冬には欠かすことのできない暖房器具。中でもオイルヒーターやファンヒーターは、一部屋に1台ほしい電化製品だ。当然ながら、冬になると中古市場でも活発に取引が行われる。特にオイルヒーターや電気で温めるファンヒーターは、手入れの必要性が少なく商品寿命も長いので、買い替えや不要になった場合には、ぜひ買取に出すことを検討すべき商品でもある。
ここでは、オイルヒーターやファンヒーターの買取査定を業者に依頼するときに欠かせない、製品の管理番号である「型番」、あるいは「品番」の調べ方を、主要メーカーごとに解説するとともに、その命名規則やモデル名との関係などについてもまとめている。「型番」について知っておくと、フリマに出品したり、中古品を探したりする際にも便利なので、ぜひ一読のうえ、活用していただきたい。
CONTENTS
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オイルヒーターのモデル名と型番
まずは安全性が高く、寝室や子供部屋の暖房器具として人気のオイルヒーターのモデル名と型番を主要メーカー別に調べたので、その特徴とともに説明していこう。
デロンギ
マルチダイナミックヒーター
- MDH15WIFI-SET/MDH15WIFI-BK
- MDH15-BK
- MDH09-BK/PB
オイルヒーター
- RHJ75V0915-GY/PK/GR
- QSD0915-WH
- QSD0712-MB
- JRE0812
- HJ0812
- H770812EFSN-GY
- NJ0505E
- NJM0505
▶日本にオイルヒーターを広げたデロンギ。その製品ラインナップも豊富に取りそろえている。「マルチダイナミックヒーター」とは、通常オイルヒーターの進化版で、従来の2倍の速さで部屋を暖めるという。Wi-FiモデルはApple TVとのセット販売モデル。型番の「MDH」は頭文字そのままでわかりやすい。さらに数字は消費電力を示しており、15なら1500W、09なら900Wである。末尾アルファベットはボディカラーで、BK=マットブラック、PB=ピュアホワイト+マットブラック。
▶オイルヒーターの型番の構造がそれぞれ異なるのは、シリーズの違い。冒頭「RHJ」は上位モデルの「ベルカルドオイルヒーター」の型番。数字の0915はフィン(放熱する部分)の数と消費電力を示している。すなわち0915ならば、フィンの数が9枚で消費電力1500Wであることを示していることになる。同「QSD」は「ドラゴンデジタルスマートオイルヒーター」シリーズの型番。「0712」はフィンが7枚で1200Wのこと。それ以外の型番は通常のスタンダードなオイルヒーター。型番は不規則になり少々わかりにくいが、「0812」の数字の見方は共通である。「0505」はフィン5枚で500W。パーソナルユースの小型モデルだ。
ユーレックス(eureks)
LFXシリーズ
LFX8BH(IW) / LFX11EH(IW)(CB)(TB)(MG) / LFX12EH(IW) / LFX14J2VH(IW)
LFシリーズ
LF8BS(IW) / LF11ES(IW) / LF12ES(IW)
RFXシリーズ
RFX8BH(IW) / RFX11EH(IW)(CB)(TB)(MG) / RFX12EH(IW) / RFX14J2VH(IW)
RFシリーズ
RF8BS(IW) / RF11ES(IW) / RF12ES(IW)
KKEシリーズ
KKE9CVH-S(W) / KKE11EVS-S(W)
eureks-iシリーズ
VF-M7U(W)(CB)(MG)(TB)
▶ユーレックスは国内でオイルヒーターの製造・販売を行っている国産メーカー。そのラインナップも非常に豊富だ。カッコ内のアルファベットはカラーバリエーションを示しているが、基本的に本体の大部分は白であり、色が変わるのは操作部付近のみである。型番における特徴としては、「マイタイマー」という1時間ごとに温度管理が可能なシステムがあるのが「LFX」と「RFX」。「KKE」と「eureks-i」は小型のパーソナルユースのモデル。もっとも特徴的なのが数字の部分で、型番内の8、9、11、12、14、そして7といった数字は全てフィンの数を示している。また、型番に「J2V」という3文字が入っているモデルは、200Vの専用コンセントが必要なモデルなので、購入時には注意が必要だ。
その他のメーカーのオイルヒーター
- 山善(YAMAZEN):DO-TL124 / DO-L123
- テクノス(TEKNOS):TOH-D1101 / TOH-361 / TOH-1201
- スリーアップ(Three-up):OHT-1737 / OHT-1556(WH)(RD)
- DBK:DRM1009GM / HEZ13/10KBH / HEZC13/10JBH / HEZC13/10JTH
▶山善は小型生活家電に関して企画販売を行っている会社で、暖房器具のラインナップが豊富だ。テクノス、スリーアップは日本で企画して海外工場で製造しているブランド。DBKはドイツのメーカーだ。上記のほかにもさまざまなメーカーや販売会社が、主に海外で組み立てたモデルを販売している。なおアイリスオーヤマは検索すると商品がヒットするが、2017年11月現在、公式サイトの製品ラインナップからオイルヒーターが外れているので、ここには入れていない。
オイルヒーター各メーカーの型番の調べ方
日本においてはオイルヒーターに関してはデロンギの独壇場であり、買取に応じてもらえるブランドもデロンギ以外ではユーレックスや山善、DBK等に限られる可能性もあるので、買取に出す際にはまずブランド名を出し、取り扱っているかどうか確認しておいたほうがいいだろう。
そのうえで、各メーカーの型番は基本的には本体に記載されている場合もあるが、やはり同梱されている取扱説明書で確認するのがもっともわかりやすい。特にデロンギやユーレックスの型番は本体には記載されていないようなので、取説がもっともわかりやすいと言える。あるいは、モデル名=型番でもあるので、外箱にも記載されている可能性もあるだろう。加えて、それぞれの公式サイトでも記載されているので、現行販売モデルであれば確認しやすいはずだ。
ファンヒーターのモデル名と型番
次にファンヒーターのモデル名と型番を確認していこう。ファンヒーターには主にセラミックを発熱させる非燃焼系のセラミックファンヒーター、灯油を使用する石油ファンヒーター、そしてガスを引き込んで燃やすガスファンヒーターが挙げられる。ここではこの3つのファンヒーターのモデル名と型番を紹介していこう。
セラミックファンヒーターのモデル名と型番
まず、非燃焼系で安全なファンヒーターである、セラミックファンヒーターのモデル名と型番を紹介していこう。ただし、これらの製品を製造・販売するメーカーやブランドは非常に多いので、買取査定時でも問題なく査定してもらえる比較的大手の著名ブランドのみを記載した。
パナソニック
- DS-FN1200 / DS-FTX1210 / DS-FTX1201 / DS-FTS1201 / DS-FKX1205 / DS-FKS1204 / DS-F1206
▶基本的に全モデルでモデル名=型番であり、製品に型番が記載されている。取扱説明書の表紙にも必ず記載されているはずだ。「DS」で始まるのが特徴。
シャープ
- HX-G120 / HX-F120 / HX-GS1 / HX-FS1
▶各型番は、取扱説明書の表紙に「形名」として記載されている。やはり取説を見るのがもっとも手軽な方法である。公式サイトでは生産終了モデルも含めて記載されているので、取説がない場合に参照するとよい。PDF版の取説もダウンロードできる。
アイリスオーヤマ
- JCH-M082T / JCH-125D / JCH-125T / JCH-125TM / JCH-12D2 / JCH-D083T / JCH-M081T / JCH-12D / JCH-12DL-B / JCH-123D-W / SHH-121 / JCH-12DH / JCH-D082T / JCH-TW122T-W / JCH-ST122T-W
▶非常に多くのセラミックファンヒーターをそろえるアイリスオーヤマ。いずれもパーソナルユースの小型モデルだ。そして型番は、全て「JCH」で始まるのが特徴。日本のセラミックヒーターで「JCH」と覚えておくといいだろう。こちらの型番も取説の表紙に記載されている。取説がない場合には、やはりアイリスオーヤマの公式サイトで確認するしかない。
ダイソン
- HP03 / HP00 / AM09
▶ファンヒーターと涼風機(扇風機)両者の機能を持つ。メーカーはファンヒーターとしか表現していないが、「AM09」はセラミックを熱した温風が発せられる。「HP」は空気清浄機能付きでセラミックの記載はないが、ファンヒーターユースで購入される方も多くいるので記載した。ダイソンの場合、型番はあまり使用されず、メーカーサポートはシリアル番号によって行われる。それでも型番が必要な場合は、公式サイトに記載されている以外に、取扱説明書の表紙の下のほうに小さく記載されているので、こちらを参照するといいだろう。
その他
- HITACHI:HLC-20 / HLC-1230
- YAMAZEN:DKF-L12 / HF-J122 / DSF-VB082 / DSF-VL083
▶HITACHIやYAMAZENのセラミックファンヒーターの場合も、その型番は本体に記載されている。そして、他のメーカーと同様に取説にも記載されているので、参照すればすぐにわかるはずだ。
石油ファンヒーターのモデル名と型番
石油ファンヒーターは灯油を燃焼させ、電気でファンを回してその温風を送り出すタイプ。灯油の扱いに多少の危険が伴うもののランニングコストが安く済むのが特長であり、寒冷地ではこちらのほうがスタンダードである。ただマンションやアパート、団地等の集合住宅に住んでいる場合、灯油製品の使用を禁止している場合もあるので、購入前に規約等を確認しておくことをおすすめしたい。
コロナ(CORONA)
- FH-WZ3617BY / FH-WZ4617BY / FH-WZ5717BY / FH-VX3617BY / FH-VX4617BY / FH-VX5717BY / FH-VX6717BY / FH-VX7317BY / FH-SR3317Y / FH-G3617BY / FH-G4617BY / FH-G5717BY / FH-G3217Y / FH-VG3317Y / FH-ST3617BY / FH-ST4617BY / FH-ST5717BY / FH-M2517Y
▶型番の最初がファンヒーターの「FH」で始まるコロナの石油ファンヒーター。そしてハイフン後のアルファベット(2文字か1文字)が各シリーズを示している。その次の4ケタの数字のうち、最初の2ケタが当該製品のおおよその最大出力を示す。36なら3.6kW、46なら約4.6kWといった具合だ。後半部の2ケタは全て17で統一されており、2017年のモデルであることを示しているとも推測できるが、その真意は不明。基本的には本体裏面に型番が記載されているうえに、取扱説明書にも型番が記載されている。
ダイニチ
- FW-3717SDR / FW-4717SDR / FW-5717SDR / FW-3717SDX / FW-4717SDX / FW-5717SDX / FW-6717SDX / FW-7217SDX / FW-37SLX / FW-47SLX / FW-57SLX / FW-67SLX / FW-3717LE / FW-4717LE / FW-5717LE / FW-3617L / FW-4617L / FW-5617L / FW-66L / FW-3317KE / FW-2517NE / FW-3217NE / FW-4317NE / FW-2517S / FW-3217S / FW-4217S / FW-72DX3 / FB-359T / FB-569LD
▶「FW」がダイニチの石油ファンヒーターの型番の印となる。「FB」始まりのモデルはファンと輻射熱の両者を利用する特別な製品のため。コロナと同様に4ケタ数字の冒頭2ケタは、単に2ケタの数字も合わせて、やはり製品の暖房出力を示している。つまり数字が大きいほど出力の大きなモデルと言うことができる。ダイニチも本体に型番(モデル名)が記載されており、取扱説明書の表紙にもしっかり記載されている。
トヨトミ
- LC-SL36H / LC-SL43H / LC-SL53H / LC-SL36F / LC-SHB40F / LC-S53H / LC-S36H / LC-S33G / LC-33H
▶トヨトミの石油ファンヒーターの型番は「LC」から始まるのが特徴。やはり数字はおおよその暖房出力を示しているので、商品選択の際にはだいたいの目安となる。暖房出力3.6kWのLC-SL36Hの場合、木造建築物で10畳の部屋での使用に適合するとしている。型番は本体に記載されているほか、取扱説明書に「形式」として記載されている。
日本エー・アイ・シー
- AJ-F50E / AJ-F38D / AKF-DX5816N / AKF-DL4816N / AKF-P3516N
▶Aladdinというクラシックな形状のストーブを販売する会社の石油ファンヒーター。スタンダードなモデルの型番は「AKF」。「AJ」はスタイリッシュデザインの石油ファンヒーター。やはり数字の型番部分の2ケタ数字は暖房出力を示している。型番は本体の記載と、取扱説明書に「形式」として記載されている。
ガスファンヒーターのモデル名と型番
都市ガスを燃焼させて温風を送り出すタイプのファンヒーター。ガス管をつなぐ必要があるが、灯油を入れたりする手間がなく、匂いも気にならない。石油ファンヒーターと違って、マンションなどでも使用可能なところが多い。そして、ガスファンヒーターの製造メーカーは、基本的にリンナイとノーリツのみと考えてよい。
リンナイ
- Wiz : RC-T5801ACP / Harmo : RCDH-T3501E
- A-style : RC-N4001NP RC-N5801NP
- Standard : RC-S5801E RC-S4002E RC-S2402E
▶リンナイのガスファンヒーターは商品名があり、対応する型番を記載している。型番は「RC」から始まる。Harmoのみ「RCDH」なのは、ガスとともに電気を使う仕様のため。石油ファンヒーターの時と同様に、型番の4ケタの数字のうち先の2ケタがおおよその暖房出力を示している。そして型番は本体と取扱説明書に記載されている。
ノーリツ
- GFH-4004D / GFH-5802S / GFH-4004S / GFH-2404S
▶ガス機器販売のノーリツのガスファンヒーターの型番は、英字の頭文字がそのまま入って「GFH」。そして、4ケタ数字の冒頭2ケタが暖房出力を示している。型番は本体と取扱説明書に記載されている。
大阪ガス
- エアグラン:140-5555(RC-T5801ACP)
- ランクプラス:140-5863 / 140-5963 / 140-5973(RC-N4001NP)
- ビバーチェ:140-5933 / 140-5943 / 140-5953(GFH-4004D)
- デラックスモデル:140-8073(RCDH-T3501E)
- スタンダードモデル:140-5605(GFH-5802S) / 140-6003 / 140-6013 (GFH-4004S) / 140-5862 / 140-5872 (GFH-2404S)
▶大阪ガスが販売するガスファンヒーター。その型番はこれまでのどのメーカーとも違う構造を持つ。ただし、カッコ内に記載したのが当該機種(複数ある場合はボディカラーの違いだけ)の形式名とされており、それぞれ前述のリンナイとノーリツの型番である。つまり大阪ガスの販売モデルは、全て両社のOEM製品であり、全く同じ製品と考えてよい。他のガス会社も同様と考えてよいだろう。ちなみに東京ガスもガスファンヒーターを販売しているが、潔くリンナイとノーリツ両社の製品として販売している。
まとめ
ここまで、オイルヒーター、セラミックファンヒーター、石油ファンヒーター、そしてガスファンヒーターと、日本の冬に欠かせない4つの暖房製品の型番の特徴と、その調べ方を説明した。それぞれの型番に見られた特徴のうち、覚えておくべきなのは以下の3つである。
- ・オイルファンヒーターのデロンギとユーレックスの型番の数字は、フィンの数と消費電力を表している。
- ・石油ファンヒーターとガスファンヒーターの型番の数字のうち、4ケタなら最初の2ケタの数字が、あるいは2ケタならその数字が、その機種のだいたいの暖房出力の大きさを表している。つまりこの部分の数字が大きければ、暖房能力が高い機種であることがわかる。
- ・オイルヒーターを除いて、各機種の型番はほぼ本体に記載されている。また、オイルヒーターも含め、取扱説明書には必ず機種の型番が記載されているので、型番を調べたいと思ったら、まずは取扱説明書で確認するのがもっとも早い。
型番は、製品購入の時だけでなく、業者に買取査定を依頼したり、フリマサイトに出品する際に不可欠な要素となるので、しっかり確認したうえで、活用していただきたい。なお、オイルヒーターやファンヒーターを買取査定に出す際には、問題なく動くことを確認のうえで、可能な限り購入時に同梱されていた付属品や取説、さらには外箱も含めて、購入した時のような状態にして業者に依頼しよう。商品の見栄えは多少なりとも査定価格に関わってくる。できるだけきれいな状態にしたうえで買取査定に出すことは、高値買取への第一歩と心得ておきたい。

