通話機能やメール機能だけでなく、音楽を聞いたり動画を見たり様々な用途に使用できる携帯端末のスマートフォン。いまや人々の生活になくてはならないツールのひとつになった、と言えるかもしれない。そんなスマートフォンがここまで普及するきっかけとなったのは、間違いなくiPhoneの登場だろう。
アップル社が開発、販売しているスマートフォンiPhoneは、日本のスマートフォン市場において、圧倒的なシェアを得ている。iPhoneの新機種の発売ともなると、アップルの直営店の前には、購入するための行列ができ、それがニュースになるなど、社会現象となるほどの人気である。2016年4月から9月にかけて、スマートフォンを購入した人の64.8%がiPhoneを購入しているという結果も出ており、日本人のスマートフォン利用者のうち、7割近くがiPhoneを占めているということは間違い無いだろう。
そんなiPhoneであるが、見た目は同じでも型番が違うものが数種類あることがある。iPhoneは、アップル社があるアメリカ、日本、中国などのアジア、ヨーロッパ、オセアニア、アフリカなど世界中で販売されている。そして、そのiPhoneがネットワークに接続するための電波の仕様や周波数は、国や地域で異なっていることが多い。
そのため、iPhoneは、それぞれの国もしくは地域の通信事情に対応するために、使用できる電波や周波数の仕様を、それぞれの国や地域により変更して販売していることから、型番が数種類あるのである。
この時、その国もしくは地域向けのiPhoneを使用している場合には特に問題はないが、国外から、その国もしくは地域向けではない型番のiPhoneを持ち込んで使用した場合、快適に通信が行えない場合もあり、最悪の場合には通信すらできない可能性もなくはないのである。そのため、iPhoneが型番によってどのような国もしくは地域に対応しているものなのか、確認しておいた方が良いケースもある。
そこで今回は、iPhoneシリーズの中からiPhone6s/iPhone6s Plusの型番や型番による仕様の違い、型番の確認方法などについて記載する。
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iPhone6s/iPhone6s Plusとは
iPhone6s/iPhone6s Plusは、アップル社が開発、販売しているスマートフォンiPhoneのシリーズ機である。機種名はiPhone6s/iPhone6s Plusであるが、iPhone初代を第1世代として、9世代目にあたるので、第9世代機と呼ばれることもある。第9世代のiPhoneシリーズは、iPhone6s/iPhone6s PlusのほかにiPhone SEがある。
前機種iPhone6/iPhone6 Plusとの比較
では、iPhone6s/iPhone6s Plusは前機種であるiPhone6/iPhone6 Plusから何が変わっているのだろうか。
カメラの性能がアップ
ここ数年、スマートフォンのカメラ性能のアップはめざましく、携帯端末とは思えないほどに綺麗な写真が撮れることが当たり前のようになってきた。Androidのスマートフォン端末が続々と1,000万画素オーバーの高性能カメラを搭載する中、実質的な画質を優先するためにiPhoneシリーズはiPhone4sから一貫して800万画素のメインカメラを堅持してきていた。それがついにiPhone6s/iPhone6s Plusで1,200万画素にパワーアップしたのだ。また、フロントカメラについてもiPhone5の120万画素から500万画素へと一気に性能がアップしている。
そのほかにも動く写真が撮れる「Live Photos」機能や、動画撮影においては4K動画の撮影も可能になり、かなり進化していると言えるだろう。加えてiPhone6s Plusのみに、光学手ぶれ補正機能も搭載されている。
本体強度がアップ
iPhone6は、発売当時ズボンの後ろポケットに入れて車を運転していただけで折れ曲がってしまったというような「ベンドゲート問題」が話題になったりもしていたが、そこがiPhone6s/6s Plusにおいては改善されてる。すでにApple Watchにも用いられている7,000系アルミニウムが採用され、iPhone6に比べて2倍以上強度が高まっている。
なお、本体強度が増したことにより重さもそれぞれ、iPhone6と比べてiPhone6sは14g増加の143g、iPhone6 Plusと比べてiPhone6s Plusは20gも重くなり192gになった。
3D Touch機能の搭載
iPhone6s/iPhone6s Plusより、ディスプレイに新たにFace Touch(感圧センサー)が搭載され、「3D Touch」という新たな操作性が加わった。 これは、ディスプレイのバックライトに組み込まれた容量性センサーが圧力を検出するというもの。また、Apple Watchでも用いられているハプティックス、「Taptic Engine」を内蔵することで、押し込んだ動作を感知すると振動として押した感触を伝えることができるようになっている。これにより、タップ、ライトプレス(軽押し)、ディーププレス(深押し)の3種類の動きで、ショートカット操作を行うことが可能になった。
例えば、メールでは一覧上で軽く押し込むとプレビューを表示することができ、さらに深く押し込む事で全文を表示することができる。また、メールなどに書かれているURLを軽く押し込むとそのWebサイトのプレビューができ深く押し込むとSafariが起動したり、写真撮影中にサムネイル画像を軽く押し込むと撮った写真のプレビューを表示する、などの操作ができるようになった。このほかにも、メモアプリなどで手書きを行った場合感圧によって太さが変えられる、などの機能も使えるようになった。
また、カラーバリエーションについても、iPhone6/iPhone6 Plusと同様にシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色に加えて、新たにローズゴールドの加わった4色での展開となる。記憶容量については、2015年の発売当時は16GB・64GB・128GBの3種類での展開であったが、次世代であるiPhone7の発売に伴って、値下げとともに16GB・64GBモデルの発売は終了し、32GB・128GBの2種類での展開となっている。
iPhone6s/iPhone6s Plusの型番について
iPhone6s/iPhone6s Plusの型番についてだが、iPhone6sの型番は、「A1633」、「A1688」、「A1700」の3種類、iPhone6s Plusの型番は、「A1634」、「A1687」、「A1699」の3種類となっている。
それぞれ、ディスプレイの大きさやストレージ容量といったハードウエアのスペックやソフトウェアはすべて同じであり、型番の違いは使用できる電波の違いということになる。
このうち、日本で展開されているのは、iPhone6sは「A1688」、iPhone6s Plusは「A1687」である。
日本では、キャリアごとに、NTTドコモとソフトバンクは『W-CDMA』、auは『CDMA』と使用する電波の仕様が異なっている。しかし、iPhone6s/iPhone6s Plusは、同じ型番で、NTTドコモ、ソフトバンクとNTTドコモ、ソフトバンクとau、それぞれに対応していることから、「A1688」と「A1687」は、対応する電波の種類や周波数が多いようだ。
また、iPhone6s/iPhone6s Plusから、ついにSIMロック解除に対応している。そのため、NTTドコモ、au、ソフトバンクで販売されているiPhone6s/iPhone6s Plusであっても、SIMロック解除してしまえば、海外でも現地キャリアのSIMカードが使用可能となる。
とはいえ、購入したばかりのiPhoneではSIMロックを解除することはできない。SIMロックを解除することのできる期間は、auとソフトバンクであれば、購入から180日経過している必要がある。もし、iPhone 6s/6s Plusを発売日に購入していた場合、2016年3月23日以降にSIMロックを解除できることになる。 NTTドコモでは、過去にSIMロックを解除したことがある回線契約かどうかで、解除できるタイミングが異なってくる。過去にSIMロックを解除したことがない場合は、購入から6カ月以上経過している必要がある。例えば、iPhone 6s/6s Plusを発売日に購入していた場合は、2016年3月25日以降からとなる。過去にSIMロックを解除したことがある回線契約の場合は、直近のSIMロック解除から6カ月以上たっていればSIMロックを解除することができる。つまり購入後、半年たっていなくても解除可能になるというわけだ。
また、SIMロックの解除は手続き方法によって手数料も異なる。NTTドコモ、au、ソフトバンクのショップ店頭でSIMロックを解除する場合、いずれのキャリアでも3,000円の手数料がかかる。一方、各社のサポートサイト経由で解除手続きの申し込みをした場合には、3社とも無料だ。なお、NTTドコモは電話窓口でのSIMロック解除手続きも受け付けているが、この場合はショップでの手続きと同じ3,000円の手数料が発生する。
SIMロック解除の手続きは、意外と簡単に行うことができる。オンラインから手続きする場合には、自宅のパソコンから手続きできるので、わざわざショップに行って待ち時間が発生するなんてこともない。逆に、ショップでのロック解除は手数料がかかるものの、すべてスタッフ任せで進めることができるのがメリットだ。なお、店頭でSIMロックを解除するには、iPhone 6s/6s Plus本体のほか、運転免許証などの本人確認書類が必要となる。
もし、海外にiPhone6s/iPhone6s Plusを持って行く場合は、事前にSIMロック解除をいておいたほうがいいだろう。そうしておけば、海外旅行や出張の際にもわざわざ現地で新たに端末を借りたりする必要がなくなり、現地のプリペイドSIMなどを利用することができるわけだ。また、SIMロックを解除することによって、格安SIMを入れて使用することも当然可能である。
ただし、注意が必要なのは、「A1688」と「A1687」は、アメリカの一部キャリアと日本のキャリアから発売されている他にも、日本以外のアジア(香港含む)、オセアニア、ヨーロッパなどにも展開されており、なんと実は、後者に展開されている「A1688」と「A1687」は、GSM版で、CDMAに対応していない仕様なのである。
iPhone6s/iPhone6s Plusにおいては、同じ型番でも仕様が異なるものが存在しているのである。
そのため、後者の「A1688」と「A1687」を日本に持ち込んで、CDMAを利用するauのネットワークに接続しようとしても接続できない可能性があるということになる。同じ型番のiPhone6s/iPhone6s Plusであっても、海外から持ち込まれたものを使用する場合は、注意したほうがいいだろう。
その他の型番が展開されている地域は、「A1633」「A1634」はアメリカの一部キャリア向け、「A1700」「A1699」は中国向けとなっている。
型番の確認方法について
iPhone6s/iPhone6s Plusの型番の確認方法についてだが、iPhone6s/iPhone6s Plusは、本体裏側に型番が刻印されているのである。そのため、わざわざ電池カバーや電池を外して中を確認したり、USBケーブルなどを接続してパソコンから確認したりするような手間が必要なく、比較的簡単に確認することができるといえる。
iPhone6s/iPhone6s Plusの型番が刻印されている場所は、本体裏側下部にある。「iPhone」と刻印されている部分のさらに下に、小さい文字で2行に渡って文字列が刻印されているが、その文字列の2行目の先頭に、「Model A〇〇〇〇」と刻印されており、この「A〇〇〇〇」が、上記で記載した型番となる。
なお、iPhone6s/iPhone6s Plusと前期種のiPhone6/iPhone6 Plusは、見た目が全く一緒で、外観だけではどちらなのかの区別がかなりつけづらい。しかし、本体背面の刻印されている場所が異なっている(iPhone6/iPhone6 Plusの型番は1行目の最後)ほか、iPhone6s/iPhone6s Plusは、「iPhone」と2行の文字列の刻印の間に「S」と刻印されている。
これらは、iPhone6s/iPhone6s PlusとiPhone6/iPhone6 Plusを外観で区別する場合の手がかりとなるだろう。
また、iPhone6/iPhone6 Plusには、文字列2行目最後にIMEI番号が刻印されているが、iPhone6s/iPhone6s Plusはこの刻印がなくなっている。iPhone6/6 PlusでIMEI番号を確認する場合には、側面に格納されているSIMカードスロット内に刻印されているものをチェックするか、ホーム画面から「設定」を開き、「一般→情報」を進むと、IMEI番号が表示されているので、そちらからも確認することができる。
このIMEIは、15桁で構成された国際移動体装置識別番号(端末識別番号)というもので、iPhoneだけでなく、すべての端末1台ごとにユニークな番号が割り振られているものである。このため、IMEIを検索することで、どの国のどのキャリア向けの端末か確認することも可能となる。中古ショップなどでは、販売時にどこのキャリアで販売されたものか明記されている場合が多いが、ジャンク品など、どこのキャリアで販売されたからわからないものも稀にある。そのように出生不明なiPhone6s/6Plusがあった場合には、このIMEI番号を利用して確認したほうがいいだろう。
前述のように、同じ型番で異なる仕様のiPhone6s/iPhone6s Plusがあることから、もし、どの国や地域で販売されたiPhone6s/iPhone6s Plusかわからない場合は、IMEIを確認することで判明することが可能な場合がある。
まとめ
iPhone6s/iPhone6s Plusの型番と型番の確認方法などについて記載したが、日本のキャリアで販売されているiPhone6s/iPhone6s Plusは、前述のように対応している電波の種類や周波数が多いことから、SIMロック解除をして海外に持って行った場合にもネットワークに接続できない地域は少ないだろう。
ただ、何かあった時の知識として、型番やIMEIの場所などを覚えておくのもいいかもしれない。