ジュエリーは贅沢なものだ。価格が高いからではなく、自分の気分によって気に入っていたはずのものが、似合わなくなったように感じることが往々にしてあるからである。
しかしこれは仕方のないことなのだ。自分に似合わないと感じてしまったら、少し日を置いてもう一度着けてみよう。それでもダメであれば欲しい人に譲るのが一番である。どんなタイミングでどんなところに売るのが良いだろうか。
Bvlgari Shop Ginza / Yoshikazu TAKADA
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
ブルガリは世界5大ジュエラーの一角
ブルガリ(BVLGARI)は世界の名宝飾店のトップ5である世界5大ジュエラーの一角だ。世界5大ジュエラーとは、創業年代が古い順に次の5店である。
- ・ティファニー(アメリカ)1837年創業
- ・カルティエ(フランス・リシュモングループ)1847年創業
- ・ブルガリ(イタリア・モエヘネシー ルイヴィトングループ)1884年創業
- ・ヴァンクリーフ&アーペル(フランス・リシュモングループ)1906年創業
- ・ハリーウィンストン(アメリカ・スウォッチグループ)1932年創業
このように、ブルガリは19世紀に創業した世界のトップブランドの1つなのである。現在でこそ時計や眼鏡のフレーム、香水などのほか、チョコレートからホテル事業にまで進出しているが、もともとはギリシャ系イタリア人であった創業者がローマで創業した高級宝飾品ブランドだ。
なお、時折勘違いされているようであるがグランサンクとは関係がない。グランサンクはフランス語であることからも判るように、パリの宝飾店の上位5社、つまりフランスの国内ランキングなのだ。
ミューザはブルガリらしさが現れている
ブルガリのジュエリーは宝飾の常識を覆すような宝石使い・色使いが特徴と言って良いだろう。色石といえばブルガリとまで言われるカラフルな使い方が目を引くものが多い。原石の貴賤ではなく、いかに全体の色バランスが良いかを意識した組み合わせはブルガリマジックともいわれる所以である。
また、宝石そのもののカットも、カボションカットと呼ばれるファセット(切子面)を付けずにおこなう丸い研磨が基本になっている。これによって石の色が最大限に発揮されることを狙い、その組み合わせでジュエリーを表現しているのだ。
ミューザはギリシャ神話の文芸や音楽をつかさどる9柱の女神たちのことである。主神ゼウスと女神ムネモシュネの娘たちとされている。英語のミュージックやミュージアムはこのミューザから派生したとも言われているのだ。ブルガリのミューザには次の9つの宝石から選ばれたものが用いられている。
- ・オニキス(紅縞瑪瑙または黒縞瑪瑙・赤系・黒系)
- ・トルマリン(電気石・多色)
- ・トパーズ(黄玉・透明~褐色・青)
- ・シトリン(黄水晶・黄色)
- ・カルセドニー(玉髄・多色)
- ・ペリドット(苦土カンラン石・緑)
- ・タンザナイト(変種灰簾石・青・青紫)
- ・アメジスト(紫水晶・紫)
- ・パヴェダイヤモンド(小粒のダイヤを敷き詰めたもの)
具体的にどの宝石がどの女神に対応しているかは語られていないが、伝説にインスパイアされたこのシリーズは宝石への敬意であるとブルガリ社は語っている。なお、ブルガリの表記がBVLGARIであるように、ミューザの表記もMVSAと、Uの代わりにVを使う古代アルファベット方式となっている。
ミューザコレクションの買取価格
ここでは、ミューザのダイヤリング、ネックレス、イヤリングの買取価格を紹介していくので参考にしてほしい。
ダイヤリングの買取価格
イエローゴールド750の分厚めリングに、正面には大小の小粒ダイヤをびっしり敷き詰めたフルパヴェのダイヤリング。マウント部分だけではなくショルダーにもV字型にダイヤを配したデザインとなっている。買取時にはギャランティカード(保証書)が添付されていた。
750YGミューザフルパヴェダイヤリングの買取価格は450,000円。イエローゴールド750は、いわゆる18金(18K)と同じ意味で、金が75%含まれた合金のことである。残りの25%は銀と銅がほぼ等量(6:4~4:6)含まれている。見た目の色味は純金を含めた金製品の中で、いわゆる金色に最も近い。
ネックレスの買取価格
750YGアメジスト×カルセドニーミューザネックレスのチェーンはイエローゴールド750、ストーンはアメジストとカルセドニーのネックレス。円筒形のストーンを固定する留め具には凝ったデザインが施されている。2014年リリースのモデルである。
買取実績は2つ見つかったが、100,000円の価格差が見られた。A社の買取価格は800,000円でギャランティカード付きの商品であった。B社の買取価格は900,000円で、ギャランティカードとケースが添付されていた。箱の有無で買取価格に大きな差がつくことはあるが、それだけで100,000円の差がつくのかどうかは不明である。
これは推定であるが、本体自体の状態の優劣やギャランティカードの状態に差があった可能性もある。また、買取時期によって買取価格に差が出るのは珍しいことではない。まだ中古市場に商品があまり流れていない場合、買取価格は高くなる傾向にある。
イヤリングの買取価格
750YGミューザブルートパーズイヤリングはドロップデザインのイヤリングで、チャームは円筒形のブルートパーズ。ストーン金具とモチーフ連結部分はイエローゴールド750となっている。美品ではあったが、ケースやギャランティカードの添付はなかった。買取価格は380,000円である。
商品の状態が重要
先に紹介した買取実績にもあるように、新品で購入したときの付属品がそろっていると買取金額を減額されにくい。ジュエリーの場合はケースとギャランティカード(保証書)だ。ケースについては開封後にジュエリーケースとして使える様なケースに入っていることが多いが、購入者が自分で準備したジュエリーケースに移して使うことを前提の入れ物であっても、購入時に入ってきたケースは捨てないで保管しておくべきだ。
もちろん開封時に壊してしまわないように丁寧に開封しよう。また、場合によってはそのケースの外側を保護するための紙ケースに入っていることもある。これ自体にほとんど価値はないが売るときには丁寧に扱ってきた証拠になるので、できるだけケースにかぶせた状態で保管しておこう。ジュエリーは自分で準備したジュエリーケースで保管した方が使い勝手がいいし、付属してきたケースが傷まないので好ましいだろう。
そしてギャランティカードはとても大切である。ギャランティカードはブランドによって取り扱いが異なるが、ブルガリはギャランティカードを発行しているブランドである。なので、必ずギャランティカードは汚さないように、そしてなくさないように保管しておき買取を依頼する場合には必ず一緒に提示することだ。
買取業者にもよるが、ギャランティカードがないと買取を断られてしまうこともある。断られなかったとしても、査定価格が大きく下がることが予想されるので、必ず提示することを忘れないようにしたい。もちろんジュエリーの汚れや傷は査定額の低下にがりつながりやすいので注意しよう。
売却するタイミングに注意
ジュエリーについては、貴金属の評価が中心になるものでは相場に左右されることが多いので注意が必要である。一方、宝石の価値が中心になるものでは大きく上下する相場というものは考えなくても良いだろう。
それでもブルガリのミューザにはイエローゴールド750が使われているジュエリーが多いので、金相場はチェックしておいた方が確実といえる。金の買取価格が高騰しているときであれば、それだけ鑑定結果も良い数字が出てくることが期待できるからだ。
また、買い取ったジュエリーが高く売れるタイミングというものがあるため、多くの業者ではそれを逆算して買取を強化することが多い。そうした場合には実店舗でもインターネット上でも、買取価格の上乗せキャンペーンをおこなうことが良く見られる。そうしたタイミングを逃さずに買取依頼・査定依頼を出すことで、全く同じ商品であってもより高額で買い取ってもらうことができるだろう。
中には新規顧客を開拓するためか、SNS経由で見積りを依頼すると一定割合で上乗せしてくれる店もある。こうしたものも活用したい。さらに、宅配買取と言う物がある。インターネットで申し込むと商品を送るための箱や送り状が送られてきて、それに入れて買取業者に送るだけで無料鑑定をおこなってくれるという物だ。
細かいシステムは業者ごとに異なることもあるので、事前にしっかりチェックしよう。これで買取や査定を依頼すると、すぐに結果を知らせてくれる。多くの場合、直接持ち込みなどより良い値段がつきやすいようなので検討してみても良いだろう。
もちろん見積価格に不満であればキャンセルすればいい。大抵の業者では無料で返送してくれるはずだ。ジュエリーに関しては規制が厳しいので宅配買取に対応していないケースが少なくないので下調べは大切だ。
買取業者のチェックをしよう
買取業者を選ぶのも重要なポイントである。ネットで口コミなどを検索してみれば、ある程度の評価はわかるだろう。もちろんそれを鵜呑みにしてはいけない。よい評価であっても、悪い評価であっても、あくまで参考にとどめるべきである。
また、業者の買取傾向や価格についても比較してみることを勧める。ネット上で公開されている買取実績について、同じ商品にどの程度の値付けをしているかを比べてみればわかる。これが手間な場合、インターネット上の買取比較サイトを利用してみるのも良いだろう。
一方、ブルガリのジュエリーは色宝石が特徴と言えるので、それに関する鑑定眼のある業者を選ぶと安心という部分がある。全国で買取をおこなっているバイセル(旧:スピード買取.jp)はその面でおすすめの業者だ。全国を営業エリアとしているので、まずは電話して出張査定や持ち込みなど、どの方法がいいのかを相談してみよう。ブルガリのミューザであれば、商品価格も高額なのでいろいろな方法で対応してくれる可能性が高い。
ジュエリーなのでフリマアプリやオークションサイトでの直接売買は難しいかもしれない。特に一定価格以上になると法的な規制がかかる場合もあるので、プロの買取業者に任せた方が安全であると言えよう。
また、買う側にとっても数十万円以上のジュエリーをフリマアプリなどで買うのは怖いと言う側面があるので、売れにくい可能性が高い。専門業者の無料見積もりなどを活用して相場感をつかみ、最終的な売り先業者を選定するのが良いかもしれない。
まとめ
買取査定の場合、元の査定金額に対して状態の悪さによる値引きは絶対額ではなく割合で計算することが多い。例えば箱がない場合は20%引きなどのような形式だ。だから、ブルガリのミューザのように買取価格がかなり高価になるものは、ちょっとした状態の差で大きな買取価格の差が生まれやすい。だからジュエリーを大切にすると言う意味からも、常にいい状態に保っておくことを意識すべきである。