ユーボートと聞いてまず思い浮かべるのは、第二次大戦までドイツ海軍が保有していた潜水艦の総称であろう。
一方時計ブランドの「ユーボート」(U-BOAT)は、イタリアのブランドである。その起源は第2次大戦中の1942年、イタリア海軍が精密機械技師のイルボ・フォンタナにオーダーした船員用の腕時計にあるという。結局その時計は日の目を見ることがなかったが、その60年後、イルボ・フォンタナの孫にあたるイタル・フォンタナが、それらの設計図からインスピレーションを受けて開発したのが、ユーボートの腕時計とされる。
その特徴は、なんといってもその大きさにある。同じイタリアの「パネライ」がけん引したビッグサイズ時計のブームにも乗り、多くのファンを獲得。現在では、世界的な時計ブランドの1つとして知られている。
ただ、日本にはユーボートの正式なインポーターはおらず、日本語の公式サイトもないためか、知る人ぞ知るブランドとなっている。ここでは、そのユーボートの型番の特徴とモデル名との関係について説明していく。なお、ユーボートの型番は同ブランドの公式サイトに記載のものを参照している。

U-BOAT / Bangbeni
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ユーボートの型番について
ユーボートの型番は、公式サイトで確認する限り、4ケタの数字のみで構成される。公式サイトではリファレンスナンバーという言葉は使われておらず、「code」という言葉で表されている。ただし、この数字は各製品のケース裏に刻印されており、そこには「Ref.××××」と出ているので、code=reference number、すなわち型番ということで間違いないだろう。
ユーボートの型番の例
ユーボートの型番は、以下のように表示されている。
- ・CHIMERA 46 DAY DATE SS BLACK:ref.7534
- ・CLASSICO TITANIUM CHRONO U-72:ref.6549/T
- ・U-42 AUTOMATIC:ref.6157
- ・Black Swan:ref.8000
上記でピックアップしたように、4ケタの数字は6000番台や7000番台、そして8000番台の3つに大別される。なお、「6549/T」の「T」とは、ケースがチタン製であることを意味していると思われる。
記載の型番はストラップの型番とは別になっている
公式サイトには、製品によってはストラップのバリエーションが表示されており、バックルの形状なども含めて、様々な素材や色のバリエーションから選べるように表示してある。それらの型番(=code)は4000番台である。ということは、ユーボートの型番は基本的にケース本体部分に振られたナンバーであると思われる。
ユーボートの各モデルの型番
ここからは、ユーボートの各モデルの型番を、その時計の特徴とともに紹介していこう。
シリーズ「CHIMERA(キメラ)」の型番
- ・CHIMERA 43MM SS MOP:ref.8099
- ・CHIMERA 46 DAY DATE SS BLACK:ref.7534
- ・CHIMERA 46 DAY DATE/A SS:ref.8101
- ・CHIMERA 46 BRONZE SAPPHIRE DIAL:ref.8083
- ・CHIMERA 46 CARBON/TITANIUM:ref.8057
- ・CHIMERA 46 NET TUNGSTEN:ref.8065
- ・CHIMERA 46 SIDEVIEW:ref.8013
- ・CHIMERA 43 B and B MOTHER OF PEARL:ref.8069
- ・CHIMERA 46 DAY DATE BRONZE:ref.7538
- ・CHIMERA 46 NET B & B:ref.8098
- ・CHIMERA 43MM B and B CHRONO:ref.8015
- ・CHIMERA 46 B & B CHRONO:ref.7475
- ・CHIMERA 46 NET BRONZE:ref.8096
- ・CHIMERA 43 BRONZE CHRONO:ref.8014
- ・CHIMERA 46 BRONZE CHRONO:ref.7474
- ・CHIMERA 46 TITANIO SKELETON:ref.8086
- ・CHIMERA 48 CARBONIO GMT:ref.7177
- ・CHIMERA 46 SS SKELETON:ref.8028
「キメラ」シリーズは、ケース左側に取り付けられた巨大なリューズとリューズストッパーを特徴とするヴィンテージテイスト溢れるコレクションだ。型番を見ると7000番台と8000番台に限られ、全モデルが限定版(生産個数が予め決められている)という扱いになっている。型番8000番台と7000番台の製品に特徴等における違いは見られず、単純に製品コードが型番となっている印象だ。
またモデル名は、ケースの大きさに加え、時計の素材や特徴、機能などをそのまま表したものになっており、型番との関連性はなさそうだ。カーボン、あるいはチタンといった文字が見られるのは、巨大化したケースを少しでも軽くする試みとも考えられる。ブロンズはヴィンテージ感を演出するのに最適な素材だ。
「SIDEVIEW」と書かれたモデルは、ケース右側の一部がサファイアガラスになっており、ケースのサイドからムーブメントの動く様子をうかがえるという、分厚いケースを逆に利用した珍しいデザインの製品となっている。
シリーズ「Classico(クラシコ)」の型番
- ・CLASSICO 48 BK CER MATT CASE:ref.8107
- ・STRATOS 40 BK:ref.9002
- ・CLASSICO 45 AS 1 LW:ref.8079
- ・STRATOS 45 BK:ref.9006
- ・CLASSICO 45 TUNGSTENO MOVELOCK:ref.8070
- ・CLASSICO 50 TUNGSTENO AS 2:ref.8091
- ・CLASSICO 45 BRONZO A BR:ref.8103
- ・CLASSICO 45 BK GMT:ref.8050
- ・CLASSICO 40 IPB BLACK DIAMONDS:ref.6951
- ・CLASSICO 42 CERAMIC BLACK DIAMONDS:ref.7124
- ・CLASSICO 50 BRONZO A BR:ref.8104
- ・CLASSICO 50 TUNGSTENO CAS 2:ref.7433/A
- ・CLASSICO U-47 AS1:ref.8105
- ・CLASSICO U-47 AS2:ref.8106
- ・SOMMERSO:ref.9007
- ・CLASSICO 40 SS WHITE DIAMONDS:ref.6950
- ・CLASSICO 42 CERAMIC WHITE DIAMONDS:ref.7123
- ・CLASSICO 45 TITANIO 45 TUNGSTENO CA BK: ref.8061
- ・CLASSICO 47 1001 SS BLU:ref.8038
- ・CLASSICO 45 BE GMT:ref.8051
- ・CLASSICO TITANIUM CHRONO U‐72:ref.6549/T
- ・CLASSICO 40 BLUE DIAL/DIAMOND:ref.7077
- ・CLASSICO 48 STERLING SILVER 925:ref.7452
- ・CLASSICO 48 STERLING SILVER 925:ref.7453
- ・CLASSICO 50 BRONZO SA BR:ref.8064
- ・CLASSICO 45 TITANIUM/TUNGSTEN SKELETON:ref.8060
左側の大きなリューズとリューズストッパーの意匠はそのままに、よりシンプルでクラシカルな文字盤デザインが特徴のコレクション。直径45ミリ以上の非常に大きなサイズのケースが目立つ。また、「CLASSICO」の文字が入っていないモデルも見受けられる。
ref.9007は回転ベゼルを装備したモデル。ref.9002とref.9006は、シリーズ中比較的ケースが小さなモデルにつけられたモデル名とされている。それでも直径40ミリはそれなりに存在感のある大きさだ。ref.8105とref.8106は47ミリケースのクラシカルなニューモデル。12時が「U」と表示されている。ref.8038の「1001」の文字は、1001メートル防水機能を有していることを意味している。
シリーズ「U-42」の型番
- ・U-42 AUTOMATIC:ref.6157
- ・U-42 50 GMT:ref.8095
- ・UNICUM:ref.8088
上から53ミリ、50ミリ、53ミリという巨大なケースが特徴のシリーズ。いずれも大きなケースの欠点を補うべく、素材をチタン製にすることで適度な重量を得ている。「U-42」とは、まさに1942年にイタリア海軍から発注されたデザインをモチーフにしていることを意味している。ref.8088はref.6157にヴィンテージ感が加わった。
その他のモデルの型番
- ・Black Swan:ref.8000
上記はシリーズ「Precious」のモデルという設定だが、このシリーズには1モデルしか表示されていない。ref.8000は、18Kゴールドケースにダイヤモンドが散りばめられた、ユーボート唯一のラグジュアリーな製品だ。さらに公式サイトには「Capsule」というシリーズも表示されているが、モデルの表示は全て消えていることから、現行モデルのラインナップからは外されることになったと思われる。
ユーボートの型番は要チェック
前章で、公式サイトに掲載されている現行モデルの型番は全て紹介した。見ていただければわかるように、型番とモデル名に関連性はなく、まさに開発コードのような4ケタの数字とモデル名をつなげて覚えておく以外に、製品を認識する術はない。そのモデル名も、一見アルファベットが羅列されているだけのものもあるので、頼りになるのはやはり型番=リファレンスナンバーである。気に入ったモデル、気になる製品がある場合には、型番はしっかりチェックしておこう。
ただし、ケースの大きさから考えると一度装着したうえでの購入をおすすめしたいが、日本では実際に触れることのできる場所も多くはなさそうなのが残念である。