チュードルは、現在日本で正規に販売するルートを持っていないため、知る人ぞ知る時計ブランドの1つと言ってもいいかもしれない。しかし、日本以外のほとんどの国で販売されている、著名な時計ブランドの1つだ。
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チュードルとはどんな時計ブランドなのか
ロレックスのデフュージョンブランドとして発足
チュードルは、ロレックスの創業者であるハンス・ウィルスドルフが、イギリスの販売店に向け、ロレックスよりも安価に購入できる時計を供給するべく、ロレックスとは別に作ったブランドであり、メーカーだ。現在につながる形でブランドが形成されたのが1936年。正式な会社の設立は、第二次大戦後の1946年である。
ロレックスのいわゆるデフュージョンブランドとして発足したチュードルの特徴は、ムーブメントも含めて全て自社で生産する高価なロレックスに比べ、スイスのETA社のムーブメントを使うことで価格を抑える一方、高品質なケースや文字盤などの部品をロレックスから供給され、さらにはデザインもロレックスのそっくりさんとして作られていたモデルもあって、「安くて高品質」で「ロレックス気分が味わえる」という狙いどおりのものだった。
現在ではチュードルとして独自の道を進む
しかし、その後はブランド認知が世界に広まるにつれて独自の道も模索し始め、ついに2015年には自社製のムーブメントを開発し、時計メーカーとして高い技術力を保持していることをアピール。現在では、ブランドキャラクターに歌手のレディー・ガガや元プロサッカー選手のデイビット・ベッカムらを起用し、彼らの個性に負けない独自性を持った新しい商品の開発に余念がない。
そんなチュードルだが、冒頭でも述べたように、現在日本ではチュードルの正規の販売ルートはなく、各販売会社が独自に輸入したものを購入するしかない。だが、海外に拠点を置くネット通販ショップや、海外に出張や旅行で訪れた時など、日本に本来売っていないものでも、購入しようと思えば簡単に購入できるのが現代社会。日本国内ではまだまだ認知度が低いブランドなので、他の人とは違うものを使いたいという人には、ある意味今が最も旬かもしれない。
それでは以降の章で、チュードルの型番とモデル名について説明していこう。
チュードルの型番を確認する
さてここからは、チュードルの型番とモデルの関係について見ていきたい。チュードルの現行モデルの型番=リファレンスナンバーの特徴をまとめると以下のとおりとなる。
- ・全てのモデルの型番はアルファベットの「M」で始まる。
- ・5ケタの数字がモデルを表すモデルナンバーと考えられる。
- ・末尾にアルファベットが入るものと入らないものがある。
- ・ハイフンの後に「0」から始まる4ケタの数字が入る。
以下の項で確認していこう。
「ヘリテージ」シリーズの型番
チュードルの数ある人気モデルを現代に復刻したヘリテージシリーズ。現在のチュードルの中心となるシリーズでもある。未だに一部時計ファンに人気の高いチュードルのアイコン、『イカ針』や『ベゼルの赤い三角マーカー』などの意匠が、自社開発のムーブメントやブロンズケースといった独自技術と合わせられ、個性的なラインナップができあがった。現行モデルの型番を列挙する。
ブラックベイ
- 41ミリスティールケース/自社製キャリバーMT5602(自動巻き)
型番 | 特徴 |
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M79230B-0002 | 【マットブルーディスク】エイジドレザーストラップ |
M79230B-0001 | 【マットブルーディスク】リベットスティールブレスレット |
M79230N-0001 | 【マットブラックディスク】エイジドレザーストラップ |
M79230N-0002 | 【マットブラックディスク】リベットスティールブレスレット |
M79230R-0005 | 【マットバーガンディディスク】エイジドレザーストラップ |
M79230R-0003 | 【マットバーガンディディスク】リベットスティールブレスレット |

現在でも人気の高いかつてのチュードルの「サブマリーナ」の復刻版とも言うべきなのが、この「ブラックベイ」のシリーズだ。リューズトップにはトレードマークだった薔薇のマークが刻印されている。
ブラックベイ クロノ
- 41ミリスティールケース/自社製キャリバーMT5813(自動巻き)
型番 | 特徴 |
---|---|
M79350-0001 | スティールブレスレット |
M79350-0002 | ブラウンレザーストラップ |

自社製クロノグラフキャリバーMT5813搭載。第1世代クロノグラフに搭載のプッシャーを装備している。
ブラックベイ スティール
- 41ミリスティールケース/自社製キャリバーMT5612(自動巻き)
型番 | 特徴 |
---|---|
M79730-0001 | スティールブレスレット |
M79730-0003 | エイジドレザーストラップ |

ブラックベイ S&G
- 41ミリスティールケース/自社製キャリバーMT5612(自動巻き)
型番 | 特徴 |
---|---|
M79733N-0001 | エイジドレザーストラップ |
M79733N-0002 | スティール&イエローゴールドブレスレット |

ブラックベイ ダーク
- 41ミリブラックPVDスティールケース/自社製キャリバーMT5602(自動巻き)
型番 | 特徴 |
---|---|
M79230DK-0004 | エイジドレザーストラップ |
M79230DK-0005 | マットブラックPVDスティールブレスレット |

ブラックベイ41
- 41ミリスティールケース/キャリバー2824(自動巻き)
型番 | 特徴 |
---|---|
M79540-0001 | スティールブレスレット |
M79540-0003 | ブラウンレザーストラップ |

ブラックベイ36
- 36ミリスティールケース/キャリバー2824(自動巻き)
型番 | 特徴 |
---|---|
M79500-0002 | エイジドレザーストラップ |
M79500-0003 | ブラウンレザーストラップ |
M79500-0001 | スティールブレスレット |

ブラックベイ ブロンズ
- 43ミリブロンズケース/自社製キャリバーMT5601(自動巻き)※ケースバックはブロンズカラーPVDスティール
型番 | 特徴 |
---|---|
M79250BM-0001 | エイジドレザーストラップ |

銅を使用したケースが大きな話題となったモデル。自社製キャリバーMT5601を使用。
レンジャー
- 41ミリスティールケース/キャリバー2824(自動巻き)
型番 | 特徴 |
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M79910-0001 | スティールブレスレット |
M79910-0006 | ブラウンレザーストラップ |
M79910-0002 | バンドレザーストラップ |

ロレックスの「エクスプローラー」的な存在だった「レンジャー」の復刻モデル。文字盤には盾のマークではなく、昔の薔薇マークが描かれている。
クロノ
- 42ミリスティールケース/キャリバー2892クロノグラフ(自動巻き)
型番 | 特徴 |
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M70330N-0002 | ブラック&グレイダイヤル/スティールブレスレット |
M70330N-0001 | グレイ&ブラックダイヤル/スティールブレスレット |
M70330B-0001 | オパーリン&ブルーダイヤル/スティールブレスレット |

1970年代に販売されていたref.7000番台「モンテカルロ」の復刻モデル。
アドバイザー
- 42ミリチタン&スティールケース/キャリバー2892メカニカルアラーム(自動巻き)
型番 | 特徴 |
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M79620T-0001 | シルバーダイヤル/スティールブレスレット |
M79620TN-0002 | ブラックダイヤル/ブラックアリゲーターストラップ |
M79620TN-0001 | ブラックダイヤル/スティールブレスレット |
M79620T-0003 | シルバーダイヤル/ブラックアリゲーターストラップ |
M79620TC-0001 | コニャックダイヤル/アリゲーターストラップ |
M79620TC-0003 | コニャックダイヤル/スティールブレスレット |

1950年代に生産されていたチュードル「アドバイザー」の復刻モデル。
ここまで振り返ってすぐわかるのは、「ヘリテージ」シリーズはクロノを除き、全て「M79」から始まるということ。また5ケタの数字の各モデル番号はモデル毎にキープされ、バリエーションのベゼルやダイヤル、あるいはストラップとブレスレットの違いは、末尾のアルファベットやハイフン後の4ケタの数字によって区別されるということだ。ただ、これらに分かりやすい法則性は見えない。
一方で、60年代の古い4ケタの型番の頃から「サブマリーナー」系は「79」から始まっていたが、その系統を継ぐモデルと見ることができる。また70年代のref.7000番台の復刻モデルである「クロノ」の型番も「70」から始まっている。注目のブロンズケースは「M79250BM」。他の「79230」系統のブラックベイよりケースが少し大きい43ミリである。
「クラシックライン」の型番
1950年代から70年代の美的コードを元にデザインされたクラシカルかつシンプルなシリーズ。リファレンスナンバーは「M12」から始まるシリーズである。ケースの大きさや素材、ベゼルの種類、ブレスレットか皮のストラップかなど全部で29種類の組み合わせを選ぶことができる。「YG」はイエローゴールドのこと。
スタイル
- スティールケース/キャリバー2824(自動巻き)※28ミリケースは同2671(自動巻き)
型番 | 特徴 |
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M12703-0004 | 41ミリ/スティール&YGダブルベゼル/同ブレスレット/シャンパンダイヤモンドセットダイヤル |
M12503-0001 | 38ミリ/スティール&YGダブルベゼル/同ブレスレット/シャンパンダイヤル |
M12303-0009 | 34ミリ/スティール&YGダブルベゼル/レザーストラップ/ブラックダイヤル |
M12103-0004 | 28ミリ/スティール&YGダブルベゼル/同ブレスレット/シャンパンダイヤモンドセットダイヤル |

型番 | 特徴 |
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M12700-0002 | 41ミリ/スティールベゼル/同ブレスレット/ブラックダイヤル |
M12500-0005 | 38ミリ/スティールベゼル/レザーストラップ/シルバーダイヤル |
M12500-0001 | 38ミリ/スティールベゼル/同ブレスレット/シルバーダイヤル |
M12300-0004 | 34ミリ/スティールベゼル/同ブレスレット/ブラックダイヤモンドセットダイヤル |
M12300-0008 | 34ミリ/スティールベゼル/レザーストラップ/ブラックダイヤモンドセットダイヤル |
M12100-0005 | 28ミリ/スティールベゼル/レザーストラップ/シルバーダイヤル |
M12100-0004 | 28ミリ/スティールベゼル/同ブレスレット/ブラックダイヤモンドセットダイヤル |

型番 | 特徴 |
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M12710-0013 | 41ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/同ブレスレット/ブルーダイヤル |
M12710-0021 | 41ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/レザーストラップ/シルバーダイヤル |
M12510-0013 | 38ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/同ブレスレット/ブルーダイヤル |
M12510-0015 | 38ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/同ブレスレット/バーガンディダイヤル |
M12510-0026 | 38ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/レザーストラップ/ブラックダイヤモンドセットダイヤル |
M12510-0027 | 38ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/レザーストラップ/ブルーダイヤル |
M12310-0005 | 34ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/同ブレスレット/シルバーダイヤル |
M12310-0026 | 34ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/レザーストラップ/シルバーダイヤル |
M12110-0001 | 28ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/同ブレスレット/シルバーダイヤル |
M12110-0025 | 28ミリ/スティール製フルーテッドベゼル/レザーストラップ/ブラックダイヤモンドセットダイヤル |

型番 | 特徴 |
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M12713-0019 | 41ミリ/YGフルーテッドベゼル/レザーストラップ/ブラックダイヤル |
M12713-0001 | 41ミリ/YGフルーテッドベゼル/同ブレスレット/シャンパンダイヤル |
M12513-0009 | 38ミリ/YGフルーテッドベゼル/同ブレスレット/シルバーダイヤモンドセットダイヤル |
M12513-0020 | 38ミリ/YGフルーテッドベゼル/レザーストラップ/シャンパンダイヤモンドセットダイヤル |
M12313-0005 | 34ミリ/YGフルーテッドベゼル/同ブレスレット/ブラックダイヤル |
M12313-0017 | 34ミリ/YGフルーテッドベゼル/レザーストラップ/シャンパンダイヤル |
M12113-0017 | 28ミリ/YGフルーテッドベゼル/同ブレスレット/ホワイトMOPダイヤモンドセットダイヤル |
M12113-0019 | 28ミリ/YGフルーテッドベゼル/レザーストラップ/シャンパンダイヤル |

ベゼルの素材や造形の違いによってリファレンスナンバーの方向性を分けることができた。5ケタのモデルナンバー3ケタ目の数字の違いが、ケースの大きさに連動している(だからといってヘリテージシリーズには当てはまらない)。
またハイフン後の4ケタの数字もモデル毎のダイヤルや素材の割り当て方がバラバラであり、単なるチュードル内部の順番が数字化されたとしか思えない構成である。とはいえ、クラシックラインのモデルナンバーから次のことは判明した。
5ケタのモデルナンバーの4、5ケタ目が……
- 00:スティールベゼル
- 03:スティール&YGダブルベゼル
- 10:スティール製フルーテッドベゼル
- 13:YGフルーテッドベゼル
少なくとも、クラシックラインの中でのことなので、お間違いなきよう。
その他のシリーズの型番
ぺラゴス
- 42ミリチタン&スティールケース+チタンブレスレット/自社製キャリバーMT5612(自動巻き)
型番 | 特徴 |
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M25600TB-0001 | セラミックマットブルーディスク |
M25600TN-0001 | セラミックマットブラックディスク |
M25610TNL-0001 | セラミックマットブラックディスク ※LHD仕様 |

本格派ダイバーズとして「サブマリーナ」からの意匠を継承するモデルが、この「ぺラゴス」だ。自社製キャリバーMT5612を搭載し、チタンケースを使用するなど現在の技術もふんだんに盛り込んでいる。LHDとはレフトハンダ―仕様。リューズの位置が通常とは逆の左側についている珍しいモデルだ。
ノースフラッグ
- 40ミリスティールケース&サファイアクリスタルオープンバック/スティール&セラミックのダブルベゼル/自社製キャリバーMT5621(自動巻き)
型番 | 特徴 |
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M91210N-0001 | スティールブレスレット |
M91210N-0002 | ブラックレザーストラップ |

1952年に英国北部グリーンランド遠征隊が着用したモデルの現代バージョン。視認性が良く、パワーリザーブ70時間の自社製クロノメータームーブメントを搭載。ケース裏はスケルトン仕様になっている。
まとめ
ここまで、チュードルのリファレンスナンバーの特徴についてまとめてきた。
現行各モデルのリファレンスナンバー、特に5ケタの数字からなるモデルナンバーは ヘリテージシリーズについては各モデル毎に固定されており、「ブラックベイ」なら「79230」、「レンジャー」なら「79910」といった形で覚えてしまったほうが早いかもしれない。
一方で女性にも人気の「M12」で始まる「スタイル」の型番は、素材や大きさによって変化していた。ただし、モデル横断的に分かりやすい型番の法則は、「M」で始まるということ以外は見えなかった。逆に「M」で始まる型番はチュードルと覚えておけば、海外での買い物には便利かもしれない。
販売していない日本にも一定のファンが存在し、最近は注目モデルが多いチュードル。日本以外のどの国でも購入できるブランドなので、正規販売を望む声は今後も増えてきそうだ。
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