腕時計は、紳士淑女のたしなみともいえるアイテムであるが、高級なものになるとそれだけで高級車が購入できるほどの資産価値を有するものもある。
数ある高級時計メーカーのなかで日本でも広く知られているのはロレックスやオメガ、フランク・ミュラーなどだが、それ以外にも世界には名だたるメーカーが存在している。
そこで、以下ではそれらの中から、今後も価値が上がり続けることが期待できるパネライについて見ていくこととする。
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時計の価値を決める要素とは?
まず、高級時計と言うためには、どのような要件をそろえている必要があるかという点について見ていくこととしよう。
それらの要件を高いレベルで兼ね備えているメーカーであればあるほど、将来的にもその価値は不変となり、むしろアンティーク品として今以上に高い評価が与えられることになるであろう。
高度な技術を用いていること
精密機器である時計において、いかに用いられている技術が高度なものであるかという点は、その価値を決めるにあたって決定的に重要な要素ということができる。
最近では、クォーツ時計やソーラー電波時計のようにユーザーが特になにもしなくても自動的に時を刻んでくれるものが主流となっており、それらは実際の利便性も高いものとなっているが、時計の世界でより高く評価されるのは、伝統的な機械式の腕時計である。
その背景には、機械式時計は、何百年にもわたって受け継がれてきている技術の延長線にあるものであるという考えが時計ユーザーの間に根強く残っているという状況が存在する。
もっとも、単に機械式時計であれば高く評価されるというほど、話は簡単なものではない。そこに用いられている技術は簡単なものから、容易にまねすることができないほど精緻なものまで様々であり、唯一無二の技術が用いられている時計であればあるほど、高い評価を得ることができるという訳である。
ブランド自体のステータスが高いこと
二つ目の要素としては、時計メーカーの持つブランドとしてのステータスの高さを挙げられるであろう。
無名のメーカーによって作られた時計と、有名なメーカーによって作られた時計とでは、後者の方が高く売買されるということは分かるであろうが、特に時計の世界ではブランドの有する評価の背景には、そのメーカーが長年かけて培ってきた技術力があることから、メーカーの名前には単に広く知られているという以上の価値があるということができるであろう。
この点、一部を除き、高級時計メーカーと呼ばれるメーカーは100年を超える歴史を有するところが多いが、このことから言えることは、ブランドの価値を一朝一夕に高めることは極めて困難であるということである。時代に淘汰されずに現在まで残っているというだけでも、そのメーカーは評価されているということが分かるのである。
なお、ブランドのステータスの高さを左右する要素の一つに、過去に著名人やセレブが愛用していたことがあるというものがある。そのブランドの愛好者がどのようなものであるかを知るだけで、ある程度の価値を推し量ることができるという訳である。
以上を整理すると、ブランドのステータスを知りたければ、そのブランドの有する技術力に加えて、その歴史の長さや、過去の愛用者を調べてみるということが有効である。
アフターフォローが信頼できること
高級時計の多くは一生使い続けることができるクオリティを有しているが、長く使い続けるためには定期的なメンテナンスが不可欠となる。いかに高度な技術を用いていたとしても、ある程度の部品の摩耗は避けられないため、どのような時計であっても部品交換やオーバーホールによるクリーニングなどが必要になるのである。
そのため、販売したらあとは知らないといったスタンスの時計メーカーよりも、アフターフォローがしっかりしているメーカーの方が評価が高くなるということが分かるだろう。
この点、高級メーカーの中には、たとえ生産中止となったモデルであっても、修理部品だけは半永久的に保存しているというところがある。ブランド力を高めるためには、それだけアフターフォローに力を入れる必要があるということの証左である。
アンティークとしての人気があること
いかに優れた技術を有していたり、アフターフォロー体制が万全であり、ブランドのステータスが広く認知されていたとしても、そのブランドの商品の中古市場が成熟していなければ、資産価値が高まるということにはならない。
そのため、時計の価値を左右する最後の要件として、そのブランドの古いモデルをアンティークとして高く評価する人が数多く存在するということを挙げることができる。
パネライとはどのようなブランドか?
パネライの歴史
ここまで時計の価値を決める要素について見てきたわけであるが、パネライはそれらの要素を満たしているメーカーであるということができるのであろうか。それを知るためにも、まずはパネライの歴史について見ていくことにしよう。
パネライは、1860年にジョバンニ・パネライによってイタリアのフィレンツェにおいて精密機器メーカーとして設立された。その名が広く知られることになるのは、1930年代に入ってからで、イタリア海軍からの依頼により潜水部隊用の時計を作るようになったことがきっかけである。
その時に作られたのが、現在でも同社を代表する商品モデルであるラジオミールとルミノールであり、これらに採用されている大型のリューズガードとレバーは、パネライのデザインの象徴的な存在となっている。
このような歴史を有することから、パネライの腕時計は長い間、市販されておらず軍専用の商品とされていたのである。それが一般向けにも販売されるようになったのは冷戦終了後の1993年のことである。
その後、1997年にはスイスを本拠とする国際的なコングロマリットであるヴァンドーム(現在のリシュモン)グループの傘下に入り、現在に至っている。その間、シルベスター・スタローン主演の「トランスポーター」などに商品を提供するなど、ハリウッド映画を通じて広く世間に認知されるようになっている。
なお、パネライというのは一般的な呼び名であるが、オフィチーネ・パネライというのが正式な名称である。
パネライの商品
パネライの商品は大別すると前述のラジオミールとルミノールの2種類のみである。このうち、ラジオミールの名前はラジウムから来ており、文字盤の文字を塗るのにラジウムを含有する蛍光塗料を用いたことが由来である。
しかし、これはケースの形状に基づく分類であり、商品ラインナップとしては、手巻きモデルであるヒストリックラインと自動巻きモデルであるコンテンポラリーラインがあり、それらはさらにムーブメントの種類によって細かく商品が異なっている。
また、レギュラーラインナップだけでなく、毎年発売される限定ラインナップが存在しているため、それらを加えるとパネライの商品モデルはかなりの数に上るということができる。
パネライの資産価値とは
パネライの資産価値
最初に述べたように腕時計の資産価値を決める要素としては、技術力、ブランドステータス、アフターフォロー、市場での人気の4つが重要であるが、パネライはこれらのすべてを高いレベルで満たしているということができる。
まず、技術力については、もともと海軍の軍事用に製造されてきたということからも分かるように、水中での長時間の利用にも耐え得るほどに高性能なテクノロジーが用いられているだけでなく、当然ながら機械式のモデルも備えていることから、不安を覚えるような点は何ら存在しない。
次に、ブランドステータスについても、高級ブランドを数多く要するイタリアを代表する時計メーカーであり、設立以来の歴史も150年を超える老舗でもあることから、その評価は非常に高いものがある。
さらに、アフターフォローについても万全の体制が構築されており、古いモデルであっても正規店に修理に出せば嫌な顔一つせずに対応してくれる。この点については、インターネット上の口コミなどでも高く評価されていることから、特に心配はないだろう。
最後の市場の人気であるが、知る人ぞ知る世界的な高級時計メーカーということで、愛好家の間では高い人気を誇っている。特に、毎年発売される限定モデルは、製造数自体が限られていることから、中古市場において非常に高値で取引される傾向にある。
以上を踏まえると、パネライの時計は、数あるメーカーの中でも資産価値の高いものであるということができるであろう。
時計メーカーの中の序列
パネライの時計の資産価値が時計メーカーの中で何番目に位置するのかを一概にいうことはできないが、その目安となるいくつかの情報は存在する。
例えば、大手の質店で査定員をしている人のコメントによると、資産価値が高い順にロレックス、パテック・フィリップ、パネライの3つを挙げており、パネライは3番目という高評価を受けている。
また、インターネットの情報サイトにおいても、高級時計として挙げられるブランドの中にほぼ間違いなくパネライも含まれていることから、トップクラスの時計であることは間違いないであろう。

高く売りたい場合の選択肢
パネライの時計が手元にある場合に、なるべく高値で売却するには、ヤフオクのようなインターネットのオークションサイトを利用することが有効である。
既に述べたように、パネライは愛好者の間で非常に高い人気を誇っていることから、オークションのように購入希望者間で価格を競争させるような仕組みは高値売却のためには有効なのである。
なお、時計の市場には特定のブランドの人気が高まったり、逆に低くなったりする時期が定期的に訪れる。パネライについても例外ではないため、特に急いで売却する事情がなければ、人気が出ている時期を見計らって売りに出すとより高額で売却することができるだろう。
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