サイドカー付きオートバイの製造を得意とするウラルは、アウトドアやミリタリー人気によって国内での注目度が高まっている話題のバイクメーカーである。日本語ホームページを開設した近年では、ユーザ・買取店ともにウラルの情報収集がしやすくなっているため、買う・乗る・売るというさまざまな市場に好循環が生まれていると言えそうだ。今回は一般バイクの単車とは異なる特徴を持つウラルについて、日本国内で中古バイクの買取が盛んになっている理由を解説していきたい。

Ural sidecar / pburka
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ウラルとは
国営オートバイ製造会社
ウラルは第二次世界大戦期の旧ソビエトで始まった、世界でも珍しいサイドカーを主力商品とするバイクメーカーだ。ソ連は当時、ナチスドイツの侵略に対抗するため、どんな悪路でも走行できる万能自動車が必要だった。これに最適とされたのがドイツ産のBMWだ。ソ連はこれを秘密裏に手に入れ技術陣によって細部までコピーし、自国で生産することを決めた。
当時、ソ連におけるオートバイの拠点はモスクワだったのだが、これをウラル山脈の麓に移転しウラル社独自のオートバイ製造を開始した。第二次世界大戦において、ウラルオートバイは大量生産され最前線で活躍したという。
軍用から一般用へ
終戦後にウクライナの向上が軍需生産を一手に引き受けたのを機に、ウラル社は一般大衆向けのオートバイ製造にシフトしはじめた。こうして売らラル社から発売されたオートバイは徐々に大衆の間で人気となっていき、1960年には軍需用の製造を完全に取りやめている。1953年頃から発展途上国向けにウラルオートバイの輸出を始めると、数年の後には先進国への輸出も開始され、世界各地でウラルオートバイが走るようになった。
その後、ソ連崩壊翌年の1992年にはウラル社が自由市場へと転換され、より高性能なウラルオートバイが製造されることとなる。ロシアの道は馬かオートバイでしか移動できないような険しいところが多く、これに特化したものが多く製造されている。現在も、軍用オートバイの設計をそのまま一般向けオートバイの設計に用いていることから、その耐久性は目を見張るものがある。(側車駆動シャフトなど、オートバイの一部分は防弾性能付きだというのだ。)
操作性に優れたサイドカー
また、ウラル社のサイドカーは2輪であることが大きな特徴でもある。多くの人がイメージするサイドカーとは3輪車であり駆動方式は1輪のため、その操縦性はよろしくない。しかし、ウラル社のサイドカーは根本が軍用車両で悪路を走行するために製造されたものであるため、2輪走行の2輪駆動を採用している。その操縦性は比べ物にならないほど高性能になっているのだ。
ウラルオートバイは玄人志向
ところで、ウラルオートバイに乗るにあたって注意しておきたい点がある。それは、ウラル社のオートバイはスピードやパワーを求めたものとは異なり、整備や操作の面で玄人思考が強いものが多い上、上述したとおりサイドカーは2輪駆動であるということだ。他メーカーのように誰でもすぐに乗れるお手軽オートバイではないのである。こういた点から日本ではあまりなじみのないウラルだが、世界規模でみると実は最も売れているサイドカーメーカーだ。
日本法令上の注意点
ちなみに、日本法令上におけるウラル社サイドカーのカテゴリは少し複雑だ。ウラル社のものでも1輪駆動のオートバイであれば「側車付きオートバイ」なるので良いのだが、後輪2輪が駆動する2WDのオートバイについては、日本法令上では「3輪車」扱いになるのだ。そのため運転するには普通自動車免許が必要になり、大型二輪免許では運転することができない。さらには、登録された時期によって課税区分が異なるという複雑さもあるので、もし1999年前後の古いウラルオートバイを手に入れようとしているなら、気を付けてほしいところだ。
ウラルの中古バイクが高価買取される理由とは?
ウラルの中古バイクが高く売れる背景には、下記のような実情が大きく関係している
日本にはサイドカー付きバイクを作るメーカーがない
サイドカー付きオートバイを作れるメーカーが存在しない日本では、サイドカーに興味を持つユーザの多くがウラルのような海外企業から中古バイクを探す実情がある。またウラルはサイドカー付きバイクをメインとする特異なメーカーであるため、サイドカーの性能や品質を重視するユーザにとっても信頼性が高いと考えて良いだろう。
ツーリングを楽しむユーザが増えた
第3次バイクブームが到来している日本では、奥さんや子供といった免許を持たない人とのツーリングを楽しむために、ウラルのサイドカー付きバイクを購入するユーザが増えている。2015年の夏には、キャンプやアウトドアを楽しむユーザをターゲットにした「スポーツマン・パッケージ」も登場しているため、ウラルが活躍できるシーンの急増も日本国内での高い需要に好循環をもたらす要因と考えて良いだろう。
ウラルの人気シリーズと参考買取相場
ウラルジャパンの公式サイトでは、GEAR-UP、SPORTSMAN PACKAGE、PATROLといった安定性の高い2WDモデルと、リーズナブルな価格で購入できる1WDのCT、M70などが紹介されている。サイドカー専門買取業者の少ない日本では、買取額にかなりのバラつきが見受けられる。しかし人気の高いウラルの750ccサイドカーなら35万円~55万円前後といった買取実績も存在するため、「単車よりも高く売れる」と捉えて積極的に査定依頼をかけてみて欲しい。

まとめ
少し特殊な製品を作り続けるウラルは、サイドカー買取を得意とする専門店に査定依頼をするのが最も理想的な売却法と考えられている。もしウラルを歓迎するショップが見つけられない場合は、5~7ぐらいの買取店に査定依頼をしながら、自分の愛車の買取相場を上手に把握することがおすすめだ。じっくりショップの比較検討をする余裕がない人には、一括査定サイトの活用といった方法もある。カチエックスは、300社を超える企業が参加する人気一括査定サイトとしてバイクユーザーからも支持を受けている。少しでも高額で売却したい方は、まずこちらに査定を依頼するといいだろう。