、アップル社が開発・販売しているスマートフォンである。シンプルでスタイリッシュなボディーなのが特徴で、「スマートフォンはiPhoneしか使わない」というこだわりを持つiPhoneファンも多い。
初代iPhoneは、アップル製品の展示会である「Macworld Expo 2007」で2007年6月29日に発表され、アメリカ合衆国で販売が開始した。
そして、アップル社は初代iPhoneを発売して以降も、iPhoneを進化させるために開発を続けてきた。今もなお新しいiPhoneシリーズが発売されており、今までに発売されたiPhoneは「iPhone 3G」「iPhone 3GS」「iPhone 4」「iPhone 4S」「iPhone 5」「iPhone 5s/iPhone 5c」「iPhone 6/iPhone 6 Plus」「iPhone 6s/iPhone 6s Plus」「iPhone SE」「iPhone 7/iPhone 7 Plus」「iPhone 8/iPhone 8 Plus」「iPhone X」がある。初代iPhoneを含めて数えると、13世代ものシリーズが発表されてきた。
最初にiPhoneが発表された衝撃を覚えている方もいるのではないだろうか。多くのボタンが並んでいるガラパゴス携帯を使っていた人々にとって、「ホームボタン」がひとつしかないiPhoneは、良くも悪くも当時多くの人々の注目を集めた。
「ボタンがひとつしかないなんて使い勝手が悪い」という声が多く聞かれたのも事実だ。しかし、スクリーンを指でタッチしたりスライドしたりと、iPhoneの操作は直感的かつ簡単に行うことができたため、続々とファンを増やしていった。
ホームボタンがひとつしかないシンプルなiPhoneだが、2017年9月12日に発売が発表された「iPhone X」では、ホームボタンも廃止されたデザインになっている。「iPhone 8/iPhone 8 Plus」までのiPhoneを利用してきた人にとって、驚きが大きかったのではないだろうか。今までのiPhoneは、操作をする上で画面のタッチも重要だが、ホームボタンの操作が必要不可欠だった。しかし、iPhone Xではホームボタンがなくなったからこそ、さらに直感的で簡単な操作ができるようになったことは間違いない。
iPhone Xが発売されるにあたって、予約が殺到し、発売当日もアップルストアやiPhoneを取り扱う大手キャリアの店舗には多くの客が押しかけた。iPhoneの発売は毎回このような状況になるので、シリーズを共通して多くのiPhoneファンから愛されていることが伺える。
iPhone5とは
iPhone5は、アップル社が開発、販売しているスマートフォンiPhoneのシリーズ機である。ナンバリングは「5」であるが、初代iPhoneを第1世代として、かぞえて6世代目となるので、第6世代と呼ばれる。
iPhone5の発売の発表は、2012年9月12日にアメリカ・サンフランシスコにあるヤーバブエナ芸術センターにて行われた。日本では2012年9月21日に販売が開始され、同日にアメリカ・フランス・イギリス・オーストラリア・ドイツ・カナダ・シンガポール・香港でも発売。日本を含めた上記9地域以外の多くの地域は、2012年9月28日に発売が開始された。
現在のiPhoneシリーズは、NTTドコモを含めた大手キャリア3社で取り扱われている。しかし、当時日本でiPhone5を取り扱ったのは、SoftBankとKDDI・沖縄セルラー電話連合(au)の大手キャリア2社のみだった。
iPhone5の基本的なスペック
例年のiPhoneシリーズ発売同様、iPhone5の発売も予約が殺到し、多くの人々の注目を集めた。「予約をしようと思ったのに、予約枠が埋まっていてできなかった」「購入したくて販売店に行ったのに、在庫が全くなくて数カ月先の予約になった」という方も続出したほど。そんなiPhone5だが、どのようなスペックを持っていたのだろうか。そこで、iPhone5の基本的なスペックについて紹介する。
iPhone5の幅・高さ・厚みは、58.6×123.8×7.6mmである。重量は112gで、液晶画面解像度は1136×640だ。iPhone5のひとつ前の世代であるiPhone4sは、幅・高さ・厚みが58.6×115.2×9.3 mm、重量は140g、画像解像度は960×640のため、比べるとiPhone5の方がスペックが高いといえる。
記憶容量は「16GB」「32GB」「64GB」の3種類から選ぶことができ、カラーは「ブラック」「ホワイト」の2色展開だ。
また、メインカメラの画素数は800万画素、インカメラの画素数は120万画素。カメラ撮影においては、「パノラマ撮影機能」「手ぶれ補正機能」があり、動画・静止画では「顔認識機能」もデフォルトで付いている。
iPhone5の特徴
iPhone5は、3.9Gと呼ばれる高速通信規格であるLTEにiPhoneとして初めて対応した機種となり、日本では、iPhone5の発売に合わせてLTEが導入されるなど、LTE普及の契機となった機種となる。iPhone5が対応しているLTE電波は、SoftBankのものが2種類、auのものが1種類だ。
その他、nanoSIMやLightningコネクタなど、その後のiPhoneに搭載される主要な機能を初めて搭載した機種でもある。
iPhone5・iPhone5s・iPhone5cの違いについて
iPhone5が2012年9月12日に発売されたあと、iPhone5の後続機としてiPhone5sとiPhone5cの2機種が発表された。どの機種も「iPhone5」という名前がついているため、一見すると違いがわかりにくいのではないだろうか。しかし、スペックや特徴はそれぞれ異なる。そこで、iPhone5・iPhone5s・iPhone5cの違いについて解説していく。
本体の大きさ
まずひとつ目は、本体の大きさから。iPhone5sの大きさは、iPhone5と同じで58.6×123.8×7.6mmとなっており、重さもiPhone5同様に112gだ。一方、iPhone5cは、59.2×124.4×8.97 mmで重さは132gのため、ほかの2機種と比べて少し大きくて重い。
カラー展開
ふたつ目は、3機種それぞれ違うカラー展開であること。先述の通りiPhone5は「ブラック」「ホワイト」の2種類だったのに対し、iPhone5sは「シルバー」「ゴールド」「スペースグレイ」の3色展開になっている。
そして、いちばんカラー展開が多いのがiPhone5cだ。「グリーン」「イエロー」「ブルー」「ホワイト」「レッド」の5色を展開しており、パステルカラーのような淡い色合いが特徴である。
対応電波
そして3つ目は、対応している電波だ。3機種どれも電波はLTEに対応しているが、LTEの種類に違いがある。iPhone5は先述の通り、SoftBankのものが2種類、auのものが1種類だ。
一方、iPhone5c・iPhone 5sの対応電波の種類は同じで、SoftBankのものが3種類、NTTドコモのものが3種類、auのものが2種類なのだ。対応電波が多くなると、回線が混雑している状況でもインターネットがつながりやすいメリットがある。そのため、通信の面で考えると、iPhone5c・iPhone 5sの方が使い勝手がいい。
iPhone5よりiPhone5sとiPhone5cの方が便利?
iPhone5sとiPhone5cは、iPhone5の後続機として発売されたため、総合的に見るとiPhone5sとiPhone5cの方がスペックは高いといえるだろう。特にiPhone5sにおいては、システムチップのバージョンが「Apple A7」になったり、カメラの性能がアップしたり、指紋認証センサーの「Touch ID」が搭載されたりと、iPhone5からさまざまな進化を遂げている。
iPhone5の型番について
それでは次は、iPhone5の型番について解説していく。
iPhone5の型番(モデルナンバー)は、「A1428」、「A1429」、「A1442」の3種類があり、さらに「A1429」は、GSM向けとCDMA向けがある。「GSM」や「CDMA」とは、携帯電話やスマートフォンで使用される電波の種類と考えてもらえばいいだろう。
日本では、ソフトバンクからは「A1429」のGSM向け、auからは「A1429」のCDMA向けが、それぞれ発売された。
NTTドコモは、次機種のiPhone5s/iPhone5cから取扱いを開始するので、このiPhone5は、NTTドコモからは発売されていない。
NTTドコモとソフトバンクは、同じ電波の種類を採用しているので、ソフトバンクから発売されたiPhone5にNTTドコモのSIMカードを入れれば、NTTドコモのネットワークに接続できる可能性もあるかもしれないが、実際は、日本で発売されているiPhone5は、SIMロック解除に対応していないので、ソフトバンクから発売されたiPhone5にNTTドコモのSIMカードを入れても、SIMカードの認識すらできないだろう。
その他の地域についてだが、「A1428」は、アメリカとカナダ向け、「A1429」のCDMAは、au含むCDMAを利用しているキャリア向け、「A1429」のGSM向けは、ソフトバンク、アジア(中国含む)、オセアニア、ヨーロッパ向け、「A1442」は、中国向けとなる。
中国向けは、A1429のGSM向けとA1442の2種類があるが、A1442は、CDMA対応のようで、日本のソフトバンクとauのように、キャリアが使用する電波の種類により、A1429かA1442かが決まるようだ。
iPhone5の型番の確認方法について
iPhone5の型番の確認方法についてだが、iPhone5は、本体に型番が刻印されている。蓋をはぐって内部を確認したり、専用のソフトウェアで確認したりするなどの手間はいらず、比較的簡単に確認できるといえる。
iPhone5の型番がある場所は、本体裏側下部に「iPhone」と刻印されている場所があるが、その下に「Designed by Apple in California Assembled in China」という文字列が刻印され、それに続いて「Model A〇〇〇〇」と刻印されており、その「A〇〇〇〇」が、上記に記載した型番となる。
さらに、それに続いて文字列が刻まれているが、その文字列の最後の「IMEI:」に続く15桁の数字列は、国際的な認識番号を表しており、iPhoneに限らず端末毎に固有の番号が割り振られている。
このIMEIを、IMEIから仕様などを検索できるサイトなどで確認すれば、そのiPhone5は、どこの国とどのようなキャリア向けの端末か確認することができる。もし、どこのキャリアで販売されたものかわからないiPhone5があった場合、このIMEIから確認することができる。
例えば、ソフトバンクとauのiPhone5は、見た目は同じで型番も同じ「A1429」であるので、外見からはどちらのiPhone5か判断できない場合もあるが、IMEIを検索すると、どの国のどのキャリア向けのiPhone5かを確認できるので、IMEIから、ソフトバンク向けかau向けかを確認することができる。
まとめ
今回、iPhone5の型番や型番の確認方法などについて記載したが、日本において日本向けの販売されたiPhone5を使用する分には問題はないが(ソフトバンクかauかの違いはあるが)、海外からSIMフリーのiPhone5を持ち込んだ時、そのiPhone5の仕向けにより、使用できない可能性もある。
また、海外のSIMフリーのiPhone5は、日本で無線のネットワークに接続するのに必要な技適マークがない場合があり、その場合、無線のネットワークに接続すると、電波法違反になる可能性もあるので、注意したほうがいいだろう。