どのモデルも人気があり、飛ぶように売れて見えるロレックスだが、実際には売れ行きが芳しくないものも存在している。今回はどのモデルがどういった理由で人気が出ていないのか、その辺りを調査してみたので見ていこう。
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不人気の原因とは
人気モデルには人気が出るに至った明確な理由があり、一方不人気なロレックスにも、その理由がある。かのロレックスが制作しているのだからどのモデルも品質の面では問題ないはずだが、それではその両者を隔てている差とは一体何なのだろうか。その理由をそれぞれ説明していこう。
価格が高すぎる
売れ残る理由として一番多いものは、価格の高さである。ほとんどの場合、ロレックスの販売価格は100万円を超えるのがあたり前となっているが、200万円を超えるものについてはロレックスファンでもそうそう簡単には手を出してくれない。とはいっても、ロレックスならいくら出しても買うという層もいるので、まったく需要がないというわけではなく、需要と供給のバランスを読み間違えた結果売れ残っているのだといえる。
サイズが大きすぎる
大きすぎるサイズのものは、着ける人間の背丈や体格によって大きく印象が左右され、特に小柄な女性からは敬遠される傾向にあるため、買い手を選ぶことになる。しかし、洋服やスニーカーののサイズも大きすぎるものは売れ残る傾向にあるため、こちらについてはロレックス特有の問題ではないともいえる。
日常で使いにくい機能を搭載している
モデルによってはヨットマンを購入対象としているモデルなどもあり、こちらにはヨットレース専用のカウントダウン機能などが搭載されたりしていたりする。そのような機能はヨットマンには便利ではあるが、多くのユーザーにとっては日常で使うことのない機能でもあるため、購入する人の数は絞られてしまう。
デザインが控えめになっている
ロレックスを身につけている人の洋服は高級であることが多く、時計のデザインにおいても人目を引くものが好まれやすい。しかし、エクスプローラーのようなモデルは探検家のために作られ、機能性と耐久性に優れているが、装飾性を抑えたデザインのため、真っ先に買われていく商品にはなりにくい面もある。
初心者向けではない
ロレックスにははじめの一本として購入するのに向いているものもあれば、複数本持っている愛好家を対象にしているモデルもある。たとえば通常モデルのロレックスとは大きく文字盤のデザインが異なっていたり、過剰にカラフルなデザインのものなどは「ロレックスらしさ」が少なく、人を選ぶものとなっている。
不人気モデルの市場価値
中古市場では当然人気モデルほど価値が高く取引され、ものによっては定価の倍以上の値段がついたりもする。一方で、不人気のものについては30万〜70万ほどの定価以下の値段で取引されていることが多い。それでは不人気モデルは今後、市場価値が高まることはないのだろうか。結論から言うと、不人気モデルでもふとしたきっかけで市場価値が急上昇することはある。それではその理由をいくつか説明していこう。
現在入手困難になっている
すでに製造中止になっていて入手が困難となってしまったモデルは、たとえそのモデルが当時不人気だったものでも、一部の愛好家が高く買い取ってくれる可能性は高い。また意図的に生産本数を絞っているモデルもあり、こちらも年月の経過とともに値段が上がることがある。特に新品保護シールが貼られている未使用状態のものに関しては、非常に高い値段がつく。
ドラマや映画作品に登場した
巨額の予算が使われているハリウッド映画には高級時計も多く登場し、特に主人公がつけているものに関しては人気が上がる。たとえそれが今まで不遇の扱いを受けてきた不人気モデルであったとしても、やはり例外ではない。アクション映画においては、海や山を舞台にした特殊な環境下での使用に適しているモデルにも脚光が当たる可能性があるため、エクスプローラーやヨットマンのようなモデルが急上昇することもままある。
ロレックス愛好家が好んでいる
モデルや映画俳優、皇族や大統領のファッションは多くの場合注目され、身につけている時計に関しても例外ではない。そしてそのような有名人の中には、ロレックスをこよなく愛してコレクションしているという者も少なくない。もし映画の発表会やパーティーの場で身につけていれば、そのモデルの人気に火がつく可能性は高い。
投資目的に保存している
非常に高価なロレックスはショップで真っ先に売れていくとは言い難いものの、投資目的として購入し、未使用のまま保存している人も多い。発売から数十年も経った未使用のモデルは、発売当時よりも希少価値があり高い値段で取引されることは容易に想像できる。しかし1950〜80年代のモデルはともかく、現代のモデルは多くの人が投資を目的として保存しているため、高い価値がつくのは非常に高価なものや生産数が少ないものに限られるだろうと、一般的に考えられている。
不人気モデルランキング紹介
それでは本稿の本題となる、ロレックスの不人気モデルを順番に紹介していこう。しかし大前提として、不人気モデルといっても、あくまでロレックスの中では不人気の部類に入っているというだけである。お店に入った瞬間から飛ぶように売れ、姿を見るのも難しいモデルがある一方で、ショーケースに残りがちではあるものの、大抵のモデルは人気がなくとも十分に売れている。つまりどのロレックスにも需要自体はあるということは憶えておこう。
5位 チェリーニ
数多く存在するロレックスのモデルの中にあって、チェリーニはかなり特殊な事情下で生まれたモデルだといえるだろう。時計は大きく分けて実用性を重視したスポーツモデルと、ビジネスやパーティの場に適したドレスモデルの2種類に大別されるが、元来ロレックスは実用性のある時計であることを目的として開発されているため、そのほとんどがスポーツモデルの方に分類されている。
ロレックスは言わずと知れた高級時計だが、ドレスモデルという分野に関しては他メーカーの方が目立っていることもあり、どうしてもドレスモデルのロレックスの人気は劣っているのが現状である。そしてこのチェリーニは、ロレックスの中でもほとんど唯一ドレスコードを意識して生産されたモデルといっていい存在なのである。
ロレックスファンにあまり求められていないドレスモデルであり、なおかつ革ベルトの装着を前提としたケース、文字盤、上品な色調など高級感あふれる仕様のため、定価が高くロレックスの中では人気がないのも無理はない。そのため定価こそ高額ではあるが、中古市場ではそれよりも安く買えることが多い。
しかし華やかなパーティや、冠婚葬祭のような場において、 チェリーニほどふさわしいロレックスのモデルは存在しない。高級時計であるためスポーツモデルでもある程度社交的な場でも通用するロレックスだが、真にドレスコードを意識したロレックス愛好家なら、チェリーニを身に付けるべきであろう。
4位 エアキング
エアキングは1940年に製造されもっとも古いペットネームを持っていて、当時航空業界と密接な関係を持っていた経緯から生まれたモデルである。飛行機のエンジン部分にデザインが似ていることから、ニックネームとして名付けられたのが始まりであり、エアキングからロレックスに正式にペットネームが採用されたという経緯がある。
そうした歴史を踏まえると人気モデルであることが当たり前に思えるエアキングだが、実際には人気ですぐにお店から在庫がなくなるステンレス製のスポーツモデルにもかかわらず、売り切れずにショーケースに並んでいることが多い。中古市場においてもその価格は比較的落ち着いている。
考えられる不人気の理由として、文字盤のデザインが独特な点が挙げられる。王冠やロゴマーク、時計の針がカラフルなものが多く、ロレックスらしくないという意見が多く敬遠してしまう人も多いほか、多くのバリエーションが存在するため人気が分散してしまっているのだ。
そのほか耐磁時計であるにも関わらず一般に知れ渡っていなかったり、近年のモデルは流行に乗り大型化していて若年層からは好評だが、古くからのロレックスファンからは反発を買っているという点も挙げられる。しかし30万円前後と安い値段で購入できるものもあり、今後市場での高騰も予想されるので、ロレックスの購入を考えるのなら一考の余地のある存在なのは間違いない。
3位 ミルガウス
安定して高値がつくロレックス市場において、ミルガウスは独特な立ち位置にある。耐磁時計を持ち、科学者を主な対象として販売されたミルガウスであるが、購入対象がニッチすぎるため、一般市場においては発売当初からパッとしない人気であった。
さらには、現在では他ブランドからより高い耐磁性能を持つ高級時計が販売されていて、ロレックスにおいても多くのモデルが耐磁機能を持つようになっている。このことから耐磁に特化したミルガウスはひとつの役目を終えてしまったといっていいだろう。
一般的には人気がないため市場での動きは活発ではないが、一方でミルガウスは不人気であったが故に生産数が極端に少なく、希少性が高いという側面も持っている。このことからロレックス愛好家の中でも特にディープなファンが高価であっても購入するため、独特な市場が形成されているという訳だ。
特に生産中止になったモデルの中古市場での相場は1.5倍にも跳ね上がっていたりするので、その市場動向には目を光らせておけば得をすることもあるかもしれない。
2位 エクスプローラーⅡ
探検家のために開発され、実用性を重視したエクスプローラーⅡのデザイン面は、他のモデルとくらべて重要視されているわけではない。実際見栄えの良い高級時計を買おうとする際に、わざわざエクスプローラーⅡを好んで選ぶ人間は非常に少ない。
パーティーのような華やかな場での着用に向いているとはお世辞にもいえず、登山帽とザックと合わせるのに適している男らしい雰囲気を出しているが、一方で強く地面に叩き落としてしまっても無事な耐久性の良さもあり、日常生活での着用に適している面もある。
またデザインに装飾性が低くシンプルな分、自分でカスタマイズすることによって他の誰も持っていない、自分だけのオリジナルデザインに仕上げやすいのもエクスプローラーⅡの隠れた魅力である。
他にも海外の時間を計るGMT機能を搭載しているので、海を超えた取引や海外旅行をすることの多い人間にとってとても便利であり、またロレックスの最上位モデルであるデイデイトと同じ精度を持っているなど、ロレックスの中でもエクスプローラーⅡだけが持つ高い実用性を好む人は多く、二本目以降に購入するロレックスとしての需要を持っている。
1位 ヨットマスターⅡ
エクスプローラーⅡ同様、ヨットマスターⅡも不人気モデルの常連として名を連ねている。ヨットレース、ヨットクルージングを代表とするマリンスポーツ愛好者のために作られたヨットマスターモデルだが、日常で使う際には不便なことも多い。
たとえばその操作方法は非常に複雑であり、操作手順を間違うことで最悪故障するリスクも抱えている。そのためマリンスポーツに関する知識をまったく持っていない人間には、まちがってもおすすめすることはできない。
また、ヨットマスターⅡは他のロレックスと比べて非常にサイズが大きく、マリンスポーツの際に使う複雑な機能を搭載しているため、使用しない割には価格が高くなってしまうという問題点を孕んでいる。その相場は200万以上と、ロレックスとして見ても高ランクの部類に属しているため、安易に手を出すことが難しい。
一方でスポーツモデルらしからぬ華やかなデザインには定評があり、ビジネススーツからリゾートスタイルのファッションまで幅広く対応できるのが魅力である。どんな服装に合うにもかかわらず定価以上の値段で取引され得ることも少ないため、少々高くともロレックスはこの一本を持っておけば間違いない、という向きもある。
まとめ
本コラムでは不人気と言われるモデルのロレックスの商品を紹介してきた。癖の強さなどから大衆に向けて広く普及しているとはいい難いものの、かならず特定のファンのファンがついているので、不人気といっても市場において軽んじられるような存在ではないことがわかっていただけたと思う。
もしこれから新たにロレックスを購入しようと考えているのなら、不人気モデルだからといって選択肢から外すのではなく、その特性を理解した上で買えば、有意義な買い物となることだろう。




