サントリーの誇るジャパニーズウィスキーの人気ブランドである響は、1989年に発売開始された。響シリーズには主に酒齢ごとに、響30年・響21年・響17年・響12年というモデルと、響ジャパニーズハーモニーというカジュアル向けのモデルが存在する。これらのシリーズの中でも味わいや香りのバランス、そして希少さという点でも高い評価を受けているのが、響21年だ。
響21年は1994年から発売されているが、2007年にラベルが変更されている。2007年以前のものは旧ラベルと呼ばれ、現行モデルよりも高い相場で取引されていることで有名だ。今回はそんな響21年 旧ラベルシリアル入りについて、基本情報や買取相場などを説明していこう。
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響21年旧ラベルシリアル入りとは
まずは、響21年旧ラベルシリアル入りの特徴について詳しく見ていこう。
響21年旧ラベルの基本情報
響21年は、1994年から発売開始された響シリーズ屈指の人気モデルだ。2004年に世界的最高峰のウィスキーコンテストであるインターナショナル・スピリッツ・チャレンジの金賞を3年連続で獲得し、世界的な知名度を得る。そして、ついに2017年には同じコンテストで全世界のウィスキーの頂点となる最高賞を受賞し、名実ともに世界最高のウィスキーの1つとなった。
そんな響21年はその名の通り、熟成に21年の時間を要することから生産量も限られているため、ウィスキー需要の高まった昨今においては常に高額で取引される逸品となっている。響21年の買取相場は、現行モデルであっても状態のよいもので20,000円~30,000円という高値がついている人気ブランドだ。しかし、実は同じ響21年であってもさらに高額での買取対象となっているモデルが存在する。それが響21年旧ラベルだ。
響シリーズは生産開始から製法や醸造所に変更はないものの、箱やボトル、そしてラベルなどの外装の部分で何度か変更がなされている。とくに大きな変更となったのは2007年で、この年から箱、ラベルの仕様が大きく変わったため、2007年以降のものを現行モデル、2007年以前のものを旧ラベルあるいは旧ボトルと呼ばれるようになった。
2007年以前の響、いわゆる旧ラベルはすでに発売から10年以上経っていることもあり、もともと生産量も少ないため流通量はかなり少ない。そのため、買取市場やウィスキー専門店などで扱われるときは、現行モデルよりも約10,000円ほど高く取引されることが普通だ。
旧ラベル シリアル入りの外観的な特徴
そして、旧ラベルにはもう1つ特徴があって、ウィスキーボトルにシリアルナンバーの表記があるものがある。これが旧ラベル シリアルナンバー入りだ。このシリアルナンバーは本来、シングルカスクなどの樽を特定して作られるタイプのウィスキーに表示されるので、ブレンドタイプである響のようなウィスキーには付ける必要のないものだった。
しかし、同じ醸造所で作られている山崎や白州にはシリアルナンバーがついていることから、なぜか響シリーズにもシリアルナンバーがついていた時期がある。しかしこの時期自体がもはやあいまいで、当のサントリーに問い合わせてみたものの、発売元すらもいつシリアルナンバーを廃止したのかを把握していないという回答だった。
旧ラベルの全てにシリアルナンバーがついているわけではないようだが、ほとんどの買取市場でシリアルナンバーの有無の違いで買取金額が変わるということはない。ただ、個人的な取引を含めたマニア市場では、レア度が上がるほど高額で取引される傾向がある。
旧ラベルを買取市場に出すときは、実績のある買取業者や査定に定評のある酒屋や専門店などに相談してみるといいだろう。個人的にヤフオクやメルカリに出品するにしても、その適正な評価を知ったうえでないと損をすることになりかねない。
響21年現行モデルと旧ラベルの違い
では、ここで響21年の現行モデルと旧ラベルの簡単な見分け方を紹介しよう。ただし、ここで紹介する見分け方はあくまでももっとも簡単な見分け方といえるもので、実際にはラベルのマイナーチェンジや特別モデルのゴールドラベル仕様との違いなど、かなりの専門家、マニアでも判別が困難なケースも存在する。したがって、判別が難しいと感じた場合は買取実績のある業者や専門店に相談してみることをおすすめする。
ラベルのロゴの有無
2007年のラベル変更後に大きく変わった点は、表ラベルの左下にあるSUNTORYの文字の上に、響のロゴマークである花のロゴ(ドットロゴと呼ばれることもある)がなくなったことだ。つまり、旧ラベルには響のロゴマークが入っているということになる。響21年の場合は、金色のロゴマークが入っているので比較的見分けやすい。
箱
響は箱やボトルにも希少価値が高いことで知られているが、旧ラベルと現行モデルでは、外箱にも違いがある。比較してみると、旧モデルの方が箱のサイズが大きく、また漢字の響という文字が大きくプリントされているのが特徴だ。現行モデルの箱の方がシックな印象を与えるので、その違いはすぐにわかるだろう。
裏ラベル
裏ラベルも比較的見分けやすいポイントだ。響21年の現行モデルは黒いラベルなのに対し、旧ラベルは金色のラベルとなっている。
そしてシリアル入りの場合は、この裏ラベルの下部分にシリアルナンバーの表記がある。この裏ラベルの色やシリアルナンバーの有無で、旧ラベルシリアル入りなのかを判別できるというわけだ。
キャップの色
キャップの色によっても現行モデルと旧ラベルの判別ができる。現行モデルのキャップのトップ部分の色は黒色で、旧ラベルのキャップの色は金色となっている。これも裏ラベルと同じく、旧ラベルは金色をコンセプトカラーにしていたということがわかるだろう。
ただ、キャップはさらに年代の古いものだと良く知られている24面カットのガラスキャップではなく、プラスチックキャップの超レアなものも存在する。もしプラスチックキャップのものがあればレアリティはさらに高くなるので、旧ラベルの中でもさらに高額で取引されることになるだろう。
旧ラベルと現行モデルの味わいの違い
ウィスキーは熟成年数が長ければ長いほど味わい深くなるお酒だけに、古いウィスキーほどその味わいは高く評価される傾向にある。響21年に関しては、発売当初から現在まで原酒の製法や作られている醸造所、ブレンド比率などは同じとはいえ、やはり原酒の比率の違いなどによって微妙に味わいが違うようだ。
一般的な傾向として、古い年代の響21年、つまり旧ラベルの方が原酒の比率が高いためか、ミズナラ樽の香りやまろやかさとフルーティーさの調和などがより絶妙だ、と評価される傾向にある。そのためウィスキーマニアの間では、響の旧ラベル時代のものは現行モデルよりも価値が高いとされているので、実際にはなかなか手放す人が少ないのが実情だ。
また、旧ラベル時代にあたる2004年から3年間、響21年は国際的なウィスキーコンテストで賞を獲得し続けた時期にあたる。そのため、この旧ラベル時代の響21年は世界中からの需要も高い。
そして、これは響シリーズ全体に言えることだが、香り豊かな味わいでありながらすっきりと飲みやすいので、ウィスキー好きでなくてもおいしいと感じるカジュアルさも魅力の1つだ。旧ラベル時代をどうしても味わいたいという人は、サントリーの醸造所やウィスキーイベントなどでの有料試飲などで、その豊かな味わいを楽しんでみるといいだろう。
買取相場と高額買取のポイント
ここでは、響21年の査定情報と、より高値で買取してもらうために知っておきたいポイントをご紹介していこう。
買取市場での平均的な相場
響21年はノーマルタイプや現行モデルであっても買取相場は高い。2019年時点では、ヤフオクなどのオークションでの相場は、旧ラベルシリアル入りだと40.000円以上というのが、だいたいの相場だ。大手買取チェーンの大黒屋の査定価格では40,000円となっていて、他の買取業者の相場を見ても30,000円~40,000円というところが多い。
ちなみに現行モデルの通常の響21年の買取価格は、旧ラベルよりも10,000円前後低い。といっても相場は20,000円~30,000円台なので、人気のブランドであることに変わりはない。
高額買取のポイント
響シリーズを買い取ってもらう際のポイントとして、ぜひおさえてほしいところは、響は外装が非常に重要な評価ポイントになるということだ。とくに響21年は伝統工芸とコラボした意匠シリーズなどがあって、このシリーズに関してはボトルや箱そのものに価値がついている。
意匠シリーズでなくとも、響シリーズは箱の状態や箱の有無が査定に大きくひびくことがある。箱ありと箱なしでは同じモデルであっても1,000円ほど査定額に差がつくことがあるので、箱の扱いには注意したい。
そしてもう1つ、2017年に響21年はインターナショナル・スピリッツ・チャレンジで最高賞を受賞し、2015年以降から続く買取価格の上昇傾向が続いている。比較的30,000円~40,000円台のあたりで安定していることが響21年シリーズの特徴だったが、2018年に原酒量が不足してしまったことを理由に、響21年は生産中止が決定した。
したがって、近年のウィスキー需要の高まりや響への国際的な高評価を受けて、響21年もいつ価格が跳ね上がるかは予想できないものとなっている。もし響21年の買取を検討している場合、今すぐにでも売る必要があるのでなければ、今後のサントリーやウィスキー市場の動向などをよくチェックおくことが必要だ。買取時期をよく見極めて、できるだけ高額で査定してもらえるように検討しよう。
まとめ
今回は、響21年 旧ラベル シリアル入りの買取相場・査定情報についてご紹介した。響21年はサントリーが世界に誇る響ブランドの中でも、その味わいの良さ、希少価値の高さなどから人気のシリーズだ。買取価格も通常の市販されている現行モデルで20,000円~30,000円台と安定している。
そんな響21年のうち、2007年のラベル変更以前のいわゆる旧ラベルになると、現行モデルよりも10,000円ほど高い相場で取引されるのが通例だ。旧ラベルにはシリアル入りのものが多くあり、これが旧ラベルと現行モデルを見分けるポイントにもなっている。
旧ラベルは安定した人気を保っているので、その価格は2015年以降、上昇傾向が続いているのが実情だ。さらに近年の響の原酒量、生産量の限界によって、響21年が生産中止になったというニュースからも、響シリーズは需要に供給量が追い付いていない事情がわかる。
そして、2017年に響21年は世界コンテストで最高賞を受賞したことで、その人気は国内だけでなく国際的にも不動のものとなった。朝ドラマッサンのヒットやハイボールの人気なども、その需要の高まりに影響しているだろう。したがって、今後は突然、買取相場の価格が上昇する可能性は十分ある。買取を検討するときは最新の動向などにも注目しつつ、売りどきを間違えないことが重要だ。