1996年にSONYより登場されたVAIOは、紆余曲折を経て現行の生産体制に変わった少し特殊なパソコンブランドだ。産みの親となるSONYの手を離れた2017年現在では、 VAIO株式会社 として独立しており、今人気のSIMフリースマホ市場に2つのモデルも送り出している。
PC中央にある「VAIO」のロゴデザインのPCは見たことのある方が多いのではないだろうか。
一時はSONYが「パソコンではなくVAIO」という売り出し方をするほど、他のPCメーカーとの違いを強調していた。VAIOの正式名称はVideo Audio Integrated Operationというだけあり、AV機能が充実していた。また、デザイン性に優れていることもあり、仕事だけでなくプライベートで使う時にも人気のPCブランドであった。
今回は、長きに渡って多くの人に親しまれているVAIOの特徴と命名規則、型番・品番の調べ方などについて皆さんと一緒に整理していきたい。

Sony VAIO Type P / animaster
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VAIOとは?
VAIOは当初、PC/AT互換機に準拠するWindowsパソコンの草分け的なブランドだった。1996年から2014年6月までについては、このブランドの産みの親とも言えるSONYによって開発や販売が行われていた。しかしVAIOの製造部門が切り離された2014年7月以降は、長野県安曇野市にあるVAIO株式会社で製造販売、EMSが続いているようだ。
VAIO株式会社とは?
VAIO株式会社が、SONY・VAIOブランドが日本産業パートナーズへの譲渡をするタイミングで発足した新会社だ。この会社の本社は、今まで長きに渡ってVAIOの生産拠点となっていたソニーイーエムシーエス長野テクノロジーサイト内にある。2017年以降は、日本通信などとの協業・共同によりSIMフリースマホの発表も行っている。
現行のVAIOは2つの会社で作られている
2017年現在VAIOの公式サイトで販売中のパソコンは、VAIO株式会社と台湾メーカーの2社によって製造が行われている。VAIO株式会社でつくられたノートパソコンについては、パッケージに封入される青紫色のメッセージカード内に「安曇野FINISH」のスタンプが入っている。こうした形で台湾メーカーのEMS製品と国内生産品の違いが明確なのだ。SONYから離れた2017年現在でも、VAIOは購入しやすい配慮がなされていると捉えて良いだろう。
VAIOのネーミングとロゴデザイン
VAIOは、AV機能を重視した「Video Audio Integrated Operation」というブレーズの頭文字から作られたブランドだ。SONYでは2008年に、「Visual Audio Intelligent Organizer」というブランド名の再定義を行っている。パッと見ただけでVAIOだとわかるロゴデザインは、人気プロダクトデザイナー・後藤禎祐によって生み出されたもののようだ。
AVエクスペリエンスを重視した設計
放送分野などの業務用機器に強かったSONYでは、初代VAIOにもAV編集に必要なスペックを搭載させている。またVAIOでは1999年登場のRシリーズにテレビ録画機能を搭載している、そのため当時は事務処理向けの道具として定着しつつあったパソコンに新たな道を開いたメーカーとして、当時は高い注目を集めていたようだ。
現在でもパソコンに低音が響き渡るようなクオリティの高いスピーカーを装備するなど、AV機能を重視して始まったブランドらしさを保っているとも言える。
モバイルパソコンのデザイン
VAIOは1997年以降、薄型・軽量のモバイルノートパソコンというデザインイメージが定着している。バイオレットと関連付けて製品の特徴を覚えてもらおうと考えていた1990年代は、ホワイトやブラックのノートパソコンが大半となる売り場の中で、VAIOのノートパソコンがひと際目立っていた。
また地味な色合いの多いノートPC市場に新たな風をもたらしたVAIOは、現在ではスタンダードになりつつある銀パソのきっかけを作ったブランドであるとも言われている。
現在発売中のノートパソコンのカラーバリエーションにはホワイト・ブラック・シルバーはもちろん、ピンクやブラウンもある。これはデザインにこだわるVAIOならではの特徴だろう。モデルは限定されるが
現行のVAIOではどんな製品を作っているの?
2017年11月現在のVAIOでは、ノートパソコン10モデルとスマートフォン2機種の取扱いがある。VAIO株式会社に全てが移管されてからは、古い時代に人気の高かったデスクトップパソコンの取扱いはなくなってしまったようだ。しかしSONYのホームページには、2014年6月以前に発売されていた商品として今でも、タブレットPCやテーブルトップPCが掲載されている。
ここからは、中古市場においても人気の高いノートパソコン、スマートフォン、デスクトップパソコンについて、皆さんが関心を示している型番・品番の調べ方などを詳しく解説していこう。
VAIOノートパソコンの型番・品番の特徴、調べ方
VAIO株式会社から発売されているノートパソコンの現行モデルには、下記のようなモデル名と型番が付けられている。
- VAIO S11 → VJS1111AYA1B
- VAIO S13 → VJS13190111B
- VAIO S15 → VJS1511EQA1B
- VAIO C15 → VJC15190111W
- VAIO Z(フリップモデル) → VJZ13A9DCH1B
- VAIO Fit 15E → SVF15317DJW
こうして数種類の製品を並べてみると、シリーズによって最初のアルファベット3桁が異なることに気付かされる。また4桁目〜5桁目の数字については、ディスプレイのサイズをあらわしていると捉えて良いだろう。
本体裏面の白いバーコードシール
VAIOノートパソコンの型番・品番調べで最もシンプルな方法は、マシンの裏側に貼られた白いシールを見ることだ。パソコンの電源をオフにして、ひっくり返して見てみよう。
SONYのサイトで公開されている情報によると、バーコードシール内のProduct nameという項目の右側に型番の記載があることがわかる。しかしProduct nameという見出しのないバーコードシールについては、その中に型番・品番に繋がる情報は存在しないと捉えて欲しい。
また、回転式ディスプレイのあるノートパソコンの場合、バーコードシールはビューモードにして裏面を見ると確認できる。その他、バッテリーを外した内側や、拡張用シートバッテリー端子カバーの下に貼られているものもある。パソコンを裏に向けてもすぐに見つからないようであれば、ディスプレイを回転させたり、バッテリーを外しみたりすると良いだろう。
本体前面に貼られた小さなシール
VPCCW19FJなどのノートパソコンについては、ディスプレイの右下に製品形名が書かれている。ただしここに書かれた英数字が8桁以下の場合は、正しい形名ではないという注意点もあるようだ。またモデルによっては本体前面にもシールが貼られていない製品もあると、SONYのサイトには書かれている。
黒いシールには注意が必要
ノートパソコン本体底に貼られたシールが黒色の場合、Modelという見出しの右側に書かれたアルファベットは製品形名ではない。自分の見ている情報が正しい型番かどうかを判断するためには、そのアルファベットをGoogleやYahoo!などのサーチエンジンで検索してみると良いだろう。この方法を実践した時にVAIOパソコンに関する情報がたくさんでてくれば、商品検索に使えるアルファベットだと判断できる。
外箱のバーコードシール
VAIO株式会社から発売されたノートパソコンの場合、本体の入っていた外箱にも型番の記載がある。正式型番を使ってVAIOパソコンの検索をする時には、SONYの定めた8桁以上のルールに沿った形でつくられたModel noをメモしておくと良いだろう。また外箱には製品名やProduct nameなども記載されているため、このバーコードシールの写真があれば、ヤフオクやメルカリ出品もスムーズに行えそうだ。写真が商品情報の証拠となり、信頼度が増すからだ。
Windowsのシステム情報
ここまで紹介した3つのシールが見当たらない場合は、Windows内にあるシステム情報から型番などを調べるしかない。電源のつけられるパソコンに限る方法だが、この方法なら確実に見つけられる。
システム情報の画面は、Windowsキー+Rのショートカットで開いた「ファイル名を指定して実行」の中にmsinfo32を入れることで表示される。皆さんが調べている型番に該当する項目は、システムモデルとなる。
またこの画面からさまざまな情報を把握できると知るユーザの中には、VAIOパソコンのヤフオクやメルカリ出品時に、システム情報のキャプチャー画像をアップする方々も少なくない実態があるようだ。外箱のバーコードシールと同じく、このキャプチャー画像によって商品情報の信憑性を上げるために役立つことがその理由だろう。
VAIOスマホの型番・品番の特徴、調べ方
VAIOブランドから発売されたスマートフォンについては、「AndroidとWindows 10 Mobile、どちらのOSが入っているか?」によって型番・品番の調査方法が異なる実態がある。
Android搭載スマホ・VAIO Phone Aの場合
まずは日本国内でのシェアも多いAndroidが搭載されたスマホについて見てみよう。設定メニュー→端末情報の順でタップした中にあるモデル番号が型番に位置付けられる存在となる。この調査方法は、Android搭載機種であれば他社のスマートフォンでも使うことができる。
Windows 10 Mobileスマホ・VAIO Phone Bizの場合
Windowsの搭載されたVAIO Phone Bizの場合も、完動品であれば設定メニューから型番の調査ができる。その時の操作については、設定メニュー→システム→バージョン情報の順でタップしていく形となる。開かれた画面のデバイス情報下にある詳細情報のボタンをタップすれば、モデル名やソフトウェア名、バージョンといったWindowsのシステム情報と似たレベルの内容が得られる仕組みのようだ。
VAIO Phoneのバッテリーから型番・品番は調べられる?
薄型に設計された最近のスマートフォンは、iPhoneなどと同じようにユーザ自身ではバッテリーパックの取り外しができない仕様となっている。
またシンプルなデザインで定評のあるVAIO Phoneの場合、設定メニューを開ける完動品以外については、外観からの型番・品番の調査が難しい実態があるようだ。こうした実態のあるVAIOスマホを中古市場などでジャンク品購入した時には、取扱説明書や保証書などの付属品から型番を調べてみて欲しい。
VAIOデスクトップパソコンの型番・品番の特徴、調べ方
中古市場で人気の高いデスクトップPCやテーブルトップPCは、その全てが2014年6月以前に発表された若干古いモデルとなる。全製品にWindowsが搭載されたデスクトップの場合、ノートパソコンのところで紹介したシステム情報から型番・品番の調査ができる。また保証書や取扱説明書にも型番やモデル名の記載はあるため、古い機種だからといって調査に支障が出ることはないと捉えて良いだろう。
製品によって本体シールの場所が違う
VAIOのデスクトップPC本体から型番探しをする場合、シールが貼られている場所が商品によって違うということを頭に入れておかなければならない。
例えば、VPCL219FJなどの場合はモニター真裏の非常にわかりやすいところに白のバーコードシールが貼られている。
これに対して背面が黒いデザインとなっているいくつかのモデルの中には、リアカバーを外さなければシール面がでてこなかったり、ディスプレイの下部に型番に繋がる情報が書かれていることもあるようだ。
取扱説明書・保証書を役立てよう
ここまでノートパソコン、スマートフォン、デスクトップパソコンと3種の商品のそれぞれとりあげて来た。しかし形問わず、どの商品でも型番・品番を調べることができる方法もある。それはやはり取扱説明書や保証書を確認することだ。
家電量販店など一般の店頭で購入した場合の保証書や、ソニーストア(旧ソニースタイル)で購入した場合の「ご購入明細書兼納品書」には型番の欄がある。そのため、この方法が最も見つけやすいのではないだろうか。
VAIOの型番・品番を調べるメリットとは?
ここまでVAIOの型番・品番の調べ方を紹介してきた。日常的にはこれらの情報は利用することはないが、それではどのような時に役立つのだろうか。ここでいくつか紹介する。
買取査定や情報収集を行いやすい
VAIOの正式名称や型番を把握すると、中古市場における買取査定の問い合わせや商品情報の検索などを行いやすくなる。
このコラムを読んでいる方の中には買い替えのタイミングなどでいらなくなったパソコンは中古販売に出したいと考える方も多いはずだ。今や中古販売にも業者に売却する方法の他にもネットオークションやフリマアプリに出品するといったやり方があり、利用者も多い。
どのような方法で売却するにしても、買い取ってもらえるかもしれない「お客様」には商品が正規のものであることを示すことが重要となる。先ほどから少し触れている通り、型番や品番はその証明になるのだ。これらの情報を提供することで、商品が本当にVAIOから販売されている(いた)ものであることを示すことができる。これなら中古品の購入を考えている人も安心して購入できるのだ。
もし中古VAIOの売却先に悩んだ時には、型番を使った一括査定のできる当サイト・ヒカカク!も活用してみて欲しい。
また、パソコンの購入を考えているのであれば、どのようなパソコンが欲しいのか、理想があるだろう。型番や品番を使って調べることは商品についてより正確な情報を得ることに繋がる。商品によって産地や工場の異なるVAIOの場合は特に型番や品番が頼りになるのだ。
自分の希望する仕様のパソコンと出会うためにも、型番を使ってレビューなど含めた情報収集をしっかり行っておくのが理想と言えるだろう。
故障の時にも役立つ
このほかにも、お手持ちのVAIOに不具合が生じた場合にも正式名称や型番・品番が役立つことが多い。最近ではインターネットで上記の情報を入れるだけでも、同じような事態にあっているユーザーからの情報や解決方法が得られることは少なくない。
また、メーカーや家電量販店などに問い合わせることになった場合でも、まずは商品情報を問われる。万が一の時に備えて、型番・品番はわかるようにしておいた方がいいだろう。
まとめ
紆余曲折を経てSONYブランドではなくなってしまったVAIOも、BTOパソコンではなくパッケージ的な販売方法が取られている。そのため型番・品番の調査や命名規則の理解も、一般の皆さんにとって不安要素は少ないと捉えて良いだろう。
型番・品番は商品の大事な情報を抱えているため、当コラムを利用してすぐにわかるようにしておくことをおすすめする。