財布は毎日使う実用品であり、また会計ごとに取り出すので、頻繁に人目に触れるアイテムでもある。そのため財布は耐久性が高く見た目も良いもの、ブランド品を使いたいという方も多いだろう。
品質の良さやデザイン性から、ブランド財布は高値で売買されている。そのため、本物と見間違う偽物も数多く出回っているのだ。偽物は安値で販売されているため、ついそれと知らずに購入してしまいがちである。
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シャネルの財布の偽物を見分ける方法
シャネルは1909年にココ・シャネルが創業したフランスのファッションブランドで、財布だけでなくバッグや服など、さまざまな製品を展開している有名企業である。シャネルの財布は高級ブランドとして人気が高く、正規品であれば新品で15万円から20万円前後のものが多い。
ところが、シャネルの偽物やコピー品はその半額以下で買えてしまうため、かなりの量が市場に流通しているのだ。これらの偽物を見分けるため、いくつかポイントを見ていこう。
ココマーク
まず、シャネルの製品についている特徴的なココマークが、見分けの大きなポイントとなる。ココマークとは創業者のココ・シャネルの名前のスペル、Cをあしらったロゴである。
Cと左右反転したCを組み合わせた図案なのだが、本物のココマークはこの二つのCが立体的に絡み合っている。
いっぽう、偽物の場合は、筆記体で書いた「x」のようにのっぺりと平面的である。マークがプリントされた部分の材質によっては、本物でも平たく見える場合があるが、見分けるための一つの指標として覚えておくと良い。
シリアルシール
次に判別しやすい手がかりとしては、シリアルシールがある。正規のシャネルの財布ならば、必ずどこかにシリアルシールが貼ってあり、シリアルナンバーが記載されているはずだ。
シールには二つのココマークが描かれ、その下にナンバーが置かれるデザインとなる。このナンバーと、正規品の保証として付属しているギャランティーカードに記載の番号が一致すれば、本物だと考えて良いだろう。
またシールの中央にはXの形の切れこみが入っており、そこが金ラメで装飾されている。非常に精巧なつくりになっていて、偽造しにくい部分である。シールが無い場合は偽物だと考えてほぼ間違いない。
中古品であれば、前の持ち主が使っていて剥がれた可能性はある。ただしその場合は、剥がれた痕跡があるはずなので、念入りに財布全体をチェックしてみると良いだろう。
ファスナー
意外な見分け方として、ファスナーに注目するという手段もある。ファスナー部分を見て、YKKなどの刻印があれば要注意だ。
シャネルでは、ファスナーまで100%自社で部品を作り、財布を製造している。そのため違うメーカーの刻印があれば、既成の部品を寄せ集めて作った偽物だと言えるのだ。中古品であればファスナーを交換修理した可能性もあるが、ケースとしては非常にまれであろう。
タグ
もうひとつ、見分けの参考となるのは財布についているタグである。タグにはシャネルのロゴマークとともに、製造国が記載されている。本物のロゴマークであれば、登録商標であることを示すRマークが必ず右上についているはずだ。
また製造国についても基本的には「MADE IN ITALY」あるいは「MADE IN FRANCE」の二つしかない。他の国で作られていれば、それは間違いなく偽物である。
「MADE IN PARIS」はパリ製だから本物だと思いがちだが、「MADE IN」の後ろには国名しか来ない。パリは都市なので、本物なら単に「PARIS」とだけ書かれている。
ルイ・ヴィトンの財布の偽物を見分ける方法
ルイ・ヴィトンは1854年に同名の創業者によって始められた、フランスを代表する高級アパレルブランドである。創業当時はトランクを作っていたこともあり、現在でもバッグや財布など革製品を多く取り扱っている。
ルイ・ヴィトンの財布は10万円前後のものが多く、高級ブランドとしてはやや手に入れやすい。ブランドとしての人気も高く、それだけに偽物も多く出回っているため、注意が必要だ。
シリアルナンバー
ルイ・ヴィトンの財布の真贋を見分けるためにもっとも有効なのが、シリアルナンバーである。
通常であれば、シリアルナンバーは正規品を購入した時に同梱される、ギャランティーカードとセットで用いられる。カードと財布本体に記載の番号が一致することで、正規のものだとわかるのだ。
しかしルイ・ヴィトンの場合はナンバー自体に仕掛けがあり、製造年や製造月がわかるようになっている。そのため偽物のいい加減なナンバーは、知識があればすぐに見抜ける仕組みなのだ。どのように見れば良いか、解説していく。
財布に刻印されるシリアルナンバー
財布に刻印されるシリアルナンバーは、アルファベット2つと、3桁あるいは4桁の数字から構成される。
アルファベットのほうは各国にある工場のうち、それが製造された場所を示している。フランスの工場なら「TH,SR,FL,MB」などであり、スペインなら「CA,LO,LB」、ドイツなら「LP」がある。
数字のほうは年代によってルールが変わるため、年代別に見ていこう。
1990年以前に製造された財布
1990年以前に製造されたルイ・ヴィトンの財布には、製造年の下2桁と製造月がそのまま並んだシリアルナンバーが刻印されている。
「847」であれば1984年の7月に作られたものだし、「8511」であれば1985年の11月製ということになる。これを用いると、「LO8901」であればスペインのLO工場で1989年1月に作られたということが読み取れる。
財布のシリーズによって発売年度がわかるため、発売年より前のナンバーやありえない数字が入っていれば、偽物だと断定できる。
1990年から2007年にかけて製造された財布
1990年から2007年にかけて製造された財布の場合は、数字が必ず4桁となる。左から数えて「1番目と3番目」が製造月を、「2番目と4番目」が製造年をあらわしている。
たとえば「0939」であれば、製造月は「03」なので3月だ。製造年は「99」なので1999年となる。同様に、「1023」であれば、2003年の12月に作られたものということになる。
2007年以降に製造された財布
2007年以降はさらにこのルールが変わり、より複雑になっている。「1・3番目」が製造週をあらわし、「2・4番目」の数字は製造年を示すようになった。
「1028」であれば、製造週は「12」で製造年は「08」だから、2008年の第12週に生産されたことになる。同じように「0141」であれば、2011年の第4週の製品である。
シリアルナンバーから製造時期を読み取るのはやや面倒だが、それは偽造業者にとっても同じであり、簡単に偽造されることを防ぐ、ストッパーの役割を果たしている。シリアルナンバーはとてもわかりにくい部分に刻印されていることが多いため、注意して財布の内部を観察すると良いだろう。
シリアルナンバー以外で見分ける方法
シリアルナンバー以外にも、ルイ・ヴィトンの財布の真贋を判別する手立てがある。それはファスナーのツマミの部分だ。
通常の服や財布についているツマミはせいぜい厚さ1mmから2mm程度と、かなり薄い。しかしルイ・ヴィトンの正規品のツマミであれば、3mmから5mm程度と非常に重厚感のあるつくりとなっている。
もちろん自社製造部品であるため、既製品の刻印があったりすれば偽物だ。ツマミの金属表面の塗装に関しても、本物は凸凹もなく、均一で美しい仕上がりとなっている。しかし、偽物は塗りの表面が滑らかではない。
手で良く触る部分なので、粗悪な塗装なら使っているうちにすぐ剥げてしまうだろう。安い既製品のファスナーを使っている偽物が多いため、この部分で見抜くこともできる。
グッチの財布の偽物を見分ける方法
グッチは1921年にグッチオ・グッチによって創業された、イタリアの革製品ブランドである。財布やバッグはもちろん、靴や服、宝飾品や香水も扱っている。日本でも人気のブランドで、財布も10万円を切る価格帯のものが多いため、若者にも好評だ。
ロゴマークのフォント
グッチの偽物を見分けるためには、まずロゴマークのフォントを良く見る必要がある。「GUCCI」のアルファベットのうち、とくに「G,U,C」が特徴的である。
本物のフォントでは、「G」と「C」の右側が縦に切り取られたように直線的になっているはずだ。また、「U」の縦線のうち、右側が左側に比べてかなり細い。これらの特徴が見られないフォントであれば、偽物の可能性が高いだろう。
コントロールカード
コントロールカードも、グッチの真贋の判定に一役買うものだ。これはギャランティーカードとは違って保証書の意味合いはなく、検品済みであることを示すため、購入時に入っている。
カードには何桁もの検品番号が書かれているが、この数字自体には意味がない。しかし、正規品についているコントロールカードは、偽物との区別のために、これらの数字にわざと印刷の段階で切れ目を入れているのだ。
「1」は左上付近が切れており、「0」なら右下、「5」は左の真ん中など、数字によって切れている部分は決まっている。数字に切れ目のないカードが同梱されていれば、偽物だと思って良いだろう。
縫製
グッチに限らず高級ブランド全般に言えることだが、縫製の甘さも偽物の見分けに有効である。ほぼ新品なのにほつれている部分があったり、ステッチが曲がっていれば100%偽物だと思って良い。
グッチなど高級ブランドの財布は高額品であり、出荷前には何重にも品質チェックが行われるので、そういった製品が出回る可能性は0に近いのである。
とくに偽物の場合、販売時にはあまり見えない内部の縫製や、金属部分のつくりが雑であることが多い。購入前に財布の中もチェックすれば、偽物を回避できるだろう。
パオロ・グッチ
注意すべき点として、偽物も多く出回っているのだが、グッチの場合「パオロ・グッチ」という別ブランドがある。
これはグッチ内部でお家騒動があったときに追放された、グッチ創業者の孫、パオロが立ちあげたブランドだ。グッチのようなデザインと、比較的安価で買える点が魅力である。
これはグッチ本社とは無関係な会社なので、本社のものとして購入したなら、いちおう「偽物」ということにはなる。パオロ・グッチ自体は違法なコピー品業者ではなく、正規のメーカーだ。
しかし名前が同じグッチであり、グッチの創業者一族経営というややこしさを持っている。本家グッチと間違えて購入しないように、気を付ける必要があるだろう。
まとめ
シャネル、ルイ・ヴィトン、グッチの財布の本物の偽物の見分け方をまとめた。
ブランド財布は、残念ながら偽物が多く出回っているのが現状だ。よく見れば、さまざまな違いがあるものの、パッと見ただけでは分かりにくいというのも、偽物を買ってしまう人が多くなっている原因である。
毎日使う財布を購入する際は、偽物を買って後悔することが無いよう、今日紹介した内容を確認しながら、トラブルに巻き込まれないよう注意して取引してほしい。