明治時代~昭和にかけて活躍していた川合玉堂は、掛け軸の高価買取実績が非常に多い話題の日本画家だ。長きに渡って精力的に制作を行っていた彼の作品は、人気テレビ番組・開運なんでも鑑定団にも大変多く出品をされている。また日本のオークション市場においても多くの高額落札実績が存在するため、川合玉堂は日本画や掛け軸のコレクターにとって注目すべき存在と言えるだろう。
今回は、長きに渡って川合玉堂が積み上げてきた経歴や実績を見ながら、彼の作品を高価買取に繋げるための査定ポイントをご紹介していきたい。
本記事のポイント
- 川合玉堂は、双屏風の「行く春」が重要文化財に指定されている
- 水車や富士のモチーフが人気
- 美術オークションで〜1000万円の予想価格がついている作品も

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川合玉堂のプロフィール
昭和32年まで活躍していた川合玉堂は、日本美術界に大きな影響をもたらした日本画家だ。買取市場で多く取引される彼の作品は、日本画、水墨画、掛け軸が中心となっている。
経歴
川合玉堂は、明治6年に筆墨紙商の息子として生まれた。12歳から絵に親しみ始めた彼は、後に幸野楳嶺のもとで、日本画界における大きな派閥である円山・四条派を学ぶようになる。1890年から玉堂という号を使い始めた彼は、第三回の内国勧業博覧会に出品し、「秋渓群鹿図」と「春渓群猿図」の2作品を入選させている。
日本画壇の第一人者
17歳で内国勧業博覧会の入選を果たした彼は、23歳から橋本雅邦に支持しながら、日本美術院の参加メンバーとなった。また1900年以降は私塾「長流画塾」の主宰や、第一回文部省美術展覧会の審査委員に任命されることで、活躍の幅を更に広げていったようだ。こうした形で日本国内のさまざまな場所で実力が認められた川合玉堂は、宮内庁から帝室技芸員に任命された頃から、日本画壇に欠かせない中心人物になっていったと言われている。
受賞実績
日本画壇をリードする川合玉堂には、国内外からの受賞実績もある。例えば1931年には、フランスの最高勲章とも言えるレジオンドヌール勲章を与えられている。またその2年後にはドイツ政府から赤十字第一等名誉章、1940年には内閣総理大臣より文化勲章を受賞しているため、彼の社会的貢献は美術や芸術の域を遥かに超越していたと捉えて良いかもしれない。
川合玉堂が愛した玉堂美術館
川合玉堂の作品は、東京都青梅市にある玉堂美術館にも多く所蔵されている。生前の玉堂が愛した御岳渓谷に設置された玉堂美術館は、彼の死去から4年が経った1961年に開館することとなった。設立に向けた寄付の中には、地元の有志や全国の玉堂ファンだけでなく、昭和天皇の皇后である香淳皇后も支援を行っているため、帝室技芸員に任命されていた川合玉堂と皇室の関わりは大変深かったと捉えて良いだろう。
代表作品と所蔵作品
長きに渡って制作活動をしていた川合玉堂の作品は、東京国立近代美術館や東京国立博物館といった日本を代表する施設に多く所蔵されている。また1916年に制作された紙本彩色六曲一双屏風の「行く春」については、国の重要文化財に指定されているため、川合玉堂の描く作品の数々は芸術上だけでなく歴史的価値があると判断して良いだろう。またこうした博物館や美術館には外国人観光客も多く訪れているため、川合玉堂という日本画家の存在が世界レベルであることも納得だと言えそうだ。
川合玉堂の掛け軸における買取相場
川合玉堂における評価や価値がわかってきたところで、ヤフオクなどのインターネットオークションや美術品の古物市場、買取業者の実績から、彼の掛け軸における買取相場を見ていきたい。
春雨(日本画ギャラリー)
日本画ギャラリーで開催されたオークションでは、川合玉堂の「春雨」に40,000円の落札額が付いた実績がある。彼の名前のついた作品の中には複製画も非常に多く見受けられるため、「本物か?コピー品か?」によって買取額に大きな開きが生じると捉えて良いだろう。またインテリア専門店などでは「春雨」の複製画が120,000円前後で販売されているため、こうした相場の違いについて頭に入れておくこともコレクターには必要な心がけだと言えるだろう。
山家晩秋(ヤフオク)
ヤフオクにも、川合玉堂の掛け軸や絵画作品が出品されている。例えば、東京美術倶楽部の鑑定書の付いた「山家晩秋」には、インターネットオークションでは明らかに高額と断言できる558,000円もの落札額に至った実績がある。作品紹介のページには、昭和初期の作品としては珍しく表装ともに良好な部類と書かれているため、高額査定に繋げるためには、付属品や鑑定書の有無だけでなくコンディションも大事な要素になると捉えるようにして欲しい。
緑蔭水車(オークションハウス)
国内オークションハウスにおける落札予想価格が6,000,000円~10,000,000円となって出品された「緑蔭水車」や「吹雪」は、明らかに本物と保証される作品だ。本人肉筆の絵画であればここまで高い価格が付く実態を考えると、川合玉堂の作品を通した高額査定は比較的狙いやすいと判断して良いだろう。また真贋によって買取相場がゼロ2桁以上変わってくる川合玉堂の作品は、肉筆画を集める行動がより良い美術品投資に繋がると捉えて良いかもしれない。

湖畔晩晴(買取業者)
川合玉堂の作品は、買取相場や買取実績・価格を提示している買取業者が少ない。したがって、他の作家以上に複数の買取業者に見積もりを依頼し、納得のいく査定額を提示した業者へ売却するよう注意したい。買取業者の1つであるアート買取協会では、「湖畔晩晴」70〜100万円と「ひよどり」20〜30万円を買取相場として提示していた。
節分の夕 白丸にて(開運!なんでも鑑定団)
川合玉堂の作品は、人気テレビ番組・「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系)にも出品されている。2012年9月4日の作品は、残念ながら掛け軸ではない。しかし額に入った2点の絵画でトータル1,000,000円もの評価額になったことを考えると、作家が川合玉堂である限りどんな作品の形状であっても高額査定が見込めると捉えて良さそうだ。
また番組内では出征する人のために川合玉堂が虎の絵をよく描いていたというエピソードも紹介されているため、テーマやモチーフにこだわったコレクションをしてみるのもおすすめだと言えるだろう。

川合玉堂の掛け軸を高価買取に繋げるポイントとは?
最後に、国内外で注目される川合玉堂の掛け軸や絵画作品を高く売るために、心掛けて欲しい査定ポイントをご紹介しておこう。
不要なら早めに手放す
価値ある掛け軸を高額査定に繋げるには、コンディション維持に注意した扱いや保管を徹底する必要がある。また紫外線などによる経年劣化が生じた作品は、参考買取価格よりも大きくダウンした査定しか付かない傾向があるため、上手に保管を続ける自信がないなら早めに手放す勇気も持つべきだと言えるだろう。特に遺産相続や遺品整理で出てきた掛け軸の扱いに悩んでいるなら、早めに買取業者に相談をするようにして欲しい。
川合玉堂の作品買取に適した専門店の特徴とは?
場合によっては500万円以上の査定も狙える川合玉堂は、日本画に詳しく鑑定力や資金力に自信のある専門店に持ち込んでみて欲しい。こうした業者に本物を持ち込めば、満足の査定額提示により即決できる可能性も高くなる。また日本画や掛け軸買取な得意なショップでは、査定額算出の理由や査定基準なども教えてくれるため、こういった業者の査定士とコミュニケーションを図ることも大きなメリットになると言えそうだ。
作品情報がわからなくても査定依頼は可能
サインや落款、箱などにより作品の詳細情報がわかる方が望ましいが、オンライン査定やLINE査定、メール査定などを使って作品の写真を送信できる今の時代は、掛け軸の題名や作家名などの情報がわからなくても、買取査定の依頼が可能となっている。
多くの業者が出張買取サービスを行う近頃では、全国どこでも無料で査定士を派遣してくれる専門店も多くなっているため、宅配買取の利用や掛け軸の梱包に不安を抱えた皆さんでも効率的な方法で美術品の現金化が可能になりつつあると言えるだろう。
出張買取サービスを利用する際には、買取や引き取り、処分などをお願いしたい美術品の全てを写真に撮って業者に送信するようにして欲しい。
LINE査定に対応している買取業者
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
買取価格
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手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
LINEや専用フォームから査定に対応している総合美術買取センターは、幅広い専門の鑑定士が在籍し買取をおこなっているという。東京、名古屋、大阪、福岡の都市圏をはじめ日本全国を対象とした買取を実施中だ。
翠波画廊
買取価格
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手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
翠波画廊は年間1500点ほどの販売実績があり、LINE査定にも対応している画商。川合玉堂の絵画や版画の買取には特に力を入れているとのことで高値買取が期待できる。
出張買取に対応している買取業者
アート買取協会
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対策
アート買取協会は美術品専門店による高額買取査定、年間3万点の買取実績、専門スタッフによる丁寧な鑑定・査定、全国出張買取・宅配買取を実施しており、LINE査定にも対応している。川合玉堂の買取に力を入れており、買取相場も掲載している。
小川処堂
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ポリシー
ウイルス
対策
小川処堂は日本全国で買取、販売を行っており、査定料や送料はすべて無料。川合玉堂作品を高価買取すると記載があり、ホームページでは川合玉堂の略歴なども紹介している。
損をしないようクチコミや見積もりの比較を慎重に
川合玉堂は、重要文化財に指定された作品もあるほど評価が高く、持ち込む作品によっては数百万の査定も期待できる。しかし、多くの買取業者が買取相場を提示していないため、査定額がわかりにくい作家の一人と言えるだろう。
足元を見られたり、損をしてしまったりしないよう、クチコミなどから買取業者を複数検討し、いくつかに見積もりを出して納得がいく金額で買い取ってくれる業者を探したいところだ。