時計の歴史に最も欠かせない人物を1人挙げるとしたら、アブラアン−ルイ・ブレゲの名が思い浮かぶ人が多いだろう。ここではブレゲの腕時計についてやブレゲの腕時計の型番やモデル名の見方、調べ方について紹介していく。
中古市場に出したい、ネットオークションに出す、または購入したい人は
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アブラアン−ルイ・ブレゲの腕時計
アブラアン−ルイ・ブレゲ(以下ブレゲ)は現在の高級リストウォッチに活用されている技術のほとんどを発明したとも言われている。時計の歴史の中で偉大な人物のブレゲは自動巻きムーブメントの仕組みをはじめ、クロノグラフや永久カレンダー、そしてトゥールビヨンといった技術を発明した。
彼がパリのシテ島に高級時計工房を設立したのは1775年。以来紆余曲折を経ながらもその名は受け継がれ、常に時計業界関係者の尊敬を集めるブランドとして君臨してきた。
ここでは、そんな時計界のレジェンドブランドとも言うべきブレゲの型番とモデル名の関係性について説明していこうと思う。
ブレゲの腕時計の型番・モデル名を知るメリットと活用方法
ブレゲには型番やモデルが存在する。この型番やモデル名は買取やサポートを受ける際などにも役に立つ。まずは型番やモデル名を知っておくことのメリットと活用方法をお伝えしよう。
腕時計に関しての情報収集が簡単になる
ブレゲの腕時計の型番やモデル名は時計に関しての情報収集の鍵となる。製品を特定してネットで調べたいことを検索したり、中古市場で型番での商品検索をすることも可能だ。
突然愛用しているブレゲの腕時計が動かない!壊れてしまった!という事態にも型番とモデル名を把握していれば、対処法を検索して調べることが可能だ。突然の事態に型番やモデル名を調べるのも手間取ってしまうため、できれば手持ちのブレゲの腕時計の型番やモデル名は把握しておこう。
修理に出す場合やなんらかのサポートを受ける場合も同様だ。型番やモデル名を伝えることで、業者なども特定の商品を認識できるため活用したい。
本物か偽物か見分けることができる
ネットオークションやフリマアプリでもブレゲの腕時計は取引されている。型番やモデル名の出品時の記載は取引の信用性に繋がるため重要視されるポイントだ。仮にプレゲの腕時計を購入したいと探しているときに型番やモデル名の記載がない出品や写真と記載が違う場合は注意が必要である。
愛用品を出品している場合、安心できる人に譲りたいと思うため細かな情報や正確な記載がされていることが多い。特に型番や商品名は正確さが測りやすいため、信頼できるか、偽物か本物かを見分けるために活用すると良いだろう。
偽物か本物かを見分ける際には下記に記載している型番やモデル名の調べ方も役に立つ。ブレゲほどの高級腕時計になればコピーや偽物も市場に多く出回っているケースもあるため、偽物を買って損をしないように型番とモデル名のチェックを心がけよう。
最低限偽物と本物をチェックするには型番が記載されているはずの場所に記載があるか、その型番は存在している番号か、ロゴに不審な点はないか、金属が安物のようではないかといった点に気をつけると良いかもしれない。またこれらを型番やモデル名から調べる能力も持っておくと良い。
自分が売側になった場合、も上記を購入者が意識していると考えて安心できる情報を提供するよう心がけてほしい。型番やモデル別の特徴などの情報を書き加えるとより親切だ。
ブレゲの型番はどこを見ればわかるのか
以上で型番や品番、モデル名を把握していくことの重要性がわかったかと思うが、実際どこを見ればわかるのだろうか。
ブレゲの型番、リファレンスナンバーは、本体に刻印されている4ケタの数字——「REF.××××」で表される合計11ケタの英数字となっている。また英数字の羅列ではあるが、間にスラッシュが入っており、それも含めて型番であるので、スラッシュの後の部分を分けて考えてしまわないよう注意しよう。
自分の手持ちのブレゲの腕時計以外の型番を調べたい場合はオフィシャルサイトのカタログページを見るのが一番簡単だろう。写真から特徴を探せば、その近くの情報に型番が記載されているはずである。
自分のブレゲの腕時計の型番を確認したいのであれば、一番簡単な方法は本体や保証書共に記載されている箇所を確認することだ。それでも見つからなければ上記のオフィシャルサイトからの方法も活用すると良い。
なお、ブレゲの時計本体には3ケタか4ケタの数字とアルファベット2文字によるシリアルナンバーも刻まれている。ここは間違えないよう気を付けたい。リファレンスナンバーは、数字の前に必ず「REF.」と書かれているので、それで見分けるとわかりやすいだろう。
ブレゲの型番の例
では、ブレゲの型番は一体どんな規則で作られているのだろうか。それについても下記にて具体的に見ていこうと思う。
ブレゲの型番は、通常以下のような数字とアルファベットの組み合わせで表示されている。冒頭の4ケタの数字が時計本体に刻まれているリファレンスナンバーである。商品名でもモデル名の後にこの4ケタの型番を入れることで、同モデルシリーズ内での差別化が図られているのが確認できる。以下の表を見てみよう。
リファレンスナンバー | モデル名 |
---|---|
3800ST/92/9W6 | タイプ]] 3800 |
7097BB/G1/9WU | トラディション 7097 |
7147BB/29/9WU | クラシック 7147 |
5823PT/H2/5ZU | マリーン 5823 |

上記の左がリファレンスナンバーで、右がモデル名である。このように、11ケタの英数字は2つのスラッシュで区切られている。当然3分割されたそれぞれの英数字が、特定の部分のコードを示すリファレンスナンバーとなっている。
ブレゲの型番の規則
ブレゲの型番を見ていると、以下のように読み解くことができる。
タイプ]] 3800の場合
- @3800ST/A92/B9W6
- @:ケース部分のモデルを示すコードである。4ケタの数字が各モデル固有のリファレンスナンバーで、最後のアルファベット2文字はケースの素材を表している。
- A:ダイヤル(文字盤)の種類を示すコードである。2ケタの数字の場合、数字+アルファベット の場合、アルファベット+数字の場合、アルファベット2文字の場合の4通りある。
- B:バンド部分(ストラップ、ブレスレット)の素材やサイズを示すコードと考えられる。 数字とアルファベットの組み合わせ3文字で表されている。
上記はもちろん公式に認められた見方ではないので、あくまでも参考程度にとどめておいていただきたい。例外もいくつか存在するため、必ずしもこのとおりになっていない場合がある。
ブレゲの型番が示すコードを読み解く
さてここからは、ブレゲの型番が表しているコードの中から、判明している事柄を紹介していこう。
@-a.ケースのコードについて:モデルナンバー
前章で例として挙げたブレゲのリファレンスナンバーの@の部分は、その時計のケース部分についてコード化された数字とアルファベットの組み合わせである。そして、冒頭の4ケタの数字はモデル固有のナンバーであり、時計本体に刻まれている4ケタのリファレンスナンバーと同様である。以下に現行モデルからその主な番号を掲載する。
- トラディション:7097、7077、7047、7057、7067、7027
- クラシック:7147、7787、9067、5178、5717、8067
- マリーン:5823、5857、5827、5817、8828、8818
- ヘリテージ:5400、5410、5497、3661、8860、8861
- タイプ]]:3800、3810、3817、3880
- クイーン・オブ・ネイプルズ:8928、8967、8978
こうして見ていくと、「7」や「8」で終わるナンバーが多いことがわかる。理由としてはおそらく、モデルナンバーの4ケタ目はケースの特徴を表すコードとなっているためと考えられる。たとえば以下のように考えることができる。
モデルナンバー4ケタ目が以下の場合
- 0:スタンダードなケース
- 7:透明のケースバック(一部が透明の場合も含まれる)
- 8:ダイヤモンドベゼルもしくはダイヤモンドカバー
- 9:パヴェダイヤモンドダイヤル+ダイヤモンドベゼル(カバー等)
特に7が多いのは、透明なケースバックでブレゲの特徴の1つで芸術的とも称される内部機構を眺められるモデルが多いためだ。ただし、たとえば「7」と「8」の両者の特徴を持つケースの場合は、どちらかのコードが優先的に表示される。他にも「1」で終わるナンバー、「3」で終わるナンバーがある。
@-b.ケースのコードについて:ケースの素材
冒頭の4ケタの数字に続いて表示されるアルファベット2文字は、ケースの素材についてのコードになっている。
ケースの素材のコード
- AG:銀
- BA:イエローゴールド
- BB:ホワイトゴールド
- BR:ローズゴールド
- PR:プラチナ+ローズゴールド
- PT:プラチナ
- ST:ステンレススティール
- TI:チタン
型番「3800ST」はタイプ]]の大人気モデル「アエロナバル」。ケースの素材はステンレススティールであるとすぐにわかる。
Aダイヤル(文字盤)を示すコード
ブレゲのレファレンスナンバーの、スラッシュで囲まれたAの部分はダイヤル(文字盤)の種類を示すコードである。アルファベットと数字の組み合わせにより、以下のように表されている。
ダイヤルを示すコード
- 00:スケルトン
- 11、12:銀色仕上げゴールドダイヤル(手彫りギヨシェ模様)
- 29:ホワイトエナメルダイヤル
- 2P:レッドエナメルダイヤル
- 2Y:ブルーエナメルダイヤル
- 32:ローズゴールドダイヤル(手彫りギヨシェ模様)
- 51:MOP(マザーオブパール)
- 59:ブルーMOP
- 5D:MOP+ダイヤモンド
- H2:マットブラック
- G9:ブラックゴールド(手彫りギヨシェ模様)
- J2:コバルトブルー
- Z2:ブラックロジウム(手彫りギヨシェ模様)
上記にないものも多数ある。
先ほどの「アエロナバル」のダイヤルのコードは「92」。マットブラックの文字盤、「H2」はいくつかのモデルで採用されているが、「92」が出てくるのは、現行モデルでは「アエロナバル」と「マリーン」シリーズのリファレンスナンバー「5817」のタイプのみだと考えられる。
しかも、「アエロナバル」はスタンダードな黒の文字盤だが、「マリーン」のほうは手彫りギヨシェ模様の入った凝った作りで、インデックスもローマ数字とアラビア数字で異なる。その意味で「92」は、他のコードより上位の概念のコードの可能性もある。
ちなみに、「手彫りギヨシェ模様」とはブレゲの伝統的アイコンの1つ、文字盤に職人の手によって彫られた模様のことである。その起源は、1786年頃にシルバーやゴールドの素材に規則的なパターンを彫り込む新しい装飾を発明し、文字盤に用いたというものからである。今となってはそのデザインの普遍性の高さには驚くほかない。
Bバンドの素材を示すコード
ブレゲの型番のうち、最後の3ケタの英数字は、バンド部分の素材やサイズをコードで示している。そして、その最初の文字(アルファベットか数字のどちらか)が、素材を示すコードとなっている。
バンド部分の素材を示すコード
- 3:カーフ
- 5:ラバー
- 8:サテン
- 9:クロコダイル
- A:イエローゴールド
- B:ホワイトゴールド
- R:ローズゴールド
- P:プラチナ
- S:ステンレススティール
- T:チタン
皮やラバーのストラップの場合は数字、ブレスレットの場合はアルファベットで表されている。
人気の高いモデルの型番
ここまで、ブレゲのリファレンスナンバーが表しているいくつかのコードについて説明してきた。最も分かりやすいのは、冒頭の4ケタの数字とアルファベット2文字の組み合わせによるモデルの判別だろうか。ここで今度は例として人気の高いモデルの型番を記しておこう。読者の中にはこれらの商品のうちどれかを持っている、または狙っている人もいるかと思う。是非参考にしてほしい。
3800ST/92/9W6:タイプ]] 3800 “アエロナバル”
自動巻き/キャリバー582/フライバック・クロノグラフ
5817ST/92/5V8:マリーン 5817 “ビッグデイト”
自動巻き/キャリバー517GG/セパレート式日付カレンダー
7147BB/29/9WU:クラシック 7147
自動巻き/キャリバー502.3SD
7727BR/12/9WU:クラシック クロノメトリー 7727
手巻き/キャリバー574DR
男性から特に非常に人気の高い型番3800系、5817系。「タイプXX」の型番3800系が、フランス海軍航空部隊のために1950年代に設計されたので、スポーティな「マリーン」の型番5817系が、フランス海軍のマリン・クロノメーターからヒントを得たというものである。
もちろん、これらは人気が高い分値段もそれなりの額が要求されてしまう。しかし、それを払うだけの価値があると自信を持って言うことができるのが、ブレゲの凄さでもあると言える。
まとめ
いかがだっただろうか。型番を知っておくことは趣味と言った範囲以上に、本物か偽物か見分けることができる点、情報収集の際時間短縮ができる点でかなり有効的である。また、以上で見てきてわかった人も多いかと思うが型番の規則がわかると、その型番を見ただけでどんなデザインでどんな素材でできているかまでおおよそだが把握することができる。新しい製品、貰い物の腕時計など、型番を見て見ればすぐにわかることができるだろう。
また、もしブレゲの神髄を楽しみたいのであれば、ケース裏側から精緻な部品が正確に時を刻む姿を見ることもできる4ケタ型番の末尾が「7」のモデルを選ぶのもおすすめだ。そういう選び方をすれば、賢い選択と言えるかもしれない。
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