格安スマホや格安SIMの問題点としては、通話料の高さ。これがネックだった。MVNOと呼ばれる携帯キャリアの提供する格安スマホや格安SIMならばデータ料金については非常に安くなる。しかしながら、かけ放題プランを利用していた電話のヘビーユーザーにとって、実は通話料の高い格安スマホや格安SIMに乗り換えることが現実的では無かったのだ。
でもよく考えてみると、050Plusといった通話アプリを使えば、通話も安く抑えることができるはずだ。そうすると「誰でも」格安スマホや格安SIMに乗り換えたほうが得なのではないか、と考えられる。この点について、月々の通話時間を想定しつつ検証してみよう。
以下、冗長になることを避けるために格安スマホと格安SIMは区別せず、格安スマホという呼称を使わせていただく。本来は別物なので、時間があれば【月額料金モデルケース付】格安スマホ?格安SIM?私はどれにすればいいの?【総括編】も参考にされたい。
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格安スマホの通話料金について振り返り
データ通信料金が安くなることで知られる格安スマホ。どのMVNOキャリアのウェブサイトを見ても「最大○○円お得」といった広告文が目に入る。しかしながら、通話料は決して安くはない。無論、昨今のLINEの普及やフェイスブックメッセンジャーでの通話アプリなどを使っている分には通話料金がかからない。
よって、そもそもほとんど携帯の機能としての「通話」、例えばどこかのお店の電話にかける等、といったことをしない人にとっては間違いなく格安スマホの方が月々の携帯料金が数千円安くなる。今回考えたいのは、そういった層では無く、通話量が多く、かけ放題プランの恩恵に与っていた層だ。
Money / Tax Credits
話を戻そう。格安スマホの通話料金は、例えばDMM mobileやIIJmioどちらの格安スマホでも20円/30秒である。昔の通話料の設定で考えると、高めの設定になることがおわかりになるだろう。そう、格安スマホの通話料は普通に使うとそこそこ高い。
大手携帯キャリアのかけ放題は得なのか損なのか
auやdocomoといった携帯キャリアは月々2916円でかけ放題になるということになっていて、これはMVNOキャリアの格安スマホ通常料金である20円/30秒で換算すると約73分にあたる。すなわち、一日換算で約3分程度は通話する人については、格安スマホよりもauやSoftankといった携帯キャリアのかけ放題プランを使っていた方が、通話料だけ見れば安くなる。
仕事やプライベートの関係等でよく電話し、仕事専用の携帯電話などが与えられない場合には、この手の大手携帯キャリアのかけ放題プランがお得だということにもなるわけだ。このような点が格安スマホのデメリットである。
しかし、今回考えていきたいのは有料通話アプリの適用である。この有料通話アプリを格安スマホで併用することで、データ通信料も安く、通話料も安く抑える といったことが可能になるはずなのだ。
有料通話アプリはどのくらい通話料金を抑えてくれるか
Mobile Payments / GDS Infographics
有料の通話アプリについては、「「なんとなく名前は聞いたことがあるけれど、いまいちピンと来ない」という意見が多いのではないだろうか。NTTの提供している050Plusや最近参入した楽天でんわなど名前だけは知っているのではないか。こうした通話アプリは通話音声の質も悪くなく、きちんと使えるのに「なんとなくダメそう」といった具合で利用されていないのが実情だ。
LINEのアプリの通話などとの違いは、「きちんと指定された電話番号にかけられること」であろう。アプリではあるが、普通の電話として使えてしまうし、携帯番号も相手の着信履歴に残るのだ。
例えば050Plusの料金は、基本料金月額324円と、通話毎にかける先が固定電話の場合3分で8.64円、携帯電話の場合1分で17.28円なので、間を取って1分10円で計算してみよう。計算すると、大手携帯キャリアの月々2916円を050Plusで使う場合、月に291.6分使えることになり、5時間近く電話できる計算となる。一日換算で毎日10分ほど。使わない日もあるだろうから、普通に電話する人であってもこれを超えて電話することはあまり無い。
営業といった仕事などの関係で毎日コンスタントに1時間も電話するような人でない限り、050Plusで元はとれそうだ。
ちなみにここではかなりフェアに通話料金分だけの計算を行っており、データ通信料などが安くなる部分を考えると、トータルで見るとやはり格安スマホの方が安くなってくることがほとんど(電話の超ヘビーユーザーは除く)。また、050Plusは通話料の上限のみを考えて以上の結果であったが、従量課金制であるため、あまり使わなかった月は400円~600円程度に抑えてくれるのも嬉しい。
現行のかけ放題プランでは「たくさん使う月もあるけど、あまり電話しない月もある」といったスタイルの場合、毎月キッチリ3000円近くを取られてしまう。
有料通話アプリの難点は無いのか、アプリ同士も比較してみる
今回紹介した050Plusでは、相手に通知される着信履歴の番語が050~とはじまる番号になってしまい、電話帳に登録されている番号と異なるのが難点だ。相手にとっては知らない番号として通知されてしまうというケースが考えられ、かけ直してもらえないといった可能性がある。しかし、楽天でんわは通常の携帯番号が通知されるし、通常の電話回線を用いた電話形式になるので音質も完全にクリアだ。月額基本料が0円なので本当に使った分だけ支払える。
あえて、これらの通話アプリも比較してみると一長一短はある。050Plusは電話番号が050~で通知されてしまうデメリットがある分(その分かはわからないが)単位当たりの通話料金が更に安く設定されているのだ。格安スマホを使い続けており、意外とやっぱり電話を使いたいという人も「050 plus」を試してみるのが良いだろう。
MVNOキャリアも通話アプリに目をつけている
Face from Lachine / Michel Filion
楽天電話も格安スマホとセットで楽天でんわを導入するように自社完結型のサービス提供をしている。顧客が自然な形で導入できるようにするためだ。Skylinkmobile(2019年現在サービスは終了している)も、050の番号を提供し、アプリを内蔵したような通話サービスを格安スマホで提供している。
《番外編》中古スマホ専門のフリマサイトを紹介
スマホのマーケット(スママ)は、スマホの中古端末を安心して簡単に売買できるフリマサイトだ。出品者と購入者の間にスマホのマーケットが入り、中古スマホをオンラインで購入する方に、安心できる売買を支援している。出品者向けには端末内データの削除、購入者向けには動作チェック、除菌、修理補償、購入端末に適合する格安SIMカード購入の申し込みなどのサービスが充実している。
おわりに
最後に結論を振り返っておこう。大手携帯キャリアのかけ放題プラン月々2916円分を050Plusで使う場合、月に291.6分使えることになり、5時間近く電話できる計算となる。一日換算で約10分だ。平均的にこの通話料を超えてしまう場合は、かけ放題プランを使い続けたほうが良いし、電話するけれどもここまで定期的に電話はしないというユーザーの場合、通話アプリを使いつつ格安スマホへ移行するのがベター。
更に、通話料単体でトントンとなるラインを見ているので、データ通信料の安くなる分を考えると実は「どっちがお得か」というラインはもう少し格安スマホ側に傾いた所にある。
これまで、「なんとなく微妙そう」「なんとなくめんどくさそう」といった評価を受けてしまったために使用されてこなかった通話アプリだが目を向け直してもいいのかもしれない。