ドルチェ＆ガッバーナ、略してドルガバは、セクシーさが代名詞として知られるファッションブランドです。そのセクシーさは隠微ではなく、あけっぴろげで大胆。1980年代以降の音楽シーンにおけるビジュアル化とドルガバの関係は深く、マドンナのようなアーティストの大胆なスタイルを日常に取り入れるようなデザインが特徴です。
舞台衣装のような華やかさを持ちながらも、基本の形状はスタンダードで、これがドルガバの人気を支える理由の一つです。腕時計のデザインもシンプルでありながら洗練されており、かつてのD&Gラインには奇抜なものも見られました。
今回は、ドルガバの歴史や特徴を振り返りつつ、腕時計の相場を解説します。なお、ディフュージョンラインであるD&Gは2012年に廃止されましたが、ブランドロゴとしては現在も使われることがあります。そのため、ここでは2つを区別しません。
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ドルガバの歴史
ドルガバは、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナによって1985年に設立されました。世界的に注目されるきっかけとなったのは、マドンナへの衣装提供です。その歴史を簡単に振り返ってみましょう。
2人が出会ったのは、ドメニコ・ドルチェがステファノ・ガッバーナの勤務するデザイン事務所を訪れたときです。1982年には共同でデザインコンサルタント事務所を設立し、1985年に初のコレクションをミラノで発表しました。当初は時間を要しましたが、徐々に評判が高まっていきました。
「ドルチェ＆ガッバーナ」というブランド名は、2人の名前をシンプルにつないだもの。その新鮮なブランド名とゲイ・カップルであるという背景が相まって、メディアでの注目を集めるきっかけとなりました。
マドンナとの関係がもたらした飛躍
1990年、カンヌ映画祭でマドンナがドルガバのジャケットとコルセットを着用したことで、ブランドの名声が一気に高まりました。その後、1993年と2001年のワールドツアーで衣装を担当し、2010年にはキャンペーンモデルも務めています。
さまざまな業界とのコラボレーション
ドルガバは、サッカーイタリア代表やACミランのスーツデザイン、シトロエンやモトローラとのコラボレーションなど、多彩な活動を展開しています。また、「D&G Music」などユニークな取り組みも行っており、ブランドの多面的な魅力を示しています。
ドルガバの特徴
ドルガバのデザインは、ストーリー性のあるコンセプトに基づいています。ドメニコ・ドルチェが「映画を作るようにしてデザインする」と語るように、衣装には物語性が込められています。
また、ドルチェの出身地であるシチリアの歴史や文化が背景にあり、これがデザインに正統性と独自性を与えています。このストーリー性とビジュアルの魅力が、ブランドをメディア映えする存在へと押し上げています。
2000年代を代表するブランド
「アルマーニが80年代、プラダが90年代を象徴するように、ドルガバは2000年代を象徴するブランド」と評価されることもあります。特に20世紀末から21世紀初頭にかけての勢いは圧倒的でした。
ドルガバの腕時計の相場
ウェブ上でドルガバ腕時計の買取相場を調べると、情報が限られていることがわかります。ブランド自体が旬を過ぎたという声もありますが、ヤフオクやメルカリでは一定の取引があります。
ここでは、個別モデルやラインを区別せず、メンズとレディースに分けて相場感をお伝えします。なお、ジュエリーラインに該当する貴石付きモデルは除外します。以下のデータは2019年5月30日時点のものです。
ヤフオクの落札価格
2018年5月から2019年4月の1年間の取引を参照する。状態に応じた落札価格の相場は次のようになっている。
メンズ（ユニセックス含む）
- ・新品・未使用…14,800〜22,000円
- ・美品…8,000〜14,000円
- ・使用感あり／型が古い（程度に応じて）…3,000〜9,000円
- ・難あり（電池切れ動作未確認など）…〜2,000円
レディース
- ・美品…6,000〜8,000円
- ・使用感あり／型が古い（程度に応じて）…2,000〜6,000円
- ・難あり（電池切れ動作未確認など）…〜1,000円
メルカリの売却価格
メルカリでは動作未確認でもジャンクとはされない場合が多いので、難ありの項目は除く。
メンズ（ユニセックス含む）
- ・未使用…14,800〜22,000円
- ・美品…4,000〜12,000円
- ・使用感あり／型が古い（程度に応じて）…900〜5,500円
レディース
- ・未使用…3,500〜9,000円
- ・美品…1,700〜5,000円
- ・使用感あり／型が古い（程度に応じて）…800〜3,000円
まとめ
上の結果からすると、中古市場ではレディースよりもメンズのほうが相場が高い。また、取引数も多い。メンズものはゴツさが程よく、デザインもスタンダードであるため、長く人気を保っているのかもしれない。あるいは、メンズとレディースでは流行のポイントや速度が違うのだろう。
レディースものの出品は分が悪いが、かつてのイケイケなドルガバを連想させないオーセンティックなデザインのものについては、比較的高値で取引されている例もある。
買取業者については情報が少ないため取り上げなかったが、複数の業者に査定を依頼してみることをおすすめする。一括査定を利用すれば手間が省けるだろう。
