最新のWindows機からMac、かつて見かけたX68000といった名機など、ヤフオクでのパソコン売買はさかんで人気のカテゴリだ。しかしそれだけにトラブル例も多く、価格の安さだけに釣られてよく調べずに入札すると、思わぬ失敗に繋がる可能性もある。
一方で、上手にヤフオクを活用すれば思わぬお買い得なパソコンや、他の市場では手に入らない機種を入手することも可能だ。ヤフオクで中古パソコンを購入するにあたっての注意したい点と、失敗を避けるためのチェックポイントを見ていこう。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
本体の状態は念入りにチェック
パソコンを落札する際は必ず本体の状態をチェックすることが重要である。どのような箇所をチェックすればいいのか紹介しよう。
問題が起きやすい電源やHDD
精密機器であるパソコンは取り扱い方が悪いと不具合が出やすい。特に可動部品がある電源ユニットやHDDは不具合や経年劣化が現れやすい箇所だ。
これらのパーツはメーカーや型番などの情報も大事だが、それ以上に実際の使用年数が重要になる。出品者が明記するのがベストだが、そうでないことも多い。その場合は出品者に質問して聞いておいた方がよい。
HDDや導入が増えているSSDについては、S.M.A.R.T.を参考にすることで稼働時間や電源投入回数も分かる。気になる場合はCrystalDiskInfoなどのS.M.A.R.T.情報が分かるツールの画面を出品者にアップロードしてもらうのもよいだろう。
光学ドライブのタイプ
光学ドライブとは、CDやDVDなどの光学メディアの再生や記録を行うパーツのことだ。パソコンの中には最初から搭載されていないものもあるが、基本的には最低でも1つは搭載されている。
光学ドライブはいろいろなタイプがあり、CDやDVDのみに対応しているものから、Blu-ray Discの読み書きにも対応しているものなどがある。また読み書きにはそれぞれ速度があり、最新の光学ドライブほど速度が優れている。購入にあたっては光学ドライブのタイプや性能も調べておき、後から買い換える手間が生じないようにしておこう。
モニター付きは電源が入った状態の写真が必要
モニター付き、あるいは一体型のパソコンはモニターの状態も重要だ。映らないのは論外として、バックライトの劣化によって映りが暗かったり、コンデンサの寿命で電源の入りが遅かったりといったトラブルケースも少なくない。
モニター付きのものを希望するなら、電源が入っており、映り具合がしっかりと確認できる写真があるかチェックしておこう。
OS無しは上級者向け
よくヤフオクに出品されているものとして、OS無しのパソコンがある。比較的価格が安いことも多いため魅力的に見えるが、OS無しのパソコンは知識のある上級者向けなので注意したい。落札購入後は、自分でOSを購入して別途インストールする必要があるためだ。
付属品の欠けはないか
メーカー製、自作を問わずにパソコンには多数の付属品がある。ドライバやソフトウェアの入ったディスクや、ケーブル類などだ。
これらが欠けているとパソコン本体の動作に支障がなくても、ドライバを自分でネットから探したり、ケーブルを後から購入したりと余計な手間と出費が掛かるケースが多い。付属品の充足状況は出品者が記載していない場合は必ず聞いておこう。
メーカー製のパソコンの場合は、保証や修理を受ける場合に備えて説明書や保証書の有無も重要だ。また後々自分が不要となって業者に買取依頼をするときの査定価格にも影響するので、説明書や保証書に加えて外箱も備わっているのが理想だ。
目的に合った物を選ぼう
目的によってパソコンを選ぶ際の基準が変わってくる。どのようなものであれば、目的のことができるのか確認してからパソコンを落札しよう。
そのパソコンは必要な性能が足りているか
人によってパソコンの使用目的は様々だ。そのため何をやりたいかによって必要な性能のパソコンは変わってくる。例えばゲームや3DCGをやりたいならば、グラフィックボードと呼ばれる映像の出力を行うパーツが搭載されているものが望ましい。
ほぼすべてのパソコンにはオンボードグラフィックが搭載されているのでこのパーツがなくても画面は映るが、前述の目的ならば必要性能を満たすためにもグラフィックボードの搭載がほぼ必須と思ってよいだろう。
また動画のエンコードを目的にしているならば、CPUの性能が重要だ。CPUが優れているほどエンコード速度は早くなるためだ。ベンチマークでのCPU性能についても把握しておきたい。
このようにパソコンは目的ごとに特定の性能が求められるため、出品ページで必ずそのパソコンを構成しているパーツと型番についてチェックをしておき、改めてメーカーのサイトなどで性能を確認しよう。
不要な機能や付属品はマイナス要素
自分にとって不要な機能や、使わない付属品はヤフオクに入札する上でのマイナス要素だ。これらも当然価格に転嫁されている訳であり、余計な出費を強いられる原因となってしまう。
メーカー製のパソコンだと、オフィスソフトといったバンドル製品はもちろん、プリンターといった周辺機器までセットにして出品する人もいたりと、余計なものが付いているケースが多い。状況によってはお買い得となるケースもあるが、基本的には不要なものは少ないほうが、購入価格が安くなりがちだ。
自作パソコンは判断が難しい
自作パソコンとは、メーカーの既製品やBTOと違って、個人が各パーツを購入して組み立てたものだ。そのためあらゆるスペックのものが存在すると言ってよい。それだけに自分にとってそのパソコンが最適な性能と価値を持つかの判断は、上級者であっても難しい。
判断にあたっては使われている各パーツの型番や構成を参考にするのだが、過剰なオーバークロックや冷却不足などによってパーツの劣化が激しかったりと購入のリスクも高い。よほど特段の事情がない限り、中古の自作パソコンの購入は優先順位を低くした方がよいだろう。
購入後はどれくらい使う予定か
一時的にパソコンが必要なので急場しのぎでヤフオクで買いたいといった場合はともかく、この先何年も使用する予定ならば、購入後の使用期間も考えておきたい。
パーツが壊れた場合は代わりとなるものが購入できるのか、交換を想定した場合のコストパフォーマンスはいくらかなども考慮しておくと、良い買い物ができるだろう。
適正な価格かどうか
落札したいパソコンが適正な価格かどうかを調べるためには、どのような点に注意すればいいのか紹介しよう。
類似の出品物はないか
気に入ったパソコンを見つけても、すぐに入札するのは避けたい。その前に類似の出品はないか確認をしておこう。特に人気機種は同時期に複数の出品が行われることも多い。
あまり人気が無い機種の場合は、出品者間で値下げ競争が起こってさらに価格が下がるケースもある。一番安い出品に入札するのが必ずしも正解とは限らないが、わざわざ他より高い出品に入札する必要もない。
中古ショップの相場も注目したい
出品されているパソコンが本当に相場に見合った適正なものかは判断するのは難しい。そこで上手に活用したいのが中古ショップの販売価格だ。
ユーザー間でよく価格比較に利用されているショップとしては、じゃんぱらが有名だ。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ここはパソコン本体だけでなく、パーツ単位でも買取をしているため、よほどマイナーなものでない限りたいていのパソコン関連製品の相場が分かる。
じゃんぱらは検索条件もメーカーや型番指定は当然のこと、CPUで特定したりといったことも可能なので、ほしい性能のパソコンの相場を調べる上でも便利だ。ヤフオクの出品価格とじゃんぱらの買取価格を比較検討することで、落札するだけの価値がある価格なのか判断材料になってくれるはずだ。
送料は意外と掛かるので注意
ヤフオクの出品物の配送方法や送料は出品者が決定できる。送料は実費以外は請求を禁止されているので、金額自体は出品者間で差異は生じにくい。
しかしパソコンの場合はサイズが大きいため、ほとんどのケースでは1,200円から2,000円程度の送料負担が必要になると考えていた方がよい。宅配便各社のサイズで120から160あたりのサイズだ。トラブル回避のためにも出品価格だけでなく、必ず送料も見ておこう。
出品者に問題はないか
どれほどいいパソコンでも出品者が悪質なこともある。どのような出品者から落札すればよいのか紹介していこう。
パソコンは煙草に弱い
出品者がヘビースモーカーだと、ヤニで色あせたパソコンが届く可能性もある。パソコンは精密機器のため、煙草の煙は天敵と言ってよい。退色だけでなく、ヤニが付着してファンなどの機能が低下することも多いため故障の原因にもなりやすい。
そのため写真での確認はもちろんのこと、出品者が煙草を吸うかどうかも知っておきたい。ヤフオクのローカルマナーとしてこの点をしっかりと記載している人も多いので、そういう出品者から購入することを勧めたい。
出品者は個人か業者か
ヤフオクのパソコンカテゴリは業者の出品も非常に多いのが特徴だ。業者が出品している場合は出品者名の横にショップのアイコンが出ているのですぐに分かる。
そこで購入する際にはその出品が個人か業者かも見ておきたい。どちらから買うのが良いといったものはないが、傾向としては業者の出品はビジネスライクな取引が多くて保証も比較的しっかりとしていることが多い。
一方、個人の出品は対応も人それぞれであり、送料を無料にしてくれたりとサービス精神が旺盛な人もいれば、発送が遅かったりと落札者を困らせるような人も存在する。ヤフオクの評価と合わせて参考にしておきたい。
後から余計な費用を請求されないか
一部のヤフオク利用者でもトラブルになっているのが、落札購入後に余計な費用を請求しようとする例だ。
パソコンの場合、必要なソフトウェアが最初から無い状態やBIOS設定が必要な状態で出品しておき、落札者が困っているところに追加費用でソフトウェアを送付したり、設定を教えるといったトラブルが確認されている。追加費用でセットアップを行うなどを謳っている出品者は避けた方がよいだろう。
その出品者は本当に信頼できるのか
パソコンの取引に限らず、ヤフオクの基本といってよいが、その出品者は本当に信頼してよいのか入札前に今一度判断することだ。
過去の取引で落札者とトラブルを起こしていないか、公式に掲載されているトラブル口座リストに該当する口座を使っている人ではないか、出品ページや自己紹介ページの文章は正確さや誠実さが見られるか、などをチェックするとよいだろう。
パソコンは中古といえども、それなりに高価なものだ。買ってよかったと思える取引にするためにも、出品者についてもよく知っておこう。
まとめ
ヤフオクでのパソコン売買は盛んで人気なカテゴリーだが、トラブルなども多く発生している。ヤフオクでパソコンを売買する際は「本体の状態」「目的に合ったもの」「適正な価格」「出品者」に注意をして行うことが重要である。
ヤフオクでは、商品の説明や自己紹介ページを見ることで信頼できる出品者かどうかを判断してほしい。また、トラブル口座リストに該当するかどうかも確認することが大切である。