Mac Proを中心としたApple製のコンピュータには、一般の家電などと比べて型番・品番的な位置づけとなる番号を遥かに調べやすい特徴がある。またこうした方法がメーカー側でも公開されていることを考えると、Apple社製のMac Proは、ユーザが命名規約や型番、品番について調査する上で失敗や戸惑いの生じにくい存在と言えるだろう。
今回は、このブランドから発売されているワークステーションの特徴や命名規約と、型番・品番の調べ方について徹底解説していく。
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Mac Proの特徴とデザインの移り変わり
2006年8月から販売されているMac Proは、Apple社製のワークステーションだ。現行のMacintoshシリーズの中で最も高い拡張性と処理能力のあるMac Proは、このブランドのフラッグシップモデルとなっている。デスクトップ型Macの中で唯一のThunderbolt2ポートとデュアルGPU6器を備えたMac Proは、ハイエンドBTO構成で購入すれば本体だけで103万円を超えるプロ仕様の商品と位置づけられている。
外観デザイン
型番・品番を調べる上でも大事な要素となる外観デザインは、Late 2013モデルからその内容が大きく変わる形となっている。Mid 2012までのMac Proは、Power Mac G5とほとんど同じ肉厚のアルミニウム合金で作られていた。これに対して2017年9月時点で最新モデルとなるLate 2013では、黒く小さな円筒形の個性的なデザインが採用されている。
Mid 2012までの内部レイアウト
HDDベイが4基、光学ドライブベイが2基搭載されたMid 2012までのMac Proは、前モデルのPower Mac G5から大きく内部レイアウトが変更となっていた。トレイがドーターボードごと引き出せるこのモデルは、メモリ増設やメモリ交換などが容易に行えるといった意味でも、プロ向け機種らしい特徴を備えていた。またメッシュ構造のデザインにより、排気冷却の効率性でも定評のある仕様だったようだ。
Late 2013モデルの内部構造
これに対してブラックの円筒形となったLate 2013以降は、大型のヒートシンク周辺にマザーボードが配されている。本体下部にある大型ファンによって熱排気のできる点は、Power Mac G4 Cubeと非常によく似ているようだ。しかしパーツについては、内臓SSDやメモリ、CPUの交換はできるものの、グラフィックカードの変更は不可能となってしまった。
Late 2013のSSDスロット
Late 2013以降のMac Proには、PCIe 3.0ベースのSSDスロットがひとつ採用されている。PCIe 3.0ベースとなるこのスロットには、Mac miniやMacBook ProのSSDと互換性が高い特徴があるようだ。またMac ProのSSD(512GB)については、購入時にBTOで選択可能な仕組みとなっている。
Mac Proの機種ID・モデル名・モデル番号・シリアル番号の違いとは?
Mac Proを中心としたApple社製のコンピュータの型番や商品名を調べる時、多くのユーザが機種ID・モデル名・モデル番号・シリアル番号の違いに頭を悩ませる傾向がある。また商品情報の鍵となる項目がこれだけたくさんあると、混同や混乱が生じるもの無理はないと言えるだろう。ここではまず、Appleならではとも言える下記4情報の意味や違いについて詳しく確認していきたい。
モデル名
Mac Proのモデル名は、一般商品の商品名にあたる位置づけとなる。例えば、2017年9月末時点で最も新しいシリーズについては、Mac Pro(Late2013)がモデル名になる形だ。これに対してひとつ前の世代に関しては、Mac Pro(Mid2012)もしくはMac Pro Server(Mid2012)、更に1世代前になるとMac Pro(Mid2010)というモデル名だったようだ。
機種ID
Apple製品の機種IDは、Mac Proの詳細仕様を調べる上で欠かせない位置づけとなる。最新モデルMac Pro(Late2013)の機種IDは、MacPro6,1となる。これに対してひとつ前の世代については、Mac Pro(Mid2012)だけでなくMac Pro Server(Mid2012)に関してもMac Pro5,1という共通の機種IDが付く仕組みだ。
また更に前の世代となるMid2010の2機種にも同じIDが付けられる点に着目すると、この番号はAppleならではとも言えるかなり特殊な位置づけになると言えるだろう。
モデル番号
機種IDと商品名を使って調べる部品番号を、モデル番号と呼ぶこともある。その名のとおり使っている部品によって数字が変わってくるこの番号の場合、最新モデルのMac Pro(Late2013)だけでもME253xx/AとMD878xx/Aの2種類が存在している。また過去に遡って情報を確認してみると、Mac Pro(Late2010)については、3つのモデル番号あったようだ。
シリアル番号
最後にご紹介するシリアル番号は、個々のMac Proを識別するために設けられたものとなる。製造番号と呼ばれるこの英数字は、基本的に他のユーザが所有しているMac Proの番号と被ることはない。また一般的な家電製品などの場合は、品質管理用としてシリアル番号が使われるケースも多いようだ。
Mac Proの型番・品番の調べ方1 「このMacについて」を活用する
ここまで紹介したMac Proの型番品番に繋がる情報を調べる方法は、いくつか存在している。その中でも製造メーカーのAppleでも推奨しているのは、macOSのウインドウ「このMacについて」を使ってさまざまな情報を集める手段だ。OSから各種番号を調べるこの方法を使う場合は、当然Mac Proの電源が入り操作ができる状態でなければならない。
「このMacについて」の開き方
型番品番の調査に使うこのウインドウは、Appleメニューから「このMacについて」を選択するだけで開ける形となる。macOSの機能となるこのウインドウは、Mac ProだけでなくMacBook Proなどでも使用可能となっている。
しかしAppleのサイトでは、大半のバージョンのmacOSではという限定的な記載をしているため、あまりにも古いMac Proの場合は注意をした方が良いと言えそうだ。
Mac Proの型番はどこに書かれているの?
「このMacについて」のウィンドウを開くと、まずMac Pro(Late2013)といったこのコンピュータのモデル名とシリアル番号の確認ができる。次にシリアル番号の下にあるシステムレポートという項目を選ぶと、展開された画面に機種名、機種IDなどの型番・品番に繋がる内容が確認できる仕組みだ。
型番から技術仕様も調べられる
このシステムレポートという項目を開くと、その中にはプロセッサ名やプロセッサ数、メモリ、コアの個数といったハードウェアの概要も確認できる。こうした情報は、Mac Proの内部パーツ交換や変更をする上で欠かせない位置づけとなる。
また前述のとおりMac Pro は、MacBook ProのSSDなどとも互換性のあるシリーズとなるため、現状の使用確認だけでなくパーツ調達の準備をする際にも、このMacについてから得られる情報は非常に多いと言えそうだ。
修理サポートの確認にも使える
ちなみにこのMacから得たシリアル番号は、Appleの修理サービスやサポートのオプションを確認する上でも必要不可欠な存在となる。下記のURLにシリアル番号を入力すれば、現状の保証状況だけでなくAppleCare延長保証の購入資格も確認可能となるようだ。
https://checkcoverage.apple.com/jp/ja/;jsessionid=8J12ZP7Ft160J1zGdyQrn9pLGYzqmGSBmhvJZt39xkDz8nG1DR52!-457662890またメーカーサイトでは、Apple製品全般のシリアル番号を確認する方法が7つ掲載されているため、ヤフオクなど買ったMac Proの電源が入らない場合においても調査の手段はいくつか存在すると捉えて良さそうだ。
Mac Proの型番・品番の調べ方2 本体を見る
電源の入らないジャンク品や、まだ電源を入れていない段階のMac Proであっても、本体から商品情報に繋がる番号の調査をすることができる。
Mac Pro (Late 2013)のシリアル番号
円筒形の最新モデルMac Pro (Late 2013)については、底面に製品名やシリアル番号などの刻印がなされている。こうした形で本体をひっくり返すだけで欲しい情報の確認ができるLate 2013なら、ワークステーションやコンピュータの扱いに不慣れな人でも調査時の不安は少ないと捉えて良いだろう。
それ以前のモデルのシリアル番号
これに対してMid 2012より前の古いMac Proについては、ビデオポート下やコンピュータの背面パネル上といった少しマニアックな場所にシリアル番号や機種IDと思われる英数字が書かれている。
この場所についてはAppleのホームページでも同様の紹介が行われているようだが、Mid 2012よりも古いモデルを初めて買った人にとっては少しわかりにくいと言えるかもしれない。
Mac Proの型番・品番の調べ方3 製品パッケージを見る
Mac Proなどのアップル製品についても、一般家電などと同じように外箱やレシートなどから型番・品番に繋がる情報を調べられる。
製品パッケージ・外箱
製品パッケージと呼ばれる外箱には、ME253xx/Aなどの部品番号とシリアル番号が書かれている。Appleサイト内の「Mac Proのモデルを識別する」というページで部品番号との照らし合わせを行えば、このコンピュータのモデル名の調査も可能となるようだ。
こうした形でひとつの番号から相互に調査のできるApple製品は、型番・品番などを把握したい人にとって非常に良くできた仕組みであると言えそうだ。
レシート・請求書
Mac Proを購入した店舗でもらったレシートにも、モデル番号、シリアル番号、構成内容が書かれている。また総合通販サイトのAmazonなどで買い物をした場合は、購入履歴を確認することによりそのタイトルからモデル名の把握に繋げられるだろう。
まとめ
メーカーサイト内に「Mac Proのモデルを識別する」というコンテンツが用意されているAppleの場合、ここまで紹介したようにMac Proを中心とした製品全般の型番・品番を調べる仕組みがきちんと整っていると言えそうだ。
またAppleではユーザの疑問や悩みを解消するページが非常に充実しているため、Mac Pro使用中に起きる万が一のトラブルに備える上でも一通り目を通す習慣も大変おすすめと言えそうだ。
それぞれの番号の意味や違いを知る必要性
しかしまだ電源の入っていないMac Proの型番・品番を調べる場合は、「このMacについて」という大変便利なウインドウが使えないことにより、少し調査に複雑なステップが入ることもあると言えそうだ。
またAppleの場合は、型番・品番といった呼称を用いる国産家電メーカーなどと異なり、機種ID・モデル名・モデル番号・シリアル番号という4種類の英数字を使って調査をする必要があるため、それぞれの意味と違いをしっかり把握しておくこともMac Proの商品詳細を理解する上で欠かせない心掛けになると言えるだろう。