冷蔵庫の買い替えをしたいときには通常は古い冷蔵庫を処分することになる。家電リサイクル法の影響で冷蔵庫は簡単に粗大ごみとしては捨てられない。しかし、買い替えのときなら新品を購入した家電量販店に下取りしてもらえば良いと考えることもできるだろう。
果たして家電量販店のヤマダ電機、ビックカメラ、コジマ、ケーズデンキ等で下取りしてもらうことはできるのだろうか。その条件を主要な家電量販店について紹介する。また、それ以外の売り方についても紹介するので比較検討してみよう。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
家電量販店での下取り状況
家電リサイクル法が施行される以前は家電量販店で買い替えをすると下取りをしてくれるのが一般的だった。大手では標準的になっていて、新しいものなら多少のお金で買い取ってもらうことができ、古かったり壊れたりしていても無料で処分してもらえるシステムになっていた。
また、業者によっては状態によらずに定額で下取りするというシステムを持っていたが、家電リサイクル法の導入以後は状況が変化してきている。
家電量販店はユーザーから引き取った冷蔵庫を廃棄するときにはメーカーごとに適切な指定法人に引き取ってもらわなければならず、そのためにリサイクル券を必要とするようになった。その費用がかかるため、安易に無料引き取りすらできなくなっているのである。
全体的な傾向として下取りは行わず、引き取りにかかる費用の一部を減らすようになってきた。つまり、通常は家電量販店に冷蔵庫のリサイクルを依頼するとリサイクル料金と収集運搬料がかかるが、収集運搬料を値引きするという程度の対応になっているのである。この点を踏まえて、現状の家電量販店における下取り条件と内容を確認しておこう。
家電量販店の下取り条件
大半の大手家電量販店では既に冷蔵庫の下取りは行っていない。稀にキャンペーンを実施している例はあるが通年で下取りを行っているのはヤマダ電機のみになっている。キャンペーンで行われている下取りについては代表的なものを紹介しておく。
ヤマダ電機の下取り・買取サービス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ヤマダ電機では家電の下取り・買取サービスを提供している。下取りではなく買取を選ぶ場合は買い替えでなくても利用できるのが重要な点で、数が複数あっても問題はない。冷蔵庫と冷凍庫をまとめて売りたいというときにも利用可能である。
下取りの場合、下取り価格から収集運搬費用やリサイクル料が徴収されるため、マイナスで費用が出る場合もあれば下取り価格が残る場合は商品値引きとなることもある。
引用:ヤマダウェブコム
また、買取条件は厳しくなっているので注意が必要だろう。ヤマダ電機では買い取った冷蔵庫を自社工場で整備した上で再販している。そのため、簡単な整備だけですぐに売り物になるレベルの冷蔵庫しか買い取っていないのである。
買取条件として2011年以降(年式で10年以内)の製造年式の冷蔵庫で、原則として正常動作するものという点がまず挙げられる。正常動作が原則となっているのは、通電さえすれば冷えなくても買い取れる場合があるからであり、そのときには10円での買取となる。
コンプレッサーが故障しているような場合には多額の修理費用がかかるが、センサーの部品が不良という程度なら低コストで動かせるようになるからである。
また、状態についても良好であることが求められていて、外観で破損が見られたり、サビがあったり、色あせや変色が見られたりすると対象外になる。なお、屋外で使用されていたときにも買取不可となるので注意が必要だ。この条件さえ満たしていれば製造年式と容量に応じて定額の100円以上、数万円以下で買い取りしてもらえる仕組みになっている。尚、中身が冷えないなどの故障が見られる場合もケースバイケースで10円での買取が可能な場合もあるようだ。

ビックカメラの下取りキャンペーン
買取価格
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対策
2021年10月時点ビックカメラ公式サイトによれば、ビックカメラでは冷蔵庫の買い替えで5,000~20,000ポイントプレゼントするキャンペーンを実施している。冷蔵庫 Delie(デリエ)シリーズ チタニウムシルバー AQR-V43K-S [4ドア /右開きタイプ /430L] [冷凍室 152L]《基本設置料金セット》ビック特価:122,760円(税込)が買い替え対象としておすすめされており、5,000円のポイントバックとなるようだ。
申し込みの流れはこちらの公式ページに記載されている。下取り以外にもビックカメラグループでは、ソフマップ、ラクウルアプリなどを通じて使わなくなった製品を買取・下取り・リサイクルしている。全サービスの紹介はこちらの公式ページで確認できる。
コジマ電気の買い替えキャンペーン
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対策
家電量販店がキャンペーンによって販促を行うことは多いが、ビックカメラグループのコジマ電気では店頭での買い替えについて次のような特典をキャンペーン的に与えている。
冷蔵庫に関してのキャンペーンとしては、2021年10月時点で指定機種に買い替えが条件で最大30,000円分くらし応援ポイント進呈、指定機種購入で不要の冷蔵庫を最大20,000円で下取り(リサイクル料金・収集運搬料金を別途徴収)、分割払い最長60回無金利キャンペーン、5年・10年長期無料保証などの新商品購入を推奨する内容となっている。詳細はコジマ公式サイトへ。
テレビでは、最大で50,000円分のくらし応援ポイントの進呈、税抜価格から最大で20,000円引、ローンを利用するときの金利と手数料が無料、長期保証が無料といった内容になっている。尚、4K・8Kテレビ購入で35,000円で今のテレビを下取りするキャンペーンなども実施されている。
その他にも、搬入見積もりも無料で、指定エリア内であれば配送、設置が無料になり、加えて、翌日配送すら受け付けてくれるエリアもある。この特典を適用するために求められているのがコジマ電気の指定する冷蔵庫に買い換えることであり、処分する冷蔵庫に関する条件はない。壊れていても古くても問題はないのである。
ただし、このキャンペーンでは冷蔵庫の引き取りに関する特典があるわけではないため、リサイクル料金と収集運搬料は支払わなければならない。それが割引によって一部または全額負担してもらえていると解釈すると良いだろう。
このようにリサイクル料金や収集運搬料には変化がないが、他に多数の特典があるというタイプの下取りキャンペーンは他の家電量販でもしばしば行われている。
2021年10月時点においては、コジマネットにおいて店頭キャンペーンとは別で、最大3万ポイント還元キャンペーンを確認できた。4K対応テレビ買い替えキャンペーン、冷蔵庫・洗濯機・エアコン買い替えキャンペーンが実施中となっている。本キャンペーンの条件として、買い替えキャンペーン適応は、「不用品リサイクル回収サービス」の注文が必須となっている。
例えば冷蔵庫の2万円ポイントバックがある時の対象購入商品は日立 HITACHI 6ドア冷蔵庫 真空チルド VWCシリーズ[フレンチドア/735L] R-WXC74N-X クリスタルミラー349,200 円(税込)、東芝 TOSHIBA 6ドア冷蔵庫 VEGETA(ベジータ)FZシリーズ [フレンチドア/601L] GR-T600FZ-UW クリアグレインホワイト232,200 円(税込)など高額商品となっていた。
引用:コジマネット
ケーズデンキの買い替えキャンペーン
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対策
現在は終了してしまったが、以前ケーズデンキでもやや異なるタイプの下取りキャンペーンを実施していた。2018年4月25日〜5月11日に行われたキャンペーンでは、ケーズデンキが指定する機種を買ったときに下取りをしてくれるというものである。
どんなに古くても壊れていても他店購入品でも良いというのが特徴で、本当にどんな冷蔵庫でも下取りしてもらうことができる。
下取りした冷蔵庫は再販しないと明記しているため、基本的にはリサイクルに回すことになる。しかし、実はこのキャンペーンで冷蔵庫を買い替えするメリットはあまりなかったというのが事実である。
冷蔵庫の場合にはリサイクル料金と収集運搬料を別途徴収すると明記してあったからだ。指定機種を購入すればどんな冷蔵庫でも引き取ってくれる点で魅力はあるが、実際には高価な機種を売るときでなければあまり価値がなかったのである。尚、ケーズデンキのリサイクルサービスは以下の画像とこちらの公式ページから確認できる。
引用:ケーズデンキ


収集運搬料の実態
下取りは再販を行っている家電量販店でしかほとんど行われていない。そのため、買い替えをするときにメリットが有るかどうかを判断するには収集運搬料がどの程度になるかというのが重要になる。
家電量販店に冷蔵庫を引き取ってもらうときにはリサイクル料金は家電リサイクル券センターによって配布されている料金表に従った金額は負担しなければならない。業者によって異なるのは収集運搬料だけなので、買い替えのときにリサイクルだけを頼むよりもどれだけ安上がりになるかで比較するのが良いだろう。
大手の家電量販店での実情は次の通りである。ヤマダ電機の場合には買い替えなら1,100円なのに対し、リサイクル回収のみのときには2,750円となる。ジョーシンの場合には買い替えなら1,100円だが、リサイクルだけを依頼すると3,300円となっている。
ケーズデンキでも買い替えでは1,100円で、回収のみを依頼する場合には出張費として3,740円が追加されてトータルで4,840円になる。コジマ電気では買い替えのときでも1,650円とやや高めになっているが、回収のみのときには2,530円となっていてやや低めの料金設定である。
エディオンではやや複雑で、買い替えなら1,100円だが、回収のみのときには過去に購入経験があると2,200円、購入経験がないと3,300円となっている。また、ヨドバシカメラでは買い替えなら550円、リサイクル回収のみなら3,740円で、考え方によっては下取り価格が高いと言えるだろう。
このように収集運搬料は下取りしてもらうときなら1,100円前後が相場なのに対し、回収のみにすると3,300円程度のことが多く、実質的に2000円程度の下取り料金を手に入れられているのである。あくまでリサイクルに出すので冷蔵庫の電源が入らなくても、破損箇所があったとしても、何十年も前の古い機種であっても問題はない。
高く売りたい時の他の手段
家電量販店で買い替えをするときならどんな状態の冷蔵庫も引き取ってもらえるが、下取り価格はせいぜい2,000円程度と考えざるを得ない。リサイクル料金や収集運搬料を払っていると考えると結局は5,000円程度は出費しなければならないだろう。
しかし、ヤマダ電機のように買取をしてくれるケースではリサイクル料金がかからず、冷えない冷蔵庫すらもしかすると10円に換金できることになる。リサイクルに出すのと比べると5,000円程度のメリットがあると考えると、リサイクルするよりも買取に出した方が賢いと言えるだろう。
冷蔵庫の中古品は世の中でも必要とされていて、中古品市場も広いことから精力的な買取が行われている。積極的に買取店に相談して買い取ってくれるかどうかを確認してみよう。
冷蔵庫の買取で重要なのは冷蔵庫として機能することに加え、消費者が買いたいと思うスペックや状態が整っていることである。あまりにも古くて消費電力が大きく、発熱量も多くて冷え方も均一ではないとなるとかなり安くても買ってくれる人はあまりいないだろう。
しかし、例えば四年前に作られた冷蔵庫で丁寧に使ってきたからほとんど汚れもなく、当時としては省エネで有名だった機種ともなると多少高くても買いたいという人が見つかる可能性がある。
消費者に買ってくれる可能性があるものなら買取店は扱ってくれるので、まずは機種名や写真などを送って買い取ってくれるかどうかを確認してみると良いだろう。そして、売れるなら売ってしまうのが賢明である。

まとめ
買取店が値段をつけてくれるような冷蔵庫なら市場でニーズがあるということを意味している。売るのであれば高く売れるに越したことはないと考えるのはもっともなことで、値段がつけられるとわかったらすぐに売らないのも良い方法だろう。
高く売りたいなら他の業者と比較した方が良いからである。買取業者に査定を依頼するといくらで買い取れるかについて見積もりをもらえる。その見積もりは今ならいくらでその冷蔵庫を販売できるかをその業者なりに考え、十分な利益幅を取った上で決めているものである。
そのため、業者によって査定結果には違いが生じることが多く、数千円単位で差が生まれることも珍しくはない。高く売りたいと思ったら、多くの業者に査定を依頼して見積もりを比較してみるのが効果的なのである。