イタリア発祥の有名ファッションブランド、グッチ。創業は1921年だが、グッチブランドの高級時計を販売するようになったのは、70年代に入ってからのこと。
しかし、イタリアのブランドながら、時計だけは『SWISS MADE』 。スイスに製造拠点を置くことで時計としての品質を担保したということだ。その分デザインは既成概念にはまらない自由さを持つ。
ちなみに時計の文字盤の下部などに『SWISS MADE』の文字が入っていなければ、そのグッチの腕時計は偽物だ。世界で最も偽物がまかり通るブランドとしても知られるグッチだが、この『SWISS MADE』の文字があるかないかも、真贋を見極めるための重要なポイントとなっているという。
さて、ここではそのグッチの腕時計の型番とモデルの関係性について見ていこう。
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グッチの腕時計の型番の見方
グッチの公式サイト(日本版)によると、現行グッチの腕時計はメンズラインが49アイテム、ウィメンズラインが64アイテムとなっている。製品ラインを大別すると、以下のようになる。右側のアルファベットと数字の並びが、各製品ラインから1アイテムをピックアップし、その型番=リファレンスナンバーを記した。
メンズライン
- Gタイムレス:YA126469
- グッチダイヴ:YA136315
- Gクロノ:YA101204
- ル マルシェ デ メルヴェイユ:YA1264007
- グッチシンク:YA137104
ウィメンズライン
- ディアマンティッシマ:YA141512
- Gタイムレス:YA126469
- Gグッチ:YA125513
- グッチダイブ:-
- ル マルシェ デ メルヴェイユ:YA126495
- インターロッキングG:YA133308
- グッチシンク:YA137304
- グッチッシマ:YA134509
- ニューホースビット:YA139508
こうして一覧するとわかるように、グッチの型番の特徴として、必ずアルファベット「YA」で始まる。そして製品の種類は、アルファベットの後の2ケタ~3ケタの数字の並びで判断できそうだ。
グッチの腕時計の型番はどこにあるか
グッチの腕時計のリファレンスナンバーは他のブランド同様、保証書やケースだけでなく、各製品のケースの裏に刻印されている。
ただし、全ての番号に打たれているわけではなく、上記に記したアルファベットと数字の並びのうち、アルファベットの後の4ケタの数字が、いわゆるモデルナンバー的に刻印されている。その刻印の仕方にちょっとした工夫がある。
グッチの腕時計の型番とモデルナンバー
※左が型番で右がモデルナンバーの表記
- ・YA126469:126.4
- ・YA141512:141.5
- ・YA126469:126.4
このように、3ケタ目と4ケタ目の間に必ずドットが刻まれているのが、グッチの製品に刻印してあるモデルナンバーの特徴だ。ということは、やはりアルファベットの4文字が、型番から当該モデルを判別するために必要なコードということになる。
ちなみに、このモデルナンバーに刻まれたドットも、恐らくは偽物と区別するための工夫なのだろう。冒頭で述べた『SWISS MADE』の刻印とともに、特に中古のグッチを購入する際には確認しておきたいポイントだ。ただし、過去のモデルも全てそうなっているかどうかは、現状では未確認。全て現行モデルでの確認事項ということでご了承いただきたい。
グッチの各モデルの型番一覧
ではここからは、各モデルの型番の特徴について分析する。
Gタイムレス
Gタイムレスの型番
- ①YA126440:38ミリ/スティール+スティール
- ②YA126442:38ミリ/スティール+スティール
- ③YA126524:27ミリ/スティール+スティール
- ④YA1262--:44ミリ/スティール+スティール<クロノグラフ>
- ⑤YA126572:27ミリ/スティール+スティール
- ⑥YA126556:27ミリ/PVD加工YG+スティール
- ⑦YA126554:27ミリ/PVD加工YG+レザー
- ⑧YA126466:ーー/PVD加工YG+アリゲーター
- ⑨YA126465:ーー/PVD加工YG+アリゲーター
- ⑩YA126469:ーー/スティール+アリゲーター
- ⑪YA126470:ーー/PVD加工YG+アリゲーター<透明ケースバック>
- ⑫YA126578:27ミリ/スティール+レザー
- ⑬YA1264029:38ミリ/スティール+スティール
- ⑭YA1264018:38ミリ/スティール+ラバー<グッチ ゴースト>
- ⑮YA1264019:38ミリ/スティール+ラバー<グッチ ゴースト>
- ⑯YA1264017:38ミリ/スティール+ラバー<グッチ ゴースト>
- ⑰YA1264031:38ミリ/スティール+レザー
スペックの並びはケース直径/ケース素材+ブレスレット(ストラップ)素材。ムーブメントは全てクオーツ。⑧~⑪に直径表記がないが、全て「ミディアムウォッチ」と銘打ってることから、38ミリ前後と思われる。④は型番表記がなかったが冒頭より6ケタは、製品写真のモデルナンバーより推測した。なぜ型番表記がなかったのかは不明。⑬~⑯はグッチのクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレがグッチ・ゴーストのデザイナー、トラブル・アンドリューとコラボレートしてデザインされたもの。
男性向け、女性向けの両方で、スタンダードでシンプルなデザインを提供するグッチのGタイムレス。型番は「YA1264」と「YA1265」が基本となる。「YA1265」は女性向けスモールサイズモデルで、「YA1264」は男女どちらにも可能なモデルという見方もできるだろう。「YA1262」は例外として残るのか、あるいはモデルチェンジのため在庫限りという可能性もあるだろう。また、新しいモデルは冒頭6ケタの後の末尾が2ケタから3ケタになっており、その最初は全て0という共通性も見える。
グッチダイブ
グッチダイブの型番
- ①YA136310:40ミリ/スティール+グリーンラバー
- ②YA136309:40ミリ/スティール+レッドラバー
- ③YA136315:40ミリ/スティール+レッドラバー/レッドラバーダイヤル
- ④YA136318:40ミリ/スティール+ブラックラバー/ブラックラバーダイヤル
- ⑤YA136216:45ミリ/PVD+ナイロン/ナイロンダイヤル
- ⑥YA136215:45ミリ/PVD+ナイロン/ナイロンダイヤル
- ⑦YA136214:45ミリ/PVD+ナイロン/ナイロンダイヤル
- ⑧YA1364--:32ミリ/スティール+スティール
- ⑨YA136402:32ミリ/スティール+スティール
- ⑩YA136205:45ミリ/PVD+PVD<オープンデイト>
- ⑪YA136204:45ミリ/スティール&PVD+ラバー<オープンデイト>
全てムーブメントはクオーツ。①②はラバーストラップの色違い。③④は文字盤もストラップと同じラバー仕様で虎のイラスト入り。⑤⑥⑦はナイロンストラップに文字盤もナイロンで、さらにハチの刺繍イラスト入りという野心的デザイン。⑧⑨は文字盤の色違いでオンライン限定モデル。⑧と⑨は女性向けだが、他は男性向けのグッチダイブ。本格派ダイバーズは⑩と⑪のみで、他はダイバーズというより陸でデザインを楽しむイメージ。「YA1362」と「YA1363」がこのシリーズのリファレンスナンバーということになる。
ル マルシェ デ メルヴェイユ
ル マルシェ デ メルヴェイユの型番
- ①YA1264007:38ミリ/スティール/プリント入りレザーストラップ
- ②YA126495:38ミリ/スティール/刺繍入りナイロンストラップ
- ③YA126493:38ミリ/スティール/刺繍入りナイロンストラップ
- ④YA126487:38ミリ/YG+PVDコーティング/刺繍入りナイロンストラップ
- ⑤YA126485:38ミリ/YG+PVDコーティング/レザーカフストラップ
- ⑥YA126455:38ミリ/YG+PVDコーティング/レザーカフストラップ
- ⑦YA126483:38ミリ/YG+PVDコーティング/レザーストレートストラップ
グッチの美学とクリエイティビティが際立った同名の宝飾品のコレクションと、同じラインに連なるタイムピース。刺繍入り文字盤やカフストラップなどのデザインを楽しむシリーズと言えるだろう。型番は全て「YA1264」できれいに統一された。①のみ末尾が3ケタの新しい型番。
ディアマンティッシマ
ディアマンティッシマの型番
- ①YA141512:22ミリ/スティール+スティール/4ダイヤ付きパールダイヤル
- ②YA141511:22ミリ/スティール(ダイヤ38個)+スティール/パールダイヤル
- ③YA141507:27ミリ/スティール(ダイヤ43個)+レザー/パールダイヤル
- ④YA141504:27ミリ/スティール+スティール/パールダイヤル
- ⑤YA141403:37ミリ/スティール+レザー/ブラックダイヤル
- ⑥YA141401:32ミリ/PG&PVD+レザー/ディアマンテ ダイアル
- ⑦YA141501:27ミリ/PG&PVD+レザー/ディアマンテ ダイアル
「最高のディアマンテ」を意味する「ディアマンティッシマ」。小さなダイヤモンドシェイプが交差して連なる「ディアマンテ」のパターンは、グッチの最古のシグネチャーでもあるという。時計というより、もはやアクセサリーのような、グッチらしいシリーズ。基本は「YA1415」で、直径が30ミリを超えると「YA1414」に。
その他のシリーズ
Gクロノの型番
- ①YA101204:44ミリ/スティール+スティール
- ②YA101203:44ミリ/イエローPVDスティール+スティール
- ③YA101202:44ミリ/ブラウンPVDスティール+スティール
- ④YA101331:-/ブラックPVDスティール+スティール
①のムーブメントはロンダのクオーツを使用。②③はクオーツクロノグラフ、④がクオーツと記載されている。4モデルの価格は全て同じで、基本的にケースとブレスレットは同じ素材でできている。型番は「YA1012」。④のみサイズが未掲載で型番も微妙に異なる。
グッチシンクの型番
- ①YA137104:46ミリ/スティール&ナイロン/ラバー
- ②YA137102:46ミリ/スティール&ナイロン/ラバー
- ③YA137304:36ミリ/スティール&ナイロン/ラバー
- ④YA137302:36ミリ/スティール&ナイロン/ラバー
- ⑤YA137301:36ミリ/スティール&ナイロン/ラバー
グッチの中では異端を放つ未来的デザインのシリーズ。ケースの大きさによって型番が分かれた。
インターロッキングGの型番
- ①YA133308:37ミリ/スティール/ラバー
- ②YA133307:37ミリ/スティール/ラバー
ベゼルの上下に「G」がレイアウトされた、グッチ好きにはたまらないモデル。現状この2モデルだが、過去には「YA1335」や「YA1332」といった型番のモデルが多数存在した。
グッチッシマとホースビットの型番
- ①YA134509:27ミリ/PG&PVD/PG
- ②YA139508:28ミリ/PG&PVD/PG
- ③YA139507:28ミリ/PG&PVD/PG
- ④YA139504:28ミリ/PG&PVD(ダイヤモンド)/PG
①が時計の「グッチッシマ」唯一のモデル。②~④は馬具をモチーフにデザインされた「ホースビット」。いずれもケースは小さく、やはりブレスレットのようにデザインされたシリーズ。型番もわかりやすい。
まとめ
時計という機械としてのこだわりよりも、アクセサリーとしてのファッション性、デザイン性にこだわりが感じられるグッチの腕時計。機構的に興味深いメカニカルなアイテムはほとんどなく、メカ好きには物足りないブランドかもしれない。一方でデザインや楽しさ重視であれば、「YA」で始まる型番の時計を探してみるのも悪くない。文字盤にも刺繍の入った「YA1264」の型番シリーズなどはいかがだろうか。
なお冒頭でも述べたが、グッチの時計は皮製品などと並んで偽モノも数多いので、中古品やマーケットプレイスを利用の際には、型番のチェックを忘れずに。
