音楽配信全盛の現代であるが、デジタルにはない音質に魅せられて、あえてレコードで音楽を聴く人が増えているという。そんな話を聞いて、家に眠っている歌謡曲レコードにも高値が付くのではと思ったことはないだろうか。
実際、昭和の時代から多くの日本人に愛されてきた歌謡曲レコードには、なおも熱烈なファンが多く、高額取引されている品も少なくない。高く売るコツが分かれば、思いがけぬ臨時収入となる可能性もある。このコラムでは、歌謡曲レコードを高く売るコツや相場、おすすめの買取業者を紹介する。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
昭和歌謡曲とその魅力
歌謡曲の魅力を、一言で語りつくすのは難しい。歌謡曲は、主に昭和時代に流行した日本のポピュラー音楽であるが、当時の世相や日本人の心境を映しながら、ラジオやテレビの普及とともに幅広い世代に流行し、大衆に愛されてきた。その語源には諸説あって、NHKのラジオ放送で、当時の流行歌を「歌謡曲」と呼びならわしたのがはじまりという説もあるが、「歌謡曲」という文字面からは、何とも言えぬ懐かしい温かみがあり、昭和ロマンの香りが漂うものである。
歌謡曲の定義は、非常に幅広い解釈を含んでいるため、演歌やグループ・サウンズ、ニューミュージックやJ-popとの線引きは、人によって異なるところもあると思われる。
1950年代~1960年代には、美空ひばり、坂本九、小林旭、島倉千代子などが活躍し、1970年代には、宇多田ヒカルの母である藤圭子、小柳ルミ子、尾崎紀世彦、かぐや姫などがヒット曲を連発している。ときをへて、多くの若手アーティストが歌謡曲をカバーしてヒットするなど、若い世代にも歌謡曲の魅力が浸透しつつあり、昭和のヒット曲と知らずに口ずさんでいる若者もいるのではないだろうか。
歌謡曲のレコードが売却できる場所
CDを売るのであれば、古本・ゲーム・CD・DVDを宅配買取しているネットオフが便利だが、レコードはどこに売るのが良いかすぐには思い浮かばないかもしれない。
近所に中古レコードを扱う店がある場合は店に持ち込むのが早いが、CDショップさえ減りつつあるというのに、昔ながらのレコード店が元気に営業しているのは、好事家達の集う都市部のごく一部に限られるのではないだろうか。そうした事情で実店舗に持ち込むのが難しいという場合は、やはりインターネットが頼りになる。
レコード買取専門店でのオンライン査定・宅配買取を利用する
大手の古本屋でも扱いが少ないレコードであるが、その代わりにレコードを専門に買い取る専門業者が存在する。レコードの買取・販売を手掛け、レコードの価値を十分理解しているため、安心して任せられるのがメリットだ。
レコードの価格査定には、同じアーティストの作品であっても、特定の1つのタイトルだけが飛びぬけて高く取引されていたり、品番、1stプレスか否かで価格が変わるなど、かなり専門的な知識が必要であると言われている。
そんな専門店の中でも、ウェブ上で無料見積もり依頼ができたり、宅配買取や出張買取可能のものは、売る側の手間が少なく便利である。また、宅配の際の配送料も無料であることが多い。
ネットで「レコード買取歌謡曲」などと検索すればいくつかの買取専門店が出てくるが、エコストアレコード、ディスクユニオン、セタガヤレコード、HMV record shopなどが代表的だ。
フリマアプリやオークションサイトを利用して個人間で取引する
メルカリやヤフオク!では、一部の禁止出品物を除けば、何でも売りに出すことができ、レコードも出品可能である。ただし、買い手がつかなければいつまでも現金には換えられない。良い出会いがあるかどうかは運次第である。
メルカリやヤフオク!などのツールは比較的若い世代によく利用されているため、シニア世代や中高年の歌謡曲レコード愛好家の目につきにくく、すぐに買い手が見つかるとは言いにくいのが難点だ。
しかし、オークションサイトでレア品を出品した場合、どうしてもそれを買いたい人間が複数いれば、どんどん入札額が釣り上がってかなり高値で買い取ってもらえる可能性があるというメリットもある。したがって、ある程度高値が付くことが想定されるレア品を売りたい場合には、そういった可能性に賭けて、一度ヤフオク!などのオークションサイトに出品してみるのも手だ。
なお、商品がフリマやオークションに出品されていれば、いくらで落札されているのかを見て、おおよその相場感をつかむことができる。これは、どの方法で売るとしても、レコードを売り払う前に必ずしておいたほうが良い作業の1つである。
どんな歌謡曲レコードが売れているのか
やはり一番気になるのが、手元にある歌謡曲レコードの価値である。発売当時から人気の高かったアーティストのレコードは、時代をへても人々の心に残り続けており、さらに新たなファンを獲得し続けていることもあって人気がある。しかし、アーティストの人気以上に価格を決定づける重要なファクターが、レア度である。
流通量が少なく、手に入りにくい状態となっているものは、プレミアがついて高額で取引されている。このように、レコードの価格査定は非常に複雑な要素が絡み合っており、素人では見極めが難しいところであるが、レコード買取専門店のホームページでは、高額買取商品をリスト化して掲載している場合があり、それらを見れば買取価格がわかる場合もあるので、チェックしておきたい。
特に、大手のレコード買取サイトで、買取価格が比較的高い昭和歌謡曲の歌手は、ちあきなおみとテレサ・テンである。
いずれも、昭和の歌姫として一世を風靡した女性歌手だ。ちあきなおみさんは1992年に夫の死を契機として活動休止し、テレサ・テンさんは、1995年に亡くなられているが、その後も人々の記憶から消えることなく、カラオケの定番曲として親しまれているものも多い。
また、昭和歌謡曲とは異なるが、歌謡曲とロックの融合により生まれたグループ・サウンズや、その後に流行したニューミュージックの歌手のレコードも人気であり、なかでもシュガー・ベイブ、荒井由実、山下達郎などが高値となっている。
シュガー・ベイブは、山下達郎と大貫妙子という二大ボーカルが所属した伝説のバンドである。その先進性から活動当時は適切な評価がされなかった部分があるが、メンバー達のその後の活躍により再評価されており、高値がつくのもうなずける。
歌謡曲レコードの相場
ここで、参考までに高値取引されているレコードについて、買取価格(参考)を挙げておく。もし、これらのレコードを手元にお持ちであれば、ラッキーである。
なお、あくまで参考価格であり、相場は常に変動しているものであること、同じタイトルのものでも、品番や商品の状態、帯やライナーノーツ(解説付きの冊子)などの付属品の状況によって価格が異なる場合があるので、ご了承いただきたい。
高額買取されるレコードはこれだ(2021年6月現在)
- ・ちあきなおみ/あまぐも…8,000円~15,000円
- ・はっぴいえんど / 風街ろまん…15,000円
- ・シュガー・ベイブ / ソングス…15,000円
- ・ケーシー高峰/これでキマリだ!ケーシーの替え歌集…15,000円
- ・坂本スミ子 / おスミとボサ・ノバ…3,000円
- ・テレサテン/償還(つぐない)中国語盤…40,000円
- ・里美洋と一番星/新盛り場ブルース…40,000円
- ・荒井由実/ひこうき雲…30,000円
- ・ザ・ダイナマイツ/ヤング・サウンド・R&Bはこれだ!…72,000円
- ・内田裕也とフラワーズ / チャレンジ!…72,000円
- ・ザ・フォーク・クルセダース / イムジン河…90,000円
たとえば、テレサ・テンの「つぐない」でも、日本語版はあまりにも売れたため、広く市場に出回っている。そのため、買取価格は3,000円程度といったところだが、中国語版になると一気に跳ね上がる。ちあきなおみの「喝采」が1,500円程度であるのに対し、「あまぐも」は8,000円程度になるというのも、似たような現象かもしれない。
歌謡曲レコードの買取価格の相場
上記は、おおよそ10,000円以上の価格が付くものをリストアップしたが、あまり人気のないものなどは、千円未満の値段しかつかず、場合によっては買取不可となる場合もある。つまり、昭和歌謡曲レコードの買取価格は、曲や歌手によってかなりの幅があって、1,000円~50,000円程度が市場の相場と言えるだろう。
ちなみに、珍しいレコードで状態の良い美品の場合、軽く100,000円を超える値がつくものもあり、上に挙げたもの以外にもマニアの間で高値取引されているものがある。
買取業者によっても、査定価格にかなり差が出てくると考えられるので、うっかり安値で手放してしまうことがないよう複数の業者に見積もり査定を依頼することが重要である。

歌謡曲レコードを高く売るテクニック
相場は相場として、やはり1円でも高く売れればそれにこしたことはない、というのが人情だろう。そのためには、ひと手間かけて商品価値を高めたり、タイミングや業者選択を誤らず、賢く売り払うのがポイントだ。ここに、いくつかのコツを紹介したい。
レコードのメンテナンス
レコードの盤面のクリーニングには専門のクリーナーとクロスを使うのがベストであるが、持っている人は使うという程度で良いだろう。レコードケースにほこりをかぶっているのもあまり印象が良くないので、拭いておくと良い。
また、しばらく売らないで保管しておきたいという場合も、レコードの「反り」の原因となるので、平積みで保管せず縦に置くよう気を付けたい。
きれいであることに越したことはないが、メンテナンスしようとして、かえって傷つけてしまうと価値が下がってしまう恐れがあるので、あくまでも自分のできる範囲でお手入れをおこない、メンテナンス用品や技術に自信がない場合はむやみに触らないのが無難かもしれない。
付属品をそろえて売る・まとめ売りする
帯やライナーノーツ付きのものは、ないものよりも高値が付く場合が多い。独断で捨ててしまわず、きれいに保管して売却したい。また、レコードの保有枚数がかなりの量である場合は、歌謡曲レコードをまとめて売ると、買取業者の手間も一度で済むので、それを踏まえて価格交渉をするという手段もある。
買取業者を選定する
複数業者に査定を依頼することが、まず大原則である。ネットのクチコミなどでも、業者の評判をチェックしておきたい。また、買取専門店では、商品買取を促進するために、査定価格アップキャンペーンなどを実施していることがあるので、買取業者を選定する際には、こういった情報を見逃さないことも重要だ。
相場を知る
あらかじめ買取専門店のホームページや、フリマやオークションサイトでの相場を確認しておきたい。相場を知っていれば、業者の見積もりが市場の相場からあまりにも安ければ、必要に応じて価格交渉もできる。また、何かのきっかけで曲や歌手の話題性が高まり、買取市場の相場が変化することもある。
皮肉な話ではあるが、ミュージシャンが亡くなったときなどに、曲の良さが改めて世間に認識されて、皆が曲を買い求めるきっかけとなるという現象は、よくある。つまり、そのときに話題性のある歌手のレコードには、高値が付く可能性があると考えられる。相場を知り、高値取引できる相手と時期を選んで売るのがベストだ。
レコードを売るのにおすすめの買取業者
最後に、おすすめのレコード買取業者を紹介しよう。満足のいく取引をするには、自分に合った業者を選ぶのが大切だ。ここで紹介する情報をもとに、しっかりと業者を選んでほしい。
ピースマーケット
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ピースマーケットはさまざまな品目を買取しているリサイクルショップ。レコード以外にも買取できるので、不用品のまとめ売りにもおすすめ。テレビでも紹介された業者なので、安心して利用できる。
出張買取を専門におこなっている。出張対応エリアは北海道・東京・神奈川・千葉・茨城だ。査定は無料なので、気軽に相談してみよう。買取不可になったものでも回収してくれるので、いらないもので家があふれているという場合にも利用できて便利。
レコー堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
レコー堂は中古レコードを専門に買取している業者。12インチシングルやカセットテープなどの他の古い媒体の買取もしているので、自宅に溜まっているメディアを一気に売りたい方にもぴったりだ。50枚以上まとめて売ると、値段が付かないものでも1kgあたり10円の最低保証で買取してくれる。
宅配買取に対応している業者だ。媒体ごとに決まっている枚数をまとめて売ると、送料を業者に負担してもらえる。レコードの場合は、50枚で送料無料だ。
横浜レコード
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
横浜レコードは国内最大級のレコード買取専門店。30年以上の実績を持つ老舗業者である。長年の経験から培われた高い知識で、しっかりと査定してくれるので安心だ。販路が海外まであるので高値買取が可能となっている。
宅配買取・店頭買取・出張買取が可能。宅配買取の場合はLPレコード30枚から、出張買取の場合はLPレコード200枚から対応している。店頭買取は1枚から売れて便利だ。いずれの方法も無料で利用できる。
ECOSTORE RECORDS
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ECOSTORE RECORDSはレコード買取専門店。買取累計枚数は1000万枚と豊富な実績を持ち、NHKの番組でも紹介されたことのある、信頼できる業者だ。ベテランスタッフがしっかりと査定してくれるので、安心して依頼できるだろう。
宅配買取・店頭買取・出張買取が可能。店舗は渋谷・下北沢・ニューヨークのブルックリンの3店舗。近くに店舗がない方は郵送査定を利用すると良いだろう。LPレコードなら10枚以上で送料が無料になるので、まとめ売りがおすすめだ。
ココナッツディスク
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ココナッツディスクは中古レコード・CD・カセットテープを買取している業者。1985年から続く老舗業者なので、安心して利用できる。テレビにレコード鑑定士として出演したこともあるベテランのスタッフが査定してくれるのがポイントだ。
宅配買取・店頭買取・出張買取が可能。店舗は東京を中心に展開している。出張料や送料は商品によっては無料になるので、まずは気軽に相談してみよう。貴重なLPレコードであれば、1枚から売却できる。


まとめ
ときがたっても魅力が色あせない歌謡曲のメロディ。そんな昭和の歌謡曲レコードを売りたいときは、事前にある程度相場を把握したうえで、複数の専門業者に見積もりを依頼するのがベストだ。
売却する際は、帯やライナーなどをそろえ、レコードをメンテナンスすることも忘れずに。オンラインで簡単に申し込みができるものも多いので、ぜひ一度レコード専門店で見積もりを依頼してみてはいかがだろうか。