同人誌をはじめ、コミック、アニメ・アイドル系グッズ、映像・音楽メディア、ゲーム類や各種ホビーを取りそろえた、いわゆる「オタク系」ショップを展開する駿河屋が、このほど携帯・スマホの買取強化を宣言して話題になっている。多くの競合企業がひしめき合う「聖地・秋葉原」において事業を開始するというのだ。
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「オタク系」ショップとしては初の試み
「駿河屋」はメインとなるインターネット通販に加え、実店舗を全国に16件展開している。秋葉原地域には秋葉原駅前店をはじめ、全部で4店舗あり、今秋には5店舗目となる「秋葉原本店」がオープンを控えている。
「モバイル家電」の買取を開始
これらを運営・統括するのは、静岡県静岡市に本部を置く株式会社エーツー。1998年にゲームソフトのインターネット通販サイトとしてスタートした同社は、2003年、古書及び中古映像・音楽メディア、ゲームなどを取り扱う太田書店と事業を統合。以後、ホビーやアイドル・アニメグッズ、同人誌へと取扱品目を拡大していき現在に至っている。
2017年11月15日、同社が公式発表した内容によると、携帯・スマホ、タブレット端末、ポータブルオーディオ、それに関連する音響機器(ヘッドホン、イヤホンなど)といった「モバイル家電」に対する買取を同日よりスタートし、秋葉原において営業中の4店舗で対応する、ということである。
あまり例がないマニア向け店舗の「モバイル家電」の買取
いわゆるマニア向け商材を総合的に取り扱うこのような店舗において、携帯・スマホといった「モバイル家電」の買取を行うというのはあまり例がない。秋葉原のみならず、全国的にも珍しいといえる。
同店舗周辺には「ゲーマーズ」「とらのあな」「あきばおー」といった競合他社がひしめき合っており、日夜競争が行われている。今のところここまで対応しているショップはまだなく、取扱品目の多様さにおいて一つ抜きんでた形となっている。
動作すればOK、と条件はシンプル
iPhoneやAndroidスマホ、iPadやSurfaceなどのタブレット端末、iPodやWalkman、MP3プレーヤーなどのポータブルオーディオ、ヘッドホン、イヤホン各種が対象となる。買取条件は極めてシンプルで、「動作が確認できるもの」となっている(ただし、本体の破損、カスタマイズしたものは対象外)。買取店によっては箱や説明書など一式揃っていることを条件としている場合もあるが、駿河屋では最低限、正常に動く本体があればいい、ということになる。
追加条件がある品目も
ただし、ヘッドホン・イヤホンに関しては「正規の流通品である」という追加条件が加わる。
ここ数年、非正規ルートで流通したものが出回っているという問題を受けての措置であり、買取対象商品が正規品であることを示す証明書(保証書)の提示が必要となる。
高価買取リストで値段チェックが可能
買取価格については機種や状態により異なるが、同社webサイトに「高価買取リスト」として掲示されているものをみれば価格は把握できる。
例を挙げると、Apple・iPhone X 256GB(SIMロックフリー)、他社買取相場が70,500~100,500円のものが、駿河屋では100,000円。ポータブルオーディオとしては、155,000円~160,000円の買取相場となっているソニー・Walkman NW-WM1Zが160,000円となっている(2018年1月15日現在)。「高価買取」を謳っているだけあり、現状では他社と比べても遜色ないものとなっている。これらは、在庫状況他の要因で絶えず価格が変動するので、気になる人は早めにwebサイトをチェックすることを勧める。
「あんしん買取」「かんたん買取」
また、地方在住であったり、時間的に都合がつかないなどの理由で店舗に出向けない人でも利用できるよう、「あんしん買取」「かんたん買取」という仕組みがある。webで会員登録後、店舗に売りたいものを送り、最終査定の後入金される仕組みである。
2つの違いは、「あんしん買取」は既にwebで表示されている買取リストを確認のうえ売りたい品物を送るもので、「かんたん買取」は売りたい品物を店舗に送り、そこで査定してもらい、その結果をもって売却を承認する、という具合である。
この中間で、webで事前に見積もりを依頼し、それを受けて自分で店舗に持ち込む「あんしん持込」という仕組みもある。それぞれの事情に応じて買取パターンを使い分けられるのも利用者には便利なところだ。
「秋葉原という場所」の優位性を活かす
秋葉原が「オタクの聖地」と呼ばれるようになって長いこと経つが、駿河屋がこの地に進出したのは2016年8月で、この界隈ではまだまだ「新参者」の部類にあたる。
秋葉原は昔からオタクの街だった?
秋葉原という場所自体は、「聖地」と呼ばれるようになる遥か前から、東洋有数の電気街として名をはせていた。古くはラジオの組み立て部品からはじまり、電線、照明器具、アマチュア無線、白物家電、オーディオ、電子機器部品、そして比較的新しいところでは、PC及び関連機器、ソフトウェアなど、これらを求めて「こだわりの強い」人たちが集まる場所であった。
ある意味、「オタク」という名がまだなかった頃から秋葉原は「オタクの街」として機能していたともいえる。
買取後は実店舗、ネットにて販売される
人が多く集まれば、それだけ多くの品物が動くことになる。買取をする場合においても、多種多様なものが集まる可能性は他の地域に比べれば格段に上がる。さらに、多くの買取店舗がひしめく中、ユーザーは少しでも高く買い取ってくれるところを目指すようになる。そうなると自然に競争が発生し、売買のサイクルが動き出すようになる。
駿河屋では、買い取った品物を全国の実店舗だけでなく、ネット店舗などでも販売するとしている。多くの良質な品物が集まる可能性の高い秋葉原を拠点に選んだのは必然ともいえる。
モバイル家電買取の基盤は出来ていた
モバイル家電取扱以前より、駿河屋ではゲーム関連機器の買取を行ってきた。買取品目のなかにはゲーム機本体のみならず、ゲーム機の基盤といったものまで含まれている。使い古されたり、故障したものを解体・取り外して持ち込む人もいるそうである。このような事例もあるため、モバイル家電機器を取り扱う基礎は既にできていたともいえる。
公式発表のなかで「嗜好品と親和性が高いモバイル家電のニーズの高まりに合わせ」と表明しているように、携帯・スマホは「オタク生活」においても必需品となっている。いわば、同人誌やフィギュア、Blu-ray、カードゲーム等々で楽しむことを支える必須アイテムなのである。
まとめ
携帯やスマホなどのモバイル家電の買取は、これまでは中古PCショップ、中古モバイル専門店、大手リサイクルショップなどを中心に行われてきた。しかし、レンタルビデオのTSUTAYAをはじめ、ブックオフ、金券ショップなど、2014年以降は異業種の参入が相次いだ。
2015年のSIMロック解除義務化や格安スマホ業者の登場を経て、その動きはいまだ変わることなく続いている。今回の駿河屋の参入が他の業種、また同業他社にどのような影響を与えるか、注目されるところである。
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