伝統的な照明器具の一つに、灯篭がある。灯篭は、寺院や神社、日本庭園などを照らす明かりとして、古くから日本で伝統的に使用されている。金属でできている灯篭や石でできている灯篭などさまざまな種類がある。
長年照明として、屋外に置いていたり、屋内で吊り下げていたりすると、灯篭は劣化してしまう。灯篭を処分する場合には、解体や撤去など費用がかかるのも悩みの一つである。
そこで今回解説していくのは、灯篭の買取である。古びた灯篭の処分や庭の工事などにともなって、買取を利用することをおすすめしたい。灯篭の中でも、石灯篭、吊灯篭について、買取相場、おすすめ買取店などを解説していく。
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
石灯篭(いしどうろう)とは
石灯篭は、石でできた灯篭で、日本庭園や寺院で見ることができる比較的なじみのある灯篭である。古くからある家であれば、玄関先に置いている場合もあるだろう。石灯篭には、形の異なるいくつかの種類がある。石灯篭とは何かをまず明らかにしていこう。
日本伝統照明の一つ
石灯篭は、日本の伝統的な照明の一つで、古代から親しまれていた。石灯篭の始まりは、奈良時代と言われ、邪気を払うために、仏像を明かりで照らす用途で使われたそうである。祭事の際の明かりとしても利用されていた。
時代が進むと、日本庭園の鑑賞のために、石灯篭が設置されるようになり、街道の明かりや庭、玄関先などの照明にも使われるようになっていった。日本の伝統文化や宗教、生活のかたわらに欠かせない存在として、さまざまな用途で使用されていた照明器具である。
石灯篭の種類
石灯籠は、形や高さによって種類が異なり、それぞれに名称がついている。主な石灯篭は、春日灯篭、雪見灯篭、岬灯篭、織部灯篭の4種類である。それぞれ特徴があるため、売却を考えている灯篭の形と照らし合わせながら見ていこう。
春日灯篭
奈良にある世界遺産・春日大社にあった灯篭がベースになった石灯篭の種類である。石灯篭の中でも、なじみのある型であり、一度は見たことがあるかもしれない。春日灯篭は、柱部分が長く、火を灯す部分である火袋の位置が高くなっている。
火袋は、六角柱で、雌雄の鹿が描かれた2面、雲と月が描かれた2面、彫り抜かれた2面で構成されている。火袋の高さや鹿などが描かれた火袋と合わせて、サイズも大きいため、存在感のある石灯篭として知られている。
雪見灯篭
雪見灯篭は、水際に置かれることの多い石灯篭である。火袋の上には大きな笠のような屋根が付いており、火袋の明かりを広く伝え、水面を効果的に照らすことができる。笠の上に雪が積もる風景から雪見灯篭という名前がついたとも言われ、日本庭園や池の一部として親しまれている。
雪見灯篭は、足が3つであることも特徴である。1本の柱の上に火袋がある石灯篭がほとんどであるため、独特な形も注目すべき点の一つと言える。
織部灯篭
織部灯篭は、茶人・古田織部が考案した灯篭と言われている。日本庭園などの照明としての役割だけでなく、夜の茶会を照らす明かりとしても使用されたようだ。織部灯篭の形は、春日灯篭と同様に、柱の上に火袋がある構造になっている。
ただ織部灯篭は、地面に埋めて設置することや柱上部が膨らんでいるなどの特徴がある。十字架のように見える柱の形や柱に彫られたキリストに見える像といった特徴から、キリシタン灯篭という名称でも呼ばれている。
岬型灯篭
岬を照らす灯台のように、水面や水辺に設置したことから、岬型灯篭と呼ばれている。柱部分がなく、小さなサイズの岬型灯篭が多く、庭や池などに置きやすい灯篭とも言うことができるだろう。
吊灯篭(つりどうろう)とは
奈良時代に初めて使用されたと言われている灯篭は、照明器具として、さまざまな用途で使われるようになっていた。石灯篭は屋外で庭や池を照らす明かりとして親しまれた。歴史の中で、灯篭の種類の一つとして、吊るして使用する吊灯篭も登場した。吊灯篭が使われる場所やどのような吊灯篭があるかを見ていこう。
仏具として使用されることが多い
吊灯篭は、主に仏具として使用されている。仏壇の天井部分に取り付け、仏壇の中を照らす役割を担っている。宗派ごとに使用する灯篭が異なり、吊灯篭だけでなく、置き灯篭で仏壇を照らす場合もある。
石灯篭に種類があったように、吊灯篭にも種類が分かれている。真宗で使用される六角柱の形をした六角型灯篭、真宗以外で使用される装飾が施された隠元灯篭、金属で作られた金灯篭がある。
LED・コード式の吊灯篭もある
仏壇や仏具も時代に合わせて、進化をしている。吊灯篭の中には、コード式の吊灯篭もある。LEDライトを使用している吊灯篭が登場するなど、照明の発達が吊灯篭の変化にも影響を与えている。
伝統的な吊灯篭に比べて、安価なことや点灯が簡単なこともあり、今後さらに増えていくことが予想される。
石灯篭・吊灯篭の買取相場
石灯篭・吊灯篭の買取は、買取店の買取実績にはほとんど見つけることができない。処分や解体が主流であることや劣化がひどく値がつかないことなどが理由として挙げられる。 数少ない買取実績には、吊灯篭7,000円という買取があった。(2019/05/21現在)
石灯篭は石の質、吊灯篭は装飾などによって、買取価格が変わってくるため、買取店の情報だけでは買取相場は予想しにくい。メルカリやヤフオクでは、多くの買取がおこなわれているため、それぞれの買取実績から、買取相場を把握していこう。
メルカリにおける石灯篭・吊灯篭の買取相場
メルカリには、約150件もの灯篭の買取がおこなわれている。石灯籠や吊灯篭以外の灯篭も買取されているが、件数が多く、灯篭の買取におすすめである。石灯籠・吊灯篭の買取実績は、
- ・石灯篭:9,800円(2019/05/21現在)
- ・小屋棒型 道しるべ石灯篭:9,000円(2019/05/21現在)
- ・石灯篭 欠けあり:500円(2019/05/21現在)
- ・吊灯篭:8,000円(2019/05/21現在)
- ・吊灯篭 コード式:5,800円(2019/05/21現在)
- ・吊灯篭 南部鉄:1,450円(2019/05/21現在)
以上のようになっている。買取価格は、状態によっては数百円のこともあるが、状態が良い石灯篭であれば、買取相場は数千円から10,000円と言えるだろう。
吊灯籠については、金属でできた金灯篭には、買取価格が10,000円近い買取もおこなわれている。吊灯篭とコードのセット、複数の吊灯篭のセットなども5,000円前後で買取が期待できる。
ヤフオクにおける石灯籠・吊灯篭の買取相場
ヤフオクにおける買取は、石灯篭1円から最高130,000円、吊灯篭500円から最高63,200円と、それぞれ買取価格に大きな差がある。(2019/5/21現在)
御影石などの貴重な石材が使用されていたり、特徴的な装飾が施されていたりすると、高値がつく傾向がある。ヤフオクにおける主な買取は、
- ・石灯篭 露地型 御影石:130,000円(2019/05/21現在)
- ・石灯篭 春日石:69,800円(2019/05/21現在)
- ・石灯篭 高さ50cm:1,000円(2019/05/21現在)
- ・吊灯篭 古鉄草花梟蝙蝠透文四方:63,200円(2019/05/21現在)
- ・吊灯篭 古鉄桐裏底菊透文:47,500円(2019/05/21現在)
- ・吊灯篭 古鉄松竹梅透:1,100円(2019/05/21現在)
以上のようになっており、買取価格に開きがあることが分かる。灯篭の種類や質によって、買取価格が変わってくることから、買取店やメルカリよりも買取価格が高くなることも考えられる。
査定したいおすすめ買取業者3店
石灯篭・吊灯篭の買取において、買取店を利用する場合は、専門性の高い買取店を選ぶことが重要である。灯篭に関わる査定力がなければ、買取不可となる可能性もある。
また石灯篭や金属製の吊灯篭は、サイズや重量があるため、宅配買取や出張買取を利用できるかも要チェックだ。石灯篭・吊灯篭の査定を依頼したりおすすめ買取業者3店を見ていこう。
古美術ますけん
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古美術ますけんは、古美術や骨董品などを対象に買取を行っている買取店である。灯篭も買取対象であり、灯篭に施される装飾に関わりのある中国美術にも強く、確かな査定力を持っている。
古美術・骨董品買取店として、多くの実績を持ち、新規の利用者、リピーターなどがおり、灯篭を売却する買取店としても信頼できる。買取方法は、店頭買取・宅配買取・出張買取から選ぶことができ、サイズの大きい石灯籠や吊灯籠の買取にも最適である。
最短即日の買取・現金取引も魅力の一つだ。神社や寺院、家の改築に伴う処分など、すばやく灯篭を売りたい場合にも、ぜひ利用したい買取店と言うことができる。
古美術八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
TV出演実績も多い古美術八光堂では、骨董品・美術品を専門に買取をおこなっている。40年以上の歴史のある買取店で、鑑定スキルや販路の確保、管理費の削減などを長年の実績から徹底的におこない、高価買取を実現している。
ヤフオクの買取相場を見た時に、買取価格に差があったことからも分かるように、灯篭など美術品は、欲しい人がいるほど価格が上がっていく。八光堂は、オークションを主催しているため、他社よりも高値での買取が可能になるのである。
査定料無料や丁寧な接客、状態の悪い品物でも買取の可能性があることなど多くの魅力を持っている。出張買取と店頭買取を選択できるため、石灯籠・吊灯篭の売却には、出張買取を利用してみよう。
浪漫ドロップ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
浪漫ドロップは、骨董品・美術品を中心に買取をおこなう買取店である。仏像や中国美術なども買取商品であるため、吊灯篭と合わせて売却することもできる。他社よりも高い買取価格、状態の悪い品物の買取を強みとしており、買取価格の比較をした上で利用したい買取店である。
浪漫ドロップの特徴の一つには、最短5分の見積もりがある。すぐに結果を知ることができ、すばやい石灯篭・吊灯篭の整理にも便利だ。
全国対応の無料出張買取・宅配買取を利用することで、浪漫ドロップのある茨城県から遠くても、買取を依頼することができる。すばやい査定や高値買取を生かして、複数査定にぜひ浪漫ドロップを利用してみよう。
石灯篭・吊灯篭の高額買取を実現するコツ
石灯篭・吊灯篭をより高値で売却するためには、状態はもちろん、買取店選びや複数買取店での査定比較が重要になる。買取実績が多くないため、買取価格をしっかり見極めることが求められる。買取店で納得できなければ、メルカリやヤフオクなども選択肢に入れると、高額買取を実現しやすくなるだろう。
きれいな状態で売却する
石灯篭・吊灯篭を売る場合は、できるだけきれいな状態にしておこう。石灯篭であれば、屋外にあるため、泥など汚れがついているかもしれない。欠けやヒビなどの対処は難しいが最低限見た目を良くしたい。
吊灯篭は、仏壇で使用することが多く、ほこりがたまりやすい。ほこりを払い、きれいに拭いておくのがおすすめである。
フリマアプリやネットオークションを利用する
石灯篭や吊灯篭は、買取店での買取情報は少ないが、メルカリやヤフオクなどフリマアプリ、ネットオークションでは買取が多くおこなわれている。
石灯篭や吊灯篭をチェックしている方がいることも考えられ、買取店よりも高い買取価格を期待することができる。ただメルカリやヤフオクなどのフリマアプリやネットオークションは、価格設定や梱包、発送を自分でおこなうことには注意が必要である
古美術・骨董品買取店に買取依頼をする
灯篭は、買取実績の少ない品物であり、需要も限られている。古美術や骨董品に対する査定力がない買取店であれば、値がつかないこともあるだろう。販売をおこなっている買取店やリサイクルショップでは、灯篭を売ることが難しく、断られる可能性もある。
石灯篭・吊灯篭を売却する際には、古美術や骨董品に特化した買取店を選ぼう。確かな査定力だけでなく、販路があるため、値がつくことを期待できる。灯篭の買取実績のある買取店であれば、より高値買取の可能性が高まる。
複数の買取店で査定・比較する
石灯篭・吊灯篭の買取においては、1店舗のみの買取依頼では不安がある。買取相場の把握が難しいため、損をしてしまう可能性もある。
今回おすすめした買取店などを複数リストアップし、見積もりをとろう。出揃った査定結果から高値の買取を選び、納得した上で売却することをおすすめする。
まとめ
石灯篭・吊灯篭は、日本伝統の照明器具であり、日本庭園や神社、寺院などで使用されている。古くなった石灯篭・吊灯篭は、費用のかかる処分・解体ではなく、買取をおすすめしたい。
買取店の実績は少ないが、メルカリやヤフオクでの売却も可能であり、買取相場は約10,000円と予想され、価値のあるものであれば、数十万円の買取も期待できる。専門性のある買取店選びや査定比較を欠かさずおこない、石灯篭・吊灯篭の高価買取を実現しよう。