スコットランドの「スコッチ・ウイスキー」を手本にして生まれた、日本の「ジャパニーズ・ウイスキー」。いまや世界の五大ウイスキーのひとつと称されるほど、国内外での評価は高くなっている。
ジャパニーズ・ウイスキーの代表格ともいえる「山崎」をご存知の方は多いだろう。熟成年数が長く、プレミアがつけば数十万円で取引されることもある貴重な銘柄だ。過去にボトリングされた「山崎25年」ともなると、100万円以上で取引されることもあるほどだ。
国産ウイスキーが世界の「ジャパニーズ・ウイスキー」と躍進し、「山崎」のような名酒が生まれるまでは、実はけっこう長い道のりがあった。
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本格的な国産ウイスキーを生み出した「山崎蒸溜所」
明治生まれの実業家「鳥井信治郎」をご存知だろうか。おそらく、サントリーの創業者といえばピンとくる人も多いことだろう。国産ウイスキーの本格的な生産は、鳥井信治郎の手によって始まったといっても過言ではない。
鳥井信治郎は、1923年に名水の地「山崎」に、日本初のモルト・ウイスキー蒸留所となる「山崎蒸溜所」を創業した。そして、山崎蒸溜所での国産ウイスキーの誕生には、もうひとり欠かすことのできない功労者がいた。
それは、ニッカウヰスキーの祖である「竹鶴政孝」だ。竹鶴政孝は、スコットランドに留学し、本場ウイスキーの生産ノウハウや文化を学んだ人物だ。鳥井信治郎と竹鶴政孝、両氏のどちらが欠けても、今の日本のウイスキー文化の隆盛はなかったのではないだろうか。
山崎蒸溜所から生まれるウイスキーは、国内のみならず、いまや海外にも出回り、世界中のウイスキーファンを虜にしている。
山崎蒸溜所から生み出される名酒「山崎」
山崎蒸溜所で作られる名酒「山崎」は、蒸留所の名前を冠する同所の代表的なウイスキーの銘柄だ。普段からウイスキーを飲まない人でも、名前を聞いたことはあるのではないだろうか。
「山崎」とは?
「山崎」は、タイプでいうとシングルモルト・ウイスキーになる。ウイスキーは簡単にいうと、穀物を原料とした蒸留酒(スピリッツ)のことだ。
モルト(大麦麦芽)や小麦、ライムギ、トウモロコシなどを原料とする蒸留酒を「グレーン・ウイスキー」といい、モルトのみを原料としたのが、その名のとおり「モルト・ウイスキー」となる。
シングルモルト・ウイスキーとは?
また、「シングルモルト・ウイスキー」のシングル(単一)とは、ひとつの蒸留所でつくられていることを示している。ウイスキーは商品化するにあたり、ヴァッティングと呼ばれる、樽熟成した原酒と原酒の混合をおこなうのが通常だ。
つまり、山崎蒸溜所のシングルモルト・ウイスキーとは、山崎蒸溜所内でつくられたモルト・ウイスキーの原酒のみを混ぜ合わせて(ヴァッティング)ボトリングしたウイスキーということになる。
シングルモルト・ウイスキーの特徴
シングルモルト・ウイスキーでは、その蒸留所独自の特徴的な味わいや香り、風味、広がりを感じることができる。
世界に渡り合えるウイスキーを生み出そうとした酒造者たちの熱い想いや、国産ウイスキーを世界の「ジャパニーズ・ウイスキー」に仕立てた山崎蒸溜所のドラマに、ウイスキーを通じて触れてみる…シングルモルト・ウイスキー「山崎」には、そんな大いなる楽しみがあるのだ。
プレミアがついたウイスキー「山崎25年」
シングルモルト・ウイスキー「山崎」と一言でいっても、実は発売されたボトルはさまざまだ。通常の「山崎」であれば、割と気軽に手に入る値段であるし、180mlの小ボトルであればなおさらだ。
しかし、熟成年数が長いものになるにつれて値上がりし、限定生産品でもある「山崎25年」ともなると、ものによっては元の希望小売価格の10倍になることもあるのだ。
「山崎25年」は、「山崎」の中で、あるいはジャパニーズ・ウイスキーの中でも最もプレミアがついたお宝級のウイスキーのひとつだろう。ボトリングの年によっても若干価値が異なるが、例えば「山崎25年 2004ボトルイン」にもなると、ネットオークションで100万円を超えて落札されたこともあるほどだ。もはや投資対象としての色合いが濃い。
家に眠る「山崎25年」があれば、ぜひ売却を!
ウイスキーは、ビールなどに比べるとまだまだ愛飲者は少ないように思うが、意外と家の中に年代物が眠っていることがある。抜群の知名度を誇る「山崎」だ、家族が買わないまでも、贈答品でもらうことも珍しくないだろう。
最近では、家に眠っていて、もはや誰も飲まなくなったお酒が、行く当てもなく売りに出されることが多くなっているように感じる。今では、酒類専門の買取業者もあり、「飲まないお酒は売る」というトレンドが着実に形成されている。
もし家に「山崎25年」が眠っていたら、これは大ごとだ。もう誰もウイスキーを嗜まないというのなら、ぜひ売却を検討してみてほしいと思う。理由は単純、「山崎25年」なら非常に高額で売れるからだ。
「山崎25年 2004ボトルイン」の買取相場
ここでは、先にも少し触れた「山崎25年 2004ボトルイン」を例に取って見てみよう。
過去にボトリングされたシングルモルト・ウイスキー「山崎25年」は高額で取引されており、2004年にボトリングされたものになると、専門の酒類買取業者ではおよそ70万円~80万円で買い取ってもらえるようだ(2019年3月時点での相場)。
これは、あくまで状態が良いことを前提にした買取価格だが、多少難アリであってもほしがる業者やコレクターは数多い。
また、過去のネットオークションの取引を調べてみると、「山崎25年 2004ボトルイン」は100万円を超えて落札されており、また入札数がプレミアのついた数あるウイスキーの中でもひと際多かったのが印象的だ。
「山崎25年 2004ボトルイン」を高く売るには
おそらく、ウイスキーの売却に手慣れているという人は、業者でもない限りほとんどいないと思う。そのため、いざウイスキーを売ろうと思っても、どう売ったらよいかわからないかもしれない。
そこで、ここでは「山崎25年 2004ボトルイン」を想定して、ウイスキーを売る方法やコツについて見ていこう。ウイスキーを売るには、買取業者に買い取ってもらうか、個人で売るか、と大きく分けて二通りの方法があげられる。
買取業者
買取業者に買い取ってもらう場合は、特に「山崎25年 2004ボトルイン」のような価値あるウイスキーであれば、酒類の買取に特化した専門業者に依頼するのがマストだ。
というのも、ウイスキーの世界は奥が深く、不案内な人からすれば「山崎25年 2004ボトルイン」だろうがなんだろうが、ただのウイスキーだからだ。
ここまでお読みいただいていれば重々ご承知のことだと思うが、「山崎25年 2004ボトルイン」はただのウイスキーではなく、もはや資産や投資対象といった方がしっくりくるようなコレクターズアイテムだ。そのため、できるだけウイスキーの価値がわかる専門業者を選ぶようにしよう。
誠実な業者を選ぶ
また、専門業者であればどこでもいいというわけではない。商売人からすれば、当然安く仕入れて、高く売りたいものだ。そのため、できるだけ誠実な業者、ひらたく言えば「ボラない」業者を選ばなければならない。
そこで役に立つのが、クチコミや買取実績だ。業者を選ぶにあたっては、その業者に対するクチコミを調べたり、ウェブサイトで公開されている買取実績を確認したりするようにしてほしい。
複数の業者に査定してもらう
さらに、これらを踏まえたうえで、複数の買取業者に査定してもらうと完璧だ。業者によってウイスキーの再販力は異なり、高値で再販する経路を構築できている(見込み客を抱え込めている)ようなところであれば、査定額は高くなりやすいからだ。
また、査定結果が複数あれば、もっと高値で買い取ってもらえないか交渉する材料にもなるのだ。こう聞くと面倒なように感じるかもしれないが、今ではスマホひとつで簡単に業者について調べられるので、どうか億劫にならずにこの手順を踏んでほしいと思う。
ひょっとしたら、業者間で数十万円の差が出るかもしれない。「山崎25年 2004ボトルイン」というウイスキーは、そんなお宝なのだ。
個人で売る
そしてウイスキーを売るには、業者を介さず、個人で売ることもできる。個人で売る場合には、フリマアプリやネットオークションを利用するのが王道だ。
個人でウイスキーを売る最大の利点は「売値を自由に設定できる」ことだろう。先にも少し触れたが、「山崎25年 2004ボトルイン」はかつて100万円超で落札されたこともあったほどで、高く売りやすいともいえる。ただ、個人で売る場合には気をつけるべき点がいくつかある。
注意点1:売値設定
例えば、売値を自由に設定できるのは、利点であると同時に、欠点でもあるのだ。つまり、相場を把握して、適正な価格を設定しないと、損をしたり売れなかったりする。
注意点2:トラブルの可能性
またありがちなのが、購入者とのトラブルだ。特にウイスキーのような奥の深いアイテムは、細かなところまで確実な情報を伝えないと、トラブルになりやすい。
そのため、正確な情報を調べなければならないし、フリマアプリやネットオークションを利用するなら、詳細に出品ページを作りこむ必要があり、もちろんきれいに撮影することも高く売るには必須だ。
注意点3:手間がかかる
その他、購入希望者とのやり取り(場合によっては専門的な質問をされることも)、梱包、発送手配などがあり、業者に買い取ってもらうのに比べると、随分と手間がかかることになる。
業者に買い取ってもらうのと個人で売るのとでは、絶対にどちらがよいというものではなく、それぞれ状況に応じて使い分けるのがよいだろう。
高く売るには箱が欠かせない
「山崎25年 2004ボトルイン」のようなプレミアがついたウイスキーを高く売るには、付属の箱の存在が欠かせない。このボトルクラスにもなると、付属の箱がなくても買い手はつくと思われるが、ある程度の減額は避けられないだろう。
大手の酒類買取業者に問い合わせたところ、箱がないと20%減額になるとのことで、仮に完全な美品で80万円の値がつくのなら、16万円マイナスの64万円になってしまう。
コレクターズアイテムとしても、箱の存在は大きい。仮に状態が悪くても、もし箱があるのなら必ず一緒に売りに出すようにしよう。ないよりは、絶対にマシである。
ラベルを傷つけない
ラベルは、ウイスキーの詳細な情報を伝える、いわば宝石でいう「鑑定書」のようなものだ。また、ラベルには意匠が凝らされており、その銘柄やボトルの風格や出で立ちを決定づける大切な役割もある。
そのため、「山崎25年 2004ボトルイン」に限らず、ウイスキーを売るときには、できるだけラベルを傷つけないことを意識してほしい。
いたずらに爪で引っかいたりするようなことはないと思うが、特に注意したいのがボトルをきれいに拭くときだ。力を入れて拭くと、場合によっては剥がれたり、破れたりするので十分に注意しよう。
空のボトルや箱だけでも売れる?
「山崎25年 2004ボトルイン」ともなると、驚くことに飲んでしまった後の空のボトルにも価値がある。中身がなくても、ボトルと箱があり、状態が良ければ数万円で取引されているようだ。
さらに個人売買では、ボトルがなくても箱だけで取引されているようで、「山崎25年 2004ボトルイン」クラスになると、もはや価値のないところはないというほどだ。
まとめ
シングルモルト・ウイスキー「山崎」の中でも生産数に限りがある「山崎25年」。今や世界中のウイスキーファンから注目される名酒だ。その中でも、「2004ボトルイン」のように過去にボトリングされたものともなると、今やかなり高額で取引されている。
もし手元にある場合、買取業者に買い取ってもらうなり、ネットオークションやフリマアプリで個人で売るなりして現金化することが可能だ。もし業者を利用するなら、なるべく信頼性のある酒類買取専門業者に複数査定を依頼するのがベストだ。
また少しでも高く売りたいのなら、付属の箱を用意し、ラベル・ボトルともにきれいな状態にしておこう。