自分のコレクションを処分したい、引っ越しを機会に処分したい、今あるモノを処分して新しいモノが欲しいと考えたときに、どうせなら不用品を買取で現金化したいという人は多いはずだ。しかし、どこに売ればいいのか、どうやって売ると得なのかがよくわからないという人もいるだろう。そんなとき、何の下調べもしないで売ってしまうと、大きく損をしてしまうリスクは高くなる。なぜなら、その不用品はもしかしたら思いがけない価値のあるものかもしれないのだ。買取を考えたときは下調べをして、ある程度のポイントはおさえておくべきだろう。
そこで、ここでは買取における基本的な知識やポイントについて紹介していくのだが、今回取り上げるのは、「鉄瓶」について。鉄瓶を買取へ出し高く売る方法についてのポイントをまとめておくので、売りたいと考えている人は参考にしておくといいだろう。
本記事のポイント
- 鉄瓶と鉄急須の違いとは?
- 鉄瓶の価格が高騰している理由や人気の工房について
- 錆のお手入れ方法

CONTENTS
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鉄瓶とは?やかんのこと?
鉄瓶とは、茶道具の一つでお湯を沸かす鉄で作成されたヤカンのこと。古くは江戸時代からひとつひとつ丹念に手作りされたものがあり、使い込めば使い込むほどに経年変化により独特の風合いとなり、価値が高まると言われている。
この鉄瓶で煎れたお茶は、普通のヤカンで煎れるより味が「まろやか」になるとも言われ、使い込まれた鉄瓶で煎れるお茶はより一層深い味わいになると言う。
鉄瓶の歴史
鉄瓶のルーツは、茶道具の茶釜だったと言われている。それまで湯沸かし道具として用いられていた茶釜は、注ぎ口がなく機能性に欠ける形状であった。しかし、鉄瓶として派生すると注ぎ口や持ち手が付き、実用性に富んだ茶道具として広く普及していくことになる。
日本各地でつくられる鉄瓶
日本では東北地方に伝わる鉄器としても知られ、400年以上も昔から鉄瓶一つ一つが職人によって制作されてきた。東北地方では、岩手県の盛岡から石巻まで作成工房があり、老舗や名工とよばれる作者も存在する。この地で作成された鉄瓶は「南部鉄瓶」と呼ばれ特に有名な品となっている。
また、東北地方には南部鉄瓶以外にも山形県で制作される山形鋳物の鉄瓶も存在する。関西地方では京都で作成される「京鉄瓶」というものもあり、京鉄瓶は蓋が銅製で梅のつまみがあるのが特徴だ。お湯がわいた時には底の鳴り金といわれる鉄片が音を出し、沸いたことがわかるようになっている。
バブル崩壊後は実用性重視に
昭和中期にはバブルの崩壊とともにより実用性に富んだ湯沸かし道具として、やかんやケトルなどが主流となったが、2000年を過ぎると同時に、鉄瓶をはじめとした日本の古き良き伝統工芸が再び人気を高めており、現在に至っている。

鉄瓶は現在人気が出てきている骨董品
まず、鉄瓶を買取依頼へ申し込む前に、「できるだけ高く売りたい」と考えているのであれば、買取市場における鉄瓶の価値を知っておくべきだろう。実は、買取市場において鉄瓶は高価買取をされることが多いのだ。
高級な鉄瓶は美術品としての価値もある
鉄瓶は茶道具でありながら、その作りの美しさなどから骨董品やアンティークともよばれ、美術品としての価値も高いものである。
アート作品として作られている鉄瓶もあり、鉄瓶を作っている作家も多く存在している。高価な鉄瓶であれば金粉をあしらったモノや翡翠を使ったモノ、銀象嵌と呼ばれる銀細工を施したモノなどもあり、その価値は数百万円で取引されるものもある。
中国での人気により価格相場が高騰
また現在、この鉄瓶の価格相場は上がってきていると言われている。なぜ需要度が高くなって来ているのかについてだが、中国での人気が要因している。今、中国で日本の鉄瓶は人気となっているのだ。そういった理由が背景にあり、鉄瓶は高価買取されているのである。
鉄分を摂るために購入する人も
現代では鉄分不足が問題視されることが多いが、鉄分が摂取できるためか、現在も日本においても鉄瓶は人気がある。最近では、機動戦士ガンダムシリーズとのコラボで、作中に登場するMS(モビルスーツ)である「ザク」をモチーフとした鉄瓶、ZAKUが発売され、話題となった。(2021年5月時点)

鉄瓶は骨董品・古美術品の専門業者で買い取ってもらうべき
まず、鉄瓶を買取依頼に出そうと思ったときに、どこで買取の査定をお願いするべきなのか。鉄瓶のような芸術品を買取に出す場合には、骨董品・芸術品・美術品を専門で買い取っている買取業者での買取依頼に申し込んだほうがいいだろう。
不用品を売ろうと思った時に、ヤフオクなどのネットオークションやメルカリなどのフリマアプリへ出品するという手段も考えられるだろう。しかし、そういったところへ個人で出品した場合、鉄瓶の本当の価値がわからず損をするリスクも高くなってしまうだろう。というのも、鉄瓶のような骨董品の価値はプロの目利きでさえも難しいものである。それだけ、骨董品、芸術作品の価値を量るには、膨大な知識や情報などが必要であり、また経験もいるため、鉄瓶の本当の価値は素人にはわかりづらいものなのである。
買取では「状態」が何より大事
買取査定で、最も重要視されるのは現物の「状態」だ。これは、骨董品に限らず、買取市場全てにおいて基本的なポイントになるだろう。買取では現物の「状態」が非常にシビアに査定されるため、より良い状態で買取へ出すほうがプラス評価となりやすい。
保管場所に気を付けよう
鉄瓶でももちろん「状態」の善し悪しは、買取金額に大きく影響する。例えば、汚れ、ホコリ、欠け、割れ、錆などが状態を悪くする要因として挙げられるだろう。鉄瓶の査定でこういった状態が少しでも見つかれば、確実にマイナス評価となり買取金額も減額となってしまう。

保管の状態は日頃から気を配り、買取に出す前にはキレイな状態で出せるよう、細かいところまで掃除をしておくことをおすすめする。とにかく「状態」の善し悪しは、買取市場において最も大事なポイントである。
鉄瓶の錆を落とす手入れ方法
鉄瓶を長く使用していくと、内部が徐々に錆びきてしまうことがある。小さな錆びの場合は、お茶を浸した布で軽くふき取ると錆びを落とすことができる。内部全体が錆びてしまった場合は、茶殻を布やダシ取り用のパックなどに詰め、20分ほど煮詰めることで錆びを落とすことができる。試してみるといいだろう。
鉄瓶の評価は作家やデザインによっても異なる
鉄瓶の評価は、作者やデザイン、形状などによっても左右されることになる。鉄瓶のデザインには、動物や植物を描いたものや文様、象嵌が施されたものがある。形状は、胴部分や提手部分まで様々で、高価なものには“袋鉉”と呼ばれる技法が施されている場合がある。
袋鉉とは提手内部に空洞を作る技法で、お湯を沸かした際でも素手で鉄瓶を持てる点が特徴だ。鉄瓶を買取査定に出す際には、まずは下記のような点についてチェックしておこう。
- ・作者の刻印があるか
- ・特殊な技法によるデザインや作りであるか
- ・提手や胴部分に金や銀などの高価な金属が使用されているか
付属品は買取金額に大きく響く
基本的に買取市場では、付属品は揃っていると買取金額も数万円上乗せになることが多い。逆に付属品が揃っていない場合には、マイナス評価となり買取金額も減額となるだろう。鉄瓶の付属品であれば、箱や証明書などがあるだろう。そういった付属品を買取査定をする際には忘れないようにすべきだろう。
一カ所だけの査定で成約を決めないように一括査定を
出来るだけ高く売りたいと考えるのであれば、複数の買取ショップや業者へ買取依頼を申し込むべきだ。どういうことかというと、鉄瓶の目利きは非常に難しいものであり、買取金額も業者によって大きく違ってくることになる。
また、業者によっては鉄瓶の需要度が高く、強化買取を行なっている場合もあるだろう。そういったところでは、市場の相場よりも少し高い買取金額となるだろう。ショップや業者によって、必要としているモノが違うため、買取金額も場合いよっては数万円程度も変わることがあるようだ。できるだけ多くの店舗やショップで買取査定をしてもらい、比較検討すべきだろう。
一括査定サービスを利用すれば、1社ずつ査定依頼を出さなくても、1度の入力で複数社へ一括で査定依頼を出すことができる。無料で利用することができるものがほとんどなので、試してみてはどうだろうか。
鉄瓶の買取を行っているショップ・業者まとめ
ここで、鉄瓶をおこなっている買取業者を紹介するのでぜひ参考にしてほしい。どの業者も評判の高い買取業者なので押さえておこう。
本郷美術骨董館
美術・骨董品の買取実績No. 1の本郷美術骨董館は、東大赤門前で40年の実績を持つ買取業者だ。来店鑑定・宅配鑑定・出張鑑定に対応している。電話からも問い合わせることができるので気軽に依頼しやすい。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
総合美術買取センター
東京都品川区にある総合美術買取センターは絵画・美術品の買取業者である。スピード査定、スピード回答も行っているため急ぎの人にもおすすめの買取業者である。
買取価格
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ウイルス
対策
日晃堂
出張買取は全国対応。宅配買取も可能。また、上野店がオープンしたため店頭買取もできる。
買取価格
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手数料
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ポリシー
ウイルス
対策
古美術 やかた
出張買取は全国対応。京都に店舗を構え、多数のメディアに取り上げられた安心できる古美術買取店だ。
買取価格
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手数料
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ポリシー
ウイルス
対策
小川処堂
店頭・出張・宅配見積もりはすべて手数料無料。買取価格は東海県下最高クラスの自信があるようだ。
買取価格
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手数料
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ポリシー
ウイルス
対策
なんぼや
ブランド買取で有名ななんぼやだが、鉄瓶など骨董品ももちろん扱っている。大手ならではの安心買取が魅力。
買取価格
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ポリシー
ウイルス
対策
春福堂
関東圏なら出張も即日対応可能。骨董品だけでなくレトロなものならなんでも買取している。
買取価格
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ウイルス
対策
Dan・Sha・Ri—GINZA—(ダンシャリギンザ)
ブランド品だけでなく骨董品も買取。店頭なら即日買取、各専門鑑定士で安心して査定を任せられる。
買取価格
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ポリシー
ウイルス
対策
くらや上尾店
埼玉県にあるくらや上尾店では、鉄瓶などの茶道具を積極的に買い取っている。傷ありなどで状態が悪くても査定可能。豊富な経験に基づいた鑑定力で確かな査定額を出すことができる。また、独自の再販ルートが豊富にあるため高値で買取することが可能。無料見積もりからはじめよう。
買取価格
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ウイルス
対策
鉄瓶の中古買取相場
鉄瓶の買取金額の相場に関しては、ピンからキリまでの買取金額があり明確な相場はないと言っていいだろう。また、買取金額に関しても非公開にされていることが多いため、ここで紹介するものは、あくまで目安にしておいたほうがいいだろう。
高価買取されやすいのは…
いくつかのサイトや口コミなどでは、数千円〜500万円くらいまでの買取実績があるようだ。しかし、作者名が判断できるものや稀少な名品と呼ばれるものであれば相場以上の評価がされる場合が多く、中にはかなりの高額な価値がつけられる鉄瓶も珍しくない。
高い取引価格がつきやすい具体的な特徴としては、金銀象嵌が施されたもの、摘まみに銀が用いられたものなどが挙げられるだろう。鉄瓶には人気の工房や作家が存在し、それらの作品は中古でも高値で買取られたり、落札価格が高い傾向にある。以下に有名工房や作家などの銘の一覧を上げておく。
人気の工房・ブランド例
- 「瑞雲堂」
- 「亀文堂」
- 「金龍堂」
- 「蔵六」
- 「大国」
- 「金寿堂」
- 「龍文堂」
- 「正寿堂」
- 「盛栄堂」
- 「英青堂」
- 「雲色堂」
- 「尚美堂」
- 「祥雲堂」
- 「岩鋳(iwachu)」
高価買取されている作家例
- 秦蔵六
- 畠春斎
- 大国柏斎(大国造)
- 大国寿郎(大国造)
- 般若勘渓
- 日本梅泉
- 石黒光南
- 角谷一圭
- 中川浄益
- 大西浄雪
- 名越弥五郎
- 金森太吉
- 金森佐兵衛
- 宮崎寒雄
- 龍文堂(四方安之助)
- 亀文堂(波多野正平)
- 高木治良兵衛
- 金谷五郎三郎
まとめ
ここまで、鉄瓶の買取で押さえておきたいポイントについて紹介してきた。鉄瓶のような骨董品の買取ではある程度ポイントを掴んでおくべきだ。なぜならば、思いがけない高価な買取となる可能性があるからだ。また、こういった基本的な知識や注意点を押さえておかなければ、大きく損をしてしまうリスクも高くなるだろう。この機会にしっかりとポイントは押さえておこう。基本をおさえておくことは、損をするリスク回避にも繋がるだろう。
鉄瓶は、日本が誇る伝統工芸品だと言える。名品ともなれば美術品としての価値にも優れ、著しく希少価値が高いものは美術館で保管されるほどの価値がある。実用性と美観に優れた鉄瓶は、茶道家のみならず骨董品マニアなど幅広い方面から需要があるため、取引件数や鑑定情報も豊富に揃った品物であると言える。
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
東京都品川区にある総合美術買取センターの大元は上場企業のアールビバンであり、ラッセンなどの販売で知られる有名企業だ。総合美術買取センターの買取価格は販売まで一気通貫して自社で行うことで高く設定できるようになっている。まずは値段の高さを見積もりで確かめてみよう。
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