進学、卒業、転勤の時期が近づいてきている。バイオリンを弾いていたが、環境の変化に伴い、今まで長い時間をともに過ごしてきた楽器を手放さなければいけなくなった人や、新しく楽器を購入しようとする人も多いのではないだろうか。
新しい楽器を購入するとしても価格が非常に高いため、今まで使っていた楽器を売却する金額が少しでも上がり、少しでも新しい楽器購入の足しになってほしいと願うのは当然であろう。しかし、素人目には、どのバイオリンのシリーズ・メーカーブランドが高額で買い取られるのかということを判断することは難しく、買取業者の提示する金額を鵜呑みにすることしかできないことが多い。
また、ずっと前に演奏を辞めてしまっていて、押し入れに眠っているバイオリンがある、という人も多いのではないだろうか。そんなバイオリンを売って、お小遣いを手にするのはいかがだろうか。
今回は初心者から上級者まで、幅広い層にバイオリンを販売している人気の4大メーカーブランドを紹介していく。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
Karl Hofner(カールヘフナー)
カールヘフナーは、バイオリン製作マイスターのカール・ヘフナー氏によって1887年に興されたドイツの老舗弦楽器メーカーだ。バイオリンのほか、チェロやコントラバス、そしてエレキベースやエレキギターなども製造する。手がけるバイオリンは、演奏者の年齢・体形、熟練度によって「School Violin」「Orchestra Violin」「Concert Violin」「Master Violin」の4つの種類に分かれる。
1. School-violin(#7 #11 #12など)
カールへフナーのスクールバイオリンは、求めやすい価格で、初めてバイオリンに触れるような初学者に向けたモデルだ。新品の販売価格は10万円前後と見られる。初学者のうちから良いものを使ってほしいという思いから、低い価格帯にもかかわらず、表板・裏板ともに、厚い音響材から削り出す伝統的な工法が守られて作成されていると言う。
2. Orchestra-Violin(#62 #66 #165 #167など)
バイオリンに使われる木は古ければ古いほど良いと言われる。年月をかけて十分に乾燥した木材には余分な水分が含まれていないため、音を速く発せられるからだ。いわゆるスタンダードモデルとも言えるオーケストラバイオリンだが、その材料は切り出されてから数年間寝かされた後に使用されたものだそうだ。新品では、20~30万円で販売されていた模様。
3. Concert-Violin(#200 #201 #203 #312など)
#200からのバイオリンは、一本一本が熟練の職人によって手作りで作成される。材料として用いられるのは、美しい木目の、十分に乾燥するまで長きに渡って寝かされた、スプルース(松)やメイプル(楓)といった木材だ。その美しさは、多くの人をひきつける。新品価格は30万円以上。
4. Master-Violin(#316 #327 #330 #339 #341など)
現代でもマイスター(マスター、マエストロと同族の単語)制度が残るドイツで、その資格を持つ職人が手作業で製作したバイオリン。また素材にも厳しく吟味された最高の木材が使用され、その繊細な音色に反映される。新品価格は#316で56万円。
San Antonio(サン・アントニオ)
高品質な中国製バイオリンの草分け的存在である。イタリアのクレモナ(*注1)のバイオリン作りを参考にした高品質なバイオリンを、中国で製作することによって「Low PriceかつHigh Quality」な出来栄えに仕上げている。
また、サン・アントニオでは、製作の殆どの工程を中国の職人の手作業によって行っている。バイオリンの生産量では世界一を誇る、中国を代表するメーカーの1つだ。モデルには、「V-802」(80000円)「V-804」(120000)「V-815」(200000円)「V-820 Old」(250000円)「V-830」(300000円)「V-840」(400000円)「Vintage」(450000円)などがある。(※カッコ内の値段は販売当時の新品価格)
(*注1)現在でもその作品には億を超える高値が付くことがあるストラディバリウスやグァルネリといった突出したバイオリン職人が生活をした街で、現在も多くの職人がバイオリン製作に携わる楽器作りのメッカであると言える。
スズキバイオリン
日本のバイオリン製作は、スズキバイオリンから始まった。
入門用のバイオリンとして人気
明治20年初頭、現在の「鈴木バイオリン製造株式会社」創始者の鈴木政吉は、音楽教師になることを志していたとき、和製のバイオリンに出会い、魅了される。後に西洋のバイオリンに出会った彼は、自身で研究を重ね、バイオリン製作を続けていく。
スズキバイオリンの持つ歴史は長く、弦楽器のみを製作し続けてきたノウハウには定評がある。特にバイオリンを始める初学者への入門用バイオリンとしては常に安定した品質と人気を持つ。
製品情報
その種類とおおよその価格は以下のとおり。No.300番台の「Violin」が学習用バイオリンで最も安価に購入できる。
- ・Heritage Violin(No.1800/No.1500)…100,000円/740,000円
- ・Eternal Violin(No.1200/No.1100)…340,000円/260,000円
- ・Violin(No.540/No.520/No.500T)…155,000円/115,000円/96,000円
- ・Violin(No.330/No.310)…80,000円/64,000円~68,000円
ピグマリウス
神奈川県小田原市の工房、ビオリーノ社が製作する国内屈指のバイオリン。
プロの愛用者も多い
「限られた演奏家のみならず、すべてのバイオリン愛好家や子供たちにも届けたい」ということで、ストラディバリウスの研究を徹底的に重ねた結果として誕生した。発表当時は大きな反響を呼び、米国ジュリアード音楽院バイオリン科主任教授であったドロシー・ディレイは、現在も世界的なバイオリニストとして活躍する五嶋みどりにピグマリウスの使用を推薦したという。
それほどまでに、ピグマリウスの出来栄えが素晴らしかったということであろう。以来、ピグマリウスは国産のトップブランドとして、多くのプレイヤーに愛されてきた。
製品情報
ピグマリウスのシリーズは下記の通り。
- ・Rebirth…オープン価格
- ・Rubino…40万~70万円
- ・Derius…10万~28万円
バイオリンを高価買取してもらうために
ここまで人気の高いバイオリンメーカーやブランドを紹介してきた。自身が所持してきたバイオリンを手放す際に、他のバイオリンメーカー(ブランド)のことも理解していただくとともに、以前の記事「査定基準が丸わかり!バイオリンを高価買取して貰うために知るべきこと」なども参照し、納得のいく最高の買取に辿り着くことを祈っている。下記に簡単に高価買取のコツをまとめたので参考にしてほしい。
綺麗な状態で査定に出す
中古市場すべてに言えることだが、査定前にバイオリン本体を綺麗な状態にしておくのが望ましい。ホコリや汚れは、事前に乾いた布や専用のブラシなどを用いて取り除いておくようにしよう。落ちにくい汚れは、専用のクリーナーを用いても良いだろう。場合によっては、ツヤ出し剤などを使っても良い。
付属品をできる限り揃える
購入時の付属品は、できる限り揃えてから査定に出したほうが良い。取扱説明書や、ケース、弓などがそうである。付属品があるかないかでは数万円もの査定額の差が生まれることもあるので、侮ってはいけないだろう。
一社だけではなく、複数社に査定を依頼する
査定の際には、一社だけではなく複数社に査定を依頼したほうが良い。買取業者によって、その時積極的に買い取っているメーカーが異なる場合が多く、鑑定士の質にも差があるからだ。複数社に依頼することで、買取相場が分かるだけではなく、納得のいく価格で買い取ってもらいやすくなるのだ。
また、その際に強化買取キャンペーンもチェックしておいたほうが良い。強化買取リストは、各業者のホームページから確認できる。お持ちのメーカーが強化買取リストに入っている場合は、より高価買取に繋がりやすいのだ。
おすすめのバイオリン買取店
とはいえ、バイオリンなど楽器類の買取で難しいのが、個体によって状態の差が激しいものが多いからか、「この機種だからいくら」といった形での買取相場が公表されておらず、個々のお店で判断してもらうしかない点だ。
少なくとも2〜3店のお店に査定してもらいつつ、もっとも評価してくれたお店に売るしかない。以下に楽器買取を行うお店をいくつか紹介したので、こちらもチェックしていただきたい。
楽器の買取屋さん
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
楽器や音楽機材の買取を専門に行っている買取業者。東京、神奈川、千葉、埼玉、静岡なら出張買取にも応じてくれる。店舗を持っていないため、人件費や店舗運営費を抑えることができ、高価買取に繋がりやすいと言える。また、リサイクルショップや質屋などにはない独自の再販ネットワークを持っているため、より高価買取が可能になっているのだ。
出張買取の場合、最短30分で査定に来てくれるスピード感も魅力。また、送料や手数料などもすべて無料なのが嬉しいところだ。毎月何かしらの査定額アップキャンペーンを行っているため、細めにホームページをチェックしておくと良いだろう。
中古楽器堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
商品知識を持ったプロのバイヤーが査定してくれるので、良い品であれば高額買取をしてくれるはず。出張買取、宅配買取、店頭買取の3つの買取方法を採用している。買取店舗も全国に展開中で、関東、関西、中部、九州・中国地方に店舗を持っている。
高額査定に加えて、プラスアルファの交渉も可能と謳っているので、より高価買取を狙いたい人にはおすすめだ。査定は無料で行ってくれるため、思い立ったらすぐに査定をお願いしてみると良いだろう。
マクサス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
品川区、港区、渋谷区に展開している買取サービス店。楽器だけでなく、家電や電子機器など様々な商品の買取を行っている。オークション代行サービスも行っているので、高値で売りたい人にはおすすめの業者だ。オンライン買取サービスのセルライブというシステムを導入していて、ビデオチャットで査定後、平均1時間で集荷しにきてくれる。
イシバシ楽器
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
創業77年、実績のある安心の買取業者と言えば、イシバシ楽器があげられる。店頭買取、出張買取、宅配買取の3つの買取方法を採用している。宅配買取は、梱包キットを無料で届けてくれ、全国送料無料・キャンセル料も無料だ。ぜひ気軽に査定を依頼してみて欲しい。
楽器買取専門ショップ、カワカミ楽器
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カワカミ楽器は、弦楽器や和楽器、民族楽器も取り扱う楽器買取専門店だ。店頭買取、宅配買取、出張買取はすべて手数料無料。出張買取は東京都、アイテム数によって関東圏に対応している。国外の相場も把握しているため、高価格での買取が期待できるだろう。
管弦屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
楽器の買取を専門で行っているのが、管弦屋である。国内オークションサイトや海外ルートなど、独自の販売ルートを保持しているため、高価買取に繋がりやすいと言う。多少傷などがあっても積極的に買取を実施してくれるのが嬉しい。自社にてメンテナンス工場を保持しているため、多少の不具合では減額されないのである。出張買取と宅配買取の2つの買取方法から、自分に合った方法を選ぶことができる。
その他のバイオリン買取業者
他にもバイオリンの買取を行っている業者は多数ある。こちらのバイオリンの買取業者一覧をチェックしてみてほしい。気になる業者さんがいたら、査定を依頼してみると良いだろう。
まとめ
本コラムでは、買取価格がズバ抜けて高いバイオリンの4大メーカーについて紹介してきた。上記で紹介してきたメーカーのバイオリンは高価買取を狙いやすいと言えるだろう。また、より高く売るためのコツや買取業者も紹介してきたので、ぜひ参考にして欲しい。少しのリサーチや工夫をするだけで高価買取に繋がることもあるので、上記を参考にして納得のいく価格で買い取ってもらえるようにしよう。