演奏者とコレクターという2つのニーズを併せ持つ中古のヴァイオリンは、壊れていても買取先が豊富な楽器のひとつである。ヴァイオリンなどの弦楽器を買い取ってもらうには、ギターや打楽器などでは考えられないような特性がある。そのため、このカテゴリの知識を深めることは高値買取に繋がると考えて良いだろう。
今回は、傷や破損などによってジャンク品扱いになっているヴァイオリンに需要がある理由や買取実績などを紹介していく。
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壊れたヴァイオリンが買い取られる理由とは?
多くの場合、新たに楽器を購入する時は新品が欲しいと思うだろう。しかしヴァイオリンの場合は異なる実情があるようだ。なぜ壊れたヴァイオリンに需要があるのか。その理由は、下記の3つが挙げられる。
プロのヴァイオリニストは中古品を使っている
葉加瀬太郎や高嶋ちさ子などのプロの演奏家は、「オールドヴァイオリン」と呼ばれる250~300年もの昔に制作された古い楽器を使っている。
職人の腕や木の材質が音に大きく影響するヴァイオリンは、単純に「古ければ良い」というわけではない。しかし人気のプロヴァイオリニストが古い楽器を使うことによって、「中古楽器=音が良い」というイメージが浸透しているのは間違いないのだ。
良いヴァイオリンは修理が必要不可欠である
プロヴァイオリニストが好む「オールドヴァイオリン」と呼ばれる楽器には、必ず修理痕が残っている。同じ楽器が300年もの長きに渡って使い続けられていると考えれば、良いヴァイオリンが修理されていることも「大事に扱われている理由のひとつ」と言えるだろう。
このような実情から考えても、ヴァイオリンは「修理することが珍しくない楽器」と言うことができるのだ。そのため、使い古されたヴァイオリンにも抵抗がないという人が多いのだろう。
中古ヴァイオリンは初心者から大人気
新品のヴァイオリンは安いものでも7万円以上するものも多い。それに対してリサイクルのヴァイオリンは5万円~20万円程度で購入できる。上級者向けの本格的な楽器に手が届かない子供や初心者から人気の高いカテゴリーである。
前述の理由のとおり、ヴァイオリンは「古いこと」や「修理痕があること」に嫌悪感を抱く人が少ない傾向がある。そのため、ピカピカの新品が好まれる一般の楽器とは全く異なる特性を持つと考えて良いだろう。
職人の腕によって再生されたヴァイオリンの中には、5万円~20万円程度で買ったとは思えないほどの美しい音色を出すものもある。このような理由から、中古のヴァイオリンの需要が高くなっているようだ。
買い取ってくれる店の特徴とは?
壊れたヴァイオリンを売却する際には、お店選びにもこだわってみて欲しい。買取を行なっているお店によって、対象品や買取価格が大きく異なる場合もある。お手持ちのヴァイオリンを売却するには以下の情報を参考に、どういったお店が向いているのか検討してみると良いだろう。
ジャンク楽器を取り扱う専門店
傷や破損などのジャンク楽器の買取ができる専門店では、弦が外れていて演奏ができないヴァイオリンでも喜んで査定をしてくれる。
このようなショップは、初心者~中級者向けの手頃なヴァイオリンのリサイクルを目的としている。そのため、数百万円もの高値が付くオールドヴァイオリンは歓迎されないことを頭に入れておくと良いだろう。
初めて購入したヴァイオリンや、レベルアップして不要となったヴァイオリンはジャンク楽器の買取業者に売ってみてはいかがだろうか。
ヴァイオリンのリサイクルを行っている工房
専門の査定士や職人が常駐している専門店では、リーズナブルな種類からオールドヴァイオリンまで幅広い品目の買取ができる。
職人のいる工房は壊れたヴァイオリンの再生能力に長けているため、一般の店で嫌悪感を抱かれるレベルのボロボロ状態でも買取可能なのである。ボロボロになるまで大切にしてきたヴァイオリンを売却するなら、丁寧に扱って再生させてくれる職人に引き渡した方が気分がいいものだ。専門家に渡すことになるため、納得のいく取引ができるだろう。
リサイクルショップ
何でも買い取ることを断言しているリサイクルショップでも、壊れたヴァイオリンなどのジャンク楽器を買取している。リサイクルショップは「たくさんのリサイクル品を買取ること」を目的としているため、ヴァイオリンのメーカーや音色などのPRポイントがある場合も、高値査定は期待できないと捉えた方が良い。
リサイクルショップで壊れたヴァイオリンを買い取ってもらうと、1000円~5000円という安値査定になることが一般的だ。捨てるよりはマシといった程度だろう。
いくらで買い取ってもらえるのか?
ヴァイオリンの買取査定は、職人の名前やメーカー、製造年、商品の状態という形でたくさんのチェックポイントがある。
またヴァイオリンは年数によっても音色が全く異なるため、同じ型番であっても「現物を見ないと厳密な査定額を出せない」というのがこのジャンルのルールと言えるのだ。自力で調べてわかるものではないと考えた方がいい。
このような実情から考えても、ネットを使ってヴァイオリンの査定額を調べて一喜一憂するよりは、早めに買取店に持ち込んだ方が良いだろう。
買取実績は公開されてる?
高額査定が期待できるのは有名なメーカーのものが多い。
ストラディヴァリウス、ガルネリウス、アマティ、カールヘフナー、サンアントニオなどの海外の有名メーカーは軒並み高額査定となるだろう。日本のメーカーだと、YAMAHAや鈴木バイオリンが高額査定に期待できる。
またエレキバイオリンも隠れた人気があるので、買取を検討するのもよいだろう。
しかしジャンク品に限らず、前述のように中古のヴァイオリンの買取価格は、各ショップで非公開にしていることが多い。
またヴァイオリンの場合はかなりの高額査定という理由で「要問い合わせ」にしていることも多い。そのため、サイト内で同じ型番の楽器を見つけた場合はショップに電話確認するのが最も効率的と言えるだろう。
今回は、ジャンク品に属するヴァイオリンが買い取られた事例を紹介していく。
MASAKICHI SUZUKI No.5 鈴木バイオリン(価格非公開)
弦がなく、演奏ができない状態のヴァイオリンでも、鈴木政吉という職人のネームバリューによって古美術品としての買取が行われている。鈴木バイオリン製造株式会社の創設者、鈴木政吉はなんと独学でヴァイオリン製造を身につけたそうだ。「日本のヴァイオリン王」とも言われる彼の製造したヴァイオリンは皇室でも贈り物とされたことがある。
No.5は1907年から1933年の間に製造されていた。このヴァイオリンの査定は骨董品の専門店で行われているため、演奏不能であってもコレクターアイテムとしての価値を判断してもらうことも可能と言えそうだ。
Eckart Richter バイオリンNr129
Eckart Richterのヴァイオリンは、かなり損傷の激しい状態であっても45000円という高値で買取が行われている。
1983年に金賞を受賞しているEckart Richterはドイツの工房で製作を行っているブランド。このブランドの楽器は深みのある音色を出すことでも知られている。そのため、コストパフォーマンスの良いヴァイオリンを求めるユーザからの人気がこの査定額に反映していると言えるだろう。
アウトフィットバイオリンNo.230 鈴木バイオリン(価格非公開)
2003年から製造されているヴァイオリン。本体と弓に使われているエボニー材と、鈴木バイオリンというブランドによって買い取られた例である。
このブランドは先に紹介したNo.5にも買取実績があるように、鈴木バイオリンから発売されている楽器は、国産メーカーの中でも高値が付きやすい特徴がある。そのため、自宅で眠っているヴァイオリンがある場合は是非とも査定に出すべきと言えるだろう。
買取店紹介
ここまでで中古のヴァイオリンに人気と需要があることはお分りいただけただろう。そこでヴァイオリンの買取を行っている業者をいくつか紹介する。どこに買取依頼をするか検討する際には参考にしてみて欲しい。
楽器高く売れるドットコム
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
楽器買取を専門に行っている業者。きちんと価値がわかる専門バイヤーが査定をしてくれるため、納得のいく取引がしやすいだろう。演奏に問題がないものなら、傷がついていても買取するとのことなので安心。買取対応エリアは全国となっており、迅速な対応で非常に利用しやすいためリピーターも多い。買取額の仮査定による事前提示と、丁寧な査定が評判となっている。事前の査定は電話またはwebからできる。
買取は店頭買取、宅配買取、出張買取で行っている。
店頭買取は事前の無料査定を行い、そこで予約をする。店舗は東京リユースセンター、横浜リユースセンター、埼玉リユースセンター、仙台リユースセンター、名古屋リユースセンター、大阪リユースセンター、神戸リユースセンター、福岡リユースセンターがある。自分の行ける店舗を選んで予約しよう。
予約した日に行き、店舗で実際に品物を見てもらい、査定をしてもらう。取引成立となれば、その場で現金で支払ってもらえる。車での来店ができ、さらに店舗では待ち時間にドリンクのサービスをしてもらえるようなので、時間に余裕があるのなら店頭に行くのもいいかもしれない。
宅配買取は、こちらも事前無料査定を行ってから予約する。業者側から梱包用のダンボールとプチプチが無料で送られてくるので、それに品物を入れて集荷してもらう。最短で当日集荷も可能な場合もある。届き次第査定され、取引成立となれば代金が振込まれる。キャンセルになっても返送料も負担してくれるので安心だ。
出張買取は、こちらも事前無料査定の後、予約する。予約日時にスタッフが来てくれて、その場で査定を行う。取引成立となれば、その場で現金支払いもしてくれる。出張買取エリアがホームページに掲載されているので、確認して欲しい。場合によっては当日でも来てもらえるとのことなので、急ぎの場合もまず電話してみるといいだろう。
楽器買取の管絃屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
楽器の買取専門店。独自の販売システムがあり、難有りの楽器だとしても買い取ってもらえるので、利用者が多い。弦楽器の買取を強化しているところだ。
自社メンテナンス工房があるので、故障品のために断られてしまったものがあっても、買い取ってもらえる可能性が高い。一度他店で断られてしまった商品でも相談してみるといいだろう。演奏ができないほど壊れたものでも、マイナス査定にならずに買取してもらえるようだ。
また、まとめて買い取ってもらうことで査定額がアップするので、買い取ってほしい楽器が複数ある場合は検討して欲しい。
ホームページで楽器ごとの買取実績も確認することができるので、チェックしておこう。簡単な事前査定もあるので、利用することをおすすめする。事前査定はwebや電話で行えるので、まずは相談してみよう。
買取方法は、出張買取か宅配買取の二つとなっている。
出張買取は電話かメールによる事前査定を行ってから申し込む。予約日時にスタッフが来てくれて、その場で査定を行ってくれる。専門スタッフが来てくれるので安心だ。取引成立となると、その場で現金支払いとなる。
出張買取は日本全国可能で、出張費用も無料となっている。当日になりその場で新たに査定してもらいたい楽器が増えても対応してくれるので、まだ売却を迷っている楽器がある場合もまずは査定の依頼をしてみて欲しい。
全国に対応している宅配買取も、電話かメールでの事前査定を行ってからの申し込みとなる。申し込みの際に伝えておいた楽器のサイズに合った梱包キットが送られてくるので、それに楽器を梱包し、集荷してもらう。
梱包キットはインスタパック®発泡体を利用した、非常に安全性の高いものを使っている。梱包キットの選択も専門知識を持ったスタッフが行ってくれるので、楽器に最適なサイズが発送される。梱包する時間がないという場合はスタッフに手伝いに来てもらうことも可能だ。
また運送保険に加入しているので、万一、運送中に楽器に何かあっても安心だ。
届き次第、こちらも専門スタッフが査定を行ってくれる。取引成立となれば、代金が振込まれる。キャンセルした場合でも無料で返送を行ってくれるので、安心して利用できる。
日本弦楽器
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
日本弦楽器はイタリアン・オールド・ヴァイオリンを専門に扱う楽器店。買取の対象はヨーロッパ製のものに限られるが、そのグレードは普及品から高級品まで限定せずに扱っている。ヴァイオリン本体だけでなく、弓だけの買取も行なっている。基本的には店頭での買取を行なっているので店舗がある銀座に出向くことになる。遠方の場合は宅配での買取も行なっている。
店頭買取には事前予約が必要となっている。楽器本体と、鑑定書があればそれも持ち込むと、査定を行なってもらえる。取引が成立すれば、代金はその場で現金で支払われる。金額に納得がいかない場合はもちろん楽器は返却され、査定料が取られることもない。
銀座から遠くに住んでいるなど店頭にはいけない場合、宅配買取を利用することができる。その場合は査定した結果の連絡が来るが、日本弦楽器は宅配に伴う料金の負担はしていない。発送料や保険料、またキャンセルした場合の返送料は売却する側の負担となるので注意が必要だ。
まとめ
材質やメーカー、職人によって音色が異なるヴァイオリンは、素人にその価値を判断することが難しい楽器カテゴリである。
しかし、そんなヴァイオリンには壊れたものでも需要が高いという特性がある。そのため、どんな状態であっても諦めずに買取ショップに持ち込みをしてみて欲しい。
買取業者の選定に悩んだ時には、口コミも同時に確認できるヒカカク!の業者一覧の活用をおすすめする。


