本コラムでは、竹内栖鳳の作品の買取について紹介する。
美術品や骨董品などの買取は非常に難しいもので、まったく知識や情報をリサーチしないままサービスを利用すると損をしてしまうかもしれない。ある程度の知識やポイントを掴んでおいたほうがいいだろう。
美術品や骨董品の買取は悪徳業者も多いだけでなく、その分野の専門がおらず適切な査定を出せないケースも少なくない。その他の分野よりも注意をしなければいけないジャンルだ。
ここでは、竹内栖鳳の基本的な知識や買取でのポイントを紹介していくため、掛け軸、リトグラフなど、竹内栖鳳作品の売却を考えているのであれば、参考にしておくといいだろう。
本記事で紹介する竹内栖鳳に関する情報
- 竹内栖鳳は、近代日本画のパイオニアで、国宝になった作品もある
- 竹内栖鳳にしか描けない作品は高い値段がつきやすい
- 買取価格や実績を提示している買取業者から見る買取額の傾向とは?
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
竹内栖鳳のプロフィール
では、まずこの竹内栖鳳がどのような画家であったのかについて触れていこう。
売却を考えたときは、最初にその売るモノの価値やジャンルの知識を身につけておくことは重要なのである。ここでも最初に竹内栖鳳の基本情報を紹介していこう。
竹内栖鳳は、近代日本画に貢献した有名な画家
竹内栖鳳は、戦前に活躍した近代日本画のパイオニアとして有名な画家であり、水墨画、油絵などを手掛けている。
京都画壇の代表的な人物でもあり、「老匠無比の技巧派」「百世にも稀な名人」「東の大観(横山大観)、西の栖鳳」などと称されるほど、画家のなかでも高い評価を得ている存在である。
その活躍から、第1回文化勲章を受章しており、『絵になる最初』は国宝・重要文化財として登録されている。
また、近代日本画を底上げした画家の一人であり、竹内栖鳳の作品に感銘を受け弟子を志願する者は多かった。
その竹内栖鳳の手法は、現代でも近代日本画の見本として影響を与えることがある。舞妓が舞う瞬間の美が描かれた「アレ夕立に」は、第3回文展出品の後、髙島屋初の展覧会に出品されて、評判になった話もある。
楳嶺四天王の筆頭として活躍した竹内栖鳳の略歴
そんな竹内栖鳳の略歴を説明しよう。
13歳で日本画の世界へ
竹内栖鳳は京都で料理屋を営む家の長男として誕生した。13歳の頃に日本画界の中でも大きな派閥である円山四条派の土田英林に師事し、その後17歳の頃に同じ派閥で教育者としても有名な幸野楳嶺に師事している。
幸野楳嶺の教育下のもと、翌年には竹内栖鳳の才能が開花し、楳嶺から「凄風」という雅号を授かり楳嶺四天王の筆頭として活躍していった。
新進気鋭の若手画家
そして23歳に結婚をし、京都府画学校(現・京都市立芸術大学)を修了すると、京都府画学校に勤めながら絵師として活動。京都の新進気鋭の若手画家としてその名を広めていくようになる。
京都画壇の筆頭として地位を確立した竹内栖鳳
その後は日本画の筆線は活かしつつ、西洋的様式を取り入れ独自のリアリズムを確立。京都市立絵画専門学校が設立されると、教授として後進の指導にあたった。
また、画塾「竹杖会」を主宰して上村松園、土田麦僊、西山翠嶂をはじめ多くの優秀な門下を輩出した。宮内省による帝室技芸員に推薦されるなど、京都画壇の筆頭として地位を確立した竹内栖鳳。
フランス、ドイツ、ハンガリーでも受賞を重ねていき、竹内栖鳳の絵は世界的にも有名になり、国内はもちろん海外でも評価の高い画家として有名になる。
竹内栖鳳の市場価値
上記では、竹内栖鳳の基本情報を紹介してきた。竹内栖鳳は近代日本画に大きく貢献した画家であることは理解できただろう。
次は、その竹内栖鳳作品の市場価値について紹介していく。
竹内栖鳳の特徴から見る市場価値
竹内栖鳳の絵は骨董的な価値、芸術的な価値からみても、非常に高い金額で売買されている。大きな特徴として、動物の躍動感が挙げられる。
竹内栖鳳の代表作品で有名な「大獅子図」はなかでも目元の表現が特徴的で、筆のタッチを抑えながら、重厚感を感じることができるその描写は、まさに油彩画のようである。西洋の絵画に感化され、表現を意識したと言われている。
その他にも、動物では犬や馬、牛、うさぎ、雀、鳥、狐、熊、ねずみ、ライオンなど、魚類では鯉や鯛などを作品にしている。
竹内栖鳳にしか描けないものが多く高価買取となる
栖鳳の風景画といえば「羅馬之図」や「河口」「ベニスの月」のような幅広い縦長形式のものが多く見られ、評価が高い。それらは地平線が意識され、目の前に景色が広がるような構図が特徴的だ。
一方で、栖鳳は明治期の一部の作品を除くと「街道午蔭」のように地平線の位置を明確に画面の低い位置で描写し、今までの構成の概念に捉われない作品も描いている。
買取市場での価値も上記の特徴から竹内栖鳳にしか描けないものが多く、高価買取となる傾向だ。
下記で竹内栖鳳の代表作を紹介しておくので、確認しておくといいだろう。代表作品は間違いなく高価買取対象となるだろう。
竹内栖鳳の代表作品
- 『大獅子図』
- 『虎・獅子図』
- 『羅馬之図』
- 『雨霽』
- 『アレ夕立に』
- 『絵になる最初』
- 『群鵜』
- 『班猫(まだらねこ)』
- 『平家驚禽声逃亡』
- 『秋興』
- 『薫風稚雀・寒汀白鷺』
- 『松魚』
- 『梅花小禽』
- 『鶏』
- 『秋霽』
- 『国瑞』
- 『絵になる最初』
- 『鯖』
- 『海幸』
- 『喜雀』
- 『朝顔』
- 『潮来風光』
- 『観花』
- 『芙蓉』
竹内栖鳳の買取相場
基本的には、日本画や絵画などの芸術作品の買取金額は売却を考えている現物を査定してみないとわからないしたがって、まずは一社に絞らず、複数の買取業者で買取査定をしてもらうほうがいいだろう。
といっても、買取金額が全く開示・提示されていないわけではない。いくつかを参考にすることで、ある程度の所感を掴むことができるだろう。公表されている情報をまとめてみた。
買取実績・買取価格提示例
- 『獼猴面』・・・80万円(八光堂)
- 『竹雀』・・・65万円(八光堂)
- 『秋霽』・・・60万円(八光堂)
- 『水郷』・・・55万円(八光堂)
- 『柿秋雨凌』・・・40万円(八光堂)
店舗販売価格提示例
- 『二雀』・・・95万円(松本松栄堂)
- 『村居』・・・75万円(松本松栄堂)
- 『あきはれ』・・・60万円(松本松栄堂)
- 『ニ龍争珠』・・・28万円(東京書芸間)
- 『金魚』・・・20万円(松本松栄堂)
- 『はまぐり』・・・7万5000円(長谷川画廊) ※台紙に折れあり
贋作に注意
竹内栖鳳の作品の買取金額は、上記から数万〜数十万程度になることが多いと予想される。しかし、絶大な評価を得ている作品は、もっと高額になることも考えられる。
有名画家の作品は、模倣品や贋作品が多い。また複製画も原画からの複製ではないことがある。贋作は買いとってもらえないことが多いが、複製画の場合に原画と比べると安価な買取金額になるだろう。
また、ヤフオクなどのオークションを利用した場合、真贋などでトラブルに発展しかねない。専門の買取業者やオークションを利用することをおすすめする。
無料査定をスタートしよう
作品の価値をまずは知るために無料で査定できるところを探してみよう。まずは電話やメールで無料査定が出来る総合美術買取センターなどで問い合わせてみてはいかがだろうか。
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買取価格
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ウイルス
対策
LINE査定に対応している買取業者
電話やメールで査定を依頼するのに抵抗がある場合に、LINE査定を活用することもできる。業者の一部を紹介しよう。
おいだ美術
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ウイルス
対策
おいだ美術は銀座に店をかまえている買取業者だ。日本画、洋画から現代アートまで多様に扱っており、販売ルートを多く押さえている。無料LINE査定も行なっているため、気軽に実績の多いおいだ美術に査定を頼めるだろう。
公式サイトでは、売約済みの「兎」「春鶯」のほか、「朱雀」が買取実績として紹介されている。竹内栖鳳の作品の買取実績があり肉筆作品から版画作品まで幅広く買取を行っているようだ。
アート買取協会
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対策
LINE査定に対応しているアート買取協会では、「現在は竹内栖鳳の「長春」がお手元にございましたら、アート買取専門店のアート買取協会へ、ぜひご相談ください」とピンポイントに作品を探している。
出張買取に対応している買取業者
また、美術品の場合に、持ち運びの最中に傷ついてしまうことも少なくない。出張買取を利用する機会が増えるかもしれない。対応エリアなどをよく確認した上で、自分に合う買取業者を探してみよう。
加島美術
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対策
加島美術は、「美術品の査定、買取、修復など、美術品に関するお悩みは何でもお任せください」というスタンスの運営をしている。通常の買取だけでなくオークション形式で、より高い値段で落札される可能性のあるオークションも対応しており、加島美術とBSフジで開催しているオークション美術品入札会「廻-MEGURU-」への出品も可能とのこと。
無料査定、現金買取、出張査定対応を行っており、ホームページ内では竹内栖鳳の詳細が記述されていることから、買取も積極的に行っていると判断できる。
八光堂
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対策
創業40年の八光堂は、骨董品、美術品の買取を行っている東証マザーズ上場の全国規模の会社。ホームページによると、近代日本美術に大きな足跡を残した竹内栖鳳の掛軸を高価買取するとのこと。出張買取は、仙台、大丸梅田、銀座、大阪、横浜、富山、名古屋、京都、広島、博多と店舗が拡大しているだけあって、全国的におこなっている。
中でも、「富嶽」「臨済」「水墨山水」などの作品を持っていて売却を検討している人に向けて、積極的に呼びかけているようだ。「竹雀」共箱自題 二重箱65万円、「水郷」二重箱 軸先象牙55万円など買取相場が多く明記されているため、参考にしやすい。
高額鑑定が期待できる
ここまで、竹内栖鳳の市場価値や知っておきたいポイントなどを紹介した。国内だけでなく、世界的にも人気の作家であるため、竹内栖鳳の作品が肉筆のものであれば、骨董的な価値は非常に高い。
現在作品を持っているのであれば、日頃の保管状態には最善の注意を払っておくべきだ。