普段あまり使うことのない着物はクローゼットや押し入れの中に大切に保管している人も多いのではないか。査定に出してみたいけど、買い取ってもらえるか不安でなかなか行動できない方も多いだろう。
確かに、着物によっては買い取ってもらえないものもある。しかし、そのまま押し入れの中に置いておくのはもったいないことも確かだ。今回は、着物の買取ができないケースやその対策について詳しく紹介する。
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着物の買取値段が付かないケース
着物の買取をしてもらえない場合は、主に5つの原因がある。
シミや汚れが激しい着物
シミや汚れが大きかったり、ひどい色あせがあったりと状態がかなり悪い着物は買取をしてもらえない。着物買取専門店は、専門のクリーニング業者と業務提携をしているところが多く、多少のシミや汚れであれば落とせるので買取をしてくれる。しかし、シミや色あせがひどいとクリーニング専門店でも直すことは難しいのだ。
また、買取をしても売れる確率は非常に低く、不良在庫として残ってしまうこともある。そのため、シミや色あせの範囲が広く状態が悪い着物は、買取をしてくれないのである。
においが残っている着物
タバコや香水・カビ臭などのにおいが激しく残っていると、買取してもらえないことがある。特にカビ臭は、周りの洋服からうつってしまうこともある。そのため、着物の保管方法にも気を付けなければならない。
何回かクリーニングすればにおいは取れるかもしれないが、着物の買取代と合わせてもマイナスになってしまうだろう。また、多少のにおいで買取をしてもらえたとしても、買取業者のほうでクリーニングに出すためその分は減額になってしまう。
着物の素材によって買取できるものとできない着物がある
着物の素材がウール生地の着物は、買取をおこなっていない業者がたくさんある。ウール生地は、虫が付きやすいため大切に保管していても卵を産んでしまい虫食い状態になってしまうからだ。
また、ウールの着物は手間がかかるだけではなく、安価な価格で取引されている。手間がかかる上に安いため、割に合わないのだ。しかし、人気のブランド品やデザインであれば、ウールの着物でも買取をおこなっている業者も多い。
サイズが小さすぎる着物
150㎝以下のサイズの場合は、買取不可の業者もある。女性向けの着物ではおしょりという部分で丈の調整をする。サイズが小さい着物だと、おしょりの部分が作れないといった問題が起きるからである。
日本の女性の平均身長は、155㎝前後だ。おしょりを作るためには、160㎝は必要になる。サイズが小さくてもプロの業者に出せば丈を長くしてもらうことができるのだが、多額の費用がかかってしまう。そのため、サイズが小さい着物はあまり積極的に買取をおこなっていないのだ。
喪服
喪服は買取業界でのニーズが低いため買取不可となるケースが多い。ただし、ブランド品などの喪服だと買取をしている業者もある。和装喪服などは、高い金額で取引されるだろう。
着物の買取値段が付かないときの対処法
着物の買取をしてもらえないからといって、諦めるのはまだ早い。ここでは、業者に出してみたけど着物の買取をしてもらえなかったときの対処法について紹介する。
フリマアプリで売ってみる
買取業者で価格が付かなかった場合、フリマアプリで売ってみることをおすすめする。フリマアプリとは、ネット通販と同じようなもので個人間取引という点が特徴だ。
業者が入ってこないため、価格競争などがなく比較的初心者でも簡単に売ることができる。代表的なサービスは、メルカリだ。早速、メルカリの詳細や着物の取引実績を詳しく紹介する。
アプリのダウンロード数が累計1億を超えている、大手フリマアプリのメルカリ。個人間同士の取引であり、業者が参入していないため初心者でも簡単に売ることができるのがポイントだ。
スマホで簡単に始められ、写真を撮って手軽に出品もできる。商品の価格帯も安めに設定されているため、それだけ売れやすいのである。買取が不可といわれるウール生地の着物も、売れる。以下で、メルカリで取引済みの着物を紹介する。
- ・男性着物 シルクウール生地:5,500円
- ・女性着物 ウール生地 リメイク素材:2,850円
- ・新品未使用 源氏物語の柄付き着物:18,900円
- ・着物 振袖 絹:17,000円
- ・ブラックフォーマル 喪服:2,100円
ウール生地の着物でも、売れることが分かる。新品未使用であれば、それなりの価格で売ることができるのだ。また、喪服なども多く取引されている印象である。このように、業者で買い取ってもらえなければ、処分する前にメルカリを利用してみよう。
オークションに出品してみる
フリマアプリも良いが、オークション出品も同じくらいおすすめである。オークション出品は、人気がある商品は価格が競合し販売価格が上がっていくのが特徴だ。フリマアプリだと販売価格が決まっているため、出品者が上げない限り価格は上がらない。
しかし、オークションは出品者が上げなくても消費者によって上げてくれるのだ。そのため、人気があればあるほど高額で取引されるのである。以下で、代表的なサービスであるヤフオクについて紹介する。
大手インターネットサービス会社Yahooが運営するオークションサイト、ヤフオク。オークション出品はもちろん、メルカリみたいなフリマアプリサービスもあるのだ。知名度もメルカリと同じくらいあるため、利用者もかなり多い。
出品がしやすく、売れやすいのが特徴だ。ただし、ヤフオクは業者も参入してきているため、メルカリよりは競合が多い印象である。そのため、商品ページや画像加工を作らなければ簡単には売れない。以下で、ヤフオクで取引済みの着物を紹介する。
- ・ウール生地 菊のデザイン:9,990円
- ・ウール生地 水玉模様:15,000円
- ・アンティーク着物 リメイク材料:4,000円
- ・夏着物 割付稿模様:12,000円
- ・新品未使用 宗 喪服:2,160円
価格帯は、メルカリとあまり変わらない印象だ。着物単体で売れているが、リメイク品として出品されているのが多かった。そのため、着物で売れない場合はリメイク品として出品したほうが売れるかもしれない。
着物を寄付する方法がある
買取してもらえない着物は、捨てる以外にも寄付をするという方法がある。日本のNPO法人では、貧しい国のために不要な着物を届けている活動をしている団体があるのだ。そこでは、着物以外にも衣類などの引き取りもおこなっている。
しかし、無料で引き取りをおこなっているわけではなく多少のお金はかかるだろう。不要なものを寄付して社会貢献したいと思っている方は、NPO法人に連絡し寄付することをおすすめする。
親戚や友人に譲る
古い着物でもリメイクできる友人がいれば、その方に譲るのもありだ。リメイクすれば、何らかの形で再利用できるので処分するよりはお得になる。現に、メルカリやヤフオクではリメイク品でも高額取引の実績がある。リメイクできる友人がいれば、その方に譲りお得に再利用するのもおすすめだ。
買取業者に処分依頼をするのも一つの手
上記で紹介した対処法がすべてだめだった場合は、買取業者に処分依頼を出すしかない。一番いけないのは、売るのはもったいないからといって押し入れなどに保管しておくことだ。
保管しておいても着ることはないため、大掃除のときなどに捨ててしまうだろう。買取業者に処分依頼をすれば、無料で処分してもらうことができ何らかの形で再利用されるのだ。せっかくの着物を、無駄に処分するのはもったいない。
少しでも着物を高く買取してもらうコツ
最後に、少しでも着物を高く買取してもらうコツについて詳しく紹介しよう。着物を査定に出すときの参考としてほしい。
着物の買取専門店に依頼する
査定に出す際は、必ず着物の買取専門店に依頼するのが確実だ。専門知識がないと着物の価値が理解されず、安価で取引されてしまうことがあるからだ。できれば、1つの業者だけではなく複数業者に依頼するようにしよう。
ホームページ上だと、どの業者も立派に作られているため正直分からない。複数業者に依頼すれば、価格を比べることができるためどこで売ればいいのかが分かる。着物の買取専門店なのかを判断するためにも、複数業者に査定を出し専門店かどうかを見極めなければならない。
帯や和装品といった付属品も一緒につける
着物を売る際には、帯や和装品といった付属品を付けると何%か買取額がUPする。付属品が付いている着物は、購買意欲が高くなり売れやすくなるからだ。買取業者もボランティアでやっているわけではないため、買い取った着物を売らなければならない。
付属品が付いている着物のほうが、当然売れ行きが高い。そのため、付属品を付けてあげたほうが業者も高く買取する傾向にあるのだ。
有名産地の着物は証紙を必ずつける
老舗の着物店が仕立てた着物や、人間国宝に認定された有名作家がデザインした着物は、高額査定してもらえる。ただし、本物の証拠である証紙がなければ減額になってしまうだろう。
本物と思っていても、それを証明するものがなければ疑ってしまう部分もあるのだ。有名産地の着物を売る際は、絶対に証紙を付けて査定に出そう。
少しでも綺麗な状態で査定に出す
新品・未使用が一番良いが、査定前は掃除やクリーニングをして少しでも綺麗な状態にしてから出すのがおすすめだ。着物以外でも同じだが、見た目が悪いと古い商品という先入観が入り安く見積もられてしまう。
自分で落とせる汚れくらいは、しっかりと落としておこう。掃除やクリーニングをして綺麗な状態で査定に出すことが、高額取引への第一歩である。
出張買取サービスを利用しよう
出張買取サービスは、高額取引という点では外れてしまうがお得に買取をしてもらうことができるサービスだ。基本は無料でおこなってくれるため、万が一買取をしてもらえなかったとしても、お店に行く手間が省けるのだ。
せっかく着物をたたんで持っていったはいいが、買取をしてもらえなかったら手間だけが残ってしまう。買取サービスを利用すれば、業者が訪問してくれるので手間がかからないためおすすめだ。
まとめ
着物の買取ができないケースやその対策について詳しく紹介した。業者で買取をしてもらえないからといって、着物を処分するのはおすすめしない。工夫次第で、売れなかった着物でも売れるようになるからだ。
もちろん、工夫しても売れない場合は処分するしか方法はない。しかし、やることを最大限にやりつくし、それでも売れなければ処分をするようにしよう。この記事を参考に、クローゼットや押し入れの中に眠っている着物を査定に出してみてはいかがだろうか。