「本」と一口に言っても、漫画本や雑誌などの比較的普段の生活となじみの深いものから、受験や資格取得に必要となる教科書や参考書など、ある特定の時期にのみ必要なもの、少数のファンの間でしか出回らない個人製作の本、医学書などの専門書に至るまで、その用途やジャンル、必要とする人間の層は実に多岐にわたるものである。
今回は、上記のような本の中でも、特に、高い希少価値を持つ本のジャンルや探し方、適正価格の調べ方、その手の本が比較的見つかりやすいおすすめの仕入れ先なども紹介する。古本の販売で利益を得たいなら、ぜひ押さえておくべきだ。
CONTENTS
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本の希少価値は何によってうまれるのか
本の価値を左右する要素として、新品か否かや、中古であれば保存状態状態などが挙げられる。しかし、本の価値を左右する最も大きな要素は「プレミア(希少価値)」である。そこでまず、本が希少価値を有する、「プレミア本」になる主な原因とその背景について触れていく。
需要と供給の偏り
需要と供給の偏りは、本の希少価値に大きな影響を及ぼしてくるだろう。需要と供給が偏るのは需要多すぎる場合と供給が少なすぎる場合である。このような本の例としては、発売当初の超人気の小説や漫画等が該当する。
需要が多すぎる場合とは必要としている人に対しての供給量が間に合わず、結果的に値段が吊り上がってしまうため一時的にプレミアがつくといった場合である。このパターンの場合、値段の高騰は時間の経過とともに収まる場合が多い。
一方で、供給が少なすぎる場合とは、流通する量が異常なぐらい少ない場合のことである。本に関しては、漫画やアニメなどの初回限定版の本や、期間限定で大手有名ブランドとのコラボ等でポーチやバック、化粧品などが付属した雑誌が該当するだろう。
転売目的で大量に購入した者が、供給量の少なさを生かして値段を釣り上げて販売し、定価を普通に超えてしまう場合である。要は、需給のバランスが崩れることが原因で、値段が高騰するのである。
入手の困難さ
本に限った話ではないが非売品や個人出版の本といった発行部数の少ないものは、手に入りづらくなる。必然的に値段が上がるため、このような本は往々にしてプレミア化するケースが多いのだ。
絶版になっているか否か
本全般に関して言えることだが、絶版になっている本は総じてプレミア化しやすい傾向にある。これはどちらかというと、心理学でいう希少性の法則のような、人間の心理的な側面に原因がある。
絶版=希少化は容易に想像できるため、転売目的で何冊も買う人間が増えるなど絶版になることそのものがさらに希少化を加速させることもある。
特別性、唯一性がある
本に関しては特にそうだが、作者直筆のサインが入っているなど、本の需給云々ではなく特別な価値をもったものもプレミア化する傾向がある。
他の例としては、穴の位置がずれている、そもそも穴が開いていないなど硬貨の製造過程で不良品として廃棄されるべきものでありながら偶然世に出回ってしまった、いわゆるエラーコインもそうだが、我々人間は数が少ない物、他とは異なる特徴を持ったもの、唯一性を持つものなどに価値を見出しやすいようだ。
人の心理が動くときプレミアム化する
総じてまとめると、人の心理が強く動かされる時に本に限らずモノがプレミア化する傾向がある。根本的にモノの持つ価値などは人間が決めるものであり、われわれの主観こそがメインとなるため、ある意味では別にどうといったことではなく、むしろ必然なのだろう。
需給や本の状態などはもちろんだが、人の心理にも目を向けることで、今後プレミア化しやすい本を事前に予測できるかもしれない。結論から言うと、希少価値とは、人の心理の変化によって生じるものなのである。
プレミア化しやすい本のジャンルTOP10
プレミア本のジャンルは、多岐にわたる。総じて言えるのは、比較的発売から時間がたっているもの、マニアがいるものである場合が多くなる傾向がある。具体的なプレミア化しやすい本のジャンルについて紹介していこうと思う。
1位:TRPG(ティーアールピージー)
TRPGとは「table cross roll playing game」の略である。これは、電子機器を使用せず、鉛筆や紙といった道具と、プレイヤー同士の会話のみで、ルールに沿って行う対話型RPGであり、要はすごろくのRPG版といったところである。
実は、電子機器やITがかなり発達してきている現代でも熱狂的なファンは尽きていないらしく、思いの他一定以上の需要が常に存在し続けていて、入手困難なものに関しては数万円もするような代物もある。
2、3位:医学書・技術書
主なプレミア化の原因は、そもそもの発行部数の少なさにある。医学書などは専門書の部類に分類されるため絶対数が非常に少なく、わかりやすい良書として医学や技術職を志す人間の間でのみ知られるような知る人ぞ知る名著などは、数万単位で取引される場合もあるのだ。
4位:ピアノ譜
これもピアノを弾かない人間にはほぼ関係ないのだが、一部の人の間でのみ取引される入手困難なピアノ譜は5万円ぐらいすることも比較的多いのだ。しかも、マイナーすぎて価値がわかりづらいせいかヤフオクなどで捨て売りされていることも多々ある。
5位:古い漫画
具体例では初代のウルトラマンなど、当然古すぎて絶版となっており、全巻そろっていたりすると20万から30万円といった少し常識外れな値段で取引されていることもあるだろう。
6、7位:古いアダルト本写真集
詳しい理由はわからないが、古いアダルト本や写真集に関してもなぜか少ないながら、安定した一定の需要が存在する。状態のよいものを仕入れられればなかなかの利益が見込めるだろう。
8位:有名作家の日記
ドストエフスキーなどの著名な文学作家には当然世界中に多くのファンがいることは一般的にも想像に難くない。しかし、その作家の作品は増刷され続け、品薄や入手困難になることはまずないが、その日記など少々マイナーなものは一部の熱狂的な文学ファンたちの需要に対し不足気味でありプレミア化しやすい。
9位:漫画、アニメなどの画集
これは比較的新古にかかわらず需要が多い。どの漫画にも熱狂的なファンは必ずいるので、プレミア化しやすいだろう。
10位:古い赤本
受験の経験があればわかるだろうが、特に第一志望校の過去問は3年~5年では心許ないだろう。そのため、1990~現在の赤本などは需要が高いのである。
希少価値の高い本の買取店
本の買取店といっても、人気の漫画や文庫本、CDやDVDなどと買取強化ジャンルは店によってさまざまだ。ここでは希少価値の高い本を高価買取している、ヒカカク!おすすめの買取店を紹介しよう。
BOOKRIVER
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
BOOKRIVERは、医学書、専門書などの価値の高い本の買取に強い宅配買取店だ。その他にも、ビジネス書、教科書、投資・金融、趣味・スポーツ、絵本、科学・テクノロジー、IT・プログラミング書籍などと、幅広いジャンルを買い取っている。医学書や専門書は、発行年数に左右されることなく高価格がつき、利用者の口コミも買取価格・サービスともに満足度が高い。
三月兎之杜
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
三月兎之杜は、高価買取が期待できる本専門の買取店。専門書から雑誌、楽譜まで幅広いジャンルに対応している。本の希少性や使用性を考慮して査定してくれるので、希少価値の高いものなら状態に難があっても査定を依頼してみるのがおすすめだ。
ブックマニア
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
宅配買取専門店・ブックマニアでもプレミア本の高価買取をおこなっている。古い本となってくると日焼けや黄ばみなどの汚れが目立ってくるが、同店ではそのような汚れがあっても高価買取が実現したことがある。査定料やその他の利用料もすべて無料なので一度無料査定をためしてみよう。
カウカウブックランド
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カウカウブックランドは、本やCD・DVD、ゲームなどを買取している業者だ。コミックや文庫本をはじめ、専門書や大学の教科書まで幅広く取り扱っている。手数料が無料なので、気軽に利用しやすいだろう。
希少価値が高い本の探し方・相場の見極め方
上記のような希少価値を持ちやすい本のジャンル紹介が済んだところで、商品の入手経路、適正価格の見極め方、相場のおさえ方、販売から売れるまでの期間の予測方法などを書いていく。
プレミア本の探し方
これはかなり簡単で特別な知識などは必要ないのである。だが、1つ言えることは今のご時世店舗で見つけるよりもネットを駆使して探した方が圧倒的に早いだろう。
効率の良い仕入れ先としては、メルカリ、ラクマなどの一般的なフリマアプリやヤフオク等を代表とするオークションサイト、さらに、最近ではブクマという本専用のフリマアプリもあったりする。
希少価値のあるプレミア本はこの中で検索をかけてみると意外と転がっている上、フリマアプリやオークションなどで本を売る人間の背景としては、営利目的よりも処分目的がメインの場合が多いだろう。
そのため、処分がてらちょっとしたお小遣いになれば良い程度にしか考えておらず、相場を全く知らないまま本来ならばあり得ない価格で販売することが少なくないだろう。しかも、その頻度たるやかなりのモノなのでぜひ一度探してみることがお勧めである。
売れるのか否か、販売からどれぐらいの期間で売れるのかの予測方法
Monorate(モノレート)というAmazonが提供している無料のツールを利用し、サイトの検索欄に本のタイトル名を入力して表示された情報から予測を行うのである。
判断方法は非常に単純なもので、ページ中央の「ランキング」のグラフの折れた回数を見るだけだ。アマゾンではその商品が売れればその商品のランキングが上がるため、ランキンググラフの折れた回数が売れた回数となるのである。
この折れが3カ月間や半年間など一定期間内に何度あるかによって、商品が売れる可能性の是非や販売から売れるまでにかかる期間がわかるのだ。
相場の知り方、適正価格の正確な目利きと見極め方
上記のMonorate(モノレート)であっても、ざっくりとした相場をある程度把握することぐらいは不可能ではない。しかし、どうせ売るならなるべく利益を最大化したいもの。
そこで、ここではAucfan(オークファン)というサービスを使う。月額980円かかるが、ほぼどんな本であったとしても過去十年分の販売履歴とその価格が見られるため、一見この月額利用料は高く見えるが投資価値は十二分なので問題ないだろう。
このサービスで過去に売れた同じ商品の説明文や状態、写真などを詳しく見て自分の持っている本と見比べることで正確な相場と、その本の適正な価格をミスなく確実に見極めることが可能になるのだ。
このように、本に関しての情報を集めるにはやはりネットが最も効率よく正確なのは明らかである。利用の是非で同じ商材を扱っても利益の額に差がでるだろう。
情報戦が全てといって過言ではなく、要は、知っている者が勝つのだ。プレミア本を扱うのであれば、商材に関する情報だけでなく、こういった売り方に関する情報も押さえておくべきである。
まとめ
結局、本の希少価値とは本自体の持つ意味や内容ではなく、あくまで、本を手にする人間の主観と心理によって決定づけられるものである。つまり、本を売って利益を得たいなら、「強い需要によって希少価値を持った本を安く仕入れて高く売る」だけで良い。
また、今回の記事で取り上げたジャンル以外にも利益を生み出せる「プレミア本」のジャンルはたくさんあるので、自分で新たなプレミア本ジャンルを開拓したいのであれば、「本の需要の強さの背景にある要素」に目を向けることが大切だろう。
本の販売でカギとなるのは"利益の出るジャンルを見つける"、"安く仕入れて高く売る"の2点である。これを知っているかどうかはかなり大きいので、ぜひ覚えておきたい。





