高い資産価値を有する物品の一つに宝石があるが、その中でも高級ジュエリーブランドによって作られるジュエリーアクセサリーはその価値も別格である。もっとも、世界には名だたるジュエリーブランドが存在しているものの、その中でも真に価値のあるものはそこまで多くはない。
そこで、以下では代表的なブランドであるブルガリについて、その概略を見るとともに多くのブランドに占めるその立ち位置についても考察してみることとする。
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ブルガリとはどのようなブランドか
ブルガリは言わずと知れたイタリアを代表する高級ジュエリーブランドである。しかしながら、その歴史についてはあまり知られていないため、まず最初にブランドを知るという意味でも、どういった変遷をたどってきたかを見てみることとする。
ソティリオ・ブルガリという人物
ブルガリの創始者は、ソティリオ・ブルガリという19世紀に活躍した人物である。その名前から推察されるように、彼自身はイタリアではなく、ギリシャの出身とされている。代々の銀細工師の家庭で生まれ育ったソティリオは、幼い頃から高い技術を身に着けており将来を嘱望される存在であったが、折から発生した戦乱により家族ともどもイタリアへと移住することになったのである。
その地で銀細工の仕事を続けるうちに、ソティリオのシルバーアクセサリーは高い評判を得るようになり、やがて自ら店舗を構えるようになったのが後のブルガリの前身である。
ブルガリのデザイン
ソティリオが手がけたアクセサリーには、出身地であるギリシャの建築を模したデザインが施されており、当時からファッションの国として知られていたイタリアにおいても、そのオリエンタルな独自性は高く評価されることとなった。彼のノウハウは、コンスタンティノとジョルジョという二人の息子に受け継がれることとなり、彼らの巧みな商才によってジュエリーブランドとしての価値を一層高めていくことになる。
20世紀になると、ブルガリのデザインもギリシャスタイルから変貌を遂げるようになり、アール・デコの影響を受けたよりモダンなスタイルを取り入れることとなっていく。しかし、それも束の間のことであり、やがて創業の精神に立ち戻って古代のギリシャやローマのデザインへと回帰するのであった。
そのため、ブルガリのデザインは、必ずしもその時々のトレンドに沿ったものではなかったが、それが逆に普遍的な価値を持つこととなり、時代の移り変わりに関係なくそのアクセサリーは資産としての価値を有することになったのである。
世界有数のブランドに発展
このようにして自らのスタイルを確立したブルガリは、オードリー・ヘップバーンやエリザベス・テイラーといった名だたるセレブリティから愛される存在となり、20世紀半ばには世界的なジュエリーブランドへと進化を遂げていく。
本格的に世界展開へと乗り出すのは、1970年代になってからであり、その頃にはアクセサリーに加えて新たに時計の製造にも乗り出すこととなった。その後も、ブルガリはビジネスの多角化を進めており、新たにフレグランスを手掛けたり、ホテル事業にも乗り出すなど、様々な商品を取り扱う総合ブランドとなるのである。
2011年には、ルイ・ヴィトンを中心とするコングロマリットであるLVMHグループに入るという大きな決断を下しており、グループ内の多くのブランドとの相乗効果によって更なる事業拡大を進めている。
このように、ブルガリのブランド価値は、他ブランドでは見られない独自のスタイルの確立と、それを裏付ける技術力や経営センスによって培われてきたものであるといえよう。
ブルガリの商品とその資産価値
既に述べたように、ブルガリはもともとはジュエリーブランドとして発展してきたが、現在では時計事業も売り上げの大きな割合を占めるに至っている。そこで次に、ブルガリの各カテゴリーを代表する商品を取り上げて、その資産価値について見ていくことにしよう。
腕時計の代表作
ブルガリの腕時計を代表するモデルは、その名もずばり「ブルガリ・ブルガリ」である。このモデルは、時計業界において知らぬ者はいないほどに著名な時計デザイナーによるジェラルド・ジェンタによってデザインされたもので、ベゼルに刻印されている「BVLGARI BVLGARI」という文字が特徴的となっている。
【ブルガリ・ブルガリの魅力】
それでいて、ブランドを過度に感じさせないシンプルかつエレガントなスタイルがブルガリ・ブルガリの最大の魅力であり、円、四角形、直線という異なるデザインが絶妙に組み合わされることによって万人に好まれるスタイルが確立されているのである。
そのため、ブルガリというブランドのステータスを前面に押し出しながらも、オフィシャルシーンでもカジュアルシーンでも使えるデザインとなっていることから、世界中に愛好者を有するモデルとなっている。
【価格】
このブルガリ・ブルガリにはいくつかのモデルが存在しているが、もっともスタンダードなタイプで大体100万円超、レディース用のもので50万円程度というのが新品での価格である。それ以外にも宝石を施した高級ラインになると300万円から400万円程度するものも存在している。
【メルカリでの取引事例】
また、資産価値という観点からは中古市場での取引水準を見ておく必要があるが、その際に参考となるのはフリマアプリとして急速に普及しているメルカリでの取引事例であろう。
同アプリでブルガリ・ブルガリを調べてみると、状態が良いものであればスタンダードタイプのもので30万円を超える高額で売買されているケースが散見されることから、もともとの価格よりも低いとはいえ、なかなかの高評価を受けていると言えるのではないだろうか。
ジュエリーリングの代表作
ブルガリのジュエリーリングを代表する一品は、パレンテシである。このモデルは、ローマの伝統建築からインスピレーションを受けてデザインされており、古代ローマで伝統的に用いられていた敷石の接合部分をモチーフにした装飾が施されているのが特徴である。ゴールドやダイヤモンドなどが施されており、デザインと相まって洋の東西を問わず人気のある商品となっている。
【価格】
このパレンテシには、リング以外にもネックレスなどのいくつかのタイプが存在している。新品の価格を見てみると、リングの場合には50万円超であるのに対して、ネックレスでは70万円から200万円弱まで幅広くラインナップされている。
【メルカリでの取引事例】
一方、メルカリでの成約事例であるが、件数自体が少ないためあくまでも参考ではあるものの、リングで10万円程度、ネックレスで20万円程度で売買されているケースが見受けられる。いずれも状態はほどほどのものとなっているため、厳重に保管されて状態がよいものであれば、さらなる高値で売却することも可能であろう。
より高くブルガリの商品を売るためには
以上で見てきたようにブルガリの腕時計やリングは、新品はもとより中古品でも高額での取引が期待できるものとなっている。この点、売却方法には買取専門店や質屋といった専門業者に買い取ってもらうことや、メルカリのようなフリマアプリで個人に売るといったことまで様々なものが考えうるが、より高く売却したいのであればそれ以外の方法も検討してみるべきである。
オークションを利用する
その方法というのは、ヤフオクやイーベイに代表されるオークションを利用するというものである。基本的にブルガリを代表するモデルは世界中で人気の高いものとなっているため、中古であってもそれを欲しがる人は枚挙にいとまがないといえる。
そうであれば、あらかじめ価格を決めて売り出すのではなく、最低価格だけ決めておいてあとは購入希望者の競争に任せておいた方がより高い値付けが期待できるという訳である。
オークションは個人で気軽に利用できる
かつてはプロのバイヤーだけが参加できる存在であったオークションも、インターネットの出現とともに個人でも気軽に利用できるものへと変貌を遂げてきていることから、出来る限り高い値段でブルガリの商品を手放したいと考えるのであれば、それらを利用することも一考すべきであろう。
なお、オークションで売却する場合には、一定の手数料が必要となることは避けられないが、買取業者など再販売を目的とする業者に買い取ってもらう場合にはその分ディスカウントされることになるため、それを考えると小さな負担であるということができる。
ブルガリのブランドにおける順位とは
ここでは最後に、数あるブランドの中でブルガリが置かれているポジションについて考えてみることとする。前述のように現在のブルガリはLVMHの傘下に入っているが、このコングロマリットは世界最大のブランド企業であると評価されることが多い。
そのため、グループ全体で見た場合にはブルガリは世界一のブランドの一員であると評価することが可能である。とはいえ、それではブルガリ単体の位置づけが判然としないため、次にブルガリそのものの置かれている状況について考察してみることにしよう。
価格帯で見た場合の位置づけ
著名なバンカーであるアーワン・ラムボーグ氏がその著作においてブランドを価格帯別にピラミッド化してランク付けしているが、それによるとブルガリはPremium Coreという位置に該当し、カルティエやショパールなどと同じクラスとされている。
その上にはUltra High EndとSuperpremiumというクラスが存在しており、ブルガリはそれらに次ぐ第三順位であるということができるだろう。なお、これはあくまでも商品の価格帯に特化したランキングであるため、ブランド価値とは切り離して考える必要がある。
ブランド価値で見た場合の位置づけ
ブランド価値という観点からブルガリを位置づけた明確なランキングは見受けられないが、上記のとおり同価格帯にあるカルティエなどと同じクラスであると考えるのであれば、コンサルティング会社や広告会社などが行っている各種ランキングを見る限りブルガリはブランドの中でもトップクラスに位置するものと考えるのが妥当である。
まとめ
ブルガリの資産価値、ブランドの中で何番目なのかについて。また、ブルガリの歴史や概略についてまとめた。価格帯で見た順位は第三位、ブランド価値から見た順位はトップクラスということがわかった。
もしあなたの自宅に眠っているブルガリの製品があるのであれば、資産価値が高い今、現金化する方法も考えてみてはいかがだろうか。