不要になった古畳。できれば買取業者に高く買い取ってもらいたい。服や家電のようにリサイクルショップや不用品買取業者へ売却することはできるのか。売却に最適な査定業者はどこがいいのか。そして買取相場はいくらくらいになるのだろうか。
今回は、古畳の買取や粗大ごみとしての処理方法・リサイクル方法について紹介するので、不要な古畳がある方はぜひ参考にしていただきたい。
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古畳を売却したい
引っ越しやリフォームで不要になった古畳を売却したい。
着なくなった服は古着買取専門店やフリマで販売できるし、家電などは購入店舗で買い取ってもらえたり、リサイクルショップでも売却できる。では、古畳はどこで売却できるのだろうか。
畳を買い取ってくれる業者はほとんどない
当コラムを読んでくれてるあなたは、もしかしたらこのページにたどりつく前に「畳 買取」などでネットを検索したかもしれない。そして残念なことに、畳の買取の情報はほとんど引っかからなかったのではないだろうか。
実はその検索結果が現実で、畳を買い取ってくれる業者はほどんどない。タイトルから期待して読んでくれた方には申し訳ないが、ここでは現実的な畳の処分方法について紹介していく。
なぜ畳は買い取ってもらえないのか
畳は修繕が利くものでもなく、基本的には買い替えをしていくような消耗品。そのため、ほとんど使っていない本畳などはまだ再利用できるが、使い古された畳は捨てるしかない。
また、畳は部屋の形に合わせて作られたものであったり、地域によって1畳のサイズが異なっているため、売買するにしても事前の確認にかなり手間がかかってしまう。服なら多少サイズが違えど調整すればなんとかなるが、畳の場合は軽くサイズ調整して使おうなどとは聞いたことがない。
畳の再利用はこのように多少難点があるため、買取をしている業者も極端に少ない。また、買取は一般家庭向けではなく、業者対応のみのパターンも多いのだ。近年では畳を元にリサイクル製品を生み出す活動も活発化しているが、今の所は捨てるほうがまだまだメジャーである。
畳屋は回収してくれるのか
畳を専門に扱う畳屋なら、買取までいかずとも、せめて無料回収をしてくれるサービスはないのだろうか。
畳屋で「回収のみ」はNG
畳屋で古畳を回収してくれることもあるが、基本的に回収してくれるのは新畳の購入時のみだ。新畳を購入するなら、古畳を無料で回収している畳屋も稀にあるものの、基本的には有料である。新たに購入しているのだから、無料で引き取ってくれよと思ってしまうかもしれない。
しかし回収後は、個人で処分するのと同じように有料の廃棄処分を行なっているため、回収しても特に畳屋に儲けが出る話でもないのだ。畳の処分ばかりに時間を割いているわけにもいかないので、畳の回収のみでは請け負ってくれない店舗もたくさんある。
店舗によって異なるが、平均1畳1,000〜2,000円で回収となるケースが多いようだ。
新畳を購入するなら、畳屋に引き取ってもらおう
古畳の回収のみでは、畳屋もあまりいい顔をしてくれないが、新たに購入すると言うなら問題ない。またそれほど多くはないものの、中には古い畳の「下取り」を行なってくれる畳屋も存在する。
不用品回収とは違って、新たに購入するなら無料回収を狙える可能性もあるので、畳を新調する予定があるなら、自分で無理して処理しようとはせずに畳屋に相談してみよう。
不要な畳はどう処分したらいいのか
では、不要になった畳はどう処分すればいいのか。
畳の処分方法
畳には、畳屋の回収の他に以下のような処分方法がある。
主な畳の処分方法
- 引っ越し屋に回収してもらう
- 畳屋やリサイクル業者にリサイクルして貰う
- 不用品回収業者に引き取ってもらう
- 燃えるごみとして捨てる
- 粗大ごみとして捨てる
といった方法だ。
この方法なら畳を新調する必要もなく、畳を処分できる。
引っ越し屋に頼めるのは転居時のみ
言わずもがなわかるとは思うが、引越し屋に畳を回収してもらえるのは転居時のみ。
また、不用品回収に対応していない業者や、対象商品のみ可としている業者もあるため、利用前には必ず確認しよう。また、無料で引き取ってくれる業者はほとんどなく、1畳で平均3,000円ほどの回収費用がかかってしまうようだ。
処分方法により金額が大違い
畳の処分のみを検討しているなら、上記の引越しを兼ねない方法で行くしかない。
畳屋と引越し業者の回収費用により回収にはなかなかの金額がかかることを察したと思うが、実は、畳は処分方法によってその処分費用がかなり違う。
利用内容によっては1畳あたり無料〜8,000円ほどと、その金額は大違いなのだ。できるだけお得に処分するためにも、次の項目にてそれぞれの処理方法について詳しく説明していく。
絶対にお金をかけたくないなら
先ほどの「無料」のパワーワードに希望が出てきた方も多いだろう。
そう、畳を処分するのに必ずしも処理費用がかかってしまうわけではない。少々時間と労力が必要とはなるが、「燃えるごみ」として捨ててしまえばいいのだ。
「燃えるごみ」として捨てる
あれほどまでに回収だリサイクルだと言われていたのに、捨てていいものなのかとためらってしまうかもしれない。だが、一定のルールを守れば「燃えるごみ」として捨ててしまってもまったく問題はない。法も犯さず、無料で処分できるとなれば最高である。
ごみ処理のルール
燃えるごみとして処理する際の一定のルールとは "自治体で決めたルールに従う" こと。
実は、畳の処分方法は自治体ごとに細かく指定されているため、絶対にこうすればどこの地区でも通用すると言うものではない。だが、その中でも共通して言えるのは、地区ごとの「指定のごみ袋に入れる」ことである。
畳は、そのままの大きさでは燃えるごみとして処分できないが、ごみ袋に入る大きさまでカットすれば、燃えるごみとして処理することができる。5等分にカットすればいいという地区や、○○㎝四方までカットするなどといった細かい指定がある地区までさまざまなので、適切なカット方法は自治体に確認しよう。
捨てる前には自治体へ連絡を
捨てる畳の枚数によっては、ゴミ袋が大量になってしまうことがある。
その際は必ず自治体に報告する必要があるので気をつけよう。大量のゴミはごみ回収担当の判断で、一度で回収されずに置いていかれてしまうこともあるそうだ。
だが、事前に自治体に処理予約を入れておけばそのような行き違いが起こることもないので、カットする前にまず確認、袋の数が決定したら確認と、自治体に相談しながら処理を進めよう。
粗大ごみとして処分する
処分費用にかなり差がでるのが、この「粗大ごみ」として処分する方法。
粗大ごみは持ち込みと回収の2つの処分方法があり、安さを求めるなら前者だが、楽に処分したいなら後者をおすすめする。
粗大ごみの処理手数料
粗大ごみは、地域ごと処理手数料が大きく異なる。
回収の場合の処理手数料の1畳あたりの価格は以下の通りである。
- 北海道:500〜650円
- 東北地方:800〜1,330円
- 北陸地方:500〜1,000円
- 関東地方(東京都以外):1,000〜1,150円
- 関東地方(東京都):800〜1,200円
- 東海地方:800〜1,000円
- 近畿地方:400〜1,500円
- 中国地方:500〜800円
- 四国地方:300〜1,020円
- 九州地方:500〜700円
- 沖縄地方:300〜500円
地方ごとにも金額に差があるが、市区町村ごとに細かくごみ処理のルールが指定されているため、ひとつの区域においてもこのような価格差が発生する。
持ち込みの場合は重さや数量で価格を決めているようで、その際は最大でも回収処理手数料の半額ほどでの引き取りとなるパターンが多いようである。
自治体ごとに内容は異なる
処理手数料が異なれば、サービス内容も異なる。
ある地域では、畳3枚までは1枚と同じ手数料で回収していたり、またとある地域では年に2回粗大ゴミの無料回収を行なっていたりする。また、持ち込み処理であっても、現金対応や回数券制などさまざまだ。
逆にいくつかの自治体では回収自体を行っていないため、購入先に相談するよう促されたり、不用品回収業者を紹介されるパターンもある。
ここまで内容が異なるため、粗大ごみとして処分する際も、まずは自治体の担当部署に問い合わせる必要がありそうだ。
粗大ごみの出し方
粗大ごみは一般的に事前申し込み制。自治体の粗大ごみ受付センターへ電話で申し込むか、粗大ごみ受付センターのホームページから回収を依頼する。そして最寄りのコンビニや対象のスーパーなどで有料粗大ごみ処理券を購入。申し込んだ日付に、指定の場所に処理券を貼った畳を置いておけば、ごみ回収車が引き取ってくれるのだ。
ただ粗大ごみの回収は、一度に捨てられる量が限定されていたり、回収曜日が限られているなど難点もいくつかある。大量の畳でもなるべく早く処分したい、と考えるならごみ処理センターへ直接持ち込んでしまった方がいいだろう。
また、持ち込みの場合は自家用車で運ばなくてはならない上に、荷下ろしも自分でする必要がある。楽さを取るか安さを取るか、よく検討して利用しよう。
畳屋・リサイクル業者に依頼する
新品の畳を購入した畳屋であれば古畳を無料もしくは安く回収してくれる場合がある。また、購入した場合以外にも持ち込みなどをすればリサイクルして貰える場合がある。山形市の有限会社鏡畳店、千葉県市原市の「伊藤畳店」などがある。
それ以外の方法として、リサイクルを専門とする業者に依頼することが出来る。カンポグループ、中山リサイクル産業株式会社、リサイクルクリーン、株式会社エコネコル、興農舎RE、清掃リサイクルセンター21などがある。
不用品買取業者へ依頼する
お金はかかるがもっとも楽な処分方法は、不用品買取業者へ依頼する方法だ。
ごみとして処分する場合は、まず床から畳を外し家の外まで運び出す必要があるが、不用品買取業者なら、依頼次第では畳を外すところから請け負ってくれる。そのため処理手数料も他の処分方法より高く、平均1畳2,000〜3,000円ほどかかるようだ。
また、この方法が一番価格差が激しく、高い業者では畳1枚8,000円ほど取る業者などもある。業者ごとにサービス内容もかなり異なるため、処理を依頼する前に一度見積もりのみを依頼するといいだろう。そして複数の業者に見積もってもらい、最良の業者を見つけ出そう。
「一般廃棄物処理業許可」を受けた業者に依頼しよう
環境省でも発表しているように、家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業許可」の委託が必要となる。この許可を受けた業者だけが、家庭から出る不用品の回収をすることが許されるのだ。
この資格は、地区ごとに許可を受けられる業者数が限定されていて、希望すれば誰でも免許が取れるわけではない。 自治体によって一定の業者の数以上は取得自体ができないことになっているため、この許可を受けていれば、自治体公認の業者として安心して利用できるのだ。
もちろんこの資格を所有している業者は地区で管理されており、自治体へ問い合わせれば紹介してもらえる。
「産業廃棄物処理業許可」は一般廃棄物処理業許可とは異なる
不用品買取業者を調べていると、一般廃棄物処理業許可ではなく「産業廃棄物処理業許可」という免許を持っている業者がチラホラ存在する。この資格は一般廃棄物処理業許可と同じような免許として、畳の回収を依頼していいのだろうか。
回収不可の業者が多い
答えはNO。「産業廃棄物処理業許可」は、工場や企業の廃棄物を処理するための許可であるため、一般家庭から出る畳はこの免許では回収が不可となるのだ。
あくまでも "一般家庭の" 畳を回収するには、「一般廃棄物処理業許可」の取得が必須。
まれに「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」のみで一般家庭の畳を回収していると宣伝している業者も存在するが、そのような業者は、回収したものを不法投棄などで処理している可能性もある。
たまに町中を「不要になった家電や家具を回収します。壊れていても構いません。」などと "不用品の無料回収" をうたいながら低速で走行するトラックがいるが、そのような業者は無許可の場合が多いので注意が必要。
実際に欲しいのはお金になる金属類で、電化製品などの回収を目的としている。
畳は回収手数料を求められるケースが多い
そのため対象外の畳などは、実際に回収を依頼すると回収手数料を求められるケースもあるのだ。そして無許可の業者で、格安回収を宣伝しつつも実際の引取り時には高額請求をされる事案などもあったため、不用品回収業者は必ず自治体に確認した上で利用しよう。
「一般廃棄物処理業許可」の免許の有無は、不用品回収業者のチラシや、ホームページの会社概要などで確認することができる。
当サイト「ヒカカク!」では最大20社の不用品回収費用を一括で見積もりすることが出来、一般廃棄物処理業許可を持っている業者が対応できる場合がある。不用品回収の見積もり依頼は査定フォームへ。
まとめ
今回はさまざまな畳の処分方法についてまとめた。出だしは畳の買取が可能のような空気を出して申し訳なかったが、現実は上記の方法に沿って処理する必要がある。
そしてどの方法でも共通して言えるのは、利用前に必ず自治体に確認する必要があるということ。決して自己判断で処分せず、ルールに従い正しく処分しよう。