日本刀などの刀剣を買取ににだす際には、登録証を添付するのがルールになっている。ただ、古い刀剣の場合は、持ち主が登録証を紛失してしまっていることも多く、もう一度発行をしてもらわなければならないケースもある。
ここでは、日本刀の登録証を再発行、再交付してもらう際の手続きの方法についてご紹介していく。どのような方法で登録証を手に入れられるかがわかっていれば、未登録の日本刀などをたまたま見つけた場合にも安心だ。
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教育委員会が発行
刀剣の売買の際に必要になる登録証は、都道府県の教育委員会が発行する書類だ。登録証はA7サイズやB7サイズの小さな紙片で、次のような内容が記載されている。
- ・登録番号
- ・種別
- ・長さ
- ・反り
- ・銘
昭和50年代の後半から発行された登録書には表面にラミネート加工が施されていることから、紛失するリスクも比較的少ないと言える。ただ、古い登録書の場合は1枚の薄い紙であるため、保管中に失くしたり破損したりといったケースも少なくない。
日本刀などの刀剣は、日本では古くから美術品としてその価値が評価されてきた。こういった品を安心して保管できるようにするのが、登録制度の1つの目的でもある。買取店で刀剣を査定してもらうときにも、登録証の有無は必ずと言ってよいほどチェックされるので、所在や記載されている内容が品物と合っているかどうかを確かめておこう。
登録証が最初からないケース
遺品整理の際にたまたま見つけた刀剣などは、登録証がついていない場合も多々ある。登録証は、刀の鞘の部分に巻き付けられていたり、付属の袋の中などに入っていたりすることが多いが、古いものだと刀の近くにそれらしきものが見当たらない場合もあるだろう。
刀剣が入っていた長持の中などを探しても見つからないときには、再発行という方法でもう一度登録証を交付してもらうことが必要だ。ちなみに、このようなケースの場合、いくつかのステップを踏んで再発行の手続きを行うことになる。
1.警察署に発見届を出す
登録証がついていない刀や脇差、槍などを発見したら、警察署に発見届を出す必要がある。刃渡りが15センチを超える刀剣は、未登録のまま所持していると処罰の対象になるため、速やかに最寄りの警察署に相談をしよう。警察署で手続きをすると、書類が交付される。この書類は、都道府県の教育委員会で手続きをするときに必要になるので大切に保管しておこう。
2.「登録審査会のお知らせ」が届くのを待つ
警察署では、発見届があったことを都道府県の教育委員会に通知してくれるため、発見者からあらためて連絡をする必要はない。警察からの通知を受けた教育委員会では、発見者に「登録審査会のお知らせ」を送付している。お知らせに記載されている日時に、発見した刀剣と警察から交付された書類を持って会場に出向くのが次のステップだ。
3.登録審査会で刀剣の審査を受ける
登録審査会では、美術品としての価値があるか、といった点にポイントを置いて刀剣の審査を行う。この審査を受ける際には、6,000円前後の審査料が必要だ。一般的な刀剣であればほとんどが審査に通過するが、状態によっては不通過になる場合もある。
例えば、刃の部分がなくなっていたり、焼けや錆などが著しく目立ったりすると、日本製の刀剣でも審査に落ちることがあるため注意をしよう。登録審査会の審査では、基本的に日本で制作された刀が対象になるため、外国製の刀剣については登録証を発行してもらうことはできない。
4.登録証を受け取る
とくに問題がなければ、審査会の当日に登録証が発行される。登録証があればいつでも好きなときに刀剣が売れるので、売り時を逃したくない人にとっても手続きを済ませておくことはメリットがある。
日本刀の買取店では、時期的に特定の刀工や流派の作品を強化買取していることがあるため、登録証があったほうが売り時のタイミングを逃しにくい。ちなみに、登録審査会で万が一不通過になったときには、警察署で刀剣を処分してもらう必要がある。
発行済みの登録証を紛失したケース
以前に発行してもらった登録証を保管中になくしてしまったときには、新規で登録する場合とは少し違った方法で手続きをする必要がでてくる。このような場合は、都道府県の教育委員会に直接連絡をして、詳しい手続きのやり方を教えてもらうのがベストだ。保管中に引っ越しをしているときには、最初に問い合わせる教育委員会が前回と変わるため少し注意をしよう。
管轄の教育委員会が前回と同じケースの手続き
前回と同じ教育委員会で再発行の手続きを行うときには、教育委員会に連絡をして指示を仰ごう。一般的には、登録審査会に再度出向いて登録証を再発行してもらう流れになる。登録を受けたい刀剣や教育委員会から発行された書類を持参して、登録済みの品と相違がないかどうかを確認してもらうのが、このようなケースの手続きだ。ちなみに、過去に発行された登録証を再交付してもらう際には、3,500円前後の料金がかかる。
住所を変更した場合の手続き
住所が変わり、前回と異なる教育委員会で再発行の手続きを行う場合でも、以前に手続きをした教育委員会に最初に連絡をするのが一般的な流れだ。登録証をなくしてしまったことを伝えて、詳しい手続きの流れを確認しておこう。
多くの場合、教育委員会の間で連絡を取り合い、現住所がある都道府県で刀剣の審査ができるようにはからってくれるため、刀剣の持ち主が改めて手を煩わす必要はない。日時が指定されたら、現住所がある都道府県の教育委員会で審査を受けよう。
ちなみに、審査の結果は前回登録証を発行した都道府県の教育委員会に通知される。内容に相違がなければ、新しい登録証が前回と同じ教育委員会から発行される仕組みだ。
発行元の教育委員会がわからない場合の手続き
登録の手続きをした教育委員会がどこかわからなくなったしまった場合は、現住所がある都道府県の教育委員会に問い合わせをしよう。話を聞いた教育委員会では、各地の教育委員会に照会をして発行元を探してくれる。発行元である教育委員会がわかれば、住所が変わったときと同じような方法で再発行の手続きが行える。
万が一、発行元の教育委員会が特定できないときには、新たに登録をする形になるので、審査も一から行う必要があるだろう。
刀剣と登録証が一致していないケース
登録証に記載されている内容と現物の刀剣の特徴が一致しないときには、教育委員会に連絡をして前回の登録内容を確認してもらったほうが安心と言える。古い登録証などは、水濡れで文字がにじんでしまい判読しにくい場合もある。
後から訂正した部分があるなど、内容に不審な点があるときも、一度確認をしておいたほうがいいだろう。品物が登録証の内容と一致していないと、買取店で対応してもらえない可能性もでてくる。多少手間がかっても、都道府県の教育委員会に相談をするのが確実な方法だ。
一部の相違なら訂正が可能
登録する際に間違って記載した、といった不注意による内容の食い違いについては、訂正という手続きができる。例えば、再度審査を受けて、単純な書き間違いであることが判明したときには、無料で登録証の訂正をしてもらえる。じつのところ、長さや反りなどの一部分に相違がある場合は、この手の単純な間違いであるケースが多い。心配なときには、早めに教育委員会に相談をして訂正をしておこう。
判断が難しいときには再交付してもらうのも1つの方法
相違点が多く、判断に迷うようなときには、あらためて審査を受けて登録証を再交付をしてもらうという方法もある。再交付の場合は3,500円前後で手続きができるため、経済的な負担も少ない。漠然とした不安を抱きながら取引を進めるよりは、登録証を再交付してもらったほうが安心して査定を受けられるだろう。
刀剣は、いくつかのお店で査定を受けておくのが高価買取してもらうための秘訣になるので、登録証の準備もしっかりと済ませておきたい。
記録がないときには新規登録という方法もあり
教育委員会に問い合わせた結果、該当するような登録の記録がなかったということもあり得る。このような場合は、新規登録をしてしまうのがスムーズに査定を受けるための方法だ。新規登録をする場合は6,000円前後の料金がかかるが、最新の記録が登録されるため、内容に関する不安はなくなる。
届出が済んでいれば買取店に代行を依頼できることも
刀剣の登録手続きは、買取店でも代行をしている場合がある。どのプロセスから代行してもらえるかは、お店によって千差万別と言えるだろう。ただ、いずれのお店でも発見届がだされていない刀剣については手続きの代行をしていない。刀剣の発見届は本人や家族が行うのがルールになっているため、買取店では代行を避けるのが一般的だ。ちなみに、お店に代行を依頼できるのは例えば以下のような手続きだ。
- ・新規登録の手続き
- ・再交付の手続き
- ・内容の訂正手続き
- ・名義変更の手続き
まずは発見届の手続きを自身で済ませよう
発見届の手続きが済めば、第3者である買取店でも代行を行うことができる。新規登録の手続きや再交付の手続きなどは、引き受けてくれるお店も多いので、自分で行うのが難しいときには相談してみよう。内容の訂正手続きなどを依頼できるケースも多く、柔軟に対応してくれる買取店が増えている。
代行を頼めば自分で登録審査会に出向く必要がなくなるので、登録証をスムーズに手にできるようになるだろう。実際、条件を満たしていれば刀剣の登録証を発行してもらうことはさほど難しくはない。登録証がないと売れないのでは、と不安に感じている人は、発見届の手続きをまず済ませておこう。
場合によっては自身で手続きを行わなければならないケースも
登録されている刀剣を売るときには、名義変更の手続きも必要だ。こういった手続きを行う場合も、都道府県の教育委員会が窓口になる。刀剣を知人から譲り受けた場合や相続した場合などは、自分で手続きを行うケースもあるかもしれない。
ただ、買い取りをしてもらう場合はお店側が手続きを代行することが多い。売主が手を煩わさなければならないケースは少ないので、安心して取引に臨もう。
まとめ
日本刀の登録証を再発行する方法をまとめた。登録証が手もとにない理由は様々あるだろうが、ほとんどの場合、警察署や各地域の教育委員会同士が連携をとり、スムーズに手続きができるように動いてくれる。
日本刀の登録証がないまま放置しておくと、いざ買取やオークションに出そうという時に時間がかかってしまうことがあるので、日本刀を発見し次第対応するように心がけよう。
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