アップル社が開発、販売しているスマートフォンであるiPhoneは、2008年にiPhone3が発売されて以来、日本で一番人気があるスマートフォンといえる。
日本のスマートフォンにおけるiPhoneのシェアは、ライバルであるAndroid機を圧倒しており、その割合は、本家であるアメリカすら凌いでいる。
そんなiPhoneであるが、同じiPhoneの機種でも、仕向けによりいくつか種類がある。そのため、その国の通信の仕様に適合していないiPhoneを使用すると、通信ができないなど、不都合が生じることもあり、あらかじめ、そのiPhoneが、その国の通信の仕様に適合しているか、確認する必要がある場合もある。
そこで、今回は、iPhone5cの製番、仕向けなどについて記載する。また、間違えやすいiPhone5c・iPhone5s・iPhone5の違いについても解説しているため、参考にしてみてはいかがだろうか。
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
iPhoneとは
iPhone5cについて説明する上で、まずはiPhoneとはどういったスマートフォンなのかを知る必要がある。そこで、iPhoneの特徴や概要を解説していく。
iPhoneとは、「りんごのマーク」で有名なアップル社が開発・販売しているスマートフォンの種類である。最初は、アップル社があるアメリカ合衆国から販売がスタートし、今や世界中の多くの国々から愛されている。
「スマートフォンは絶対にiPhoneを使う」と断言するiPhoneファンも多い。iPhoneシリーズが発売されるたびに、予約が殺到し、アップルストアやiPhoneを販売する大手キャリアの店舗では行列が作られる。ほかの世界の国々ではi、PhoneよりもAndroid機がシェアを獲得しているが、日本では圧倒的にiPhoneのシェアが多い。このことからも、日本におけるiPhoneの人気の高さが伺える。
そんなiPhoneだが、初代は2007年6月29日に行われたアップル製品の展示会である「Macworld Expo 2007」で発売が発表された。初代iPhoneはアメリカ合衆国で2007年6月29日に発売が開始し、多くの人々の話題を集めた。
それからアップル社はさらなるiPhoneの進化を求めて、今でも開発を続けている。これまでに発売されたiPhoneのシリーズは数多く、名前を挙げると「iPhone 3G」「iPhone 3GS」「iPhone 4」「iPhone 4S」「iPhone 5」「iPhone 5s/iPhone 5c」「iPhone 6/iPhone 6 Plus」「iPhone 6s/iPhone 6s Plus」「iPhone SE」「iPhone 7/iPhone 7 Plus」「iPhone 8/iPhone 8 Plus」「iPhone X」がある。初代iPhoneを含めると、今までに発売されてきたのは13世代にも及ぶ。
最近では、2017年9月12日に発売が発表された「iPhone X」が記憶に新しい。iPhone Xの発売も、同シリーズと同じく、人気が高かったため予約が殺到した。「発売日に購入しようと思っていたのに、手に入れられなかった」と嘆くiPhoneファンも多いだろう。
iPhoneの大きな特徴のひとつとして挙げられるのは、ボタンが「ホームボタン」のひとつしかないことだ。平べったく大きな画面の下に、ホームボタンがひとつ配置されているだけである。この形式は初代iPhoneから引き継がれており、今までボタンが多数並んでいた携帯電話の概念を覆した。
最初は「ボタンひとつで何が操作できるのか」などともいわれていたが、ほとんどの操作は画面上で完結する。画面を指でタッチしたりスライドしたりすることによって、iPhoneを利用することができるのだ。ホームボタンがひとつしかないからこそ、直感で手軽に操作が可能になった。
しかし、2017年9月12日に発表されたiPhone Xは、ひとつしかなかったホームボタンでさえ廃止された。これまでのiPhoneにおいて、ホームボタンは必ず利用する存在だったため、ボタンがないスマートフォンは多くの人々に衝撃を与えた。
しかし、ホームボタンがないことによりさらに直感的な操作が可能になった。手軽に使えるようになり、利便性は高まったといえるだろう。
iPhone5cとは
iPhone5cは、アップル社が開発、販売しているスマートフォンであるiPhoneのシリーズ機種である。iPhone5sと同時期に発売され、初代iPhoneを第1世代とすると、数えて7世代目にあたることから、第7世代と呼ばれる。
iPhone5cは、2013年9月10日にアップル本社があるアメリカ・カリフォルニア州クパチーノにて、iPhone5cの上位機種である「iPhone5s」とともに発売が発表された。2013年9月20日に日本でも発売が開始され、同日にほかにもアメリカ・オーストラリア・シンガポール・カナダ・中国・香港・イギリス・フランス・ドイツ・プエルトリコの国々で販売された。
これまでは1年に1種類のペースで新機種が発表されてきたiPhone。しかし、2013年の発表のタイミングでは、iPhone5cとiPhone5sの2機種を同時に公表した。これはiPhone史上初の試みである。
iPhone5cとiPhone5s以前のシリーズは、国内ではSoftBankとauの大手キャリアでのみ、発売が行われていた。しかし、今回のシリーズからはNTTドコモも取り扱うようになり、国内の大手キャリア3社がそろった状態に。また、2013年11月22日には、日本のアップルストアでiPhone5cのSIMフリーモデルも販売された。
約1年ほど最新機種のiPhoneとして売られていたiPhone5cだが、2014年9月12日の「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」の発表をきっかけにして、アップルのWEBサイトの商品ページやオンラインショップから外された。そして、取り扱い店舗でも、徐々に数が減らされて、やがては販売されなくなった。
iPhone5cの基本的なスペック
iPhone5cは、iPhone5sと同じく前世代のiPhone5の後継機種であるが、スペック的に向上しているiPhone5sとは違い、ハードウェアスペックは、iPhone5と同等であり、iPhone5sには搭載されている指紋認証センサーである「Touch ID」もiPhone5cには搭載されていない。
ただ、本体サイズや重さは、iPhone5より若干大きく重くなっており、本体の素材もiPhone5やiPhone5sとは異なり、ポリカーボネートが用いられている。
iPhone5cの幅・高さ・厚みは、59.2×124.4×8.97mmである。重量は132gで、記憶容量は「16GB」「32GB」の2種類から選ぶことができる。
メインカメラの画素数は800万画素、インカメラの画素数は120万画素。カメラ撮影において、「パノラマ撮影」機能や「手ぶれ補正」機能はもともとiPhone5cについている。動画と静止画では、「顔認識」機能も起動するため、人物の写真をよりキレイに撮影することができるだろう。
また、iPhone5cは、それまでのiPhoneにはないパステルカラーの「ブルー」「グリーン」「ピンク」「イエロー」「ホワイト」と、iPodのようなボディカラーを展開しており、iPhone5cの大きな特徴となっている。本体の5種類のパステルカラーは、男性からも人気があったが、特にスマートフォンの見た目にこだわる女性から大きな反響があった。
iPhone5c・iPhone5s・iPhone5の違い
「iPhone5」は、2012年9月12日に発売が発表され、およそ1年後の2013年9月10日に「iPhone5c」「iPhone5s」の発売が発表された。これといった大きな差は見つけにくいが、細かい差は多い。どのiPhoneシリーズも「iPhone5」という名前がついているため、間違えやすいのも事実である。そこで、iPhone5c・iPhone5s・iPhone5のそれぞれの違いについて紹介していく。
まず違いが見られるのが、本体の大きさと重量である。iPhone5cは先述した通り、幅・高さ・厚みが59.2×124.4×8.97mm、重量は132gだ。しかし、iPhone5sとiPhone5はどちらも、幅・高さ・厚みが58.6×123.8×7.6mm、重量は112gとなっている。iPhone5cの方がiPhone5sとiPhone5よりも、本体が少し大きくて重量も少し重いのだ。
また、記憶容量についても違いが見られる。iPhone5cの記憶容量は「16GB」「32GB」の2種類だったが、iPhone5sとiPhone5はどちらも「16GB」「32GB」「64GB」の3種類から選ぶことができる。
そして、カラー展開についても違いがある。iPhone 5は「ブラック」と「ホワイト」の2色、iPhone 5sは「シルバー」「ゴールド」「スペースグレイ」の3色の展開。それに対してiPhone5cは、パステルカラーの5色を展開している。
最後に、対応電波の違いにも触れておく。どれもLTEの電波に対応しているが、iPhone 5とiPhone5c・iPhone 5sではLTEの種類に差がある。iPhone 5の対応電波はSoftBankのもので2種類、auのもので1種類だ。
一方、iPhone5c・iPhone 5sの対応電波はSoftBankのもので3種類、NTTドコモのもので3種類、auのもので2種類もある。対応電波は多ければ多いほど、混雑している状況でもつながりやすくなるため、通信においてはiPhone5c・iPhone 5sの方が利便性が高いといえるだろう。
iPhone5cの型番
iPhone5c・iPhone5s・iPhone5の3機種は名前が似ているが、性能はそれぞれ異なる。間違って検索してしまうと型番も違ってしまうため、調べる際には注意していただきたい。それでは次は、iPhone5cの型番について紹介していこう。
iPhone5cの型番(モデルナンバー)は、「A1456」、「A1507」、「A1516」、「A1526」、「A1529」、「A1532」の6種類となっている。
このうち、日本で販売されているiPhone5cの型番は、「A1456」で、同じ通信方式のNTTドコモ、ソフトバンクはもちろんの事、NTTドコモやソフトバンクとは違う通信方式のauも同じ型番となり、対応している周波数が多いiPhone5cといえる。
ただし、中国で広く使用されているLTEであるTD-LTEの周波数には対応していない。
また、NTTドコモ、au、ソフトバンクで販売されるiPhone5cは、SIMロック解除ができないので、対応している周波数が多くても、海外に持ち込んで現地の通信会社のSIMカードをさしても通信することはできない。
データローミングなどにより海外に日本のキャリアで販売されたiPhone5cを持ち込んでも通信をすることはできるが、現地で現地のSIMカードをさして通信をする、ということはできない可能性が極めて高いのである。
その他の型番の仕向けについてであるが、アメリカの通信会社であるAT&T向け、T-Mobile US向け、およびカナダ向けは、「A1532」、アメリカの通信会社であるSprint向けは、日本と同じ「A1456」、中国を除くアジア地域(香港を含む)、オーストラリア、ニュージーランドなどオセアニア向けは、「A1529」、ヨーロッパ向けは、「A1507」、中国向けは、「A1516」、「A1526」となる。
上記のように型番は、おおよそ販売地域向けに分かれているが、別の地域でも使用できる場合もある。
例えば、先ほど日本で販売されている「A1456」はTD-LTEの周波数には対応していないと記載したが、中国を除くアジア地域(香港を含む)、オーストラリア、ニュージーランドなどオセアニア向けに販売されている「A1529」は、TD-LTEの周波数に対応しており、中国で高速通信が利用できる可能性がある。
ただ、一点注意しなければならないのは、他の地域のiPhone5cを日本に持ち込んだ場合、技適マークがついていないものは、ネットワークに接続すると電波法違反となる可能性がある。
iPhoneの中でも海外向けのSIMフリー版については、技適マークがあるものとないものがあるので、日本国内で使用する場合は注意したほうがいいだろう。
iPhone5cの製番の確認方法
iPhone5cにおける型番の確認方法だが、iPhone5cの製番は、本体に刻印されてあるので、その部分を見る事で確認することが出来る。蓋を外したり、専用のツールを使用したりする必要がなく、比較的簡単に確認することができるといえる。
製番がある場所は、本体裏下側に「iPhone」と刻印がしてある場所の下側に、「Designed by Apple in California Assembled in China」と言う文字列が刻印してあるが、それに続いて「Model A1〇〇〇」の文字列が刻印されており、そのA1〇〇〇が、型番となる。
さらに、その下に刻印されている文字列の最後に「IMEI:」という文字列と15個の数字が刻印されているが、これは、端末毎に割り振りされている国際的な識別番号で、同じ番号が割り振りされている端末はない。
このiPhone5cに刻印されているIMEIを調べる事で、このiPhone5cは、どこの国のどのキャリアのiPhone5cか確認することが出来る。
日本の場合、NTTドコモもauもソフトバンクもiPhone5cの型番は「A1456」であるので、型番からはどのキャリアのものか判別することはできない。中古ショップのように、どのキャリアのiPhone5cか明記されていればいいが、ジャンク品などで明記されていない場合もある。
そのような場合は、このIMEIを検索すれば、どのキャリアで販売されたものか確認することができる。
日本で販売されているiPhone5cは、SIMロック解除ができないので、所有しているSIMカードと同じキャリアで販売されたiPhone5cでないと、使用することはできない。
そのため、もし、どこのキャリアで販売されたかわからないiPhone5cがある場合は、IMEIから販売されたキャリアなどを確認したほうがいいだろう。
iPhone5cの型番や型番の確認方法などについて記載したが、iPhone5cは仕向けにより複数の型番があり、それぞれ使用できる周波数が違うなど、特徴がある。
SIMフリー版のiPhone5cは、特定のキャリアしか使用できないと言ったような縛りはなく、様々なキャリアのSIMカードを使用できるが、仕向けにより通信ができない場合もあるので、この型番のiPhone5cは、この地域で使用できるかなど、事前に確認をしたほうがいいだろう。