横井小楠(よこい しょうなん)掛け軸の価値・買取相場・査定情報

横井小楠は、武士や思想家といった活動の傍ら、掛け軸を中心とした多くの書を残した熊本藩士だ。彼によって描かれた七言絶句の詩などについては、計算し尽くされた美しい配列や文字といった部分で技能的にも高い評価がされている。また人気テレビ番組・開運なんでも鑑定団においても2014年に掛け軸の出品があるため、専業ではなくとも横井小楠という書家への注目度は意外と高いと捉えて良いだろう。

今回は、皆さんと一緒に横井小楠の経歴や作品の所蔵されている施設などに触れながら、掛け軸の買取相場などを詳しく紹介していきたい。

熊本城稲荷神社高橋公園　横井小楠と維新の群像 / amadeusrecord

横井小楠とは？

現在の熊本県に生まれた横井小楠は、藩政改革を試みた思想家だ。反対派の影響によって改革が失敗に終わった後、彼は福井藩に招かれて政治顧問として活躍するようになる。しかし新政府の参与として出仕した明治維新以降、残念なことに暗殺されてしまったようだ。

書家・芸術家ではない横井小楠

このように藩政改革や政治の世界で活躍した横井小楠には、書家から本格的に書を学んだという記録も見当たらない。しかし儒学者としてさまざまなメッセージを発信していた彼は、その表現手段のひとつとして多くの書を残していたようだ。こうした形で横井小楠によって書かれた作品の中には、「七絶小品」や「七言絶句」といった漢詩が多くテーマに用いられている。

小楠堂・四時軒

横井小楠の歴史的エピソードを見ていると、その多くが彼の開設した私塾に関する内容であることに気付かされる。例えば、横井が自宅の一室に作った小楠堂という私塾には、ロシア軍艦に乗ろうとしていた有名な思想家・吉田松陰も立ち寄ったと言われている。またその12年後に設けた四時軒には、坂本龍馬や井上毅といった明治維新の立役者も多く訪れているため、当時の横井小楠は書よりも遥かに思想や藩政改革の分野で高い注目を集めていたと捉えて良いだろう。

横井小楠記念館

横井小楠が長きに渡って暮らしていた四時軒は現在、彼に関する資料や書を公開する記念館となっている。この施設の中では、西郷隆盛や吉田松陰、勝海舟といったゆかりの人物の書も展示されているため、幕末の武士の嗜みして書道というのは珍しい対象ではなかったと言えそうだ。こうした形で多くの作品や資料を所蔵する横井小楠記念館は、2016年4月に起こった熊本地震の影響により現在休館中となっている。

横井小楠の掛け軸における買取相場

横井小楠の掛け軸は、この市場における他の書家の作品と比べて高価買取実績が多い傾向がある。また作品によっては1,000,000円以上の価値が付くこともあるため、これから紹介する買取相場を参考にしながら積極的に専門店とのコミュニケーションを図るようにして欲しい。

四行書

幅自体がかなりしっかりとしている四行書には、ヤフオクで84件もの入札が入った実績がある。この作品の最終落札価格は、112,000円だった。作品情報には、紫壇軸や杉箱、揉み紙表装といったことも書かれているため、掛け軸の買取市場においても付属品の有無やコンディションは重視されると言えるだろう。

二行詩

勢いの良い行書で書かれた二行詩の掛け軸は、62件の入札で141,596円という落札結果だった。この作品の情報を見てみると、軸先の片方が欠損し、経年劣化によるシミやスレ、汚れがあることがわかる。しかしそれでも100,000円を遥かに超える落札実績になるという実情を考えると、横井小楠は多少のコンディション低下があっても自信を持って買取店に持ち込むべき作家と位置づけて良さそうだ。

開運なんでも鑑定団にも出品実績がある

人気テレビ番組・開運なんでも鑑定団においては、横井小楠の掛け軸に1,200,000円もの鑑定額が付いた実績がある。この番組における鑑定額は、買取業者の提示する査定額とは少し異なる位置づけとなる。しかしそれでも1,000,000円を遥かに超える金額が付けられた実情を考えると、横井小楠の幕末の思想家としての高い評価が作品の価値に繋がっていると捉えて良いかもしれない。

横井小楠の掛け軸を高価買取に繋げる査定ポイント

横井小楠という人物の活動や作品の価値がわかったところで、次は実際に買取査定を行う上で欠かせない査定ポイントを詳しくまとめておきたい。

横井小楠や幕末の歴史に詳しい専門店の利用がおすすめ

専業書家ではない横井小楠の作品は、書の掛け軸や幕末の歴史に詳しい専門店に持ち込むのが理想となる。こうした業者の査定士と繋がることができれば、書風や特徴をしっかり確認した上でその作品に合った買取額を提示してもらえる。また書に詳しい査定士であれば、書体や作品全体のバランスなどから価値判断をすることもできるため、最終的には納得の取引に繋がりやすくなると言えるだろう。

横井小楠に詳しい買取店はどのように探すの？

横井小楠を高価買取対象する専門店では、サイト内で彼の名前やプロフィールを掲載している。また幕末の書や掛け軸買取実績が豊富な業者でも横井小楠に詳しい傾向があるため、こうしたショップを見つけたら一度オンライン査定などを使って問い合わせをしてみると良いだろう。

問い合わせ前に準備すべきこと

買取査定の目的で問い合わせをするなら、業者側に作品情報や写真を送付するのがいちばんだ。こうした資料を早い段階で送ることができれば、その後の取引もスムーズに進みやすくなる。また買取業者では、真贋の判定や仮査定に作品写真を活用するため、横井小楠の銘や印、経年劣化による汚れなどが詳しくわかる情報を送信することが良心的な対応だと言えるだろう。

作品の持ち出しが面倒なら出張買取を活用しよう

長きに渡って保管していた掛け軸の持ち出しが面倒な人には、担当者が自宅で本査定を行ってくれる出張買取の活用がおすすめだ。このサービスを使えば、蔵などに眠った複数本の掛け軸を簡単に現金化することもできる。また運搬中に外箱を壊すリスクもなくなるため、祖父母などがコレクションしていた掛け軸の扱いに悩む皆さんにもおすすめ度の高いサービスになることだろう。

横井小楠の掛け軸に適した買取業者

最後に、横井小楠などの掛け軸や美術品の売却に適した専門店を3つご紹介しておこう。

総合美術買取センター

http://www.sbkart.net/

多種多様な美術品買取のできる総合美術買取センターは、大変おすすめ度の高い専門店だ。それぞれのジャンルに専門の査定士が在籍するこの業者では、近年の市場動向から適正な査定額を提示してくれる。また話題の出張買取サービスについては、出張料無料で全国対応を行っているため、生活圏に買取業者のない地方都市の皆さんでも気軽に利用できる存在になることだろう。

本郷美術骨董館

http://www.hongou.jp/japan/syounan/

東大赤門前にある本郷美術骨董館では、横井小楠のプロフィールを掲載した専用買取ページを設けている。この業者でも、電話、スマホ写真、来店、宅配、出張といった5種類の査定方法を用意している。出張買取については作品の内容と距離によって対応が異なるため、まずは作品の情報や写真などを送付してみると良いだろう。

永楽美術

http://eirakubijutu.com/kaiga

愛知県名古屋市にある永楽美術でも、横井小楠などの掛け軸や絵画、書画の買取を積極的に行っている。またサイト内では掛け軸買取市場で人気の高い作家が多く紹介されているため、問い合わせ前に一度目を通してみても良いだろう。買取方法については持込、出張、写真画像鑑定の3方法で行われており、相見積もりについても歓迎しているようだ。