ピアノは丁寧に扱えば、とても長く使うことが可能である。なぜなら、使いこまれたピアノでも修理すれば若返ることができるからだ。ピアノを何年も弾いているうちに音が変わってきたり、日焼けや鍵盤の黄ばみなどの理由で新しいピアノに買い替えたいと思うケースは多い。そんな場合はいつが買い替え時なのだろうか。
また、どんなに大事なピアノであったとしても、弾く人がいなくなれば、場所をとる置物でしかない。弾かなくてもインテリアとして取っておきたいと決めているのであればいいが、ピアノは大きくて重いため簡単に移動もできない。そのため、本当は邪魔だけど処分するのも手間なため、ほったらかしにしている、という人もいるだろう。
もし不要であるならば、思い切って買取して貰うことを検討してはいかがだろうか。ピアノには、高値買取が期待できる時期というものがある。どうせ買取して貰うなら、この時期を狙って検討すると良いだろう。
本記事ではピアノの買い替えタイミング、下取りタイミングや売り時に関して解説して行こう。
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ピアノの買い換えるタイミングはニーズによって異なる
ピアノは細かいメンテナンスをしっかりすれば、かなり長生きする楽器である。よって、頻繁に買い換えるべきものでもない。
では、ピアノをいつ買い換えるべきなのか。これは素朴な疑問であるが、個人のニーズによって変わってくるため、適切な時期について一般的に述べるのは難しい。なぜなら、「ピアノ自体が壊れる」ということは非常に稀であり、寿命は長く、ほとんどないと言って良いからだ。
ここではピアノを使う人を、目的別に5パターンに分けてみた。あなたはどれにあてはまるだろうか。実はこれら目的によって買い替え時のサインは変わって来るのである。
ピアノをインテリアとして楽しみたい人や、思い出の品として保存したい人
Forgotten Piano / Fire At Will [Photography]
観賞用であれば、ピアノは弾いた際に綺麗な音が出なくても、観賞すること、またそこにあるというだけで持ち主が楽しめる限り、永久に現役のピアノだ。そのような楽しみ方をするのであれば、ピアノ自体を買い換える必要は全くない。
引っ越しやリフォームの際は買い替え時
しかし、ピアノの色やデザインはたくさんある。その時の部屋のコーディネイトにあったものをリフォームの度に選ぶという楽しみ方もある。
実は、木目で猫足のピアノ、真っ白のピアノ、ワイン色のピアノなど、ピアノと聞いて真っ先に想像する黒いグランドピアノのイメージとは異なる素敵なピアノがたくさんある。そう考えると、引っ越しや模様替えの際には買い替えるという機会になり得るだろう。
メンテナンスで必要なことといえば、蓋の開閉するための部品が金属のため、こまめに掃除をして錆びてしまうのを防ぐことぐらいである。
元のように楽器として弾ける状態に戻らなくなる可能性も
Piano PH 8-3-13 / THE Holy Hand Grenade!
しかし、注意して欲しい点は、ピアノは楽器として機能しない期間が長ければ長いほど、元のように音を奏でる楽器には戻れなくなってしまうという点だ。
調律は定期的に行うべき
特に何年も調律をしていないと、楽器としてのピアノには戻ることが難しくなってしまう。ちなみに、何年も調律していないピアノは1度で調律を済ませることができず、何日もかかるので調律の値段も高くなってしまう。
弾く可能性があるのであれば、インテリアとしてのピアノでも、年に数回でも良いので、定期的に調律をしておくことを勧める。逆に言うと、調律をし続けるには費用が毎回かかってくるので、それを嫌うなら売ってしまうというのも一つなのだ。
プロのピアニストを目指したくなったり、本格的に弾いてみたくなった人
[35/365] Piano / Sander van der Wel
たとえ壊れていなくても、買い換える必要がある場合もある。
コンクールで勝負をかけるならグランドピアノに買い替えて練習を
さらに、ピアノの音以外にも、鍵盤のタッチの重さや深さ、ペダルのかかり具合、音のクリアさまでこだわる必要が出てきた場合は買い換える必要が出てくる。
例えば、ピアノのコンクールに出る時、アップライトのピアノで普段練習している人とグランドピアノで練習している人では後者の方が圧倒的に有利である。なぜなら、本番のピアノはグランドピアノだからだ。グランドピアノとアップライトピアノでは構造が大きく違うため、弾いた感覚にやはり差がでてしまう。
一般的にアップライトの方がタッチが重く、ペダルも重い。本番でより良いパフォーマンスを求めるのであれば、グランドピアノの買い替えは必須である。
それ以外ではピアノを5~6年ほど習い続け、その後はピアニストや音大への進学、更にその先としては音楽の先生、音大の先生としての進路やを決めるという場合はグランドピアノを本格的に弾いていく方が上達スピードは速いだろう。
弾きたい曲が変われば求める音質も変わる、その時が買い替え時
Chickering player piano / doryfour
また、グランドピアノをすでに持っていても、自分の求める音質と違うのであれば買い替えの必要がでてくる。
メーカーによって異なる音色、弾き心地
聞きなれた音で安心する弾き心地が良いならヤマハ、こもった音で少し重めのタッチが好きであるならカワイやザウター。早弾きが得意でキラキラした音を求めるならスタンウェイ、ゆったり深みのある音で話声が美しい曲を弾くのであればベヒシュタインなど、ピアノのメーカーで得意分野の音質がある。
自分の演奏スタイルを知って得意な分野を伸ばすのであれば、思い切ってピアノを買い替えるべきである。買い換える際はしっかりと試し弾きをして、自分の好きな音色かどうか見極めることもオススメである。
あえてもっと大きなピアノに
Entrega de pianos a escuelas rurales / Ministerio de Cultura de la Nacin
グランドピアノを持っていて、特に音色にこだわりを持っていない人でも、もし広い部屋に引っ越すことが決まったという人であれば、今よりもうワンサイズ大きいものに買い換える方が良いと思われる。大きいピアノで、ゴージャスかつ表情豊かな演奏を楽しむことができる。
ここで表情の話を出したが、やはりより値段の高いピアノほど小さい音を出しやすい傾向にある。小さい繊細な音を出すためには、100万くらいのグランドピアノでは少し物足りなさを感じる。是非、自分にあったピアノ探しをしてほしい。
ピアノを趣味として楽しみたい人
ピアニストを目指していなくても、昔は習っていて、現在は趣味で弾くという人はそれなりに多いだろう。
内部の部品は老朽化が進み、トラブルの種に
ピアノ自体はとても長持ちするものであるが、内部の部品はなかなかそうはいかない。
スプリングやフェルトなど、だいたい40年経つと取り替えの必要がでてくる。これらの部品を取り替えなかったからといってピアノの音が鳴らなくなってしまうわけではない。しかし、音質が悪くなることや音が出しづらくなる、原画切れやすくなるなどのトラブルが起こりやすくなってしまう。
多数の部品交換は高額になる
1つならそんなに問題はないのだが、これらの細かい部品が幾つも取り替えなければならないとなると、買い換えを考える必要が出てくる。買い換えの方が安く済む場合が出てくるからだ。
ピアノの寿命は置かれる環境で短くなる
Upright Grand Piano / AmeryStudiosPhotography
また、通常家庭に置かれているピアノはあまり理想の環境に置かれているとは言い難い。過度な湿気や過度な乾燥、適度でない気温。もしリビングに置いているのであれば、料理の煙や油が空気中に舞ってピアノに少なからず付着しているだろう。そんなにピアノは環境に弱いものなのかと疑問を持つかもしれない。しかし、ピアノはかなり繊細で置かれる環境によって寿命が違ってくるのである。
弾き過ぎて故障することは珍しい
例えば、これは調律の話であるが、ピアノの音が狂う原因は、弾いて音が狂う量よりも、部屋の温度・湿度の変化による木や金属弦の伸び縮みの繰り返しによる狂いや、強い力で引っ張っている弦が自然にゆるんでくる狂いの割合のほうが大きい。毎日激しく弾いている人のピアノも、そんなに普段引かない人のピアノも環境ダメージにより音が狂っていくのだ。
定期的なメンテナンスを忘れずに
つまり、それくらいピアノにとって環境ダメージは大きい。もちろん部品も環境ダメージを受ける例外ではない。ピアノの内部に乾燥剤を置いたり、定期的な調律の際に一緒にクリーニングも行うことで部品や音質の寿命はのばせる。是非行っていただきたい。
ピアノを買取してもらう良いタイミング
様々な理由で買い替えをするピアノであるが、家に2台持っていても利点はほぼないだろう。このような場合はぜひ買取をしてもらい、次のピアノの購入時の費用に当ててはいかがだろうか。
愛用してきたピアノをできるだけ高い値段で買取してもらえる時期を以下にていくつか紹介しよう。是非今後の参考にしてほしい。
ピアノの売り時
- 引越しシーズン
- ゴールデンウィーク
- クリスマスシーズン
- ピアノ関係のアニメやドラマが大人気のとき
引っ越しシーズン
春の引っ越しシーズンは、ピアノをはじめ、大きな家具の買い替えを検討する良いタイミングだ。いらないものを、わざわざ新居に運んでから捨てるよりも、引っ越し前に売却しておき、新しいものを引っ越し先で買ったほうが合理的と言えるだろう。
また、春はピアノを弾いていた子どもが、進学や就職のタイミングで実家を出ていくシーズンでもある。このタイミングでピアノを手放す家庭も多い。さらに、新学期に合わせてピアノを習い始める子どもが多く、それに合わせてピアノの購入も増える。
これらの理由により、引っ越しシーズンはピアノ売買の取引量が増え、買取価格も高めに設定されやすい時期である。是非狙って欲しい。
ゴールデンウィーク
春の引っ越しシーズンが一段落落ちついた時期であるゴールデンウィークも、ピアノを買取してもらうには良いタイミングであると言える。
年度の切り替わる3月、4月は忙しくてピアノの売買にまで手が回らなかった人が、大型連休になって、ようやくピアノの売買を検討することができるからだ。また、4月からピアノを習い始めた子どもをもつ親が、5月の連休にピアノを買いに来る、というケースも多い。そのため、ゴールデンウィークは、ピアノを買取してもらうのに良いタイミングだと言える。
クリスマスシーズン
ピアノは高額な商品のため、子どもが欲しがったからと言って、簡単に買ってあげられるものではない。そのため、せっかくピアノを買うのなら誕生日やクリスマスのように大きなイベントのタイミングで子どもにプレゼントしたい、と思う家庭が多い。
クリスマスに大きなピアノが家に届いたら、子どもが喜ぶのは確実だ。そのため、冬のこのシーズンにピアノを買取に出すのもおすすめのタイミングだ。
ピアノ関係のアニメやドラマが大人気のとき
引っ越しシーズン、ゴールデンウィーク、そしてクリスマスは、定番の買取してもらうのには最適なシーズンだが、これ以外にもピアノの買取価格に影響する時期がある。それは、アニメやドラマなどでピアノが注目され、ブームになるタイミングである。
たとえば、ドラマ化、映画化もされた人気アニメ「のだめカンタービレ」など、ピアノにまつわるアニメやドラマが人気を博すと、それにともなってピアノ習い始める人が増える傾向にある。
新しいところでは、2016年の直木賞と2017年本屋大賞をダブル受賞した小説が、ピアノ・コンクールをテーマにしており、話題になっている。こういった作品に影響を受けた人が、「昔習っていたピアノをまた弾いてみよう」と思い立って、ピアノを買うというケースが増えることもある。
ピアノの売買が増えるシーズンでは、買い取り業者にとっては売れ残りの在庫を抱えるリスクが低いため、他のシーズンよりも高値買取となるケースが多い傾向にある。
さらに、ピアノ業者はピアノが売れやすい引っ越しシーズン、ゴールデンウィーク、クリスマスシーズンに合わせて大きなセールを行うことも多いため、これらのシーズンにはセールの効果でピアノがますます買取してもらいやすくなるのだ。
ピアノの種類や状態によって買取価格の相場は異なる。一概には言うことはできないが、いずれにせよ買取してもらうのであればこのような狙いどきシーズンに買取を試みてはいかがだろうか。
思い出がたくさんつまったピアノを手放すのには勇気がいることではあるが、こういった「買取してもらうタイミング」を知っておくと、思い切って手放せる良いきっかけになるはずだ。
高額買取を狙う方法
では最後に買い替えのタイミングで買取に出す人向けに高額買取を狙う方法を紹介しよう。高額買取のコツを知らずにそのまま買取業者に依頼するのと一手間加えるのとでは金額が異なってくる。是非参考にして高額買取を実現して欲しい。
高額買取される音
まず、どのような音を出すピアノが高額買取を実現できるのだろうか。実は音の質も高額買取に関わってくる。
高額買取をされるピアノは「濁りのない透明感のある音」、「音の立ち上がりの強さ」、「響の強さ」が良いものである。これらは元のピアノの良さや定期的に調律していたかで差が出てくるものかもしれない。
売る時は付属品も一緒に買取に出そう
また、ピアノを買取に出す際に、そのままピアノ本体のみを買取に出すのではなく、もともと付いていた付属品なども一緒に買取に出すと高額買取が期待できるだろう。
基本的なところで言えばピアノの椅子である。ピアノは椅子なしでは弾くことができない。買取業者で購入する消費者もピアノ本体のみを購入するのではなく、椅子と一緒に購入して使用すると思われるため、そのピアノにあった椅子が必要である。また、椅子以外に鍵盤の上に乗せる布や、ピアノのカバーなども一緒に出すと良いだろう。
できる限り元々付いていた付属品を揃え、まとめて買取に出すようにしよう。
複数の買取業者に見積もりをしてもらう
買取査定は、近所の買取業者1社のみに査定をしてもらうのではなく、複数の業者に査定をしてもらうことも高額査定を導くのに重要である。無料で査定してくれる業者を選び、まずは無料で査定してもらい比較するようにしよう。1社のみに査定してもらうと、果たしてそれが妥当な金額なのかわからないためだ。
また、あらかじめインターネットなどで自分のピアノがいくらくらいで通常買取されているのか調査をしておくこともおすすめである。そうすることである程度予想がつくことができ、あまりにも安い値段を叩き出された場合いはなぜか問いただすことができる。
ピアノ一括査定サイトもおすすめ
しかし、1社1社見積もり査定の依頼をするのは時間も手間もかかる。少しでも楽に、短時間で済ませたいのであれば一括査定サイトを利用することがおすすめだ。当サイト「ヒカカク!」やズバットピアノ買取比較、ピアノ買取.ねっと、引越し侍などの一括査定サイトを利用すればサイトによっては24社もの企業に査定依頼することができる。自分でやろうと思うとそこまで多くの企業に依頼することはできないだろう。
さらに、一括査定サイトから依頼をすることで、競合他社が存在するためより高額な値段を出してくれる可能性もある。狙い目のため、是非試してみて欲しい。

ピアノのお手入れ
また、査定に出す際、ほこりだらけのピアノを査定に出すわけにはいかない。たとえ長い間弾いていなかったとしても、ある程度大切に扱っていたピアノだと認識された方が好印象を持ってもらえ、減額が少なくなる可能性がある。ここは、常識範囲内のマナーとしてある程度手入れしてから査定に出すようにしよう。
ピアノ塗装面のほこりや汚れは柔らかい布や、ピアノ用の羽毛で優しくふき取るようにしよう。強くゴシゴシすると痛めつけてしまう可能性があるため、十分注意しよう。
また、鍵盤の場合も柔らかい布やクロスを使用して優しく四文屋汚れをふき取るようにしよう。しかし、どうしても取ることができない汚れがあれば、水や石鹸水布に染み込ませ、硬く絞って拭き取り、その後にまた乾いた布で拭き取るようにしよう。水や石鹸水以外のものを使用するとそれもひび割れや故障につながってしまうため十分注意しよう。
おわりに
本コラムでは、いくつかのケースに分けて買い替えのタイミングを紹介してきたがいかがだっただろうか。どの買い替えタイミングにおいても共通する点は、自分のピアノに音であれ外観であれ、納得がいかない部分ができ、なおかつそれが調律では改善できなくなったときが買い替えのタイミングであるという点だ。ぜひ納得のいくピアノを手に入れていただきたい。