1950年代に製造販売されていたDucati Simplexのカメラを持っている人は、もはや古いから売ってしまおうと思うこともあるだろう。古くても頑丈な作りになっているのでまだ十分に撮影できるということも珍しくはない。その場合にはカメラの買取店に買い取ってもらうことも可能だが、Ducati Simplexは一体どのくらいの価格で取引されているのだろうか。
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Ducati Simplexの買取相場
Ducati Simplexの買取価格には結論から言えば相場と言えるほどの定まった価格がないのが実態だ。製造されてから70年近く経過している現代では既にアンティークとなっていて流通量が極めて少ないからである。カメラ専門の買取店でも取り扱った経験がないというのがあたり前になっている状況なのだ。
比較的新しいカメラの場合には流通量があるため、このくらいの価格で販売すれば買い手が付くと想定することができる。その販売価格と必要なマージンに基づいて買取価格を算定して買い取っているのが一般的だ。
流通量が少ないといくらで売れば買ってくれるかが簡単にはわからないため、きっとこのくらいの価格なら買い手が見つかると業者ごとに考えて買い取ることになる。結果として業界水準が定まらず、買取価格にはかなりの幅が生じているのである。
実際にDucati Simplexが取引された事例に基づいてみると、ある程度の相場価格を推定することは不可能ではない。販売価格にして6万円~12万円程度の例があり、6万円のものについてはジャンク品として売買されていた。まだ、十分に動作するものなら10万円前後での販売が可能だと考えることができる。
買取価格については実績が公表されているケースがあまりに希少で正確なことは言えない。ただ、一般的に数万円くらいの商品を扱っている買取店では中間マージンとして25%から50%程度を要求していることを考慮すると、5万円~8万円くらいで買い取ってもらえると考えることは可能だ。
Ducati Simplexと同様にクラシックなカメラとしてDucatiが手がけたソーニョの場合にはシンプレックスの二倍くらいの販売相場となっている。このDucatiの人気が続く限りは数万円クラスの買取価格が維持されると期待できるだろう。人気による相場の変動はカメラに限らずあらゆる商品によって起こり得ることだが、これだけ長い歴史を持ちながらも安定した人気があるDucatiのカメラなら将来的にも高額で取引されると考えることができる。
売り方に注意
Ducati Simplexを売ろうと思ったときに気をつけておきたいのは、レトロカメラやクラシックカメラなどとも呼ばれるアンティークの一つだということである。Ducati Simplexはカメラとしての価値だけでなく、骨董品としての魅力も兼ね備えているのだ。この事実はカメラを売るときにかなり気をつけなければならない点であり、売り方にも工夫が必要になる理由として覚えておこう。
コレクション要素がある
通常のカメラであれば中古カメラを買って使いたいと思っている人が買い手になる。買い手にとっての魅力はカメラとしての機能の充実度やデザイン、ブランドといった点となっているのが通例だ。美麗で動作するものなら高く販売できるが、動作保証がないジャンク品となると大幅に価格が下がってしまうことになる。
しかし、ある程度は傷があったとしても性能的に何も問題がない場合には買いたいと考える人も多く、美品とあまり変わらない価格で販売されていることも多い。しかし、アンティークとしての価値があるDucati Simplexの場合はこの考え方が必ずしも通用しない。カメラとして使いたいという人が買い手になることもあるが、実際にはコレクションとして手に入れたい人や、飾って使いたいと考える人が多いのである。
また、買い手がカメラを使いたい人とは限らないということも覚えておかなければならない。カメラだからカメラ専門店に売るのが良いと安直に考えてしまうと、Ducati Simplexは安く買い叩かれてしまうリスクがある。むしろ骨董品専門店の方が高く買い取ってくれる可能性もあるのだ。
基本的には買取価格は販売価格に基づいて計算されるため、買取業者が持っている顧客層によってかなり価格が左右されることになる。骨董品としての価値が高いDucati Simplexの場合にはカメラ撮影を楽しんでいる人がよく集まるカメラ専門店よりも、コレクターなどが買い付けに来ることが多い骨董品専門店の方が高く買い取ってくれる可能性が高い。
コアな客層にしか売れない
カメラの性能という考え方では現代になってから製造されたカメラに比べると劣ってしまうことは否めない。その難しさを払拭しながら味のある写真撮影をしたいというコアな顧客からは撮影目的で購入してもらえるだろう。しかし、美しい写真を撮りたいと思っている人からはあまり目を向けてもらえない。
また、レトロカメラに興味があって撮影してみたいと思っている人でも、フィルムが手に入りにくい、レンズなどのメンテナンスや修理が難しいといった点で敬遠してしまうことがよくある。この影響でDucati Simplexは見た目の美しさがかなり価格を左右するようになっている。美品に比べて傷や変色が目立つ難あり品はかなり安く買い取られてしまうことになるのだ。
また、ジャンク品であっても傷や汚れがほとんどない場合にはかなり高く買い取ってもらえることもある。動作性よりも外観が重視されるという点は念頭に置き、売るときには必ず掃除をして綺麗な姿にしておくように心がけよう。
買取業者にこだわるなら比較しよう
Ducati Simplexをより具体的に高く売るための方法を考えてみよう。売り方として典型的なのは買取業者に依頼する方法だが、他にもネットオークションにかけたり、フリマアプリで出品する方法もある。
ネットオークションやフリマアプリ
ネットオークションとフリマアプリは個人間での売買になるので、買取業者に売る場合に比べて高い価格での取引になる可能性が高い。買取業者が間に入ることがないので、中間マージンがかからないからだ。ヤフオクやメルカリなどを使うと出品手数料がかかるのは確かだが、それでも買取業者が儲けるために必要な中間マージンに比べるとかなり少ないので利益を上げやすい。
買取業者
しかし、個人間取引ではリスクを伴うことも知られているため、やはり買取業者に依頼したいという人も多いだろう。Ducati Simplexを業者に買取してもらうのなら買取価格を比較するのが肝心だ。中古品が多数流通しているカメラであれば相場が決まっているので、どの業者に相談してもほとんど同じ査定価格になるのが通例である。買取強化キャンペーンなどを実施しているときにやや高く買ってもらえる程度で、どの業者から査定を受けても大差はないのだ。
しかし、流通数が少なくてアンティークとしての価値も持っているDucati Simplexの場合には業者が個々に考えて査定価格を打ち出すことになる。希少さを高く評価し、さらに高く売れる顧客層を持っている業者ほど高額で買い取ってくれるのである。
比較をするときにはカメラ専門店、骨董品専門店を候補に入れるのは重要だが、どちらも複数の候補を挙げて査定をしてもらうのが賢明だ。鑑定する人によって価値評価の仕方にも違いが生じる可能性が高いからである。何社にも査定してもらうのは大変だと考えるのはもっともなことだが、少し工夫をすれば短時間で速やかに高く買い取ってくれる業者を選び出すことも可能だ。
多くのカメラ買取店や骨董品買取店では出張査定をおこなっている。価値が高いものでなければ出張してくれないこともあるが、数万円単位での取引が可能なDucati Simplexなら喜んで自宅まで査定に来てくれる業者がほとんどだろう。出張査定を利用すれば買取店にカメラを持っていく必要がない。さらに、出張に来てもらう日時をどの業者もほとんど同じという形にしておけば、わずか数時間で10社程度の比較をすることもできる。
同じような時刻に業者が来てしまったときでも特に気にする必要はなく、先に到着した業者にまず査定してもらい、終わり次第次の業者に現物を渡すという形で順次査定してもらえば良い。相見積もりをしていることが業者にもわかり、買取たいという気持ちが強ければ高めの査定価格を出してくれることも期待できるだろう。このように比較をして高く売れるところを探し出せば、平均価格よりは高額で売ることができると考えられる。
オークションに挑戦しよう
希少価値が高いDucati Simplexを売るなら個人間取引に挑戦するのも良い方法だ。高い価値があると考えるかどうかは個人のセンスによってかなり違うため、直接個人と取引をすれば業者に売るよりも高く買い取ってもらえる可能性があるからである。
簡便な売り方としてネットオークションとフリマアプリの二種類があるが、アンティークのように個人によって価値の捉え方がかなり異なるものはオークションの方が高く売れる可能性が高い。価値が高いと思った人が入札して値段を上げていってくれるからだ。フリマアプリではこのような競争による価格の釣り上がりがないため、せっかく高くても買いたいという人がいるのに安く売ってしまうことになりかねない。
ヤフオクなどのネットオークションに出品するときにはオークションの開始価格を設定する必要がある。一人だけ入札して競い合う人がいなかった場合にはその価格での取引になってしまうので注意しよう。買取業者で売るのと同額以上でなければメリットはないので、あらかじめ買取業者でも相見積もりをしておき、販売価格を決めるときの参考にするのが賢い方法だ。
出品手数料や送料の取り扱い方も念頭に置いて、買取業者で売るよりもきちんと利益が出るようにしよう。価格を決めるために苦労をしなければならないことは覚悟をした上で個人間取引に挑戦するのが重要である。
まとめ
Ducati Simplexはカメラとしての機能の高さよりも骨董品としての価値が評価されやすいのが特徴である。カメラ専門店だけでなく骨董品専門店で売ることも考えた方が良い。
また、個人間取引で高く売ろうと考えるのも合理的だが、オークションに出すなら開始価格の決定には慎重になる必要がある。複数の業者に査定を依頼してどのくらいの価格で始めるべきかを検討するようにしよう。