国内の祭事、神事、歌舞伎、能楽などを行う上で欠かせない和楽器は、意外なニーズにより近年の買取額が上昇している商品である。
買取店に持ち込まれる和楽器の中には、演奏に支障のあるジャンク品も多く見受けられるため、「壊れていても買取可能」といった点でも高額査定に繋がる要素の多い商材と位置づけて良いだろう。
今回は、日本らしい音色を奏でる和楽器について、誰もが知りたい高額査定情報を紹介していく。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
和楽器の高価買取実績が増えている理由とは?
中古の和楽器に生じた需要の高さには、これから紹介する3つの社会的背景が大きく関係している。
他の楽器との共演
和楽器で最も人気の高い三味線は、日本ゴールドディスク大賞を受賞した吉田兄弟の存在によって多くの人々の耳に音色が届くようになった。
また近頃では、津軽三味線、和太鼓、箏、尺八などを使った「和楽器バンド」がアメリカで単独ライブを行なっているため、和楽器の固定概念を覆す斬新なアーティストの存在によって市場全体に好循環が生まれているのだ。
このように、シンセサイザーなどの電子楽器やバイオリンやピアノといった一般楽器との共演が、このカテゴリの需要を高め続ける要因となっている。
中国骨董ブームの影響
和楽器は、収集や投資、オークションなどを楽しむ中国人富裕層の間でも注目されている。
特に、古い時代に作られた三味線や和太鼓の中には、骨董品や伝統工芸品としての価値を有する物も多く見受けられるため、演奏の全くできない中国人コレクターであっても購入のメリットが非常に高いと言えるのだ。
近頃では、骨董品買取店でも三味線の査定を積極的に行なっているため、外国人観光客が中国骨董と一緒に購入することで、国内在庫が減少傾向にあると考えて良いだろう。
外国人向け和楽器体験プログラムの急増
外国人観光客をターゲットにした和楽器体験プログラムの増加も、中古の琴や三味線、和太鼓などの需要を高めている。
さまざまな体験プログラムを用意する岐阜県中津川市では、たった1ヶ月で60人以上の参加者が集まっているため、このような団体が多くの三味線や琴を購入する事情も比較的理解しやすいことだろう。
今後もさまざまな地域で和楽器体験が登場する兆しがあるため、自宅に古い楽器が眠っているなら早めに手放すことが良きリサイクルを生むと言えそうだ。
和楽器を高値で売るために実践すべきこと
今現在、所有している和楽器を将来的に手放す可能性がある場合は、これから紹介する3つのポイントを心掛けるようにして欲しい。
大事に扱う
天然素材で作られた三味線は、乱雑に扱うことで棹のねじれや皮の傷みが生じやすくなる。特に三味線の皮や糸は湿気が大敵と言われているため、除湿剤などを活用しながら丁寧に保管をすることが必要になるだろう。
他の和楽器についても、一般楽器と比べれば遥かにデリケートな物が多いため、購入時には保管方法を確認しておくことも和楽器ユーザとして大事な心掛けと言えそうだ。
和楽器専門店に売る
和楽器の高額査定ができるのは、和楽器専門店、三味線専門店だけと考えて良い。
バイオリンやギターなどの弦楽器を扱うショップのサイトに三味線や琴などの情報がなければ、「ここには和楽器に詳しい鑑定士がいない」と考えた方が良いだろう。
また、近頃では骨董品買取店の中にも、和楽器査定に積極的なところが増えている。このようなショップでは音色や演奏に関わる査定基準よりも、希少性や伝統工芸品としての価値を重視する傾向があるため、鑑定士によっては全く異なる査定額が出ることも頭に入れておくようにして欲しい。
ジャンク品は売れる?売れない?
補修ができる職人が在籍する専門店では、皮の破けや緩み、ひび割れなどが生じた和楽器でもパーツ取り目的で積極的な買取を行なっている。
これに対して、現状のままで再販売するショップでは、綺麗な音が出ない時点で「買取NG」と言われることもあるため、注意が必要だ。
このように、和楽器のコンディションや種類については、買取店のニーズに依存する部分が大きいため、歓迎されない要素の多い楽器を持ち込む際には事前にメールや電話で問い合わせをした方が良いかもしれない。
高く売れる和楽器の種類と参考買取相場まとめ
ここからは、和楽器専門店の買取実績から、「どんな種類の楽器が高く売れるのか?」を確認していこう。
三味線
体験プログラムなどでも多く採用される三味線は、和楽器の中で最も人気の高い存在である。
吉田兄弟や和楽器バンドの蜷川べにも使う津軽三味線は、補修が必要な低コンディションであっても30,000円~150,000円前後で買取られることが多い。
また高級な三味線は、糸巻きを挿入するパーツに18金、演奏に欠かせない撥に高級な象牙を使っているため、本体以外の売却で意外な高額査定が生まれることもあるようだ。
琴
和楽器の中でも比較的大きな琴は、天然素材の価値と構造によって100,000円以上の高額査定になることが多いと言われている。
特に、蒔絵を施された琴は、芸術品的価値も高い傾向があるため、演奏に難がある状態であっても買取可能な専門店は非常に多いと考えて良いだろう。
小鼓
日本を代表する伝統楽器の小鼓は、能楽や歌舞伎などでも多く用いられている。
また、比較的コンパクトな小鼓は、お稽古事として習う女性も多い傾向があるため、多少の使用感があっても十分に買取可能な品目だと考えて良いだろう。
そんな小鼓の買取実績は、美しい蒔絵が描かれたもので45,000円~80,000円前後が一般的だ。
琵琶
正倉院の宝物として遺っている琵琶は、7~8世紀ぐらいから国内で作られるようになった。そんな日本の琵琶には五弦琵琶や楽琵琶、平家琵琶といったさまざまな種類があるため、産地や歴史に詳しくなることでより良い価格交渉がしやすくなることだろう。
琵琶の買取実績の中には、弦が全て切れて演奏ができない商品に80,000円もの値がついた事例がある。
和太鼓
大小さまざまなサイズのある和太鼓は、コンディションと店舗側の需要によって買取相場が大きく変わる商品である。
皮の部分にカビや汚れが多い場合は、リユース前の補修費用が差し引かれることで3,000円~5,000円ぐらいでしか売れないこともあるようだ。
しかしコンディションが良い和太鼓の場合は、メンテナンス不要で売却が可能となるため、比較的コンパクトな物であっても30,000円~60,000円ほどの査定が付くこともある。
和楽器を売るならココ!おすすめ業者
最後に、和楽器の買取が得意な買取業者を紹介しよう。以下の業者では数多くの和楽器を買い取っており、専門家による確かな鑑定が魅力的。きっと不要になった和楽器でも価値を最大限に引き出してくれるだろう。
和楽器買取り専門:和奏
和奏堂では三味線や和太鼓、尺八をはじめとした和楽器の買取に特化しており、売却方法は宅配買取・店頭買取・出張買取から選ぶことができる。東京・埼玉・横浜を中心に無料で出張買取しており、その場で現金買取可能。さらに宅配買取では査定金額に合意すると2日以内に振り込んでもらうことができるので、急いでいる人も利用しやすいのではないだろうか。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
雅楽堂美術
和楽器の買取を重点的に行っている雅楽堂美術。三味線・琴・琵琶・尺八等を主に買取をしているが、和楽器の他にもバイオリンやギターなどにも対応。また、仏具由来の楽器(木魚・半鐘など)や、お祭りで使う楽器(宮太鼓、篠笛ほか)なども買い取っている。雅楽、能楽、歌舞伎、文楽、祭り、仏具、神事で使用される楽器は、すべて査定可能なので、家に使わない楽器がある人は買取に出すことを検討してみてほしい。
さらに、楽器の他にも、雅楽・能楽関係、各流派の古文書や絵巻物や掛け軸などの資料的価値のある文献、能衣装、能面などの古美術品の買取も行っているので、一緒に買取に出すのもいいだろう。
高価買取商品
- 三味線:長唄三味線、義太夫三味線、津軽三味線、地歌三味線、三線・脱皮線、ゴッタン、三味線小物
- 琴:十七絃、二十絃、和琴、八雲琴(二絃筝)、楽筝、筝小物(琴柱・琴爪)、大正琴
- 琵琶:楽琵琶、筑前琵琶、薩摩琵琶、盲僧琵琶(荒神琵琶)、平家琵琶、琵琶小物(撥ほか)
- 胡弓:胡弓、クーチョー(沖縄の胡弓)
- 吹きもの:能管、篠笛、笙、篳篥、高麗笛、竜笛、神楽笛、尺八
- 打ちもの:小鼓、大鼓、締太鼓、鞨鼓、楽太鼓、鉦鼓、鰐口、銅鑼、半鐘、豆太鼓、宮太鼓
買取対応地域
基本的に、関東圏の東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、茨城、栃木などを中心に買い取っているが、それ以外のエリアに住んでいる場合でも、宅配買取での対応をしてもらえる。
買取や鑑定の申込はホームページの申込フォームから問い合わせることができる。個人情報と、希望の買取方法、依頼品の詳細、画像をつけて送信する。返信が2日以内にくるので、そこから取引を開始しよう。フリーダイヤルでの申し込みも可能だ。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
いわの美術
美術品の買取を中心に行っている買取業者のいわの美術。美術品や骨董品とともに和楽器も買取を行っている。買取実績は10万件以上を誇り、幅広い買取ジャンルと専門の鑑定人がいることでより高い買取価格を実現している。
買取方法
買取は出張買取、宅配買取から選ぶことができる。
出張買取は関東圏を中心として、場合によっては全国に対応している。まずは連絡をして鑑定日を決定する。出張費、鑑定費は無料。その場で商品を見て鑑定を行い、査定金額は現金で支払われる。
宅配買取は、商品を梱包して着払いで送る。身分証のコピー、振込先の情報などを忘れずに同封しよう。運搬時に商品が壊れたりしないように、丁寧に梱包することが重要となる。商品が到着し次第鑑定が行われる。査定結果は電話で知らされる。取引成立となれば、当日から3営業日以内に代金が振り込まれる。キャンセルになった場合、着払いで返送される。
また、横須賀と横浜にある店舗に持ち込むことも可能だ。その場合は予約してからの持ち込みとなる。持ち込める範囲に住んでいる人は、予約をしてから持ち込んでみよう。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
まとめ
一般の人が使う機会が少ない和楽器も、日本の伝統文化に触れたいと感じる外国人観光客からすれば、大変価値のある存在と断言できる。体験プログラムが多様化している近頃では、日本人・外国人問わず参加可能としている団体も増えているため、気軽に演奏できる環境が中古の和楽器市場に好循環をもたらすと考えて良いだろう。このように和楽器が演奏されるシーンが多い今の時代は、「最適な売り時」と捉えて良いかもしれない。
なお、興味があれば以下のコラムも合わせて確認してみると、良いだろう。
