ビスクドールは、19世紀初頭に流行したフランスの陶磁製人形である。子どもが遊ぶおもちゃとしてのイメージが強いかもしれないが、今現在では歴史的価値の高い骨董品として知られている。
もし倉庫にしまってあるビスクドールがあるなら、次のオーナーに譲り渡すことも検討してみてほしい。というのも、場合によっては数十万円の価値がつくこともあるからだ。今回は、ビスクドールの買取相場と査定情報をお伝えする。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
ビスクドールの歴史
まずは、ビスクドールの歴史をお伝えする。
ビスクドールは19世紀にフランスで作られた陶磁製の人形
ビスクドールとは、二度焼きによって作られた陶磁製の人形を指す。主に19世紀初頭に流行し、当時のフランスのファッショントレンドを知る手がかりになる人形である。ビスクは、フランス語で「二度焼き」を意味するビスキュイが語源である。
当時の職人の技術を注ぎ込んで作られた人形であり、100年以上前に作られたアンティークドールをはじめ、レプリカやリプロダクションであっても価値の高い人形として取り扱われている。フランスで有名な人形作家としては、ブリュー、ジュモー、ゴーチェ、AT、ステーネ、シュミットなどが挙げられる。
ビスクドールの役割
ビスクドールの役割は、当時の流行をいち早く知らせることであった。14世紀後半〜15世紀後半に洋服を着せるためのファッションドールをフランスで作ったのが始まりだ。当時は子供が遊ぶ人形ではなく、デザイナーが宮廷夫人に今季の洋服を見せるための等身大の人形という役割をもっていたのだ。
この時期に作られた人形はファッションドールといい、フランスだけでなくドイツにも広がっていった。18世紀になると玩具の人形が登場する。単に遊ぶための人形として流行したのではなく、女の子が洋服のコーディネートを学ぶための1つのツールとして流行したのだ。
その立役者はフランスの思想家であるジャン・ジャック・ルソーである。人形から洋服を学べるだけでなく、裁縫技術も修得できるという考えを広めたのだ。実際に、当時販売されていたモデルには、お裁縫セットが一緒に販売されており、当時の女性教育の1つであったことがうかがい知れる。
ビスクドールの転機
18世紀後半に大流行したビスクドールだが、19世紀に1つの転機を迎える。1855年に開催されたパリ万国博覧会にて展示された日本の市松人形に影響を受けたのだ。小さな人形にインスピレーションを受けた作家は、幼児の体型をまねたベベドールを思いついた。
これがベベドール販売のきっかけである。その後、フランスとドイツでこの人形は大人気となり、ビスクドールの工房がいくつもできたのだ。20世紀になると、本来の人形の役割は終わりを告げ、骨董品・美術品としての価値が注目を集める。
今では歴史的に貴重なものとして、価値が高く取引されているものも多い。当時の流行や技術を知るための手がかりになるもなるだろう。
ビスクドールの特徴
次にビスクドールの特徴を見ていこう。
2種類の製造方法
製造方法はプレスとポアードという手法が用いられている。プレスとは型押しを意味する言葉であり、陶土を型にはめて作る方法のことだ。一番古いビスクドールの作り方であり、1890年以前にとられていた製造方法である。
ポアードとは型流しという意味であり、型に陶土を押し入れるのではなく、型に液状ポーセリンを流し込み作る手法だ。プレス製法では大量生産が難しかったのだが、ポアード製法の登場によって大量にビスクドールを生産することが可能になった。ビスクドールでは今でも生産がおこなわれているが、このポアード製法が用いられている。
またビスクドールが着ている服により、生産された時代を推測できるのも特徴の1つだ。先に説明したようにビスクドールはファッションの流行を知らせるための役割を持っていた。そのため、人形の着ている洋服は当時の最先端のファッションであり、いつ作られたのかを観察することができる。当時のファッションの流行が知れるというのも楽しみの1つとなるだろう。
ビスクドールの種類
さらにビスクドールにはいくつかの種類がある。大まかにいうとファッションドール、ベベドール、キャラクタードール、トーキングドール、ウォーキングドールがある。ファッションドールは、洋服のコマーシャル用に作られた人形であり、当時の最先端の洋服に身を包んでいるのが特徴だ。
ベベドールは、6-7歳くらいの幼児の体型をした人形であり、キャラクタードールも同様に子どもの体型をした人形である。トーキングドールは、内部にからくりがあり声が出る人形となっている。ウォーキングドールは同様に内部に仕掛けがあり、首と手足を動かすことができる人形だ。これらの種類以外にも、頭・目・口・身体の部分にさまざまな特徴がある。
口を閉じたものや開いたもの、目が開閉できるものなど、1体1体異なる特徴をもつのは興味深い。このように、ビスクドールと一言でいっても、作られた年代や製法、種類など異なる特徴がたくさんある。これらの特徴については、査定をするときに役立つため、所有する人形にどのような特徴があるのかをあらかじめ確認しておきたい。
ビスクドールの価値と重要ポイント
次に、ビスクドールの価値と査定で見られるポイントをお伝えする。
ビスクドールの価値は高いのか
買い取ってもらうことを検討している方は、ビスクドールにどれほどの価値があるのか気になるだろう。ビスクドールの価値は一般的に高いといわれているが、実際はその人形によるといえる。というのも、ビスグドールの価値はどの工房・メーカーの作品なのかによって価値が大きく変わるためだ。
先に伝えたようなフランスの有名作家の工房で作られたようなものは価値が高いため数十万円はくだらない値がつくこともある。歴史的価値が高いものは数百万円ということもありうるのだ。しかし、有名でない作家が作ったものは価値が低くそれこそお金にならないケースもある。
そのため、どの作家のものなのかというのは非常に重要なポイントだ。また、ビスクドールはレプリカやリプロダクションでも価値があるため、高価に買い取ってもらえる。もっとも、ビスクドールのふりをした偽物である場合には、価値がゼロになってしまうため気をつけたいところだ。
ビスクドールの高価査定のポイント
査定に出す前に、買取業者がどのようなポイントで値付けをおこなっているのかをチェックしておこう。
有名な作家が作成したものかどうか
先にお伝えしたとおり、製作した作家・工房がどこなのかは重要だ。有名どころとしては、ブリュ、ジュモー、アー・テー、シュタイナーなどがある。これ以外にも、同時期に作られた作品であれば価値が高いだろう。
誰が作ったものなのかに関しては、ウィッグをとった頭の部分に書かれている。型番や製造会社などが書かれているため査定前にチェックしておくと良いだろう。ただし、ウィッグをとる際に破損すると価値が下がってしまうので無理はして確認するのは控えよう。
購入ルートは確かなものか
鑑定士は購入したルートも訪ねてくるはずだ。というのも、19世紀などに作られたビスクドールなら価値が高いため、きちんとしたルートでしか購入できないからだ。具体的には、コレクタールート、オークション、骨董市で購入したなど具体的なルートを調べておくべきだ。
ご自身で購入したものでない場合はできるなら購入者に尋ねてみよう。購入ルートは偽物か本物かを見分ける1つの判断材料にもなりうる。
状態が良いか
ビスクドールの状態も査定額に大きく影響する。骨董品となるため、多少のスレや汚れはあっても問題ない。しかし、大きな壊れやひどい汚れ、修復した跡などが残っている場合は査定額が減額されてしまうこともある。
トーキングドール、ウォーキングドールなどの場合は、中に仕掛けがあるためこれが動作するのかも重要なポイントだ。しかし大きな破損などの問題がある場合であっても人形によっては貴重な価値があるケースもあるため、1度は査定に出してみよう。査定前に諦めるのは禁物だ。
アンティークの雰囲気があるのか
製造した会社や時代などがよくわからないビスクドールもあるだろう。この場合、一見して古そうかどうかもポイントとなる。アンティークの雰囲気があれば、100年前に作られた価値のある人形の可能性があるためだ。
着ている洋服やウィッグが取り替えられてしまっているケースでも、中身の本体は昔のままということもある。この場合は、価値があるため一定程度の買取額で引き取ってもらえる可能性はあるだろう。
このように買取業者が見るポイントは多岐にわたる。しかし、査定前に知っておけば査定用の写真を撮る際も参考になるだろう。上記ポイントをおさえて写真を提出しよう。
ビスクドールの買取相場と高価買取のコツ!
最後に、ビスクドールの買取相場と高価買取のコツをお伝えする。
本物のビスクドールの買取相場は10万円〜20万円
ビスクドールは製造した工房、会社によって価値がかわってくる。有名な作家が作ったものであれば、10万円〜20万円程度(2019年6月21日調査時点)つくはずだ。状態が悪ければこれ以下の値段になってしまうこともあるが基本的にはこのラインをベースに考えておけばよいだろう。
ちなみに有名作家(ブリュ、ゴーチェ、アーテーなど)のビスクドールで発売当初の作品であることがわかった場合は、数百万円の値段がつくこともある。これに対して、リプロダクションドールの場合は、1万円〜3万円程度と価値が下がってしまうことを理解しておいたほうがよいだろう。このように本物であれば、高価な買取が期待できるが、復刻版であるリプロダクションの場合は価値が下がってしまうだろう。
高価買取のコツ
高価に買い取ってもらうためにも査定に出す前には以下のことに気をつけてほしい。
- ・人形の価値をわかる業者にお願いすること
- ・複数の業者に依頼すること
- ・状態をよく見せるために汚れをおとすこと
ビスクドールは骨董品となるため、骨董品の価値を正しく判断してくれる業者にお願いすることが大切だ。骨董品、美術品関連をよく取り扱っている業者を選ぼう。また、1社だけに査定をお願いするのではなく、複数業者に査定を依頼してほしい。
そうすることであなたが大事にしているビスクドールの本当の価値がわかるからだ。少しでも高く買い取ってほしいなら必須のステップだ。さらに自分で取れる汚れは拭き取っておこう。ホコリ、汚れなどが酷いと第一印象が悪くなる。第一印象は査定に影響するので気をつけたい。
ビスクドールのおすすめの買取業者
それでは最後に、おすすめの買取業者をご紹介する。
日晃堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
日晃堂は美術品、骨董品の買取を専門におこなう買取業者だ。骨董品と美術品の鑑定を専門におこなっていることからしっかりと真贋を見定めてくれる。ホームページにはビスクドール用のページが用意されているため、査定のポイントなどもわかりやすい。
ビスクドールの買取実績のページもあるため、安心して査定に出せる。メールにて無料査定をおこなっており、買取方法は出張、宅配、店頭買取の3つだ。どの買取方法でも無駄な手数料や査定料はかからないので、是非一度査定に出してみよう。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
八光堂は骨董品、美術品の買取に関しては40年以上の実績がある業者だ。経験が豊富で鑑定士の目利きも確かなので安心して査定に出せる。過去には10万件以上の買取実績があり、ビスクドールも適正な査定をおこなってくれるだろう。
査定は無料であり、買取方法としては出張買取、店頭買取、宅配買取がある。LINE査定もおこなっているため、とりあえず大まかな価格を知りたい人には利用しやすいだろう。出張無料鑑定会もあるようなので目の前で鑑定してほしい人は、1度訪れてみるのもおすすめだ。
まとめ
今回はビスクドールの買取相場と査定情報をお伝えした。ビスクドールは本物であれば価値が高く10万円以上の買取額が期待できる。場合によっては数百万円も価値がつくものもあるため、真贋を見極められる鑑定士に査定をお願いすべきだ。
よい鑑定士に出会うためにも、複数の業者に査定をお願いすることは非常に大切といえる。査定申込が面倒に感じるなら、一括査定のシステムを利用してみよう。手順も簡単で楽に査定が申し込める。ぜひ利用してみてほしい。