山崎25年は、サントリー創業100周年を記念して、1998年から発売開始されたシングルモルトウイスキーだ。2019年現在でも山崎25年は発売され続けているものの、1999年に製造された1999ボトルインは山崎25年の初期ボトルとして希少価値が高い。そこで今回は、そんなプレミアムヴィンテージウイスキーである山崎25年1999ボトルインについて、買取相場や査定情報をまとめてみたいと思う。
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山崎25年とは?
冒頭でもお伝えしたが、山崎25年とはサントリーの創業100周年を記念して製造・販売が始まった思い入れのあるウイスキー。年間生産本数が1200本と決まっているため入手しにくく、販売した直後にすぐ完売してしまうほどの人気ぶりだ。山崎25年に使用されている原酒は、ミズナラ樽で長期熟成されたモルト原酒。
しかも25年以上熟成させた超ヴィンテージ原酒から、さらに厳選して選ばれたもののみを使用しているというこだわりっぷり。まるで赤ワインを思わせるような濃い茶褐色をしたウイスキーは、レーズンやイチゴジャムなどの濃厚な甘味とビターチョコレートのほろ苦さが融合された飲み口だ。山崎25年の原料はビールと同じ麦芽だが、ウイスキーは発酵だけで終わるのではなく2回の蒸留と樽での長期貯蔵を経て、深いコクと繊細な香りに仕上がる。
山崎25年の華々しい受賞歴
ジャパニーズ・ウイスキーといえば、真っ先にその名が挙げられる山崎。その実力は国内だけではなく、海外でも高く評価されていることをご存知だろうか。世界的な酒類コンテストであるサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンテスト(SWSC)では、山崎25年が2015年に最優秀金賞を受賞。
ウイスキーだけを徹底的に審査するワールド・ウイスキー・アワード2012(WWA)では専門家たちの厳しい審査を通り抜け、ワールド・ベスト・シングルモルトウイスキーの名誉を手にしている。1次・2次の国内審査をパスしただけでも脱帽ものだが、のちにロンドンでおこなわれた厳しい審査も次々とクリア。
WWAの審査員たちからは蒸溜と熟成の技術が融合した素晴しいウイスキーだと驚かれたほどで、山崎25年のベースとなっている長期熟成シェリー酒の特徴が色濃く表現されている。
山崎25年の製造地 山崎の魅力
山崎25年に使用されている原酒は、すべて山崎蒸溜所で製造された原酒だ。ひとつの蒸溜所で製造された原酒のみを使用したウイスキーのことをシングルウイスキーといい、それは蒸溜所の環境や気候を色濃く再現する。山崎蒸溜所のある大阪府三島郡島本町山崎はその昔、茶人であった千利休が茶室を設けた場所でもある。
宇治川・木津川・桂川の3つの川の合流地点である山崎では深い霧が立ち込み、それがウイスキー作りに適しているといわれているのだ。水質のよさは美味しいウイスキー作りには欠かすことができないが、その点においても山崎は完璧。名水百選にも選出された離宮の水が湧きでることで、上質なシングルウイスキーを作りあげている。
ウイスキーは、熟成させるときに使う水で味が大きく変わるといわれている。自然豊かで美しい山々や川に囲まれている山崎の地は名水の地としても有名で、世界中を魅了する数々のウイスキーを生みだす原点となっていることは間違いないだろう。
山崎25年1999ボトルインとは?
酒齢25年を超えるモルト原酒のみを使用して作られた山崎25年だが、その中でも発売初期にボトル入れされた1999ボトルインは特に希少性が高いことでも知られている。ここでは、山崎25年1999ボトルインの見分け方や味について詳しくまとめてみよう。
山崎25年1999ボトルインの見分け方
まず始めに、山崎25年1999ボトルインの見分け方についてご紹介しよう。1999ボトルインとはその名の通り、1999年にボトルに詰められた山崎25年のことだ。1998年に発売された初代の山崎25年と同じように、1999ボトルインにも「Bottled in…」の表記がラベル下に確認できる。
1999ボトルインのラベルにはBottled in 1999との文字が印字されているので、自分が目にしている山崎25年がいつボトル入れされたのかを知るのは簡単だ。また、ラベル右下にはシリアルナンバーの記載もあるのであわせて確認しておくといいだろう。
山崎25年1999ボトルインの味
山崎25年のベースとなってる原酒は、シェリー樽で長期熟成されたモルト原酒。ひとくち含めば、シェリー樽からウイスキーへと移り込んだ甘美な香り・心地よい酸味を口の中で十二分に感じることができるだろう。長期熟成ならではのまろやかな舌触りだけではなく、ほろ苦さや甘さ・フルーティーさが複雑に絡みあうテイスト。
そして、長期熟成された原酒を使用しているからこそ感じられる重厚さや深くて長い余韻。1999ボトルインだからという特別な味の違いは考えにくいが、その年々の気候状況によっては微々たる香りや飲み口の違いも生じるかもしれない。ほんの少しの違いがあったとしても厳選された長期熟成原酒を丁寧にヴァッティングしたスーパープレミアムウイスキーであることに変わりはない山崎25年1999ボトルイン。
製造年によるテイストの違いがあったとしても、双方が抜群にリッチでラグジュアリーな飲み口であることに変わりはないだろう。
山崎25年1999ボトルインの買取相場
数々のコンテストで賞を受賞している山崎25年。発売初期に生産された1999ボトルインは、2000年代に発売された山崎よりも希少性が高くヴィンテージ感をこれでもかと醸し出す幻の1本だ。ここでは、買取業者や個人売買においての山崎25年1999ボトルインの買取相場を徹底比較する。
査定見積もりを依頼する前に、1999ボトルインがどれほどの価格になるのかを把握しておこう。そうすれば、業者との価格交渉にも余裕をもって臨みやすくなるはずだ。
買取業者においての相場
アルコール類の買取実績が豊富な大黒屋では、1998ボトルイン・1999ボトルインともに80万円での買取価格となっている。この金額はあくまで買取の参考価格であるため、付属品の有無や保管状況によってはこれ以下の金額になってしまう可能性もでてくるだろう。また、80万円という買取価格は簡単に提示できる金額ではない。
大黒屋ではその値段で取引をされるケースがあるとのことだが、他の買取業者では驚くほど低額の価格になってしまう場合もある。その証拠に、アルコールの買取に精通しているリカーショップでも、大黒屋の80万円を大幅に下回る18万円、27万円などといった買取価格を提示しているのだ。インターネット上で知ることができる山崎25年の平均買取相場は60万円程度だが、初期ボトルである1999ボトルインはそれよりも高値で取引される可能性も少なくない。
1999ボトルインの買取相場情報は極めて少ないが、付属品がそろっていて状態もキレイであれば、80万円以上の値がつく可能性だって十分にある。
オークションなど個人売買においての買取相場
オークションなどの個人売買においては、ここ数年間で落札額が急上昇している。山崎25年の落札相場は平均60万円程度と買取業者に買い取ってもらう値段とほとんど変わらない額だ。個人売買において落札額が上昇した背景には、NHK朝ドラで放送されたマッサンの影響も強い。
ウイスキー作りに情熱を燃やす夫婦の人情劇場をリアルに再現することでウイスキーに興味を持つ人も増え販売量もぐっと増えた。また、上記でも紹介したSWSC、WWAなどのコンテストに入賞したことから、山崎25年はただのジャパニーズ・ウイスキーではなく全世界が注目するウイスキーへと成長をしていくことになる。
それにともない、ネットオークションなどの個人売買でも高額で取引される機会が増え、ヤフオクでは1999ボトルインが112万円という驚きの値段で落札された履歴が残っている。
1999ボトルインは希少価値が高すぎてなかなかお目にかかれないが、現在オークションで開催されている山崎25年の平均価格は60万円(2019年3月末現在)高いものだと100万円を超えるものもでてきている。大黒屋など高く買い取ってくれる業者を選ぶ以外にも、買い手が見つかればオークションでの売買もおすすめだ。
オークションを利用する際は、できるだけわかりやすい写真を撮影することや購入した年や保管状況などの詳細をしっかりと記載することが大切になってくるだろう。
その他の山崎25年ウイスキーの買取相場
ジャパニーズ・ウイスキーとして圧倒的な知名度を誇る山崎25年だが、現行で発売しているのは山崎25年だけではない。山崎、山崎12年、山崎18年、山崎25年、山崎のラインアップには4つの異なるフレーバーがそろっている。それぞれに特徴があり、メインとしている原酒がちがうので価格帯もバラバラだ。以下に、それぞれの買取相場をまとめてみよう。
- ・山崎(定価4,200円):5,000円程度
- ・山崎12年(定価8,500円):17,000円程度
- ・山崎18年(定価25,000円):50,000円程度
- ・山崎25年(定価125,000円):500,000円程度
これらの買取参考価格は、ウイスキーやブランデーの買取に強いSTOCK LABの鑑定士が査定した金額である。
山崎25年の買取価格は高額だが、その他のラインアップは比較的手が届きやすい印象だ。山崎や山崎12年などは25年に比べるとリカーショップや百貨店などでも比較的入手しやすいが、買取価格は定価を上回る額になっていることに驚かされる。
マッサンの放送やコンテストで賞を受賞したことからウイスキーの人気が高まっているだけではなく、長期熟成されている原酒が少なくなっていることも山崎の買取価格が上昇している要因だろう。
1999ボトルインと1998ボトルインの違いは?
超高級ヴィンテージウイスキーの名を欲しいがままにしている山崎25年だが、発売当初の1998ボトルインと翌年にボトル詰めされた1999ボトルインに大きな違いはあるのだろうか。結論からいうと、1998ボトルも1999ボトルも山崎25年の熟成された飲み口をしっかりと感じることができるリッチな味わいでそこまでの違いはない。
蒸留所の気候や環境によって原酒に多少の違いが生まれるかもしれないが卓越されたブレンダーの技量でどの年に製造されたものでもしっかりとシェリー原酒のよさが感じられる仕上がりに統一されている。
山崎25年は年間生産本数が1200本と非常に少ないプレミアムウイスキーであるが、山崎蒸溜所のテイスティングカウンターではグラス1杯からテイスティングを楽しむことができる。蒸留所でしか飲むことができないレアなウイスキーや原酒などもそろえられているので、ウイスキーファンなら1度は足を運んでみたい。
高く売るための秘訣
山崎25年1999ボトルインは、山崎25年の発売が開始された翌年にボトル入れがおこなわれたヴィンテージウイスキーである。発売からすでに20年が経過しているため、保管状態によっては劣化や傷みが目立つ場合もあるだろう。
以下の状況でも、それがかえってヴィンテージ感を高めることにつながり、思わぬ高額買取になる場合もある。
- ・ラベルの文字が薄くなっている
- ・ラベルが剥がれている
- ・箱などの付属品がない
付属品をそろえておく
1999ボトルインの付属品で重要なのは、何と言っても高級感ただようベロアケースだ。ベロアケースがあるかないかで見た目にも差が出てくるだけではなく、査定する側もケースがなければ最高査定額が提示しにくいのだ。ラベルの劣化はもはやヴィンテージ感を演出するためのプラスの材料となるがベロアケースはできるかぎり準備しておいたほうがいいだろう。
高価買取するには業者選びが重要
しかし、山崎25年1999ボトルインを高額買取につなげる1番のポイントは、「業者選び」なのだ。以下の業者別買取価格の実例や参考額を見比べてみてほしい。
- ・大黒屋での買取価格:80万円
- ・ライフバケーションでの買取価格:約54万円
- ・ファイブニーズでの買取価格:27万円以上
上記3社はともにお酒の買取に強い専門店だが、買取価格には倍以上の差が生じているのだ。たとえ、お酒買取専門店であっても山崎25年につける価値(買取金額)は大きく異なる。そうなれば当然、より高額で買い取ってくれる業者を探し出すべきだし、業者選びにもっとも力を注ぎたいといえるだろう。
査定額アップのために付属品集めに必死になるのも無理はないが、山崎25年1999ボトルインの価値をしっかりと評価して買取価格に反映してくれる業者を選ぶことが先決である。
個人売買と同時進行させることで効率よく売買ができる
例えば山崎25年1999ボトルインを70万円で売却したいのであれば、まずオークションに80万円で出品してみよう。落札者が見つかるまでの間は、70万円で買い取ってくれる業者選びをおこなうといい。運よく80万円で落札してくれる人がいれば、目標金額よりもプラス10万円得したことになる。上記のような流れで売却を目指せば、効率よく山崎25年1999ボトルインの売却を目指すことができる。
まとめ
山崎25年1999ボトルインは、山崎25年の発売が開始された初期のウイスキーだ。そのため使用されている原酒は山崎25年の中でも古く、よりヴィンテージ感を味わうことができるだろう。1999ボトルインを高額売却したいのであれば入念な業者選びはもちろんだが、個人売買と同時進行させる方法もおすすめしたい。