コンピューターはデジタル形式でデータを記録している。これは、紙媒体での記録とは性質が異なるので、消去するときには注意が必要になる。データの完全な消去は簡単ではなく、相応の手順を踏まなければならない作業が要求されるのである。
MacBookのデータ消去についても、その他のコンピューターと基本は同じなのだが具体的な手順は異なる。台数が多い場合などは、手間がかかるので業者に依頼することが一般的だ。この記事では、MacBookのデータ消去を依頼するための業者の比較情報について紹介しよう。

MacBook Colors / Kwintin
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データ消去の重要性
仕事で使うにせよプライベートで使うにせよ、MacBookを手放すときはデータ消去が非常に重要になる。ヤフオクやメルカリなどのネットオークションを利用してMacBookを売る際には、とくに注意が必要だ。なぜなら、発送してしまえば、そのMacBookを誰が使うかわからないからである。
コンピューターのデータの仕組みに詳しい人なら、データストレージの状態によっては消されたはずのデータを復元できてしまう。
もし、悪意を持った人物が、仕事用であったMacBookのデータを復元できると、機密情報が漏洩してしまい会社に深刻な経済的・社会的打撃を与える可能性がある。
また、プライベートな情報が漏洩した場合、クレジットカード番号等の情報が悪用され、経済的な被害を被るかもしれない。したがって、MacBookが人手に渡る場合には、データは完全に消去されていなければならない。
データ消去の前にバックアップをとろう
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データ消去は簡単ではない
デジタル形式データの完全な消去が容易ではないことは、一般にはあまり知られていない可能性がある。なぜなら、デジタル形式のデータは「Delete」を押したり、ファイルをゴミ箱に捨てて「ゴミ箱を空にする」操作を行うと、消去した気分になるからだ。
たしかに、モニター上の表示やフォルダからは見えなくなるが、実はデータそのものが消えているわけではない。また、アプリケーションの種類によっては、「1つ戻る」操作コマンドを持っているものがあり、ある程度の回数であれば「復元」が可能だ。これは、すでに完了した操作が記憶されていることを意味している。
つまり、操作している人にとっては過去の行為でも、コンピューターは覚えているのである。さらにいえば、通常のMacBookのアプリケーションには、ゴミ箱に捨てたものを復元するコマンドはついていない。そのため、自分が消したものを他人が復元できないと思い込みがちなのである。
ビジネスの現場では、紙媒体に書かれたり印刷されたものを安全に捨てるにはシュレッダーを使うか、更にセキュリティを保った状態で処分するには溶融処理が施される。全く同じように、デジタル形式のデータに関しても、特殊な処理をしなければ消去することはできないのだ。
MacBookのデータ消去
MacBookの場合、データはハードウェアとしてのストレージに保存されるのが一般的だ。具体的には、HDD(ハードディスクドライブ)またはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)だ。
ちなみに、クラウド・サーバーに保存しているデータは、MacBookの外にあるものなので、この記事では扱わない。HDDまたはSSDに保存されたデータの消去には、簡易な消去レベルから、復元不能レベルまで、MacBookのハードウェアの状態に応じて大まかに3段階がある。
専用のソフトウェアでデータを消去する
これは、MacBookが起動可能であり、HDDまたはSSDが認識できるときに有効なデータ消去方法だ。また、ストレージを他のMacの外付けHDDまたはSSDとして認識できるときにも使える。データ消去ソフトは、HDDまたはSSDに「0」などの意味のないデータを上書きする。
上書きデータのパターンや書き込み回数は、アプリケーションにより設定可能な場合が多い。なおMacBookには、OS標準の消去プログラムが搭載されている。ディスクユーティリティ・アプリケーションで「すべてのデータをゼロにする」オプションを選んで、HDDまたはSSDを再フォーマットすればよい。
また、サードパーティからもさまざまなディスク管理アプリケーションが発売されており、MacOS標準のものよりセキュリティーレベルの高い消去が可能なものもある。
消磁装置を用いてデータを消去する
消磁装置によるデータ消去はMacBookが起動できないときや、HDDが認識できないときなどに有効な方法である。記録媒体を強磁気で消磁するこの方法で消去したHDDは再フォーマットなどによる再利用ができなくなる。
消磁装置は高価な機械であり、専門業者のデータ消去サービスで利用するのが一般的となっている。なお、磁気による消去法なので、SSDやUSBメモリなどの非磁性のドライブには効果がない。
HDDを物理的に破壊する
MacBookの状態によらず、最も確実な消去方法は物理的にストレージを壊してしまうというものである。専用の粉砕機にHDDまたはSSDを挿入することでケーシングごと破壊する。原始的な方法ではあるが、データ復元の可能性はほぼゼロになる。粉砕機は大型で騒音も出るため、専門業者に依頼することになる。
金槌やドリルなどでエンドユーザー自身で破壊することもできるが、記録媒体のコーティングにガラスなどを使用していることもあり、怪我の危険がある。そのようなリスクを減らすためにも、破壊消去は専門業者に依頼するのが一般的である。
データ消去を行っている業者
以下では、データ消去を行っている6つの専門業者のサービスを比較する。
パソコン回収.com
https://www.pc-kaishu.com/パソコン回収.comでは、専用のソフトウェアでデータを消去する、消磁装置を用いてデータを消去する、HDDを物理的に破壊するのいずれかの方法でデータを消去することができる。
MacBookを含むパソコンの処分には処分料がかかるのが一般的だ。パソコン回収.comでは、料金を掛けることなく回収・消去が可能になっている。また、系列のJUNKWORLDストアの買物ポイントがもらえる。MacBookの場合、回収・消去してもらえる年式・スペックは不問だ。
付属品(ケーブル・コード類、周辺機器類)も同梱してよいが、HDD以外の内蔵パーツが欠品していたり、画面割れなど外観上の破損品は単品では有料となる。その場合も、他の無料引き取り製品と同梱すれば無料だ。
回収は、梱包してヤマト運輸に依頼する。消去については、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認定を取得した事業所内での完全データ消去を行っている。
ソフマップ
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対策
ソフマップでは法人向けサービスとして、出張でHDDやCD/DVDディスクの物理的破壊を行っている。眼の前で破壊されるため、セキュリティ面での心配がない。出張エリアは、東京23区及び大阪市内とその近郊エリアとなっている。それ以外のエリアについても対応できる場合がある。
なお、作業場所には一般的な100Vコンセントによる電源供給が必要となっている。オプション作業として、ハードディスクのシリアルNO.の採番(1台につき税抜で140円)、外付ハードディスクの取り外し費用(1台につき税抜で140円)も利用可能だ。
料金は、2.5インチHDD、2.5インチHDDがそれぞれ1台につき税抜で930円となっており、別途出張料として税抜で1万5,000円が必要となる。
ヤマダ電機
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対策
ヤマダ電機では、専用のソフトウェアでデータを消去する、消磁装置を用いてデータを消去する、HDDを物理的に破壊するのいずれかの方法でデータを消去することができる。
さらにヤマダ電機では不要パソコンの無料廃棄・処分サービスを行っている。200ptで買取りを依頼するには、ヤマダモバイル会員、ヤマダウェブコム会員、ヤマダLAVI会員、新ヤマダポイントカード会員のいずれかが必要だ。ポイントは付与されないが会員以外でも申込みが可能だ。
手続きは、ユーザー自身で梱包の上、佐川急便の着払いで発送後に、専用サイトから申し込む。データ消去方法は、ISMS認定を取得した事業所で、米国国防総省規格に準拠したデータ消去が行われ、ハードウェアが起動しない場合のHDDは物理破壊される。
パソコン売るならタイタン
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対策
パソコン売るならタイタンでは専用のソフトウェアでデータを消去する、消磁装置を用いてデータを消去する、HDDを物理的に破壊するのいずれかの方法でデータを消去することができる。
そのなかでも、破壊消去を主要なサービスとしている。内蔵ストレージを物理破壊して、データが無くなった状態のPCを買い取るというビジネスモデルを採用している。このため、料金が比較的安価に設定されている。
例えば、HDDが取り外し済みであれば、1台につき税抜で900円だ。パソコン売るならタイタンではSSD専用破壊機を運用している点もポイントである。
SSDはHDDと異なり、複数のメモリーチップによる構造で、メーカーや型式でチップの位置が異なっているため、1つでもチップが残るとデータ復元が可能な場合がある。
そのため、最大40カ所の多点穴あけが可能なSSD専用破壊機を用いて、情報セキュリティの信頼性を高めている。また、作業時間については、取り外し含むHDD破壊の場合、書類作成等が不要であれば100台を最速約1時間30分で処理可能だ。なお、追加費用は掛かるが出張データ消去サービスも行っている。
PCいっとく
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対策
PCいっとくでは専用のソフトウェアでデータを消去する、HDDを物理的に破壊するの2種類の方法でデータ消去ができる。
また、PCいっとくでは無料引き取り・データ消去サービスを行っている。MacBookの外観の破損・目立つ傷が無く、パーツを取り外していなければ、さらに着払いでの回収依頼が可能だ。
依頼手順は、ユーザー自身で梱包の上、佐川急便にPCいっとくの住所を伝え、可能であれば専用の送り状を依頼し、発送すればよい。データ消去証明書などのオプションサービスが不要であれば、申し込みなどの手続きは不要である。
富士通
富士通でも専用のソフトウェアでデータを消去する、消磁装置を用いてデータを消去する、HDDを物理的に破壊するのいずれかでデータ消去できる。
大手ハードウェア・ソフトウェアベンダーである富士通もデータ消去サービスを行っている。他社製品にも対応しているため、MacBookも利用できる。料金はストレージの容量ごとに設定されており、500G以上1TB以下で税抜で50,000円となり、さらにマネジメント料金が税抜で30,000円加算される。
消去作業は、「オンサイト対応型」と呼ばれる、サービスエンジニアが消去対象媒体の設置場所に出張して作業を行うタイプと、「センター対応型」と呼ばれる、富士通のデータ消去センターにストレージを送付して消去作業を行う。なお、SSDにも穿孔処理で対応している。
まとめ
MacBookを処分する際には必ず、データ消去が必要である。データ消去には3種類方法があり、専用のソフトウェアを使用する、消磁装置を用いてデータを消去する、HDDを物理的に破壊することが挙げられる。
HDDを物理的に破壊する方法が、最も確実な消去方法だが、専門業者に依頼することになるので注意が必要である。データ消去の業者の中には、無料で引き取りやデータ消去サービスをしてくれる業者もあるので、条件が合えば利用してみるのもいいだろう。